(事例で解説)警察官を装う詐欺の疑いで男性が逮捕
詐欺の疑いで男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
警察官を名乗って高齢者から現金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで職業不詳の男性を逮捕した。
静岡県磐田警察署によると、男性は警察官を装って被害者宅に電話をかけ、「詐欺グループを摘発した際、あなた名義のクレジットカードと銀行口座が悪用されていることが判明しました。このままだと口座が凍結され、犯罪に関与しているとみなされる恐れがあります」「口座が凍結される前に預金をすべて出金し、こちらで保管する必要がある」などとうそをつき、被害者をだまして現金を自宅の庭に置かせた上で、これを持ち去った疑いがある。
(本事例はフィクションです。)。
【警察官を装う詐欺事件】
(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2(略)
本事例では、加害者が警察官を名乗り被害者に対して虚偽の事実を伝え自宅の庭に置かせた上でこれを持ち去りました。
まず、注意すべき点として本事例には刑法235条に規定される窃盗罪は適用されないということです。
窃盗罪は、他人の占有する財物を窃取することを構成要件としますが、本件では被害者が自らの意思に基づいて財物を提供しており、被害者の意思に反して他人の財物を窃取したとは言えません。
他方で、刑法246条1項に該当する「欺もう」(上記条文にいう「人を欺」く行為)による財物の詐取があると考えられます。
本件では、加害者が被害者に対して「口座が凍結される」などと嘘を伝えることで、被害者に犯罪に加担する恐れや自らの財産が危機にさらされる恐れがあると信じ込ませています。
これにより被害者は現金を庭先に置くという行為(被害者による交付行為)をしましたが、被害者が嘘を信じ錯誤に陥っていなければこのような行動を取ることはなかったと言えるため、加害者が財物を取得した時点で刑法246条1項にいう詐欺(既遂)罪が成立するものと考えられます。
【詐欺事件における弁護活動】
まず、何よりも重要なのが逮捕後の速やかな弁護士による接見(逮捕されてしまった被疑者との面会)です。
自白事件か否認事件か(被疑事実を認めているか否か)にかかわらず、逮捕されてしまった方は日常生活から物理的に隔絶されることに伴い精神的に不安的な状態に置かれることが少なくありません。
また、多くの方は身体拘束状態がいつまで続くのか、これから自らがどうなってしまうのかといった点に強い関心を抱くものの、必ずしも法律に明るいわけではないため、これらに対して明確な見通しを持つことは困難と言わざるを得ません。
こういった疑問や不安を解消したり軽減したりすることも弁護士の役割の一つであり、このような弁護活動が逮捕という事件の初期段階に行われるメリットは法的な面にとどまらないことがお分かり頂けるかと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、本件のような詐欺事件などを含む刑事事件を専門的に扱う法律事務所です。
詐欺事件での早期接見や弁護士との法律相談を希望される方は、通話料無料のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

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