子供が逮捕されてしまったら

・はじめに

子供が逮捕されてしまった場合,学校や仕事に行けないなどの重大な弊害が生じます。また,法律上,20歳未満の者を少年と扱い,成人の刑事事件の場合と異なるところがあります。少年事件の場合は,起訴ではなく,家庭裁判所へ送られることになります。

 

・逮捕と補導

逮捕は,補導とは大きく異なります。補導は少年の身柄を拘束せず,その子供の健全な育成のための指導・助言のため行われます。しかし,逮捕は逃亡及び罪証隠滅の防止のために身柄を拘束するもので,成人と同じです(少年法40条)。

 

・勾留

少年法では,検察官は,少年の被疑事件においては,勾留の要件が満たされるだけではなく,やむを得ない場合でなければ,裁判官に対して勾留を請求することはできないとされています(少年法43条3項)。

しかしながら,実際は少年であっても成人と同様に勾留請求され,警察署に勾留され,しばしば勾留延長されています。少年法では,検察官は,勾留に代わる観護措置(少年法43条1項・17条1項)といって,警察署ではなく鑑別所に少年の身柄を留め置くこともできるとされていますが,この制度はほとんど使われていません。結局少年は成人と同様に警察の留置施設で長期間勾留されることになります。

長期間の勾留は,少年の精神にも悪影響を与えかねないことから,法律上,少年については原則勾留しないこととしたり,勾留に代わる観護措置をできるようになっていますが,実際はこの趣旨に反する運用となっています。弁護士としては勾留の取り消しを求めたり勾留場所を少年鑑別所とするよう異議申し立てを行っていきます。

 

・逮捕・勾留が続く場合

逮捕・勾留されていると,その間は仕事や学校に行くことはできなくなります。勤務先や学校に何ら連絡もしていないと無断欠勤となり,解雇や停学・退学となるおそれがでてきます。

 

・弁護士接見の重要性

逮捕・勾留により警察に留置されたままでの生活は成人でも非常に堪えるものです。

まして,少年にとってはより大きな苦痛となり得ます。そのような状況下で警察や検察の言うがままに取調べに応じ,調書に署名指印してしまい,後の手続きで不利な証拠として使われることもあり得ます。迅速な初回接見は成人の場合以上に重要となります。

それに加え,少年事件特有の困難さがあります。少年の場合,警察官・検察官といった捜査機関と,弁護士の違いが成人以上に理解しづらいことがあり,丁寧な説明が必要です。また,大人全体に対し不信感を抱いており,弁護士がコミュニケーションを取るのが簡単ではない少年もいます。少年事件の場合,その特性を理解した,経験豊富な弁護士の力を借りる必要があるといえます。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー