住居侵入・器物損壊事件の示談

住居侵入・器物損壊事件の示談

住居侵入・器物損壊事件の示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【刑事事件例】

静岡県沼津市に住むAさんは、Vさんは旧知の友人でしたが、些細なことからトラブルとなり、以来AさんはVさんに恨みを持つようになりました。
Aさんは、嫌がらせのために、同市にあるVさんの自宅に侵入し、Vさん所有の車に放尿をしました。
後日、Vさんが静岡県沼津警察署に被害を届け出たことにより、住居侵入・器物損壊事件が発覚しました。
Aさんは、静岡県沼津警察署により住居侵入・器物損壊罪の容疑で逮捕されました。
(2021年1月18日に産経新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【住居侵入罪とは】

刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたのにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

住居侵入罪は、「人の住居」(日常生活に使用する場所)に「侵入」(住居の管理者の意思に反する立入り)することにより成立します。
上述のように、住居侵入罪の「侵入」とは、住居の管理者の意思に反する立入りをいいますが、具体的には、住居に誰を立ち入らせ、誰の滞在を許すかという意思に反する立入りを指します。

刑事事件例では、VさんはAさんが自身の車に放尿する意思で立ち入ることを許すとは考えられないため、Aさんの行為は住居の管理者の意思に反する立入りとして、住居侵入罪の「侵入」に該当すると考えられます。

【器物損壊罪とは】

刑法261条
前3条に規定するもののほか、他人の物を損傷し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪は、公用文書(刑法258条)、私用文書(刑法259条)、建造物(刑法260条)の3つを除くあらゆる「他人の物」を損壊(物の効用を害すること)または傷害(動物を殺傷すること)することにより成立します。

器物損壊罪の「損壊」とは、上述のように物の効用を害することをいいます。
このとき、器物損壊罪の「損壊」には、物質的に物自体の形状を変化させる行為(例えば物を割る行為など)のみならず、感情的に物の使用をできなくさせる行為も含まれることになります。

例えば、他人の食器(器物損壊罪の「物」に該当します)に放尿をする行為を考えてみましょう。
このとき、通常人にとっては放尿された食器を再使用することは心理的に負担があると言えるでしょう。
とすれば、他人の食器に放尿をする行為は、感情的に物の使用をできなくさせる行為として、器物損壊罪の「損壊」に該当することになります。

同じように、刑事事件例におけるAさんによるVさん所有の車に放尿する行為は、Vさんに車を使用させなくする行為であるとして、器物損壊罪の「損壊」に該当すると考えられます。

以上より、Aさんには、器物損壊罪が成立すると考えられます。

【住居侵入・器物損壊事件の刑事弁護活動】

住居侵入・器物損壊事件でどのような処分が下されるかは、被害者の方の処罰感情が軽減されているか、損壊された物の被害弁償がされているかということが重要です。

特に、器物損壊罪が、告訴がなければ起訴できない親告罪(刑法264条)として規定されており、その財産の重要性や必要性は被害者の方の判断(感情)によって大きく変わると考えられています。

示談交渉では、被害者の方の処罰感情を十分考慮に入れながら、被疑者の方が正式な謝罪と被害の弁償ができるよう交渉していくことが求められるでしょう。
だからこそ、こうした住居侵入・器物損壊事件では刑事事件のプロである弁護士に相談・依頼することが効果的であるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
住居侵入・器物損壊事件の示談でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部までご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー