(解決事例)湖西市の窃盗事件で不起訴処分を獲得
【事案の概要】
湖西市在住のAさんは、同市内にあるスーパーマーケットの食料品売り場にて、複数の食料品(計2万円相当)を万引きしました。
Aさんはスーパーマーケットを出ようとしたところを警備員に止められました。
その後、通報により駆けつけた静岡県警察湖西警察の警察官に現行犯逮捕され、湖西警察署内での取調べ後、Aさんは釈放されました。
Aさんの旦那様は、「妻はこれまで窃盗で罰金刑と執行猶予付き判決を受けています。その後再び窃盗で逮捕されたのですが、手術を控えていたため不起訴処分となりました。その際に検察官の方から『今度は刑務所に行くことになりますよ』と言われました。妻はどうなってしまうのでしょうか。」とご相談時お話しされました。
(守秘義務の関係から、一部異なる表記をしています。)
【具体的な弁護活動】
Aさんは数年前からうつ病を患っており、それが原因で窃盗を繰り返すのではないかと診断されていましたが、再度別の病院で診察を受けたところ、クレプトマニア(病的窃盗)であることがわかりました。
そのため、Aさんをクレプトマニアの自助団体に通わせ、Aさんの旦那様は仕事を辞めてAさんの再犯防止に努めるなど、治療に専念するような環境を整えました。
また、弁護士が被害に遭ったスーパーマーケットに被害弁償をするとともに、示談交渉を行い、宥恕条項(被疑者を許し、刑事処罰を求めないことを内容とするもの)付きの示談を締結することができました。
そして、弁護士が検察庁に対して、①今回の窃盗は病気による影響が大きいこと、②Aさんはうつ病やクレプトマニア以外にも複数の病気を抱えており、定期的な通院が必要であること、③Aさんの再犯防止のための環境が整えられていること、④被害店舗との宥恕条項付きの示談が締結されていることなどを挙げ、正式な裁判ではなく、略式請求による罰金処分などが相当であると、終局処分に関する意見書にて主張しました。
その結果、Aさんは、不起訴処分となりました。
【まとめ】
今回のAさんのように、クレプトマニアのような病気(依存症など)を原因として、何度も犯罪行為を繰り返してしまうような場合があります。
このような事案において、少しでも刑事処分を軽くしたいと考えている場合、被害弁償や示談締結も当然重要ですが、再犯しないための環境整備が非常に重要になります。
具体的には、専門の医療機関への通院や、自助団体への参加による病気の根本的治療を行うことや、犯罪のきっかけとなるようなことに近づかせないように家族による監督を強化することなどが挙げられます。
再犯しないための環境が整えられていれば、社会内での更生が期待できるとして、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高まります。
今回の事案では、Aさん一人で買い物へ出かけたことで起きてしまったため、Aさんが一人で買い物へ行けないように、自動車を処分し、Aさんの旦那様が退職して、Aさんを常に監督できるような環境を整えました。
今回の事案は、Aさんに複数の前科・前歴があり、不起訴処分の獲得は難しいケースでした。
しかし、弁護士が、Aさんのご家族による再犯防止のための環境が整っていることなどを適切に主張したことが、不起訴処分に繋がりました。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
今回のような、病気などを原因に犯罪を繰り返してしまうような事件も数多く対応してきました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 名古屋本部にご相談ください。