(事例紹介)女性のスカート内を盗撮しようとしたとして盗撮未遂疑いで静岡市内の男性が逮捕

(事例紹介)女性のスカート内を盗撮しようとしたとして盗撮未遂疑いで静岡市内の男性が逮捕

女性のスカート内を盗撮しようとしたとして盗撮未遂疑いで静岡市内の男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

性的姿態撮影等処罰法違反の盗撮未遂の疑いで、静岡市の男性が逮捕された。
警察によると、男性は静岡県内の路上で、県内に住む20代の女性に後ろから近づき、スカート内にスマートフォンを差し入れ、盗撮しようとした疑いが持たれています。
犯行に気づいた女性が、警察に被害を届け出たことで事件が発覚し、その後の防犯カメラの解析などから逮捕された。
(岐阜放送「女性のスカート内を盗撮未遂疑い 男を逮捕」(2024/5/22)を引用・参照したフィクションです。)

性的姿態撮影等処罰法の新設

(性的姿態等撮影)
第2条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法……第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
二(以下、2~3号は略)
2 前項(=1項)の罪の未遂は、罰する。

 

2023年(令和5年)、刑法における性犯罪規定の改正とともに、いわゆる性的姿態撮影等処罰法が制定されました。
このような立法の背景として、スマートフォン等の普及に伴う盗撮行為の容易化から盗撮が社会問題となっていたことが挙げられます。
本件では、逮捕された男性は、被害女性のスカート内をスマートフォンで撮影しようとしています。
これは、上記法2条1項1号イに該当する行為をしようとし、これを遂げなかった(同条2項)すなわち性的姿態等撮影未遂罪に該当し得る行為をしたということになります。
これまでは各都道府県が制定しているいわゆる迷惑防止条例によって対処されていた盗撮事例の多くは、本法によって対処されることになることに注意が必要です。
なお、1項1号柱書の除外事由の文言は非常に読み取り難いですが、「人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら」上記1号イに該当する部位を「自ら露出」した場合は処罰対象とはならないことを定めていると考えられます。

本件のような盗撮事件の場合、仮に逮捕されたとしても、逮捕に引き続く勾留(プラス10日間の身体拘束処分)を阻止することは十分可能です。
勿論、勾留されるかどうかは前科の有無などケースバイケースで判断されるため、まずは初期の逮捕段階において弁護士と早期面会をすることが極めて重要といえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
盗撮未遂事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお気軽にお問い合わせください。

 

 

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