2項詐欺事件に関する裁判例・判例の紹介

2項詐欺事件に関する裁判例・判例の紹介

2項詐欺事件に関する裁判例・判例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

静岡県東部の祭りで露店出店権を不正取得したとして、詐欺罪に問われた指定暴力団員の男と露天商の女の判決公判で、静岡地裁沼津支部は、男に「懲役2年、執行猶予5年」、女に「懲役2年、執行猶予4年」を言い渡した。
判決によると、両被告は2022年6~11月、富士宮市の三つの祭りで共謀し、暴力団関係者が実質的に経営する露店であることを隠して主催団体に申し込み、出店権利をだまし取った。
(静岡新聞「2人に有罪判決 露店出店権不正取得」(2023年4月28日)を引用・参照。)

~2項詐欺罪について~

(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法246条(詐欺罪)は、人を欺き錯誤に陥れ、被害者からその意思に基づいて財物や利益を交付させる行為を罰する趣旨の規定です。
2項詐欺罪(刑法246条2項)とは、詐欺行為によって財産上の利益を得ることによって成立する罪であり、近年では「人を欺いて」(欺罔行為とも呼ばれます)という要件の判断が極めて重要になっていると言われています。
判例が定義するところによると、「人を欺」く行為とは、交付の基礎となる重要な事項を偽る行為をいうと解されています。
このような行為によって、人を錯誤に陥らせ財産上の利益を得ることによって2項詐欺罪は成立することになります。
本事案では、報道内容のみからは必ずしも明らかではないものの、主催団体とって出店希望者が暴力団関係者であるか否かは露店を出店する権利を与えるか否かの判断に当たって重要な事項と判断されたと考えられます。
したがって、そのような「人を欺」く行為によって、出店権という「財産上……の利益」を得ることは2項詐欺罪に該当することになるでしょう。

~詐欺事件における裁判実務~

もっとも、注意すべきなのは暴力団員であること等の身分を隠していたからといって常に詐欺罪に当たるわけではないということです。
この点に関しては、平成26年3月28日(刑集68・3・582、刑集68・3・646)という同日に下された2つの判例が極めて重要です。
後者の判例では被告人に有罪判決(懲役1年6月、執行猶予3年)が言い渡されたのに対し、前者の判例では無罪判決が言い渡されています。
両者は同じく暴力団員がその身分を隠してゴルフ場を利用したというケースであるにも関わらず、何故結論を異にしたのでしょうか。
前者のケースでは、当該ゴルフ場では必ずしも暴力団員排除のための措置が徹底されていたとは言い難く、また周辺のゴルフ場でも同様であったことから、暴力団員であることを秘してゴルフ場を利用したことは一般的に見てそもそも「偽る行為」に該当しないとされ、被告人の行為は詐欺罪を構成しないと判断されています。
このように詐欺罪の成否を検討するにあたっては「人を欺」く行為といえるかどうかという要件の該当性において、(重要事項性のみならず)極めて専門的な判断が必要となる場合も存在します。
したがって、詐欺事件においても刑事事件に関する専門性を有した弁護士のアドバイスが不可欠なのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
詐欺事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにご連絡ください。

 

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