【富士市】未成年者誘拐の疑いで男性を逮捕

【富士市】未成年者誘拐の疑いで男性を逮捕

未成年者誘拐の疑いで男性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

富士署は、未成年者誘拐の疑いで、自称電気工事業の男性を逮捕した。
逮捕容疑は某日正午ごろから午後2時ごろまでの間、静岡県東部の女児が未成年者と知りながら、富士市内を連れ回した疑い。
同署によると、女児から話を聞いた親から110番があった。
防犯カメラの映像などから容疑者を特定した。
(静岡新聞「未成年者誘拐の疑いで男を逮捕 富士署」(2023/10/8)を引用・参照。)

~未成年者の誘拐(略取)~

(未成年者略取及び誘拐)
第224条 未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
(親告罪)
第229条 第224条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した第227条第1項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

刑法224条は、被拐取者(略取、誘拐される者)の自由を奪う行為を罪として罰する旨を規定しています。
「略取」とは暴行または脅迫を手段として、「誘拐」とは欺もうまたは誘惑を手段として、人を本来の生活環境から不法に離脱させ、自己の実力下に移すことを言います。
なお、令和4年4月1日より施行された民法改正により、18歳をもって成年となることが規定された(民法4条)ため、本罪における「未成年者」とは18歳未満の者を指すことになります。
本事案では、被疑者が女児が未成年者と知りながら、欺もうまたは誘惑的な手段を弄して本来の生活環境たる親権者の元から離脱させており、「未成年者を⋯⋯誘拐」したと認められるものと考えられます。

~未成年者誘拐事件における弁護活動~

まず留意すべきなのが、上記229条の存在により未成年者誘拐罪は親告罪となることです。
これは、裁判に伴う未成年者たる被害者のプライバシー等への配慮から告訴を訴訟条件とする趣旨の規定と解されています。
親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない(起訴することができない)罪ですから、被害者や親権者との示談を通じ告訴を取り下げてもらうことができれば同罪で刑事処分を受けることはありません。
したがって、未成年誘拐事件においては示談の成立および告訴取下書の作成などが極めて重要な弁護活動の一端を担うことになると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、未成年者誘拐事件を含む刑事事件のみを専門的に取り扱っている弁護士の所属する法律事務所です。
近年の刑事法は重要な法改正が相次ぐなど弁護士の知識のアップデートが不可欠な分野と言っても過言ではありません。
未成年者誘拐事件で逮捕されてしまった方のご家族・ご知人は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

 

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