(事例紹介)盗撮した嫌疑で性的姿態等撮影罪で逮捕されるものちに不起訴になった事例

(事例紹介)盗撮した嫌疑で性的姿態等撮影罪で逮捕されるものちに不起訴になった事例

静岡で刑事事件・加害者弁護

性的姿態等撮影罪、いわゆる盗撮罪で逮捕後に不起訴になった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡地検富士支部は、性的姿態撮影処罰法違反の疑いで逮捕、送検された男性会社員を不起訴処分とした。
男性は富士市内の宿泊施設で被害者の性的な姿態を盗撮したとして、富士署に逮捕された。
7月に施行された同法を県警が適用し、逮捕した初めてのケースだった。

(静岡新聞「盗撮容疑の男性を不起訴 静岡地検富士支部」(2023/9/1を引用・参照)

~いわゆる盗撮罪の創設~

(性的姿態等撮影)
第2条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法……第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
二 刑法第176条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
三 (略)
四 (略)
2 前項の罪の未遂は、罰する。
3 前2項の規定は、刑法第176条及び第179条第1項の規定の適用を妨げない。

本年(2023年)7月に刑法の性犯罪規定改正の施行と同時に、性的姿態撮影処罰法が創設・施行されました。
これまで本事案のような盗撮行為は、各都道府県が制定するいわゆる迷惑防止条例によって処罰されてきました。
しかし、各都道府県によって規制対象が異なるなど様々な問題点が指摘されており、今回の立法によって盗撮行為の処罰が統一化されることになったのです。
特に今回の立法によって大きく変わったのが、法定刑の厳罰化です。
これまで多くの条例が「1年」と規定していた刑罰が、最高刑が「3年」(上記本法2条の場合)まで引き上げられました。
スマートフォン等の普及などを背景に盗撮被害の増加が叫ばれており、これまで以上に世間(そして司法)から厳しい目を向けられることになることは間違いありません。

~起訴回避のための弁護活動~

一方で、本事案は弁護士による弁護活動が奏功した事案であると考えられます。
その弁護活動も否認事件と被疑者が犯罪事実を認めている自白事件で異なり得ます。
仮に本件が自白事件だとすれば、被害者との示談等による不起訴が依頼者にとって最も有利な処分の一つとして目指すべき弁護活動となるでしょう。
検察官との折衝など弁護士にしかできない活動が、逮捕や送検されてしまった依頼者にとってメリットを生む可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
盗撮事件で逮捕等された方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)にお電話ください。

 

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