自首・出頭したい

・自首とは

自首とは,犯罪事実または犯人が誰であるかが発覚する前に,犯人が自ら捜査機関に自己の犯罪事実を申告し,その処罰に自己をゆだねる意思表示のことです。刑法上,刑の減免事由とされています。

 

・自首が成立する要件

自首が成立するためには,

  1. 自発的に自身の犯罪事実を申告していること,
  2. 自首をした者が自身の罰則・処分を求めていること,
  3. 捜査機関に申告していること,
  4. 捜査機関から発覚する前に申告していることが必要です。

まず,①については,例えば,取り調べや職務質問中に,犯罪事実を自白した場合,自発的にされたものとはいえず,自首には当たりません。また,犯罪事実が身内などに発覚して身内などに連れられて警察などに出頭した場合,身内などからの告発と評価され,自首とはならない可能性が高いです。

②については,例えば,犯罪事実の一部を隠蔽するために申告したような場合には自首は成立しません。自然死した親の死体を押入れに隠していたこと(死体遺棄罪)について申告したが,実際は単に親の死体を隠したのではなく,親を殺害していた(殺人罪)ような場合です。また,申告はしたものの刑事責任を否定しているような場合も自首には当たりません。

③についてですが,ここでいう捜査機関は,司法警察員と検察官を指します。司法警察員とは,巡査部長以上の警察官のことです。警察官のうち巡査は,法律上「司法巡査」として区別され,司法巡査に対して犯罪事実を申告しても自首は成立しません。もっとも,司法巡査に申告すれば,司法巡査が上司に報告することになるので結果的に司法警察員や検察官に申告が到達し,自首が成立することになります。

④についてですが,既に犯罪を犯したことの疑いをかけられている段階での申告では自首が成立しないということです。また,捜査機関に犯人と思しき者が誰であるかは判明しているものの,所在が分からない場合に,その者自らが警察署等に申告しても,自首には当たりません。例えば,指名手配などされていて,もう逃げきれないと観念したような場合には,自首は成立しません。

 

・出頭とは

捜査機関に犯罪事実や犯人が発覚した後に,犯人が捜査機関に犯罪事実を申告するような場合を,自首と区別して出頭といいます。

出頭の場合,自首と異なり,刑の減免は受けられません。ただし,出頭したという事情が考慮され,処罰に影響することがあり得ます。

 

・親告罪の場合

親告罪の場合,告訴権者(被害者等)からの告訴がなければ刑事手続きを行えないことから,親告罪について告訴権者に犯罪事実を告げ,告訴権者にその措置をゆだねた場合も,自首と同じく刑が減免されることになります。

 

・自首をした後の流れ

自首をした場合に,その場で逮捕されるとは限りません。自首をした後,取り調べ等の事件の捜査が行われ,逮捕の必要があると判断された場合に逮捕されます。在宅で捜査が進むこともありますし,逮捕されたり勾留されたりすることもあります。警察が自首によって事件を知ったということ以外,他の刑事事件の場合と異なるところはありません。

自首をするまでにどのような方法を取るのが良いでしょうか。

 

・自首の準備

自首を決断したのであれば,自首の準備をすることになります。既に犯罪事実や犯人が発覚している場合,自首が成立しなくなることもあるので,早めに管轄の警察署に伝える必要があります。また,自首は口頭でも可能ですが,事件の概要を記した書面があると自首の受理もスムーズになるので,そのような書面を用意するのが望ましいといえます。なお,事前に警察に連絡を入れ,あらかじめ日程を調整して出頭することも可能です。

 

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