少年が特殊詐欺事件で逮捕

少年が特殊詐欺事件で逮捕

静岡県清水市にて少年が特殊詐欺事件で逮捕されてしまったという報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が検討いたします。

事案

清水警察署は、詐欺の疑いで御殿場市の無職少年A(17)を逮捕した。
逮捕容疑は、何者かと共謀して静岡市清水区の無職女性(73)宅に区役所職員や金融機関職員を名乗って「健康保険料の戻りがあるため振り込みたい」「キャッシュカードが古く作り替える必要がある」などと電話をかけた後、金融機関職員を装った少年が女性宅を訪れ、キャッシュカードをだまし取った疑い。
同署によると、不審に思った女性が金融機関に確認し詐欺と発覚した。

(静岡新聞「カード詐取容疑 御殿場の17歳少年逮捕 清水署」(2023913)を引用・参照。)

~何者かとの共謀による特殊詐欺~

本事案では、被疑者である少年が共犯者と共謀し、健康保険料の返戻金が得られるなどと嘘をつき高齢の被害者からキャッシュカードをだまし取った行為が詐欺罪にあたるとして逮捕されるに至っています。
刑法は、246条1項において「人を欺いて財物を交付させた者」を、詐欺罪として処罰する旨の簡素な規定を置いています。
上記規定の文言のみからは必ずしも明らかではありませんが、詐欺罪が成立するためには「欺罔(ぎもう)行為→錯誤→交付行為→受領行為→財物の移転」という経過を辿る必要があると解されています。
いわゆる特殊詐欺では、架け子が「欺もう行為」を行い、これによって「錯誤」に陥った被害者から、受け子が「交付行為」を受けて目的の財物を「受領」するなど、1個の詐欺行為を共謀(刑法60条)して行うことに特徴があります。
本事案でも、氏名不詳者が区役所職員や金融機関職員を名乗って「健康保険料の戻りがあるため振り込みたい」「キャッシュカードが古く作り替える必要がある」などと電話をかけるという「欺もう行為」を行い、これによって被害者は上記事項につき「錯誤」に陥っています。
そして、その後(のちに逮捕された)少年Aさんが金融機関職員を装い被害者宅を訪れ、錯誤に陥った被害者からキャッシュカードの「交付」を受け、もって「受領行為」を行い「財物の移転」が完了しています。
このような行為を共謀(刑法60条)して行っている以上、直接には「欺もう行為」等を行っていない受け子である少年Aにも詐欺罪が成立しうることになります。

~弁護士による逮捕された方への接見~

逮捕されてしまった場合に、まず何よりも重要なのは早期の弁護士による接見です。
刑事訴訟法は、「身体の拘束を受けている……被疑者は」、「弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者」と「立会人なくして接見」することができる旨を定めています(39条1項)。
つまり、逮捕直後の捜査段階において被疑者と接見できるのは、原則として弁護士だけであり、一般の方は接見(面会)することはできません。
したがって、逮捕されてしまった場合には、その不利益(少年であれば学校生活に対する事実的な影響を含む)を最小限化するためにも、いち早く弁護士による接見を要請することが肝要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む刑事事件のみを専門にしている法律事務所です。
詐欺事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー