静岡県焼津市で横領の疑いで男性を逮捕

静岡県焼津市で横領の疑いで男性を逮捕

静岡県焼津市で横領の疑いで男性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

静岡県焼津警察署は、横領の疑いで会社員の男を逮捕した。
逮捕容疑は昨年10月下旬から11月上旬にかけて、ゴルフ用品などの製造販売を手がける焼津市の会社のインターネットレンタルサービスを利用して借りたゴルフクラブ2本(時価計12万円相当)を、ゴルフ用品買い取り店に売却した疑い。
(静岡新聞「レンタルのゴルフクラブを売却した疑い」(2023/10/19)を引用・参照。)

~単純横領罪とは~

(横領)
第252条 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2 (略)

刑法は、自らが占有している他人の物の所有権(および所有者との間の委託関係)を保護し、これを侵害する行為を罰するための規定を設けています。
その最も典型的な規定が、上記刑法252条が規定する単純横領罪です。

本件の被疑者は、レンタルサービス会社の有する「他人の物」であるゴルフクラブを「占有」しています。
上記条文に明文はありませんが、かかる「占有」は委託関係に基づくものである必要があります(委託物横領罪とも呼ばれるのはそれ故です)。
本件クラブという「他人の物」は、被害者である会社とのレンタル契約に基づく委託関係によって「占有」されるに至っています。
したがって、被疑者による「横領」行為が認められれば、(委託物)横領罪が成立しうることになります。
ここにいう「横領」とは、不法領得の意思を発現する一切の行為を言い、判例は横領罪における不法領得の意思を「委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思」と定義しています。
本件では、レンタル契約に基づいてクラブを利用しなければならない被疑者がこれを売却しており、不法領得の意思およびその発現行為があったといえ、(委託物)横領罪が成立するものと考えられます。 

~逮捕を避けるための弁護活動等~

本件では、被疑事実となっている行為は、逮捕から約1年前に行われています。
逮捕されてしまえば、その身体拘束によって決して小さくない事実上の不利益(有職者であれば仕事への悪影響)を被ることになってしまいます。
では本件のように、犯罪行為を行ったとされる時期と逮捕との間にタイムラグがある場合、逮捕を避けることはできなかったのでしょうか。
このとき、まずもって思い付くのは、自首し自ら犯罪行為を申告することです。
そこで自首についての規定を見てみると、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」(刑法42条1項)とされています。
自首による法律上の効果は、任意的な「刑」の「減刑」であり、逮捕されない等とはどこにも書かれていないのです。
逮捕回避のために警察へ自首したら、そのまま逮捕されてしまったなどという事例も少なくありません。
つまり、自首(事件発覚前の出頭行為)にはリスクが伴うのであり、慎重を期すべきです。
したがって、自首等による逮捕回避を望む場合にも、まずは専門家である弁護士への相談が必要不可欠と言えます(弊所なら初回相談は無料)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、横領事件を含む刑事事件を専門としている法律事務所です。
横領事件で逮捕されてしまった方のご家族や逮捕を避けたいという方は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお電話ください。

 

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