静岡県浜松市でみかじめ料の要求で恐喝罪
静岡県浜松市で飲食店を経営するVさんが、営業後に店内の片づけをしていると、Aを中心とする3人の男が店に入ってきました。
Aは、「ここらへんの店はみかじめ料を払っている。払わなかった奴は病院送りにしてやる。」と脅してVさんからみかじめ料を徴収しようとしました。
Vさんは、「今は現金がない。後で銀行からお金をおろして支払う」と嘘をつき、静岡県警浜松東警察署に恐喝の被害を訴え、警察は店の防犯カメラ等からAら3人の身元を特定し、恐喝未遂罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aは黙秘しています。
(※フィクションです)
上記刑事事件例は、今年5月23、岡山市内の飲食店の前で店のスタッフがビラ配りをしていたことに因縁を付け、20代の男性店長に「他の店は払っとるところもあるからな」などと言い、みかじめ料として現金を脅し取ろうとした疑いがあるとして、岡山中央警察署が今年6月6日、恐喝未遂罪の疑いで指定暴力団神戸山口組系組員の男性を逮捕した事案をモデルにしています。
警察の調べに対し、被疑者は黙秘しているとようですが、被害にあった店は岡山市暴力団威力利用等禁止条例に定められた暴力団排除強化地域にあり、同条例違反の疑いでも調べが進められています。
恐喝罪を定める刑法第249条は、人を恐喝して財物を交付させた者に対して、10年以下の懲役を科しています。
この恐喝行為は、本人だけでなく、本人の親族に対する恐喝でも同様に恐喝罪が成立し(同条第2項)、また、上記恐喝行為によって必ずしも被害者が畏怖や恐怖の念を抱いたことは必要ないとされています(判例)。
ただ、上記事例においては、複数の男が一人の男性のもとに押しかけ、自分の要求を断れば暴力的手段により負傷することを伝達しており、生命や身体に対する害悪の告知として認定されることは間違いなく、恐喝罪の成立を否定することは難しいと言えるでしょう。
また、暴力団やそれに準ずる半グレのような者による脅迫行為の場合、「団体または多衆の威力を示し」たり、「凶器を示し」たりして数人共同で脅迫罪を行うことも多く想定されるところ、このような場合には暴力行為処罰法違反という特別法によって重い刑事責任を追及されることもあり得ます。
さらに、恐喝罪は、その性質上、被害者に対する威迫が強く想定されるため、被疑者による被害者への圧力を防止するためにも被疑者の身体拘束を行う必要が高いと判断されるため、高い確率で最大20日間の勾留が決定することも予想されます。
このような恐喝罪の刑事事件で逮捕された場合には、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に依頼し、身柄解放の活動とともに示談交渉を始めてもらうことが大切です。
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