事後強盗容疑で逮捕された場合の身柄解放

事後強盗容疑で逮捕された場合の身柄解放

事後強盗容疑で逮捕された場合の身柄解放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【刑事事件例】

静岡県下田市に住むAさん(男性)は、同市内にあるコンビニで、持参していたバッグに1000円相当の商品を万引きしました。
ところが、店を出る前に、近くにいた女性の客(Vさん)に「万引きしたでしょ」と声を掛けられ、肩に手を掛けられました。
Aさんは、万引きしたことがばれるのを隠そうと、Vさんの髪の毛を引っ張り、Vさんを地面に倒しました。
その後、Aさんはその場面を目撃していた店員に取り押さえられ、静岡県下田警察署に通報をされてしまいました。
結局、Aさんは静岡県下田警察署の警察官により事後強盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは何とか速やかに身体拘束を解いてほしいと考えています。
(2021年2月1日に東海テレビに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【事後強盗罪とは】

刑法238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を逃れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪は、窃盗犯人が、窃盗の機会に、逮捕を逃れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときに成立します。

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪として、5年以上の有期懲役に処する。

事後強盗罪は「強盗として論じる」とされていますので、事後強盗罪を犯した者には、5年以上の有期懲役が科せられます。

【事後強盗罪の成立要件】

事後強盗罪が成立するための「暴行又は脅迫」とは、相手の反抗を抑圧するに足りる程度のものをいいます。

刑事事件例では、AさんはVさんの髪の毛を引っ張り、地面に倒しています。
静岡県下田警察署の警察官は、Aさんの行為はVさんの反抗を抑圧するに足りる程度の暴行である、すなわち事後強盗罪の「暴行」に当たると考えたのだと思われます。

また、事後強盗罪が成立するためには、上記暴行又は脅迫が、窃盗の機会になされる必要があります。
この事後強盗罪における窃盗の機会とは、窃盗の現場又は窃盗の現場の延長であると考えられています。

刑事事件例において、AさんがVさんに行った暴行は、万引きをした直後になされており、場所もコンビニ内で行われています。
よって、静岡県下田警察署の警察官は、Aさんの暴行は事後強盗罪のいう窃盗の機会になされたといえると考えたのだと思われます。

さらに、事後強盗罪が成立するためには、上述した暴行又は脅迫が、逮捕を逃れ、又は罪跡を隠滅するためになされる必要があります。

刑事事件例では、Aさんは、万引きがばれるのを隠そうと上記のような暴行に及んでいます。
そして、静岡県下田警察署の警察官も、通報した店員や被害者の方の話、駆け付けたときの現場の状況などから、Aさんには事後強盗罪の「逮捕を逃れ、又は罪跡を隠滅する」目的があったと考えたのだと思われます。

以上から、静岡県下田警察署の警察官は、Aさんに事後強盗罪が成立すると考えたのだと思われます。

【事後強盗事件の身柄解放活動】

事後強盗事件は、その事件の重大性から逮捕に引き続く身体拘束である勾留がなされる可能性が高いといえます。
ただし、事後強盗事件といっても、その「暴行又は脅迫」の程度が大きいものから小さいものまで存在するなど、事後強盗事件を取り巻く事情は様々です。
例えば、窃盗犯人が刃物を使って捕まえに来た被害者の方を脅迫したという事案や、捕まえに来た被害者の方を押してしまった事案など、一口に事後強盗事件といっても様々な犯罪行為態様が存在するのです。

そこで、刑事弁護士は、被疑者の方から事後強盗事件の具体的な話を伺い、その事件の内容を踏まえて身柄解放活動の方針を決定します。
被疑者の方から伺った事後強盗事件の具体的な事情によっては、刑事弁護士により、被疑者の勾留がされないよう検察官や裁判官に訴えていくことができる可能性があります。

もし起訴前の身柄解放が難しくても、起訴後の段階では、保釈の請求をすることができると考えられます。
起訴後の保釈を目指す場合であっても、身元引受人となる方や事後強盗事件の被告人の方から話を伺うために、早い段階から保釈に向けた準備をすることが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
事後強盗罪を犯した方の刑事弁護活動を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
事後強盗事件で逮捕された場合の身柄解放でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部までご相談ください。

 

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