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(架空の事例で検討)静岡県湖西市にて拾ったキャッシュカードから現金を引き出そうとした事件
占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪の自首
占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪の自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
静岡県湖西市に住むAさんは近所でキャッシュカードを拾い、このカードを使って現金自動預払機から現金を引き出すことを思いつきました。
Aさんはまず現金を引き出す前提として、どれくらいの残高があるか確かめるため、残高照会をすることとし、キャッシュカードをV銀行の現金自動預払機に差し込みました。
しかしV銀行には紛失届が出されていたので、キャッシュカードはそのまま回収され残高照会をすることはできませんでした。
キャッシュカードが回収されたのを見てAさんは怖くなり静岡県湖西警察署への自首を考えています。
(フィクションです)
【占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪について】
Aさんの行動のうち、キャッシュカードを拾って自分のものとしたことが、占有離脱物横領罪にあたります。
また、残高照会をしようとしたことが窃盗未遂罪にあたります。
占有離脱物横領罪(刑法第254条)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処する。
窃盗罪(刑法第235条)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
窃盗未遂罪(刑法第243条)
第235条から(略)第241条第3項の罪の未遂は、罰する。
※現金自動預払機において、残高照会行為と現金引出行為(=窃取行為)は一体の行為とされています。
(名古屋高等裁判所判決平成13年9月17日)
残高照会行為に着手していれば、窃盗の実行の着手に該当するとされます。
【自首とはどのようなことですか】
自首とは、犯人が捜査機関(警察など)に対し、自発的に自分の犯罪事実を申告し、処分を求めることをいいます。
自首についても刑法上に規定があります。
刑法第42条
1 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。
と規定されています。
※おおよその人相、年齢、身長、着衣等がわかっているだけでは「発覚」しているとはいえないとされています。
【刑事事件例について】
先に述べましたとおり、Aさんには占有離脱物横領罪と窃盗未遂罪が成立します。
捜査機関が、キャッシュカードを拾ったり、そのキャッシュカードで残高照会をしたのがAさんだと把握していない場合は、自首が成立する可能性が有ります。
【弁護活動について】
Aさんは自首をしようかと悩んでいます。
自首をするメリットとしては、
①逮捕されない可能性が上がる
②報道されない可能性が上がる
③不起訴の可能性が上がる④執行猶予の可能性が上がる
⑤示談の成功率が上がるなどがあります。
さらに自首に弁護士が同行するメリットとしては、
①逮捕されない可能性が更に上がる(逃走や証拠隠滅の恐れが低いとみられます)
②自首前に取調べへのアドバイスをもらえるなどがあります。
ご自身で警察署など捜査機関に連絡をする前に、ぜひ刑事事件に強い弁護士に一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
占有離脱物横領罪や窃盗未遂罪に詳しい弁護士、自首に同行をした経験がある弁護士も在籍しております。
ご家族やご自身が占有離脱物横領罪や窃盗未遂罪で話を聞かれることになった、逮捕されてお困りの方、自首をしようか悩んでいる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(架空の事例で検討)静岡県静岡市にて電車内で痴漢行為が見つかった場合の対応について
静岡市駿河区の痴漢事件
静岡市駿河区の痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が架空の事例をもとに解説します。
【事例】
AさんはJR東海道本線で毎朝JR藤枝駅からJR静岡駅まで通勤しています。
ある朝、AさんはJR焼津駅を発車したあたりで満員電車の中で前に立つVさんのお尻を触りたくなり、Vさんが満員電車内で抵抗できないことをいいことに、スカートの上からお尻をなでました。
するとAさんは、Vさんの隣にいたBさんに手をつかまれ次のJR安部川駅で降ろされ、その後Aさんはかけつけた静岡県静岡南警察署の警察官に引き渡されました。
(フィクションです)
【痴漢は何罪になりますか?】
静岡県迷惑行為防止条例違反、もしくは不同意わいせつ罪となります。
【痴漢における静岡県迷惑行為防止条例違反と不同意わいせつ罪の境目】
静岡県迷惑行為防止条例になるのか、不同意わいせつ罪になるのかの区別は、触った場所や触り方の執拗さや程度によって判断されることになります。
つまり、被害者の陰部に触れる行為は、一般的に不同意わいせつ罪に当てはまることになりますが、(ただし、厚手の着衣の上から触るにとどまる場合は静岡県迷惑行為防止条例違反を適用することが多いです。)被害者の臀部(お尻)に触れる行為は、その触り方や執拗さや程度によることとなります。
着衣の上や下着の上から臀部をなでる行為は、一般的に、その接触の程度からわいせつ行為には至っておらず、静岡県迷惑行為防止条例違反となる傾向がありますが、下着の中に手を入れ直接臀部をなでる行為は一般的に、その接触の程度などからわいせつ行為となる傾向があります。
ただし、服の上から触る行為であっても、無理矢理抱きついたり胸部(胸)や臀部を無理矢理揉む行為は不同意わいせつ罪に問われることが多くなります。
【事例について】
AさんはVさんのスカートの上からそのお尻をなでており、わいせつの程度には至っていません。
よってAさんは静岡県迷惑行為防止条例違反の罪責を問われる可能性が高いと思われます。
【Aさんの弁護活動について】
①痴漢行為をしていない時は、すぐ弁護士を呼んでください
痴漢行為をしていないにもかかわらず、痴漢事件の容疑をかけられて逮捕されたり、警察署に呼ばれて捜査されてしまった場合は、すぐに弁護士を呼んで下さい。
冤罪を防ぐために、あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕後すぐに逮捕された本人のもとへ接見に向かい、嘘の自白をしないよう取調べについての対応をアドバイスします。
また目撃者や客観的な証拠を探し出すことで、被害者や目撃者の供述が信用できないことを主張していきます。
②起訴前でも起訴後でも被害者と示談をします
実際に痴漢行為をしていた場合でも、起訴前に示談をすることにより、不起訴処分になり前科がつかなくなる場合があります。
さらに、示談をすることで釈放の可能性も高まりますので、示談によって早期の職場や学校への復帰・社会復帰を図ることもできます。
起訴前でも起訴後でも、被害者の処罰感情や被害弁償と示談の有無などが処分に大きく影響することになるので、弁護士を介して納得のいく示談をすることが重要となります。
③逮捕された時は、できるだけ早急に弁護士と面会しましょう
痴漢事件で逮捕されたとしても、適切な取調べ対応と弁護活動によって早く留置場から出る可能性が高まります。
痴漢事件で逮捕された方が早く留置場から出るためには、逮捕された後に勾留されないことが大切です。
勾留されないようにするためには、逮捕後の早い段階で弁護士と面会して取り調べへの対応を話し合い、身元引受人(ご家族など)の協力を得ることが大切です。
さらに弁護士から検察官や裁判官に対して、本人の反省と二度と痴漢をしない旨を主張し、釈放してもらうよう働きかけます。
まずは弁護士に相談を
このように、刑事事件に強い弁護士、示談交渉に強い弁護士に早期に相談をすることがとても大切です。
ご自身やご家族が痴漢事件で話を聞かれることになったり逮捕されてしまった方は、ぜひ刑事事件や示談交渉に強い弁護士に早急にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
示談交渉や適切な主張や立証を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
痴漢事件でご自身やご家族が話を聞かれることになった、逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
(架空の事例で検討)静岡県熱海市のホテルで浴衣を不法領得してしまった。その後どうなる?
(架空の事例で検討)静岡県熱海市のホテルで浴衣を不法領得してしまった。その後どうなる?
窃盗罪と詐欺罪の境界について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは静岡県熱海市のホテルに宿泊した際、ホテルに備え付けてある浴衣が欲しくなり、従業員のVさんに「部屋に浴衣が無いので一つください。」と声を掛けました。
Vさんはホテルで働き始めてまだ3日目の、接客等の機械的な仕事に従事しているアルバイト従業員で、Aさんの言葉を信じて手に持っていた浴衣を渡しました。
AさんはVさんから受け取った浴衣をカバンに入れ持ち帰りました。
後日Aさんは静岡県熱海警察署の警察官に、窃盗罪の疑いで話を聞かれることになりました。
(フィクションです)
【窃盗罪か詐欺罪か】
AさんはVさんを欺いて(だまして)浴衣を領得しました。
欺く行為があるから詐欺罪では?と思われるかもしれませんので、窃盗罪と詐欺罪を比較してみましょう。
窃盗罪
他人が占有する財物を窃取する行為は、窃盗罪を構成します。
事実上の占有権が窃盗罪の保護法益です。
窃盗の手段として暴行・脅迫によることなく、占有者の意思に反してその占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことです。
詐欺罪
詐欺罪の要件として、①欺く行為がある②錯誤に陥る③財産的処分行為がある④財物の交付があることが必要で、これには一連の因果関係が必要です。
財産的処分行為とは、財物を処分できる権限を有する者が、財物を交付することです。
窃盗の手段に欺く行為がある場合は、詐欺罪の要件を充足する場合には詐欺罪が成立し、詐欺罪が成立しない場合は窃盗罪が成立します。
【関係判例】
旅館の宿泊客に浴衣等を提供する行為は、その物を交付した従業員に処分意思がないことから、交付を受けた浴衣等を領得した場合は、窃盗罪が成立する(最高裁判所昭和31年1月19日判決)。
という判例があります。
【窃盗罪における弁護活動】
窃盗罪においては弁護士を通じて、被害者への被害弁償及び示談交渉を行うことがとても大切です。
被害届が提出される前に被害者に対して被害弁償をして示談を成立させることができれば、警察が入ることなく前科をつけずに事件を解決できる可能性があります。
窃盗事件としてすでに警察が取り扱っている場合であっても、被害者との間で被害弁償及び示談を成立させることで、逮捕や勾留により留置場へ入る可能性を下げることができます。
被害金額が大きくなく窃盗など同じような事件の前科がなければ、示談の成立により起訴猶予による不起訴処分になり、前科がつかないように目指すことも可能です。
起訴され裁判になった場合でも、被害弁償及び示談を成立させていれば執行猶予付き判決の可能性を高めることが出来ます。
窃盗罪に限らず、刑事事件において加害者本人が示談交渉を行うことはほぼ不可能ですが、弁護士が加害者に代わって示談交渉を行えば示談が円滑にまとめられる可能性が高くなります。
ぜひ早急に、刑事事件に強い弁護士への相談をおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の窃盗事件の弁護を行ってきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご自身やご家族が窃盗の罪に問われてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(架空の事例で検討)静岡市葵区にて窃盗未遂で逮捕されてしまった その後どうなる?
静岡市葵区にてひったくり事件
静岡市葵区の窃盗未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは生活費に窮したことからひったくりを決意し、静岡市葵区にある銀行から出てきたVさんが手に持っている封筒に現金が入っていると思い、これをひったくって逃走しました。
しかしこの封筒にはチラシしか入っておらず、銀行で大量に無料配布されているもので、Vさんもすぐに捨てるつもりでした。
Aさんは駆けつけた静岡県静岡中央警察署の警察官に窃盗未遂罪で逮捕されました。
(フィクションです)
【窃盗罪とは?】
Aさんが行った窃盗罪と、盗んだものの価値について見ていきましょう。
①窃盗罪とは
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。(刑法第235条)
他人が占有する財物を窃取する行為は、窃盗罪を構成します。
②窃盗罪の保護法益
事実上の占有権が窃盗罪の保護法益にあたります。
③「財物」とは
所有者にとって、客観的に価値がないものであっても、主観的価値(使用価値・利用価値)があれば財物となります。
・「財物」となるもの
財物に対する主観的な価値は、「それを保存しておきたい。」という積極的な意思だけではなく、「他人に渡さないため」あるいは「悪用を防ぐために廃棄する」といった消極的な意思でも成り立ちます。
・「財物」とならないもの
経済的価値が極めて少なく、客観的にも主観的にも全く価値のないものは財物ではありません。
※ですから、「財物」にならないものを窃取しても、未遂罪にとどまります。
【刑事事件例について】
上記の通り、Aさんが窃取したチラシは刑法上保護すべき「財物」とは認められないことから、Aさんには窃盗未遂罪が成立すると思われます。
【関係判例】
Aさんのような財物ではないものを盗んだことについての裁判は、昭和54年に判決がでています。
無料配布の広告パンフレットは客観的にも主観的にも財産的価値がないから、これを窃取しても未遂にとどまる(東京高等裁判所判決昭和54年3月29日)。
【逮捕されたAさんの今後について】
逮捕されたAさんは48時間以内に検察庁の検察官のもとに送られます。
検察官は、24時間以内にAさんを勾留するか釈放するかを決め、勾留する場合は裁判所に勾留請求をします。
勾留請求を受けた裁判所の裁判官は、Aさんを勾留するかどうかを決定します。
裁判所の裁判官による勾留決定が出た場合、Aさんは10日~20日間警察署の留置場などに留置されることになります。
その後は起訴され裁判になるか、または起訴猶予による不起訴となり裁判にならないこともあります。
しかし、早期に弁護士に依頼をすることにより釈放や不起訴を勝ち取り逮捕や勾留、裁判や前科を回避できる可能性があります。
窃盗事件は被害者の方が存在するため、被害者の方への被害弁償や示談の成立が大切です。
窃盗罪の被害届が提出される前に、被害者の方に対して被害を弁償して示談を成立させることができれば、警察が捜査をする前に前科をつけずに事件を解決できる可能性があります。
すでに警察が捜査をしている場合であっても、被害者の方との間で、被害弁償及び示談を成立させることで、逮捕や勾留による身柄拘束をされることがなく早期に職場復帰や通学が出来る可能性を高めることができます。
また被害金額が少なく、同じような前科がなければ、示談の成立により起訴猶予による不起訴処分を目指すことも可能です。
起訴猶予による不起訴処分になれば前科はつきません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族が窃盗未遂罪で逮捕されてしまいお困りの方、釈放・不起訴にしてほしい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(架空の事例で検討)静岡県袋井市にてインターネット上での誹謗中傷をして侮辱事件に発展
インターネットで誹謗中傷をして侮辱事件に
インターネットで誹謗中傷をして侮辱事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
Aさんは、誰でも見ることができるインターネットの掲示板に「Vはクズな男だ、あんな奴なんで生きてるんだろう。」などとVさんの実名を挙げて書き込みをしました。
数週間後、Vさんが居住する静岡県袋井市を管轄する袋井警察署の警察官がAさんの自宅を訪ね、Aさんは侮辱罪で袋井警察署で話を聞かれることになりました。
(フィクションです)
【インターネットで他人を誹謗中傷することについて】
インターネット社会が発展するに伴い、他人を誹謗中傷する内容がインターネットの掲示板やSNSに書き込まれることが増加しています。
インターネットで不特定または多数人が閲覧できる場合、名誉棄損罪か侮辱罪が成立する可能性があります。
名誉棄損罪と侮辱罪では次に述べますとおり、法定刑に大きな違いがあります。
【名誉棄損罪】
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処する。(刑法第230条第1項)
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。(刑法第230条第2項)
【侮辱罪】
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。(刑法第231条)
【名誉棄損罪と侮辱罪の共通事項】
1 人の名誉
「人」とは、行為者以外の自然人、法人、その他の団体をいい、「名誉」とは、外部的名誉、すなわち、人の価値に対する社会的評価をいいます。
人の倫理的価値(品性)、政治的・学問的・芸術的能力、容貌、健康、身分、家柄など社会において価値があるとされるものが含まれますが、人の経済的な支払い能力に対する評価(信用)は、信用棄損罪の対象となります。
2 公然
不特定または多数人の認識しうる状態をいい、「不特定」とは相手方が特殊な関係によって限定されたものでないことをいい、摘示の相手方は特定かつ少数であっても、伝播して間接的に不特定多数人が認識できるようになる場合も含まれます。
3 名誉棄損罪、侮辱罪とも親告罪です。
【名誉棄損罪と侮辱罪の違い】
1 事実の摘示について
名誉棄損罪は、「事実を摘示して、人の名誉を毀損する」ことで、人の社会的評価を低下させる恐れのある具体的事実を指摘、表示することをいい、単なる価値判断や評価は含まれません。
また、摘示される事実は、その真否を問わないし、公知の事実でもよく、また事実を摘示する方法に制限はなく、口頭、文書、写真(わいせつな写真と顔写真の合成)などがあります。
「名誉を毀損する」とは、人の社会的評価を低下させる恐れのある状態を作ることをいい、現実に社会的地位が傷つけられたことは必要ではありません。
侮辱罪は、「事実を摘示しなくても、人を侮辱する」ことで、具体的事実を摘示することなく、人の社会的評価を低下させるような抽象的判断、批判を表現することをいいます。
表現補法に制限はなく、口頭、文書、動作などによってもかまいません。
2 故意
名誉棄損罪は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損することの認識・認容が必要です。
侮辱罪は、事実を摘示することなく、公然と人を侮辱することの認識・認容が必要です。
3 違法性の阻却
名誉棄損罪にのみ規定があり、
①摘示事実が公共の利害に関する事実であること(事実の公共性)
②その目的がもっぱら公益を図るためであること(目的の公益性)
③摘示事実が真実であることの証明があったこと(事実の真実性)の場合に違法性は阻却されます。
【刑事事件例について】
Aさんは誰でも見ることができるインターネットの掲示板に(=公然)、「Vはクズな男だ」と具体的な事実ではなく、抽象的な評価を示して、Vさんの社会的評価を低下させ得る内容の書き込みをしています(=事実を摘示することなく侮辱)。
よって、Aさんには侮辱罪が成立すると思われます。
【Aさんに対する弁護活動】
インターネットにおける誹謗中傷に関する犯罪は、名誉棄損罪であれ侮辱罪であれ、被害者が存在します。
よって、被害者との示談交渉が大変重要になってきます。
示談交渉とは、当事者同士で話し合って解決を模索することですが、加害者本人が示談交渉をすることはほぼ不可能ですし、ほぼ弁護士にしかできません。
被害者が刑事告訴を考えていた時、示談交渉をして刑事告訴をしないように働きかけることもできます。
名誉毀損罪や侮辱罪は上記のとおり親告罪ですので、示談交渉の前に被害者が刑事告訴をしていた場合でも告訴を取り下げてもらうことができれば不起訴になります。
ご自身やご家族がインターネットで誹謗中傷の書き込みをしてしまい心配だという方は、ぜひ刑事事件に強い弁護士にお早めにご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
示談交渉を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
インターネットで誹謗中傷の書き込みをしてしまい不安だという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
(架空の事例で検討)静岡県浜松市で不法投棄をしてしまったら?廃棄物処理法について検討
(架空の事例で検討)静岡県浜松市で不法投棄をしてしまったら?廃棄物処理法について検討
不法投棄で問題となる罪について、静岡県浜松市での架空の事例を用いてあいち刑事事件総合法律事務所が検討します。
【ケース】
静岡県浜松市在住のAさんは、静岡県浜松市の会社に勤める会社員です。
Aさんは引越しをすることになり、多くの荷物は引越し先に持っていくことにしたのですが、一部は廃棄しようと考えました。
しかし、廃棄するにはお金がかかるため、無駄だと感じたAさんは、使わない冷蔵庫や洗濯機などを浜松市内の旧宅の近くにある森林に不法投棄してしまいました。
数ヶ月後、浜松市の一部を管轄する天竜警察署の警察官がAさんの新居に来て、廃棄物処理法違反で在宅捜査すると言われました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【不法投棄で問題となる廃棄物処理法違反について】
廃棄物処理法16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
同法25条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
14号 第16条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
廃棄物処理法というと産業廃棄物処理業者などが対象になるというイメージをお持ちの方がいるかもしれませんが、ゴミの廃棄全般について規定する法律です。
廃棄物処理法16条のいう廃棄物とはすべての廃棄物を指すため、産業廃棄物や粗大ごみなどだけでなく、一般家庭で出るごみや少量のゴミでも対象となり得ます。
罰条は5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金とされています。
ポイ捨てをしたからといってすぐに懲役、あるいは1000万円の罰金が科せられるというわけではないものの、廃棄物の量やポイ捨てした回数、前科の有無などによっては、厳しい刑事罰が科せられるおそれもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、廃棄物処理法違反のような特別法に違反した場合の弁護活動にも対応しています。
静岡県浜松市にて、引越しの前後などで不法投棄をしてしまい、廃棄物処理法違反などの嫌疑で天竜警察署の警察官が自宅に来た場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
静岡県浜松市で起きた傷害事件
今回は、静岡県浜松市で起きた傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
同居中の女性の頬を殴り、けがをさせたとして、浜松市の32歳の男が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕された浜松市中区の32歳の飲食店従業員の男は、18日午前9時ごろ、自宅で同居する27歳の女性の頬を殴ってけがをさせた疑いが持たれています。女性は頬をすりむく軽傷です。女性が警察に通報し、駆け付けた警察官が男を現行犯逮捕しました。警察は男の認否を明らかにしていません。
(https://look.satv.co.jp/_ct/17608313 2月18日 「女性からの通報で警察官が駆け付け…32歳の男を傷害容疑で現行犯逮捕 同居女性を殴りけがさせたか 浜松市」より引用)
~傷害事件の弁護活動~
傷害事件を起こしてしまった場合であっても、被害者のケガが軽微である場合、逮捕されずに済むケースは珍しくありません。
そもそも警察が当事者同士での話し合いを勧めるなどして、事件化しない事例もあるでしょう。
しかし、ケースの事件では、27歳女性のケガが軽傷であるにもかかわらず、加害者男性は逮捕されています。
これは、2人が同居しており、放置すると同様の事件が起きる可能性、罪証隠滅のおそれ(被害者を脅して口止めするなど)があることから逮捕に至ったものと推測されます。
DVに伴って起きた事件においては、逮捕される可能性が高まるのが一般的といえます。
~逮捕されてしまった場合の弁護活動~
早期の身柄解放を目指した弁護活動を行う場合、身元引受人を用意し、事件解決までの監督を任せることが考えられますが、当然ながら同居していた被害者女性を身元引受人とすることは不適当です。
捜査機関や裁判所も納得しないでしょう。
このような場合には、同居していた自宅と地理的に離れている、被害者女性以外の信頼できる身元引受人を用意することが必要です。実家の家族を頼るのが良いでしょう。
また、被害者女性においても、シェルターに避難したり、加害者男性が知らない場所へ引っ越すことが考えられます。このような場合には、自宅に戻る余地もあります。
傷害事件で逮捕されてしまった場合には、まず弁護士の接見を受け、今後の弁護活動に関してアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
傷害事件、DV事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
静岡県沼津市で起きたタクシー窃盗事件
今回は、静岡兼沼津市で起きたタクシー窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
静岡県沼津市でタクシーを盗んだとして、48歳の男が逮捕されました。タクシーはその日のうちに乗り捨てられているのがみつかり、車載カメラに残っていた映像が逮捕につながりました。
窃盗容疑で逮捕された沼津市東原の48歳の会社員の男は1月14日午前6時ごろ、沼津市内でタクシー1台(250万円相当)を盗んだ疑いが持たれています。警察によりますと、タクシーの運転手は客を迎えに行き、到着を知らせるためにタクシーを離れたすきに盗まれた、ということです。タクシーはその日のうちに市内で見つかりました。車内には売上金など10万円ほどがありましたが、盗まれたものは確認されていません。警察が車載カメラを確認したところ、男が映っていて、逮捕に結びついた、ということです。
警察は男の認否を明らかにしていませんが、たまたま通りかかって盗んだものとみています。タクシーをすぐに乗り捨て、車内にあった現金にも手をつけず、男の動機は何なのか、警察官も首をかしげていました。
(https://look.satv.co.jp/_ct/17608726 2月20日 「タクシー盗み乗り捨てか…車内の売上金10万円には手をつけず 48歳の男を逮捕…車載カメラから判明 静岡・沼津市」より引用)
~ケースの事件について~
自動車をターゲットとした窃盗事件は珍しくありませんが、タクシーが盗まれた事件は比較的珍しいと考えられます。
タクシーには、防犯のため車載カメラが搭載されていることが多く、通常の自動車よりも被疑者の検挙につながりやすいと思われます。
被疑者男性はタクシーを乗り捨て、さらに、社内にあった売上金などにも手をつけていません。自転車でこのように乗り捨てた場合、不法領得の意思がないとして窃盗罪が成立しない可能性がありますが、自動車の場合は価値が高く、自動車本体への危険も大きいため、窃盗罪は成立するでしょう。
動機はいまのところ不透明ですが、もし被疑者男性にとって有利な点があるとすれば、被害品であるタクシーや現金等が返還されている、という点です。
自身で返却していない点に問題がありますが、それでも、大きくタクシーを損傷等していない限り、どこかへ売却してしまった場合などに比べて、事態は良いといえるでしょう。
ケースの記事によれば、タクシー1台250万円相当とありますが、その日のうちに発見され、他に盗まれたものもないため、適切に弁護されれば執行猶予判決となる可能性があります。
今後の弁護活動としては、もしタクシーを損傷していればその修理費、タクシーの清掃代、移動距離総統の燃料代、タクシーの運用者がタクシーを業務で利用できなかったことによる損害などを賠償し、有利な事件解決を目指すことが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
窃盗事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
静岡市で引越しの手順をめぐりトラブルとなり、傷害事件に
今回は、静岡市で起きた傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
28日、静岡市で引っ越しの手伝いに来た女が、依頼をした男性にかみつきけがをさせたとして逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、千葉県松戸市の自称・不用品回収業の46歳の女です。女は28日午前9時ごろ、静岡市葵区東千代田の集合住宅の駐車場で、36歳の男性の手にかみつき、けがをさせた疑いが持たれています。男性は、指から出血する軽傷です。
警察によりますと、2人に面識はなく、男性が第三者を介して女に引っ越しの手伝いを依頼。引っ越しの当日、女が現場に屋根のないトラックで来たため、男性が「荷物が濡れる」などと言って依頼を断ったところトラブルになったということです。
女は「かみました」と容疑を認めているということです。
(https://look.satv.co.jp/_ct/17603078 1月28日 「引っ越しの手伝い依頼したら屋根のないトラックで…トラブルになり依頼者にかみついた46歳の女を逮捕 静岡市」より引用)
~傷害事件の弁護活動~
もし傷害事件を起こしたのが初めてであり、被害者のケガも軽い場合、不起訴処分の獲得を目指した弁護活動が考えられます。
不起訴処分とは、検察官が被疑者を裁判にかけないものとする処分です。
不起訴処分を獲得することができれば、前述の通り裁判にかけられないため、有罪判決を受けずに済むことになります。
そのため、前科をつけずに事件を解決することができます。
不起訴処分を獲得できる可能性を高めるためには、被害者に対して謝罪と生じさせた損害の賠償(治療費、慰謝料等の支払い)を行い、示談を成立させることが非常に重要です。
もし示談書に宥恕条項(被疑者について寛大な処分を求める意思表示)を入れてもらうことができれば、不起訴処分がなされる可能性は非常に高くなるでしょう。
ケースの事件の被疑者は逮捕されてしまっているため、示談交渉を行うためには、弁護士に事件解決を依頼する必要があります。
まずは弁護士の接見を受け、示談交渉に関してアドバイスを受ける必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
傷害の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
夫を車のボンネットに乗せた状態で自動車を走行させ、23歳女性が逮捕
今回は、静岡県袋井市で夫を自動車のボンネットに乗せた状態で車を走行させた女性が逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
30日未明、袋井市で、夫をボンネットに乗せた状態でおよそ2キロにわたって車を走らせたとして23歳の妻が殺人未遂の疑いで逮捕されました。
30日午前0時まえ袋井市浅名で「ボンネットに人を乗せたまま車が走っているようだ」と110番通報がありました。
警察が現場付近に駆けつけたところ、道路上に止まっている乗用車を見つけ、そばにいた男女から事情を聴いた結果、23歳の夫をボンネットに乗せた状態で、およそ2キロにわたって車を走らせたとして妻を殺人未遂の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、森町の23歳会社員女性で、警察によりますと、近くのコンビニエンスストアの駐車場で夫が車の前に立ちふさがったためそのまま車を走らせたということです。
~(中略)~。
夫にけがはありませんでした。
警察は夫婦間で何らかのトラブルがあったとみて調べています。
~(中略)~
(https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20230130/3030019092.html 1月30日 「ボンネットに夫乗せ約2キロ走行 妻を殺人未遂の疑いで逮捕」より ※氏名等の個人情報は秘匿しています)
~意外にも適用例の多い殺人未遂罪~
殺人未遂罪が成立するためには、殺人罪等が実行に着手される必要があります。
実行の着手は、行為者が殺意をもって、他人の生命に対する現実的危険性のある行為を開始したときに認められます。
銃器を故意に他人へ向け、あるいはこれを発射したり、刃物で他人の胸部を刺す等の行為が典型例ですが、自動車やバイクを故意に他人にぶつけるなどした場合にも、殺人未遂罪を適用し検挙するケースがしばしば見受けられます。
自動車のボンネットに他人を乗せ、およそ2キロにわたり走行させる行為についても、当該人物が振り落とされたりするなどして、死亡する危険性が認められる可能性があります。
もとより殺人未遂罪は重罪ですが、警察が夫婦間において何らかのトラブルがあったとみていることからも、家庭内トラブルが事件の背景に存在するかもしれません。
このような場合、罪証隠滅の可能性が高いとされ、身柄解放活動は困難を極め、身体拘束が非常に長期化するおそれがあります。
刑事事件に熟練した弁護士のサポートを受けながら事件解決を目指す必要性が高いといえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
殺人未遂事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。