(事例紹介)窃盗被害を受けたとうその通報をして警察の業務を妨害したとして静岡県内の男性を逮捕

(事例紹介)窃盗被害を受けたとうその通報をして警察の業務を妨害したとして静岡県内の男性を逮捕

静岡で窃盗・強盗・詐欺で逮捕されたら

窃盗被害を受けたとうその通報をして警察の業務を妨害したとして静岡県内の男性が逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

「荷物をひったくられた」などとうその通報をし、警察の業務を妨害したとして、静岡県磐田市の自称会社役員の男が逮捕されました。
男は、警察に対し「荷物をひったくられた」という趣旨のうその通報をし、警察官の業務を妨害した疑いが持たれています。
男から通報を受けた後、警察は窃盗事件として30~40人ほどの警察官を動員しました。
しかし、被害状況や犯人の特徴などの質問に対する男の回答が二転三転してたことから問い詰めると、虚偽通報を認めたということです。
(静岡朝日テレビ「「荷物をひったくられた」とうその通報をして警察の業務を妨害したとして自称会社役員の男を逮捕」(2024/1/22)を引用・参照。

~虚偽通報による業務妨害〜

(信用毀損及び業務妨害)
第233条 (虚偽の風説を流布し、又は)偽計を用いて、人の(信用を毀損し、又はその)業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

本件では、厳密な罪名は報道されていないものの、被疑者(逮捕された男性)が「荷物をひったくられた」などと虚偽の通報をした疑いを持たれていることから、偽計業務妨害罪(上記刑法233条)での逮捕に至ったものと考えられます。
偽計業務妨害罪を含む業務妨害罪は、刑法の「第2編」「第35章 信用及び業務に対する罪」に定めが置かれており、基本的には人の社会的自由等の個人的法益の保護を目的とする規定と考えられています。
そこで、上記の233条にいう「業務」に、本件のように警察という公的機関の職員が行う職務行為(公務)も含まれるか解釈上争いがあります。
この点に関し、判例・実務は、強制力を行使する権力的公務の除いて公務もまた「業務」に含まれると解しています。
本件では、被疑者の虚偽通報により30~40人ほどの警察官が動員されており、これによって警察官が本来行うはずだった公務(これには実力行使等を伴うわない権力的公務や非権力的公務が含まれると考えるのが通常でしょう)が妨害されているといえ、「偽計」による業務妨害が成立するものと考えられます。

〜業務妨害事件における刑事弁護活動〜

逮捕後には原則として被疑者は検察に送致され(検察官送致・刑事訴訟法203条1項)、検察官がより長期間の身体拘束である勾留請求をするかどうかを決めます(204条1項)。
早期に依頼を受けた弁護士であれば、(この勾留請求をしないように働きかけることも重要ですが)勾留決定をする裁判官に対し、勾留の要件を満たさないとして勾留却下を求める活動を行うことが可能です。
すなわち、刑訴法が定める住所不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、勾留の必要性のそれぞれの要件(207条1項、60条・87条1項参照)を満たさないことを具体的に主張していくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務妨害事件も含めた刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
上記のように逮捕後の早い段階での弁護活動が身体拘束の有無に与える影響は小さくありません。
業務妨害事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間/365日対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

 

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