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(事例紹介)静岡県浜松市で殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男性が不起訴処分になった事例
(事例紹介)静岡県浜松市で殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男性が不起訴処分になった事例

静岡県浜松市で殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男性が不起訴処分になった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事案
浜松市の自宅で、親族の右胸を小刀で刺し、殺害しようとしたとして(現行犯)逮捕・送検された男性を、静岡地検浜松支部は不起訴処分としました。
地検浜松支部は男性の容疑を殺人未遂から傷害に切り替えて捜査してきましたが、不起訴処分としました。
検察は不起訴の理由を明らかにしていません。
(静岡朝日テレビ「小刀で兄を刺した容疑の47歳弟を不起訴処分 殺人未遂容疑で逮捕・送検 静岡地検浜松支部」(2023/12/22)を引用・参照の上、適宜修正。)
~殺意(殺人の故意)について~
(殺人)
第199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
(未遂罪)
第203条 第199条……の罪の未遂は、罰する。
(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
殺人未遂罪(刑法203条、199条)は、未遂罪とはいえ、法定刑の上では「死刑」や「無期懲役」といった極めて重い罰則が規定されています。
これに対し、傷害罪のそれは「15年以下の懲役」とされており、さらに「罰金」刑にとどまる可能性すら残されています。
このように本件のようなケースで、殺人未遂罪と傷害罪いずれの成否が問題となるかは、逮捕された被疑者にとって極めて重要な問題であるかがお分かりかと思います。
この問題にとって大きな分水嶺となるのが、殺意の有無です。
これに関しては、使われた凶器の種類や創傷の部位・程度、犯行前後の行動などからその有無を判断するのが実務の立場といわれています。
殺意は主観の問題であり、究極的にはその人の内心は他人には分からないがゆえに客観的事情を総合考慮してこれを認定することになります(なお、認定にあたって被疑者の自白のみに依拠することは実務上も避けられています)。
本件の事実を見てみると、創傷の部位は身体の枢要部とはいえ左胸ではなく右胸であること、創傷の程度としても軽傷にとどまっていること、また使われた凶器が小刀であり殺傷性が高いとはいい難いことなどから殺意があるとまでは認められなかったものと思われます。
~逮捕後の弁護活動の重要性~
本事案では、被疑者は殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されましたが、最終的には不起訴に至っています。
起訴・不起訴という終局処分を決める権限を有する検察官も殺人(未遂)罪という重大犯罪における殺意の認定には極めて慎重であるといわれています。
実務上、起訴段階や捜査段階で「殺人→傷害致死」や「殺人未遂→傷害」などのいわゆる罪名落ちも珍しくありません。
したがって、親族間であっても示談等を成立させるなど逮捕後の弁護活動が奏功すれば、不起訴処分といった逮捕時から考えれば極めて穏当な処分を得ることも不可能ではないといえるでしょう。
とはいえ、当然のことながら罪名で全てが決まるわけではなく、特に法定刑の重い犯罪はケースバイケースであることも否定できませんから、専門家である弁護士にいち早く相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、殺人未遂事件を含む刑事事件全般を専門として扱っている法律事務所です。
殺人未遂事件で逮捕された方のご家族等は、24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。
静岡県島田市で起きた殺人未遂事件
静岡県島田市で起きた殺人未遂事件
今回は、島田市の自宅で兄を刃物で刺し、殺害しようとした疑いで33歳男性が逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
27日午前島田市の自宅で兄を刃物で刺し、殺害しようとしたとして30代の男が逮捕されました。
殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは島田市落合の無職の男(33)です。
男は27日午前9時半ごろ、自宅で同居する兄(39)の背中を刃物で刺し、殺害しようとした疑いが持たれています。
警察などによりますと、兄は病院に救急搬送されましたが、意識はあるということです。
男は自宅にあったナイフで兄を刺したとみられ、自分で消防に通報しました。
2人は両親と4人暮らしで、警察は兄弟の間で何らかのトラブルがあったとみて、詳しい経緯を調べています。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/3c79ce362a59bde8638cd1283fa8184a3e267c82 6月27日 「兄を刃物で刺し殺害しようとしたとして殺人未遂の疑いで無職の男を現行犯逮捕 静岡・島田市」より引用)
~逮捕された男性は自分で消防に通報しているが~
刑法では「自首」という制度があり、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」としています(刑法第42条1項)。
自首が認められれば、刑の減軽を受けられる可能性があります(裁量的な減軽であるため、されない場合もあります)。
~自首が成立する条件~
自首が成立するための条件は厳しく、
①自発的に自己の犯罪事実を申告すること、
②自己の訴追を含む処分を求めること、
③捜査機関に対する申告であること、
④捜査機関に発覚する前の申告であること
が必要です。
逮捕された男性は「消防」に通報していますが、「消防」は捜査機関ではないため、③の条件を満たさないことになります。
もっとも、現場には消防の連絡を受けて駆け付けた警察官がいることが推測されます。
駆け付けた警察官とのやりとり次第では、③の条件をはじめ、その他の条件を満たす場合もあるかもしれません。
冒頭の記事では、消防、警察とのやりとりが判然としないため、自首の成否については判断できませんが、弁護士の接見を受け、具体的な事実関係を伝えた上でアドバイスを受けることができるでしょう。
殺人未遂罪はとても重い犯罪です。
自首の成否を含め、アドバイスを受けるべき事柄は多岐にわたります。
殺人未遂の疑いで逮捕された場合には速やかに弁護士の接見を受け、事件解決に向けたアドバイスを受けることを強くおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
殺人未遂事件で家族が逮捕され、自首の成否に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
