静岡県焼津市で白タクの道路運送法違反で逮捕
無許可のタクシー営業(いわゆる「白タク」)による刑事事件化の経緯とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
<事件例>
静岡県焼津市在住の元タクシー運転手で無職のAさんは、白ナンバーの自家用車でタクシーとして営業し(以下「白タク営業」)、日本の法律を知らない外国人観光客をメインに、相場よりも安い料金設定で乗客を集めていました。
しかし、Aさんは静岡県警焼津警察署の警察官の職務質問により白タク営業の実態が露見し、Aさんは道路運送法違反の疑いで逮捕されました。
(※フィクションです)
【白タク営業の刑事事件は今後増加する?】
外国人旅行客の増加が著しい昨今、外国人旅行者向けの白タク営業の逮捕事件が相次いでいます。
その内情としては、特に中国や韓国からの観光客を相手に、中国語や朝鮮語に堪能な運転手が母国語で対応するサービスを目玉にしたり、また、特に日本のタクシー料金相場を知らない外国人観光客に割高な料金を支払わせるために無許可の白タク営業を行うという例が多く報道されています。
現在の道路運送法では、白タク営業は違法で、無許可で一般旅客自動車運送事業(タクシー等)を営んだ者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、または併科されます(道路運送法第96条)。
また、他方、高齢化社会を背景に、年金の受給資格がないなどで生活が困窮している高齢者が白タク営業によって収入を得ようとして刑事事件化する例も報道されています。
例えば、2019年11月、東京・銀座で許可なくタクシー営業(白タク行為)をしたとして、警視庁交通捜査課が、道路運送法違反の疑いで、東京都杉並区の無職男性(84歳)のほか、79歳と75歳の男の計3人を逮捕した事件も報道されています。
2019年4月の東京・池袋での車両暴走死傷事故以来、運転免許証を自主返納する高齢ドライバーが急増している反面、銀座では高齢者による白タク営業が横行しており、警視庁は取り締まりを強化している模様です。
上記被疑者らは、銀座や新橋周辺で約40年間にわたって白タク行為を続けており、料金はタクシーより1割程度安く設定し、月の売り上げは約30万円に上っていたそうで、その動機について、「年金がなく生活が苦しかった」と供述しています。
今後、外国人観光客の増加や高齢化社会の進展による貧困層の増加などにより、違法な白タク営業による収入獲得を試みる者が増加することも見込まれるため、今後白タクによる道路運送法違反の刑事事件について刑事弁護ニーズが高まることも予想されます。
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