ジアセチルモルヒネ,コカイン,MDMAなどの麻薬及び向精神薬

・麻薬及び向精神薬とは

麻薬とは,一般に昏迷・昏睡,痛みに対する無感覚を誘発する化学物質で,通常は麻薬性鎮痛薬のオピエートやオピオイドを指しますが,麻薬及び向精神薬取締法では,麻薬及び向精神薬取締法の別表に規定がされています。具体的には,アヘン,モルヒネ,ヘロイン,コカイン,THC,LSD,MDMAなどです。国際的には,LSDやMDMAのような幻覚剤の多くは,向精神薬と認識されていますが,日本の法律上は,麻薬として扱われています。

また,向精神薬とは,精神に作用する薬物の総称であり,非常に広い意味を有する用語ですが,規制の対象となるのは麻薬の場合と同じく,麻薬及び向精神薬取締法の別表で指定されている薬物となっています。

 

・ヘロイン等に対する規制

ヘロイン(ジアセチルモルヒネ)等をみだりに輸入・輸出・製造した場合は,1年以上の有期懲役となります(麻薬及び向精神薬取締法64条1項)。

営利目的の場合には,無期若しくは3年以上の懲役,又は情状によりこれに1000万円以下の罰金が併科されます(麻薬及び向精神薬取締法64条2項)。なお,国外犯も処罰の対象となります(麻薬及び向精神薬取締法69条の6,刑法2条)。

ヘロイン等をみだりに,製剤・小分け・譲渡し・譲受け・交付又は所持した場合には,10年以下の懲役に処されます(麻薬及び向精神薬取締法64条の2第1項)。

営利目的の場合には,1年以上の有期懲役又はこれに500万円以下の罰金が併科されます(麻薬及び向精神薬取締法64条の2第2項)。

 

・ヘロイン等以外に対する規制

ヘロイン等以外の麻薬をみだりに,輸入・輸出・製造・栽培した場合は,1年以上10年以下の懲役に処せられます(麻薬及び向精神薬取締法65条1項)。

営利目的の場合には,1年以上の有期懲役又はこれに500万円以下の罰金が併科されます(麻薬及び向精神薬取締法65条2項)。

ヘロイン等以外の麻薬をみだりに,製剤・小分け・譲渡し・譲受け・交付又は所持した場合には,7年以下の懲役に処されます(麻薬及び向精神薬取締法66条1項)。営利目的の場合には,1年以上10年以下の懲役又はこれに300万円以下の罰金が併科されます(麻薬及び向精神薬取締法65条2項)。

 

・向精神薬に対する規制

向精神薬をみだりに,輸入・輸出・製造・製剤・小分けした場合には,5年以下の懲役が科されます(麻薬及び向精神薬取締法66条の3第1項)。営利目的の場合には,7年以上の懲役又はこれに200万円以下の罰金が併科されます(麻薬及び向精神薬取締法66条の3第2項)。

向精神薬をみだりに,譲渡し,又は譲渡目的で所持していた場合には,3年以下の懲役が科されます(麻薬及び向精神薬取締法66条の4第1項)。営利目的の場合には,5年以下の懲役又はこれに100万円以下の罰金が科されます(麻薬及び向精神薬取締法66条の4第2項)。

 

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