・大麻取締法違反の概要
大麻は,大麻取締法により規制がなされています。
大麻の所持については,大麻取締法第3条第1項により大麻を所持してはならないとされ,第24条の2第1項に5年以下の懲役刑が法定刑として定められています。
また,営利目的で大麻を所持していた場合には,大麻取締法第24条の2第2項に「7年以下の懲役に処し,又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
大麻の栽培については,大麻取締法第3条第1項により大麻を栽培してはならないとされ,第24条第1項に7年以下の懲役刑が法定刑として定められています。
大麻の栽培については,どのような目的であるかを問わず犯罪が成立します。
他に,大麻については,輸入,輸出,譲渡,譲受などが規制されています。
・不起訴処分または無罪判決の獲得を目指す場合
身に覚えがないにも関わらず大麻取締法違反罪の容疑を掛けられてしまった場合,弁護士を通じて,警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して,不起訴処分または無罪判決の獲得を目指すため主張する必要があります。
特に,大麻取締法違反事件においては,犯行当時に違法な薬物であることの認識(故意)があったのかどうかが重要なポイントになります。このような場合には,大麻など薬物の存在自体に気づいていなかったこと,違法薬物とは思わなかったことなどを客観的な証拠に基づいて主張します。
また,アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出することも重要になります。
・違法収集証拠の排除を主張する場合
実際に大麻取締法違反事件を起こしている場合でも,職務質問,所持品検査,採尿・採血,捜索・差押え,逮捕,取り調べなどの捜査の過程で重大な違法行為があれば,違法収集証拠の排除を主張することで不起訴処分または無罪判決に向けた弁護活動を行うことができます。
また,大麻などの薬物の量が極めて微量であったとか他人の管理する場所や物の中から見つかったという事情がある場合であれば,大麻所持の事実や所持の認識を争うことで,不起訴処分または無罪判決にするよう主張する余地があります。
・量刑を軽減する場合
大麻取締法違反罪の成立に争いのない場合には,大麻への依存性または常習性がないこと,再犯の危険がないこと,共犯事件でも従属的な立場であったことなどを裁判官に理解してもらい,量刑を軽減するような弁護活動を行います。
ご家族や周囲の方の理解と協力を得ながら,薬物関係者との接触を断つ,専門の医療機関で治療を受けるなど,薬物犯罪に手を染めないための具体的方策の実施と環境作りが減刑及び執行猶予付き判決を獲得するうえで重要です。