静岡県下田市で教職員による性犯罪

静岡県下田市で教職員による性犯罪

刑事事件化した場合にマスコミによって報道される対象となりやすい、教職員の性犯罪などの刑事事件に関する概要とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<事件例>

静岡県下田市の中学校で教師をしているAさん(36歳)は、女子バレー部の顧問をしているところ、部活の他校遠征で生徒らを車で送迎する際、助手席に座った女子生徒V(18歳)とのコミュニケーションの最中、ふざけてVの首筋にかみつくなどの行為を行いました。
Vがこの事実を母親に伝えたところ、Vの母親は静岡県警下田警察署に被害を訴えたため、警察はAさんを静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例静岡県青少年育成条例)違反の疑いで捜査を開始し、Aさんを在宅のまま検察官送致(書類送検)しました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、令和2年3月26日、神奈川県教育委員が、男子生徒にわいせつな行為をした横須賀市立中学校の男性教諭を懲戒免職にした事実をモデルにしています。
報道によれば、当該教諭は、2019年10月から11月の間、停車中の自家用車内で、顧問を務めていた部活の元部員の男子生徒(現在高校1年)に対して、耳たぶをくわえるなどわいせつな行為をしたとされています。
教諭は、神奈川県青少年保護育成条例違反の疑いで書類送検され、横須賀簡易裁判所から罰金10万円の略式命令を受けたとのことで、当該教諭は教育委員の事情聴取に対し「スキンシップのつもりだった」と話しているそうです。

【青少年に対する保護と罰則】

各都道府県は、満18歳未満の者を「青少年」として、青少年健全な環境で成長されるよう、その環境を維持・保護すべく、青少年健全育成に有害な行為や環境に対して刑事罰を与える条例を施行しており、一般的には「青少年健全育成条例」などの名称で呼ばれることが多いとされています。

静岡県の場合、「静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例」がその青少年育成条例に該当し、この第14条の2において、「何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。」と規定し、これに違反した場合、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が下されます(同条例第21条第1項)。

刑事事件の実務において、「わいせつな行為」とは、性欲を刺激、興奮又は満足させ、かつ一般人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為を言うとしています(最高裁判例)。
つまり、一般的な社会通念において、通常の人であれば、性的な欲求に起因するとされる不道徳な行為であると認識される行為を言い、逆に言えば、当事者が「わいせつな行為」とは思っていなかったとの言い訳が通じない側面があります。

また、一般の刑法においては、13歳以上の者に対して暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした場合、強制わいせつ罪が成立し、6月以上10年以下の懲役という重い刑で処罰されることもあります。
こちらは、暴行または脅迫という要件が加わっているため、罰金との選択刑とせず、懲役のみの重い法定刑となっています。

【教職員の性犯罪の実態】

文部科学省の「平成29年度公立学校教職員の人事行政状況調査」によると、「わいせつ行為等により懲戒処分等を受けた者は210人で、平成28年度の226人から減少」と記載があります。
ここ数年では、平成27年度が224人、28年度が226人、29年度が210人でほぼ横ばいとなっており、教職という「聖職」に就く者の性犯罪であるゆえに、報道で取り上げられることが多くあるようです。
教職員による性犯罪の場合、被害者の保護者との示談も極めて難航することが予想されるため、実際に行ってしまった事実とそうでない事実を見極め、適切な主張を行っていくためにも、刑事事件に強い弁護士に事件を依頼し、ベストの結果を目指していくことをお勧めします。

静岡県下田市で教職員による性犯罪刑事事件でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

 

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