逮捕・監禁

・逮捕・監禁罪について

不法に人を逮捕し,又は監禁した者は,3月以上7年以下の懲役に処されます(刑法220条)。

「不法」とは,正当な理由がないことを意味します。警察が逮捕状を得て逮捕したり(刑事訴訟法199条),現行犯人を現行犯逮捕(刑事訴訟法213条)したりする場合は,正当な理由のある逮捕といえ,逮捕・監禁罪は成立しません。

「逮捕」とは,実力を行使して人の移動の自由を奪うことです。「逮捕」といえるためには,ある程度の時間,移動の自由を奪う必要があります。

「監禁」とは,人を一定の場所に閉じ込めるなどして,人の移動の自由を奪うことです。

縄で縛ったり,鍵を閉めて閉じ込めたりすることが一般的ですが,実力を行使せずとも,恐怖させたり錯誤に陥らせて身動きをとれなくさせても監禁に当たります。女性を脅して鍵のかかっていない部屋から出られなくした事案,自宅に送ると騙して自動二輪の後部座席に座らせて運転した事案について,監禁罪の成立を認めた判例もあります。

 

・私人による現行犯逮捕について

現行犯人については,警察官以外でも,何人でも,逮捕状なく逮捕することができます(刑事訴訟法213条)。

その際,逮捕に必要な限りで有形力の行使も可能となっています。私人が現行犯人を逮捕したときは,直ちに犯人を検察官か司法警察員 (※1) に引き渡さなければならないことになっています(刑事訴訟法214条)。

現行犯人を司法巡査 (※2) に引き渡した際,逮捕者は司法巡査に氏名,住居及び逮捕の理由を聴き取られ,場合によっては一緒に警察署に行くことを求められます(刑事訴訟法215条2項)。司法巡査が受け取った現行犯人は速やかに司法警察員に引致されます(刑事訴訟法215条1項)。

例えば,万引き犯人が店を出たところで,店員が現行犯逮捕をすることができます。ただ,現行犯逮捕と認められず,違法な逮捕の罪を犯してしまうことがないよう,臨場した警察官が事情を聴きとり,犯人の身柄を警察に引き渡すことになっています。

 

・逮捕等致死傷

逮捕又は監禁の罪を犯して,人を死傷させた者は,傷害の罪と比較して,重い刑により処断されます(刑法221条)。

逮捕行為や監禁行為そのものから死傷結果が生じた必要はありません。被害者が監禁場所から脱出しようとして負傷した場合でも致傷罪に当たります。

傷害の罪と比較して重い刑とは,法定刑の上限と下限について,それぞれ重い方で処罰するということです。

傷害罪の法定刑は1月以上15年以下の懲役ですので,下限については3月以上と定める逮捕・監禁罪の方が重いことになりますから,逮捕等致傷罪の場合には,下限は3月となります。上限については,傷害罪が15年以下の懲役となっており,逮捕・監禁罪の上限は7年以下ですから,逮捕等致傷罪の上限は15年の懲役となります。したがって,逮捕等致傷罪の法定刑は,3月以上15年以下の懲役となります。なお,致死の場合は3年以上20年以下の懲役となります。

 

・その他の犯罪の成立

逮捕監禁の手段の暴行はこの罪に含まれており,特に処罰されません。致死傷結果が生じた場合,逮捕等致死傷により処罰されます。

略取誘拐の罪を犯した場合は同罪により処罰されます。

               

※1 警部以上の警察官(刑事訴訟法199条2項)
※2 司法警察員以外の警察官

 

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