銃刀法違反等について

・鉄砲,刀剣について

「銃砲」とは,けん銃,小銃,機関銃,砲,猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち,内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が,人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。)をいいます(銃刀法2条)。

「刀剣類」とは,刃渡り十五センチメートル以上の刀,やり及びなぎなた,刃渡り五・五センチメートル以上の剣,あいくち並びに四十五度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ(刃渡り五・五センチメートル以下の飛出しナイフで,開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず,刃先が直線であってみねの先端部が丸みを帯び,かつ,みねの上における切先から直線で一センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して六十度以上の角度で交わるものを除く。)をいいます(銃刀法第2条)。

鉄砲については,鉄砲本体だけでなく,部品,実包についても,発砲・所持・輸出入・譲渡・譲受・譲渡周旋等が規制されており(銃刀法3条の4、3条の7、3条の10、3条の13など),営利目的輸入の場合,法定刑の上限が無期懲役となる非常に重たいものとなっています(銃刀法31条の2第2項)。

刀剣についてですが,無登録の刀剣所持の場合,法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です(銃刀法31条の16第1項1号)。

なお,模造刀であっても,正当な理由なく携帯することは禁止されています(銃刀法22条の4)。法定刑は罰金20万円以下です(銃刀法35条2号)。

模造刀は金属製と考えられていますが,木製の模擬刀の場合でも,隠して携帯していた場合,後述の軽犯罪法違反が成立することがあるので注意が必要です。

 

・刃物について

銃刀法22条で,「何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし,内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で,政令で定める種類又は形状のものについては,この限りでない。」と定められています。

罰則は,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金となっています(銃刀法31条の18第3号)。

はさみについては,施行令37条によって,「刃体の先端部が著しく鋭く,かつ,刃が鋭利なはさみ」以外のはさみで,刃体の長さが8センチメートル以下であれば銃刀法上の問題にはなりません。

ただし,この場合であっても,正当な理由なく,隠して携帯していれば,後述の軽犯罪法違反が成立する可能性があります。

 

・軽犯罪法(凶器携帯)

軽犯罪法1条2号により,「正当な理由がなくて刃物,鉄棒その他人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」に対しては,拘留(30日未満の刑事施設収容)又は科料(1000円以上10000円以下の刑事処分としての徴収)が科されます。

「正当な理由」として、よく護身目的が主張されますが,護身目的が認められることはあまり多くありません。詳しくは後述の弁護活動の例で説明致します。

その他の器具とは,人の生命身体に害を与えるようなものは一般に当てはまるとされており,護身用の催涙スプレーや,木刀,カッターナイフ(刃体が6センチ超であれば銃刀法違反となります),バット,警棒等が挙げられます。

「隠して携帯」については,周囲が気付かない程度に隠れていれば,「隠して携帯」とされます。例えば,自動車のトランクやグローブボックス(助手席前のダッシュボード下)に置いておいた場合,隠して携帯と認定されてしまいます。

ただし,犯罪が成立するためには故意が必要なので,入っていることを知らなかったような場合,罪が成立しません。

 

・示凶器脅迫等

凶器を示して暴行・脅迫・器物損壊をした場合,刑が3年以下の懲役又は30万円以下の罰金になり,通常の刑から加重されます(暴力行為等処罰法1条)。

 

・弁護活動の例

示凶器脅迫等であれば,被害者の方がいますので,被害者の方と示談を締結し,民事的に解決するとともに,処罰感情の緩和によって,刑事処分も緩やかにすることが挙げられます。

凶器を示して相手を脅したような事案であれば,通常,被害者の方は直接交渉を望みませんし,仮に直接交渉したとしても,示談の強要を疑われるおそれがありますので,できれば弁護士をつけておいた方がいいと考えられます。

凶器携帯の軽犯罪法違反の事案において,護身目的が認められ,無罪となったケースがあります(最高裁平成21年3月26日)。

 

(判旨)

軽犯罪法1条2号にいう「正当な理由」があるとは,同号所定の器具を隠して携帯することが,職務上又は日常生活上の必要性から,社会通念上,相当と認められる場合をいい,これに該当するか否かは,当該器具の用途や形状・性能,隠匿携帯した者の職業や日常生活との関係,隠匿携帯の日時・場所,態様及び周囲の状況等の客観的要素と,隠匿携帯の動機,目的,認識等の主観的要素とを総合的に勘案して判断すべきである。

職務上の必要から,軽犯罪法1条2号所定の器具に当たる護身用に製造された比較的小型の催涙スプレー1本を入手した者が,これを健康上の理由で行う深夜路上でのサイクリングに際し,専ら防御用としてズボンのポケット内に入れて携帯したなどの本件事実関係の下では,同隠匿携帯は,同号にいう「正当な理由」によるものであったといえる。

また,練習目的で車内にヌンチャクを携帯していた事案につき,高裁での逆転無罪判決があります(広島高裁岡山支部平成29年3月8日)。当該判決では,ヌンチャクが,一般に武道や趣味に用いられるものであることから,ブルースリーに憧れてヌンチャクの練習をしていた被告人に無罪が言い渡されました。

以上を考慮すると,一番重要なのは凶器の形状であり,他は所持の必要性を中心に,正当な理由を裏付けていくことになります。

 

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