Archive for the ‘暴力犯罪’ Category

(事例紹介)静岡県内で警察官に殴りかかった男性が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された事件

2024-04-24

(事例紹介)静岡県内で警察官に殴りかかった男性が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された事件

静岡で窃盗・強盗・詐欺で逮捕されたら

静岡県内で警察官に殴りかかった男性が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県袋井市で警察官を殴った男が現行犯逮捕されました。
男は掛川警察署の生活安全課の警察官の胸を殴り、職務を妨害した疑いが持たれています。
通行人から「けんかをしている男たちがいる」と袋井署に通報が入り、警察官が駆け付けたところ殴られた警察官が男を押さえつけていたということです。
警察官が男に事情聴取を行ったところ、男が殴りかかってきたということで、警察官にケガはありませんでした。
男も殴った事実を認めているということです。
(静岡朝日テレビ「警察官に殴りかかった男を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕 職務質問を受け胸を殴るなどしたか 静岡・袋井市」(2024/3/19)を引用・参照)。

~公務執行妨害罪について~

(公務執行妨害及び職務強要)
第95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 (略)

本件は(後に現行犯逮捕された)被疑者を含む男性らが何らかの揉め事になっていたところ、警察官が職務質問(警察官職務質問法2条1項)を行っている最中に被疑者に暴行を受けたという事件です。
(本件は報道内容だとやや分かりにくいですが)そこに通報により別の警察官が駆け付けたという事件だと思われます。
本件では被疑者は公務執行妨害によって逮捕されていますが、公務執行妨害罪における「暴行」とは、公務員の身体に直接な有形力の行使までは必ずしも必要なく、間接的な影響を与えるもので足りると解されています。
逮捕された被疑者は公務員たる警察官に殴りかかっており、直接的な有形力の行使が認められますが、例えば警察官が証拠物を押収する際に当該証拠物を破壊する行為なども間接的に公務員に向けられた有形力の行使として「暴行」に当たると解されています(最決昭和34・8・27参照)。
このように、公務執行妨害はかなり成立しやすい犯罪といえ、職務質問などに対応するに当たっては同罪に当たるとして現行犯逮捕などされないように、十分に注意する必要があります。

~公務執行妨害事件における刑事弁護活動について~

公務執行妨害罪は、一個人である公務員に対して「暴行又は脅迫」を加える犯罪ですが、個人の身体等の個人的な法益を保護するものではありません。
公務執行妨害罪は、公務の円滑・公正な執行という国家的法益を保護するものであると考えられています。
したがって、犯罪の性質上、被害者との示談を成立させることは困難であるという特殊性があります。
もっとも、統計上は(逮捕後の)勾留(刑訴法207条1項本文・60条)されないことも多く、逮捕されてしまった場合も勾留を争う余地は大いに存在します。
よって、逮捕後の早期に弁護士と接見した上で身柄解放活動を行うことで、逮捕された方(やそのご家族等)に生じ得る不利益を最小化することが可能になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公務執行妨害事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
公務執行妨害事件で逮捕された方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

(事例紹介)傷害で逮捕された男性らの事件の証拠を隠滅した疑いで女性が逮捕【静岡県湖西署】

2024-04-10

(事例紹介)傷害で逮捕された男性らの事件の証拠を隠滅した疑いで女性が逮捕【静岡県湖西署】

傷害で逮捕された男性らの事件の証拠を隠滅した疑いで女性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県の浜名湖で男性の遺体が見つかった事件で、湖西署捜査本部は、同被害男性に対する傷害事件の証拠を隠したとして、証拠隠滅の疑いで無職の女を逮捕した。
逮捕容疑は、浜松市中央区で、知人と共謀し、事件の証拠を隠滅した疑い。
捜査本部は証拠の詳細や隠滅方法を明らかにしていない。

(共同通信「証拠隠滅疑い、19歳女逮捕 浜名湖の高校生遺体」(2024/3/17)を引用・参照の上、適宜修正。)

~証拠隠滅罪について〜

(証拠隠滅等)
第104条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

本件では、すでに傷害の疑いで逮捕されている被疑者らの事件に関する「証拠を隠滅」した疑いがあるとして、(知人と共謀し)証拠隠滅罪を犯した疑いで女性が逮捕されています。
「他人の刑事事件に関する」という文言が表す通り、自己の刑事事件に関する証拠隠滅行為に関しては同罪は成立しません。
すなわち本件で被害者に対して傷害行為をした当事者は、仮に証拠隠滅行為をしても(その証拠が他人の刑事事件に関する証拠にもなるというような事情がない限り)証拠隠滅罪によって処罰されることはありません。。
なぜなら、自己の犯罪に関する証拠を隠滅しないことは法が期待するところではない(要するに犯罪をした者自身がその犯罪の証拠を隠滅することは仕方がないことだと法は割り切ってるということです)と考えられているのです。
したがって、本件のように「他人」が起こした刑事事件の証拠を隠滅したと疑われた場合には証拠隠滅罪が成立しうるとして逮捕されることがあり得ることになります。

〜刑事事件を専門とする弁護士の弁護活動〜

裁判所(裁判官)は、(逮捕後)勾留された被疑者については、一定の要件の下で被疑者との接見を禁じることができます(刑訴法81条)。
もっとも、唯一弁護士だけが逮捕や勾留されている被疑者との秘密交通権が保障されており(憲法34条前段、刑訴法39条1項)、逮捕・勾留されている方と立会人なしでの面会が可能です。
刑事事件では早期対応が不可欠であり、あらゆる可能性を想定して今後の見通しを誤らないためにも、余罪の有無等の不利益な事実も含めて弁護士としっかり話し合いうことが重要です。
例えば、本事例などは被害者が死亡している殺人などの重大犯罪にも関連している事件であり、関与の程度がどこまでなのかどのような他に容疑をかけられている(かけられ得る)のかなどの予測を立てることが弁護士の役割の一つになります。
専門性及び刑事事件の経験を多数有する弁護士に依頼することで、信頼関係の構築やスムーズな交渉など受けられるメリットは少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、証拠隠滅事件などを含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
弊所には刑事事件を専門にしている弁護士が多数所属しており、個々の事件に応じたきめ細やかな弁護活動を行っております。
証拠隠滅事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

(事例紹介)知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして逮捕監禁致傷の疑いで男性ら2人が逮捕【静岡県富士宮市】

2024-03-27

(事例紹介)知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして逮捕監禁致傷の疑いで男性ら2人が逮捕【静岡県富士宮市】

知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして逮捕監禁致傷の疑いで男性ら2人が逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県富士宮市で、知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして、逮捕監禁致傷の疑いで男ら2人が逮捕されました。
警察の調べによりますと、男2人は静岡県東部地区に住む20代女性の勤務先に押しかけ、殴ったり蹴ったりといった暴行を加えた後、女性の腕をつかんで車に押し込み、さらに車内でも女性を殴ってけがをさせた上、車で数時間連れ回して監禁した疑いが持たれています。
女性は頭部や顔に軽傷を負いました。
警察は男2人が容疑を認めているかどうか明らかにしていませんが、男の内1人と女性が知人同士であることから、トラブルの有無も含めて調べを進めています。
(静岡朝日テレビ「勤務先に押しかけ…20代女性に暴行、車に押し込み数時間連れ回したか 20代の男2人を逮捕監禁致傷の疑いで逮捕 静岡県警」(2023/11/14)を引用・参照の上、適宜修正。)

~逮捕監禁致傷とは〜

(逮捕及び監禁)
第220条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
(逮捕等致死傷)
第221条 前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

まず、刑法220条は逮捕罪と並んで監禁罪を移動の自由を侵害する罪として処罰する旨を規定しています。
「逮捕」とは、身体に対する直接的作用を伴う方法によって人の移動する自由を侵害することをいいます。
これに対し「監禁」とは、上記の逮捕以外の方法により移動の自由を侵害することをいうと解されています。
報道の事実をもとにすると、被害者女性の移動の自由は車で数時間連れ回されるという身体に対する直接的な作用以外の方法によって侵害されており、監禁罪が成立することになります。
そして、刑法221条は、逮捕・監禁行為から「傷」害結果が生じた場合には、逮捕監禁致傷罪として処罰する旨を定めています。
本件では、監禁の過程において怪我を負わせられており(事実関係に争いがない限り)監禁致傷罪が成立するものと考えられます。
なお、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とは、傷害罪(刑法204条)と220条との法定刑を比較し、上限下限につきより重い刑により処断するということであり、監禁致傷罪にこれを適用すると「3月以上15年以下の懲役」となります。

〜逮捕監禁致傷事件における刑事弁護士の弁護活動〜

被疑者が逮捕された場合において、弁護活動の第一歩となるのが接見対応です。
警察官により逮捕された場合、検察官がより長い身体拘束処分である勾留を請求するまでわずか48時間しか時間がありません(刑訴法204条1項本文)。
したがって、弁護士は被疑者の留置先を早急に確認し、接見(同法39条1項)を求めた上で、事情を聞き取りこの先の刑事手続の流れ等について適切なアドバイスを為すことがきわめて重要です。
逮捕という早い段階から迅速な弁護活動を受けることのメリットは決して少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、監禁致傷事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
監禁致傷事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)へまずはお問い合わせください。

(事例紹介)静岡県浜松市にて暴力行為処罰法違反で男性が逮捕されたという事件について

2024-03-20

(事例紹介)静岡県浜松市にて暴力行為処罰法違反で男性が逮捕されたという事件について

当ブログは、静岡県浜松市にて発生した、男性が交際相手に対し刃物で脅したとされる暴力行為処罰法違反事件について、報道内容をもとに成立する罪や弁護活動などについて検討しているブログです。

【事例】

交際相手の女性を刃物で脅したとして、浜松市に住む30代の男が18日、逮捕されました。

暴力行為等処罰に関する法律違反の疑いで現行犯逮捕されたのは、浜松市中央区に住む自称・介護職員の36歳の男です。
警察の調べによりますと、男は18日午後6時ごろ、静岡県西部に住む交際相手の20代の女性の家で、女性とトラブルになり、「殺す」などと言いながら、刃物で脅したと疑いが持たれています。
女性が「彼氏ともめている」と通報、現場に駆けつけた警察官が男を現行犯逮捕しました。

「「殺す」…交際女性を刃物で脅したか 36歳の男を逮捕 浜松中央警察署」2024年3月20日13:38配信 (株)静岡朝日テレビ 引用

【暴力行為処罰法とは】

暴力行為処罰法は、正式名称を「暴力行為等処罰ニ関スル法律」と言います。
暴力に関する罪、例えば暴行罪や傷害罪、脅迫罪などの罪は刑法で定められていますが、集団で暴行したり、凶器を用いてそれらの罪を犯した場合、より重い刑事罰が科せられることになります。
今回の報道によると、男性は被害女性に対して刃物を用いて殺すと脅したとされています。
今回問題となる条文は以下のとおりです。(暴力行為処罰法は文語体カタカナのため、平仮名に置き換えています。)

刑法222条1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

暴力行為処罰法1条 団体若は多衆の威力を示し、団体若は多衆を仮装して威力を示し又は兇器を示し若は数人共同して刑法…第208条、第222条又は第261条の罪を犯したる者は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処す

今回の報道の事例の場合、まず「殺す」などと人の生命・身体に害を加えるように脅迫した場合、脅迫罪に問われる可能性があります。
罰条は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
そして、その際男性は刃物を示したとされています。
暴力行為処罰法は、凶器を示して刑法222条(脅迫)の罪を犯した場合、暴力行為処罰法に違反します。
罰条は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

当然のことですが、凶器を示して脅迫する行為は、被害者にとって通常の暴力行為以上に不安を覚えることになります。
そのため、この罪を犯した場合には通常の脅迫罪以上に厳しい刑事処罰を科せられることになります。

【暴力行為処罰法違反での弁護活動】

今回の事例のような暴力行為処罰法違反事件の場合、加害者が被害者の住所や連絡先を知っていて証拠隠滅の恐れが高く、再犯の(場合によっては実際に死傷させてしまう)おそれもあると評価され、逮捕・勾留される可能性が高いと言えます。
そのため弁護士は、
・釈放を求める弁護活動
・終局処分(不起訴・略式起訴・正式起訴といった検察官の判断や刑事裁判での減刑)を求める弁護活動
を行うことが考えられます。

一般的に、暴力行為処罰法違反の事件では、特に被害者との示談交渉が重要になります。
被害者は、同じような被害に遭うことを不安に思っていると考えられます。
そのため、示談交渉に際しては弁護士が代理人として間に入り、加害者が被害者と接触を禁止する、接触した場合の違約金の約定を設けるといった対応が必要となると考えられます。
また、被害者と加害者が居を同じくしていた場合、被害者の転居先等を知らせないため、私物を一旦弁護士事務所に送って加害者宅に転送する等、細心の注意を払う必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまでに暴力行為処罰法違反を含め数多くの暴力事件に携わってきました。
静岡県内で暴力行為処罰法違反などの刑事事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で法律相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留された場合は初回接見サービス(有料)をご利用ください。

(事例紹介)静岡県浜松市内でタクシー運転手の顔を殴り料金支払わず逃走した疑いで逮捕

2024-02-14

(事例紹介)静岡県浜松市内でタクシー運転手の顔を殴り料金支払わず逃走した疑いで逮捕

静岡県浜松市内でタクシー運転手の顔を殴り料金支払わず逃走した疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

タクシー運転手の顔を殴り料金を支払わずに逃走したとして警察は浜松市内の女を逮捕した。
警察によると女は、タクシー運転手の女性の運転の仕方について文句をつけ、運転手の顔を殴りタクシー料金を支払わず逃走した疑いがもたれている。
警察は車内のドライブレコーダーの映像などから逃げた女の行方を捜し、逮捕した。
(静岡第一テレビ「タクシー運転手の顔を殴り料金支払わず逃走 強盗容疑で逮捕」(2024/1/2)を引用・参照の上、適宜修正。)

~利益に対する強盗〜

(強盗)
第236条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

窃盗罪に代表される財産罪には、(財産上の)利益を客体とするものとそうでないものがあります。
上記窃盗罪(刑法235条)は「他人の財物を窃取した」場合に犯罪が成立すると定めており、その対象を「財物」に限定しています。
これはいわゆる利益窃盗を不可罰とする趣旨であり、その背景には典型的には債務の不履行等、本来民事法によって解決すべきものにまで刑事上の責任を負わせるべきではないという考えがあります。
これに対し、本件のような強盗罪の場合は、暴行又は脅迫を手段とする点で(財産上の)利益まで保護すべきであることから、236条の2項によって利益罪も定められているのです。
本件では暴行を手段とした(2項)強盗罪の成否が問題となっていますが、強盗罪における「暴行」とは人の反抗を抑圧する程度のものである必要があると解されています。
上記の程度までの暴行であったか否かは、暴行の態様、犯行の時間や場所、体力や体格の差などから客観的に判断されます。
本件では暴行の態様などの詳細は明らかではありませんが、同性同士でそれほど力や体格の差はないと思われるものの、例えば女性の加害者が男性の被害者に対して暴行した場合などに比べると暴行による反抗の抑圧は認められやすいと考えることも可能なケースと言えそうです。

〜強盗事件における刑事弁護活動〜

強盗罪は、窃盗罪とは異なり被害者に対する有形力の行使(本件のように「暴行」による場合)伴う犯罪であり、法定刑も「5年以上」と重い犯罪類型であると言えます。
したがって、例えば本件のようなケースでは、強盗罪の成立を争う弁護活動なども一考に値するものと考えられます。
もっとも、強盗罪が成立するケースでも財産犯である以上は示談の成立によっては刑事裁判を回避することも可能であり、いずれにせよ積極的な不起訴獲得のための弁護活動が重要になってくることになります。
被害者対応を誤ってしまうと、その後の刑事処分も大きく変わってきうることから、弁護活動は被害者対応にも長けた刑事事件専門の弁護士に依頼するメリットは大きいと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗事件などの刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
強盗事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)までまずお問い合わせください。

(事例紹介)静岡県浜松市で殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男性が不起訴処分になった事例

2024-01-10

(事例紹介)静岡県浜松市で殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男性が不起訴処分になった事例

静岡で刑事事件・加害者弁護

静岡県浜松市で殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男性が不起訴処分になった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

浜松市の自宅で、親族の右胸を小刀で刺し、殺害しようとしたとして(現行犯)逮捕・送検された男性を、静岡地検浜松支部は不起訴処分としました。
地検浜松支部は男性の容疑を殺人未遂から傷害に切り替えて捜査してきましたが、不起訴処分としました。
検察は不起訴の理由を明らかにしていません。
(静岡朝日テレビ「小刀で兄を刺した容疑の47歳弟を不起訴処分 殺人未遂容疑で逮捕・送検 静岡地検浜松支部」(2023/12/22)を引用・参照の上、適宜修正。)

~殺意(殺人の故意)について~

(殺人)
第199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
(未遂罪)
第203条 第199条……の罪の未遂は、罰する。
(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

殺人未遂罪(刑法203条、199条)は、未遂罪とはいえ、法定刑の上では「死刑」や「無期懲役」といった極めて重い罰則が規定されています。
これに対し、傷害罪のそれは「15年以下の懲役」とされており、さらに「罰金」刑にとどまる可能性すら残されています。
このように本件のようなケースで、殺人未遂罪と傷害罪いずれの成否が問題となるかは、逮捕された被疑者にとって極めて重要な問題であるかがお分かりかと思います。
この問題にとって大きな分水嶺となるのが、殺意の有無です。
これに関しては、使われた凶器の種類や創傷の部位・程度、犯行前後の行動などからその有無を判断するのが実務の立場といわれています。
殺意は主観の問題であり、究極的にはその人の内心は他人には分からないがゆえに客観的事情を総合考慮してこれを認定することになります(なお、認定にあたって被疑者の自白のみに依拠することは実務上も避けられています)。
本件の事実を見てみると、創傷の部位は身体の枢要部とはいえ左胸ではなく右胸であること、創傷の程度としても軽傷にとどまっていること、また使われた凶器が小刀であり殺傷性が高いとはいい難いことなどから殺意があるとまでは認められなかったものと思われます。

~逮捕後の弁護活動の重要性~

本事案では、被疑者は殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されましたが、最終的には不起訴に至っています。
起訴・不起訴という終局処分を決める権限を有する検察官も殺人(未遂)罪という重大犯罪における殺意の認定には極めて慎重であるといわれています。
実務上、起訴段階や捜査段階で「殺人→傷害致死」や「殺人未遂→傷害」などのいわゆる罪名落ちも珍しくありません。
したがって、親族間であっても示談等を成立させるなど逮捕後の弁護活動が奏功すれば、不起訴処分といった逮捕時から考えれば極めて穏当な処分を得ることも不可能ではないといえるでしょう。
とはいえ、当然のことながら罪名で全てが決まるわけではなく、特に法定刑の重い犯罪はケースバイケースであることも否定できませんから、専門家である弁護士にいち早く相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、殺人未遂事件を含む刑事事件全般を専門として扱っている法律事務所です。
殺人未遂事件で逮捕された方のご家族等は、24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

(事例紹介)静岡地方裁判所の差し戻し審で懲役5年の言渡しを受けていた男性に対して無罪判決

2023-11-29

(事例紹介)静岡地方裁判所の差し戻し審で懲役5年の言渡しを受けていた男性に対して無罪判決

無罪

静岡地裁で無罪判決が下された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

2019年に、伊豆の国市にある福祉施設の工事現場で、同僚の作業員に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪で起訴された男性について、静岡地方裁判所は、「男性の同僚が被害者に対して死亡につながる暴行を加えた疑いが払拭できない」などとして、無罪を言い渡しました。
伊豆の国市にある福祉施設の工事現場で働いていた男性は、2019年9月に同僚だった作業員の男性に何らかの暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪で起訴されました。
1審の静岡地方裁判所沼津支部は懲役5年の判決を言い渡しましたが、2審の東京高等裁判所は「別の作業員から死亡につながる暴行を加えられた可能性が否定できない」として審理をやり直すよう命じました。

(NHK NEWS WEB「傷害致死罪で起訴の男性 静岡地裁が無罪判決」(2023/9/21)を引用・参照。)

~差戻し審で無罪判決が確定~

本事件は、1審で「懲役5年」の実刑判決が下されたのにも関わらず、最終的に無罪判決が確定しています。
その経緯を辿ると、まず上記の静岡地裁での1審は、裁判員裁判でした。
いわゆる裁判員法は、「裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの」(2条1項2号)を裁判員裁判の対象事件としています。
そして、裁判所法26条2項2号は「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪⋯⋯に係る事件」と定めていることから、傷害致死罪(刑法205条)は「3年以上の有期懲役」という「短期1年以上の懲役」を法定刑として定めており、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」にも当たることから、対象事件となります。
この裁判員裁判で上記判決が下され、被告人は控訴しました(刑訴法372条)。
2審である東京高裁は、控訴理由があるとして原判決を破棄し、事件を原審たる静岡地裁に差し戻しました(刑訴法400条本文)。
その差戻し審において裁判所は「当時、被告人が『被害者を殴った』と発言していたと同僚が証言しているが、これは自身の刑事責任を免れるための虚偽の証言の疑いがあり、信用できない。この同僚が死亡につながる暴行を加えた疑いが払拭できない以上、被告の暴行を推認することは困難だ」などとして、無罪を言い渡したのです(検察官は控訴せず無罪が確定)。

~冤罪事件における弁護活動~

本事件が辿った経緯に鑑みると、当然ではありますが一般市民たる裁判員(そして職業裁判官)も判断を誤り得るということです。
本件では、同僚の証言が虚偽であった可能性があることが判決において指摘されています。
例えば心理学における実証研究においても、人が嘘を見抜く力はほとんど偶然の領域を出ない(50%をわずかに越える程度)でしかないと言われています。
これは一つの例でしかありませんが、冤罪事件はこういった要因が重なることによって誤判に至るという構造を有します。
弁護士としては、このような複雑に絡み合った要因を突き止め、被告人を冤罪から救うために正確な証拠等の分析が不可欠となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、無罪獲得実績のある刑事事件専門の法律事務所です。
身に覚えのない事件等で逮捕・起訴されてしまった方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお問い合わせください。

静岡県浜松市で酒に酔った公務員男性が住居侵入と器物損壊の疑いで逮捕された事案について解説

2023-11-15

静岡県浜松市で酒に酔った公務員男性が住居侵入と器物損壊の疑いで逮捕された事案について解説

静岡で刑事事件・加害者弁護

浜松市で住居侵入器物損壊の疑いで公務員が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

静岡県警は、酒に酔って浜松市の住宅の駐車場に侵入し、車の窓ガラスに傷を付けたとして、住居侵入器物損壊の疑いで、沼津市西間門、沼津署巡査を逮捕した。
逮捕容疑は、浜松市南区の会社員男性宅の駐車場に侵入し、軽乗用車の窓ガラスなどをコンクリートブロック片で傷つけた疑い。

(日本経済新聞「酔って車損壊、警官を逮捕 静岡」(2023/2/10)を引用・参照。)

~住居侵入と器物損壊~

(住居侵入等)
第130条 正当な理由がないのに、人の住居⋯⋯に侵入し⋯⋯た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(器物損壊等)
第261条 ⋯⋯他人の物を損壊し⋯⋯た者は、3年以下の懲役又は3万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(親告罪)
第264条 ⋯⋯第261条⋯⋯の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない

本件で逮捕された被疑者が、他人の乗用車を傷付けた行為が器物損壊罪に当たるのは明白でしょう。
では、被疑者は被害者宅の駐車場に「侵入」したとされていますが、駐車場は「住居」といえるのでしょうか。
この点については実務・判例上、囲にょう地(庭などの塀で囲まれた場所)も「住居」に当たると解されています。
もっとも、近年の裁判例(大阪高判R3.7.16)は、最判S51.3.4を引用した上で、「住居」の一部とされる囲にょう地を「その囲障の存在によって,その土地を建物の利用に供し,部外者の立入りを禁止するという居住者の意思が明示されていると認められるものであることが必要である」と限定する判断を示しています。
したがって、報道のみからは必ずしも明らかではない被害者宅の構造等によっては、駐車場への侵入が住居侵入罪を構成しない場合があることに注意が必要です。

~公務員が起こした刑事事件における弁護活動~

本事案で逮捕された被疑者は警察官ですが、警察官も地方公務員法3条2項にいう「一般職」の地方公務員に当たります。
地方公務員法28条4項は、「職員は、第16条各号(第3号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う」と規定しています。
同法16条2号に目を移すと、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」とあり、地方公務員が実刑や執行猶予判決を受けてしまうと、上記法28条4項により職を失ってしまうのです。
したがって、不起訴や罰金刑に刑事処分をとどめるために、被害者との示談等を成立させることが重要になってきます。
この点、刑事事件専門の弁護士は、被害者との示談交渉の経験も豊富であり、公務員等の職にある被疑者が失職を防ぐための弁護活動を行うことができます。
また、公務員が刑事事件を起こした場合、逮捕されているか否かによっても、その弁護活動は大きく変わってくることからこの点も重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、住居侵入器物損壊事件を含む刑事事件のみを専門的に取り扱っている弁護士の所属する法律事務所です。
公務員で刑事事件を起こしてしまった方やそのご家族は、24時間/365日受付のフリーダイヤル(通話料無料:0120-631-881)までまずはお電話ください。

【ニュース紹介】愛知県で起きた脅迫事件

2023-09-13

【ニュース紹介】愛知県で起きた脅迫事件

今回は、愛知県で起きた脅迫事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

愛知県警本部に電話をかけ、警察官を名指しして「命かけたってやってやるからな」などど脅したとして、61歳の女が逮捕されました。

逮捕されたのは、千葉県船橋市の無職で61歳の女です。

女は5月18日午後9時半ごろ、愛知県警本部に電話をかけて応答した警察官に対し、中警察署の50代の警部補を名指して「こっちが命かけたってやってやるからな」「お前たちが火をつけたんだからな」「犯罪をこしらえたんだ」「絶対にやってやるからな」などと言って脅迫した疑いが持たれています。

警察によりますと、女と50代の警部補は面識はないものの、過去に電話で話したことがあるということです。

女は警察の調べに対し、「そういうことを言っちゃったかもしれない」と話していて、警察は過去の事件や事故の捜査について腹を立てて犯行に及んだ可能性もあるとみて、動機を詳しく調べています。
(https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20230521_27635 令和5年5月21日 東海テレビ 「「命かけたってやってやるから」警察官を名指しして脅迫か 61歳女逮捕 過去の捜査に立腹し犯行の可能性も」より引用)

【脅迫罪】

ケースに取り上げたニュースで逮捕された女性の容疑は脅迫罪です。
脅迫罪を定めた条文は以下の通りになります。

刑法第222条
第1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第2項
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫とは一般通常人であれば恐怖心が引き起こされると考えられる(実際に脅迫された側が恐怖したかどうかまでは要件にならない)害悪を被害者に告げ知らせることを言います。
告知する方法は限定されておらず、口頭以外でも動作や挙動、書面による害悪の告知も脅迫罪の適用範囲内です。
また、告知する害悪は実現可能な具体性、現実性を持った内容である必要があります。

【逮捕された際の弁護】

警察官は被疑者を逮捕した場合、釈放するか送致するかを48時間以内に決定します。
そして検察官が被疑者の送致を受けると、24時間以内に被疑者を釈放するか裁判官への勾留を申請するかを決定します。
さらに裁判官が勾留申請を認めると、最大で10日間身体を拘束されることになり、検察官が請求すれば更に10日間勾留が延長されることになります。
つまり逮捕されてしまった場合の身体拘束の期間は最大で23日間です。
外部との連絡を制限された上での連日の取調べは、多大な精神的苦痛を伴います。

勾留を避け1日でも早い釈放を求めるには、弁護士を通じた釈放を求める書面の提出や身元引受人の準備などの対応が必要です。
逮捕から勾留が決定するまでの期間は非常に短いため、刑事事件の経験と知識が豊富な弁護士に身柄解放の活動を依頼し、速やかに対応することが早期釈放の鍵になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
脅迫事件を起こしてしまった、またはご家族が脅迫罪の容疑で逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
ご相談は
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を受け付けております。

15歳男子高校生が商業施設の試着室に火をつけ、一部を焼損させた疑いで逮捕

2023-08-16

15歳男子高校生が商業施設の試着室に火をつけ、一部を焼損させた疑いで逮捕

今回は、15歳男子高校生が静岡県焼津市の商業施設の試着室にをつけ一部を焼損させたとして、器物損壊の疑いで逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

28日15歳の男子高校生が静岡県焼津市の商業施設の試着室にをつけたとして逮捕されました。
器物損壊の疑いで逮捕されたのは、静岡県中部地区に住む15歳の男子高校生です。
警察によりますと男子高校生は28日午後10時ごろ、静岡県焼津市の商業施設の試着室にライターでをつけ一部を焼損させた疑いが持たれています。

商業施設の関係者から「2階の催し場付近の試着室が燃えていた」と消防に通報がありました。
商業施設は当時営業中で、男子高校生は客として訪れていました。
警察は男子高校生が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

(https://look.satv.co.jp/_ct/17644941 7月29日 「商業施設の試着室に火をつけ部屋の一部を損壊した疑いで静岡県内に住む男子高校生を逮捕 焼津警察署」より引用)

~被疑罪名は変わりうる~

冒頭記載の15歳男子高校生は、器物損壊の疑いで逮捕されていますが、今後の捜査によっては、被疑罪名が「現住建造物等放火」に変更される可能性も否定できません。

現住建造物等放火罪とは、放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損する犯罪です(刑法第108条)。
「焼損」とは、放火の媒介物を離れ、客体に燃え移り独立して燃焼を継続する状態に達したことをいいます。
また、現住建造物等放火罪は未遂犯も処罰されるため(刑法第112条)、前述の「焼損」に至らなかったとしても、実行の着手が認められれば、現住建造物等放火未遂罪に問われることになります。

実行の着手の具体的状況として、客体である現住建造物等に直接点する行為や、マッチなどをすって現住建造物等に点する姿勢をとった場合などが挙げられます。

器物損壊の疑いで逮捕された理由を報道から知ることはできませんが、をつけられた試着室が建物とは独立した、簡易的な移動式の仕様であり、被害の程度も軽微で、およそ建物に延焼する可能性がなかったなどの事情があれば、もちろん、器物損壊に留まる可能性もあります。
その反面、前述の通り、捜査の結果、明らかとなった燃焼の状況によっては、被疑罪名が現住建造物等放火罪に変更される可能性も否定しきれません。
十分な注意が必要な事件ということができるでしょう。

~少年事件の弁護活動を依頼~

今回、逮捕された被疑者は15歳なので少年法の適用があります。
法律的な見地から器物損壊に留まる旨を捜査機関に働きかけることも大切ですが、少年事件の処分を決定するにあたっては、少年の家庭環境や少年自身の生活環境も考慮されます。
有利な処分を獲得するためには、これらの調整も必要となりますが、そのためには、少年事件に熟練した弁護士のサポートが重要となります。

まずは、少年事件に詳しい弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が器物損壊事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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