28歳警察官が妻の顔を殴り傷害した疑いで緊急逮捕

今回は、28歳警察官が妻を傷害した疑いで緊急逮捕されたという報道をもとに、緊急逮捕手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

静岡県警は24日、県内中部の警察署勤務の巡査長の男(28)を傷害容疑で緊急逮捕しました。

県警によりますと、巡査長は24日午後5時ごろ、静岡市内の自宅で20代の妻の顔を殴るなどしてけがをさせた疑いが持たれています。妻が「夫に殴られた」と警察に通報し、発覚。駆けつけた警察官が自宅にいた巡査長を緊急逮捕しました。巡査長は妻と2人暮らしで、県警の調べに対して、「間違いありません」と容疑を認めているということです。

県警は被害者保護を理由に、巡査長の氏名を明らかにしていません。

県警の水嶋春彦首席監察官は「警察職員がこのような事案を起こしたことは誠に遺憾であります。事実関係を調査の上、厳正に対処してまいります」とコメントを出しました。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/8b08985c15210ebeea3cca779862f198cd4ac9de 11月24日 静岡朝日テレビ 「【速報】28歳の警察官を傷害容疑で緊急逮捕 妻の顔を殴りけがさせた疑い 妻が通報「夫に殴られた」 静岡県警」より引用)

~緊急逮捕とは?~

ときどき耳にする「緊急逮捕」ですが、どのような捜査手続なのでしょうか。
逮捕には、「通常逮捕」(刑事訴訟法第199条)、「緊急逮捕」(刑事訴訟法第210条)、「現行犯逮捕」(刑事訴訟法第213条)があります。

捜査機関が家や関係先へやってきて逮捕状を示し、被疑者を逮捕するのが通常逮捕の典型例です。
これと異なり、犯罪を起こして間もない被疑者、または犯罪を起こしているさなかの被疑者の身体を拘束するのが現行犯逮捕の典型例です。
何人でも現行犯逮捕することができるので、電車内で痴漢行為を見つけた一般人の第三者が犯人を拘束し、逮捕することもできます。
また、現行犯逮捕には令状の提示が求められていません。

緊急逮捕も、逮捕にあたって令状を呈示する必要はありませんが、逮捕権者は検察官、検察事務官又は司法警察職員に限られています。
また、被疑者について死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときに限られます。
例えば、暴行の被疑事実により緊急逮捕することは、暴行罪の長期が2年の懲役であることから、違法となります。
令状を請求する余裕がある場合も同様です。

さらに、緊急逮捕時点では令状は必要ありませんが、逮捕後、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければなりません。
逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければなりません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事手続の適正性についてお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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