静岡県下田市で高齢者によるひき逃げで逮捕

静岡県下田市で高齢者によるひき逃げで逮捕

高齢化社会の進行に伴って増加しうるひき逃げ等の交通犯罪の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県下田市の年金受給者Aさん(78歳)は、自動車でドライブに出かけ、その帰りに運転疲れでぼーっとしていたところ、交差点から飛び出してくる自転車に気付くのに遅れ、自転車に乗っていたVさんと衝突してしまいました。
Aさんは怖くなって事故現場から逃げ出してしまい(ひき逃げ)、事故を目撃した他の車の運転手が救急車と110番通報を行いました。
ひき逃げの被害者であるVさんは、静岡県内の病院に緊急搬送され、意識不明の重体です。
その後、静岡県警下田警察署は目撃者の自動車に備えていたドライブレコーダーを解析し、Aさんの身元を割り出し、Aさんを自動車運転死傷処罰法違反過失運転致傷罪)と道路交通法違反ひき逃げ)の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは「間違いない。怖くなって逃げてしまった」と事実を認めています。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、今年8月26日、三重県警が、愛知県小牧市の82歳の無職男性を自動車運転死傷処罰法違反過失運転致傷)と道路交通法違反ひき逃げ)の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。
警察によると、被疑者は24日午後6時45分頃、三重県伊賀市の県道で軽乗用車を運転中、自転車に乗っていた同市の無職男性(80歳)をはね、そのまま逃走した疑いがあり、被疑者男性は頭などを強く打って意識不明の重体とのことです。
被疑者は行楽の帰りだったといい、事故時に近くを通った車のドライブレコーダーから身元の特定につながったとのことで、被疑事実について「間違いない」と認めている模様です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる交通犯罪刑事事件のご相談では、過失運転致死傷罪ひき逃げ(あて逃げ)、酒気帯び運転など、2つ以上の法令違反を行ってしまったとご相談される方多くいっらっしゃいます。

ひき逃げや当て逃げについては、事故を起こしてしまった場合には速やかに警察や救急へ連絡しましょうと警察庁などが啓蒙活動を続けていますが、人身事故を起こしてしまったことに対して強い恐怖と後悔を覚え、事故発覚が怖くなって逃亡してしまう(ひき逃げ)事案は依然として多く見受けられます。

犯罪の成立という観点では、これらの罪はそれぞれ独立して成立しますが、刑事手続上の評価においては、2つ以上の罪は併合罪として扱われ、最も重い法定刑である過失運転致死傷罪を中心に、その法定刑に加重される形で量刑が決まっていきます。

例えば、通常の過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金が基本ですが、これに無免許運転が加わった場合、10年以下の懲役と刑が加重されることになります(自動車運転処罰法第6条第4項)。
また、無免許運転以外の一般的な道路交通法違反との併合罪となった場合、成立する最も重い有期懲役刑にその2分の1を加えたもの(1.5倍)を長期とするため、15年以下の懲役が科される可能性が出てきます。

交通犯罪に関する刑事事件は、被疑事実に対する認めまたは否認、被害の程度等によって、逮捕リスクが大きく変わる傾向がありますが、特に被害の甚大なひき逃げ事件では、一度被疑者が事故現場から逃走しているという事実も鑑み、逮捕リスクは比較的高くなる傾向もあるため、刑事事件化した場合には、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

静岡県下田市で、高齢者によるひき逃げ交通犯罪に係る刑事事件でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

 

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