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(架空の事例で検討)静岡県浜松市にて事後強盗で逮捕されてしまったらその罰則は?
(架空の事例で検討)静岡県浜松市にて事後強盗で逮捕されてしまったらその罰則は?
静岡県浜松市の事後強盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
静岡県浜松市に住むAさんは、アパートで独り暮らしをしています。
Aさんは生活が困窮しており、毎日の食事にも困っています。
ある日の深夜、Aさんは近所のコンビニエンスストアに入りおにぎり2個を持って来た手提げかばんの中に入れ、盗むつもりでそのままコンビニエンスストアを出ました。
Aさんの様子を見ていたコンビニエンスストア店員のVさんは、慌ててAさんを追いかけてAさんの肩に手をかけて「おにぎりをかばんの中にいれて、お金は払っていませんよね?事務所に一緒に来てお話しを聞かせてください。」と言いました。
Aさんは「事務所に一緒に行けば逮捕されてしまう。」と考え、Vさんに対し護身用で普段から携帯していた果物ナイフを突きつけ、Vさんが震えて座り込んだ隙をついて走って逃げました。
Aさんがコンビニエンスストアから逃走して数十秒後、パトロール中の浜松中央警察署の警察官が息をきらせて走るAさんを発見し不審に思ったためAさんに職務質問をしました。
Aさんは「ごめんなさい、つい先ほどすぐそこのコンビニエンスストアでおにぎりを万引きしました。」と警察官に話しました。
そこにVさんも走ってきて、「お巡りさん、私はその人が万引きをしたコンビニエンスストアの店員です。その人が万引きをした後逃げるときに私はナイフを突きつけられました。怪我はしていませんが、とても怖かったです。」と警察官に話しました。
Aさんは浜松中央警察署の警察官により事後強盗の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)
【事後強盗罪とは】
事後強盗といった犯罪は、どのような犯罪でしょうか。
事後強盗罪については、刑法238条が以下のように規定しています。
刑法238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪の「窃盗」とは
窃盗行為(ものを盗む行為)を行った者
を指します。
事後強盗罪は窃盗犯人しか犯すことができません。
つまり「窃盗の犯人が盗んだ物を取り返されないようにするためや、逮捕されないため、犯罪の証拠となる痕跡を隠すために、暴行や脅迫をする」ことで成立します。
事後強盗罪も強盗として処罰される以上、要求される暴行・脅迫の程度は、強盗罪と同様で、相手の反抗を抑圧する程度のものである必要があります。
ここで刑事事件例をみてみましょう。
Aさんはおにぎり2個を盗みました(万引きをしました)。窃盗行為を行った者ですので「窃盗」にあたります。
Aさんは逮捕されたくないと思い、Vさんに対しナイフを突きつけ恐怖で追いかけられないようにしたので「逮捕を免れ」るために「暴行をした」ことにあたります。
以上により、Aさんには事後強盗罪が成立すると思われますが、窃盗行為と暴行・脅迫の関係や程度により別の罪に抵触することもあります。
事件の詳細な事情を専門的に細かく検討することも必要になることがありますので、まずは刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めいたします。
刑事事件に特化した弁護士
ご家族が事後強盗罪で逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談や、初回接見サービスのご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
(架空の事例で検討)静岡県藤枝市にて酒酔い運転で逮捕されてしまったらその罰則は?
(架空の事例で検討)静岡県藤枝市にて酒酔い運転で逮捕されてしまったらその罰則は?
静岡県藤枝市の酒酔い運転事件について、架空の事例に基づいて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
会社員のAさんはある夜、缶ビール数本と日本酒コップ数杯飲んだ後、自分の車を運転して近くのスーパーに向かいました。
数分後、蛇行運転をしているAさんの車両を発見した藤枝警察署の警察官がAさんの車を停止させました。
Aさんは呂律が全く回らず、まっすぐに歩くこともできませんでした。
警察官がAさんに呼気検査をしたところ、呼気1リットル当たり0.37mgのアルコールが検出されました。
Aさんは酒酔い運転の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)
【飲酒運転について】
飲酒運転については2007年の道路交通法改正により、酒気帯び運転、酒酔い運転共に罰則が強化されて厳罰化されるとともに、飲酒運転を容認・助長することになる車両提供者・酒類提供者・同乗者についても罰則が定められて処罰範囲が拡大されました。
飲酒運転は2種類あります。
①酒気帯び運転
呼気中アルコール濃度が1リットルあたり0.15mg以上含まれる状態で運転することです。
②酒酔い運転
アルコール濃度の検知値には関係なく、酒に酔った状態で運転が困難だと思われる状態で運転をすることを指します。
直線上を歩いてふらつかないか、視覚が健全に働いているか、など運動や平衡感覚機能が麻痺していないか、また、言動などから認知能力の低下がないかなどが判断されます。
アルコール濃度が0.15mg未満でも体質によっては酒酔い運転に該当することもあり得ます。
【罰則について】
①酒気帯び運転
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
②酒酔い運転
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
上記の罰則については検問や職務質問で検挙された場合であり、飲酒運転で死傷事故を起こした場合は更に厳しい刑罰が科されます。
【酒酔い運転で逮捕されてしまった時は】
Aさんは逮捕され、さらに勾留が決定されると長期間警察署の留置場にいることになります。
留置場にいる間は会社に行くことができませんので、会社に酒酔い運転をして逮捕されたことがわかってしまう可能性があります。
逮捕されてしまった場合、まず弁護士は身体解放に向けて活動していきます。
しかし身体解放されてもそれで事件が終わるわけではありません。
先に述べた罰則のうち、懲役刑になるのか、罰金刑になるのか、さらに執行猶予が付くのか罰金はいくらくらいになるのか、それとも起訴猶予になるのかとても不安だと思います。
事件の流れや、処分の見通しについては弁護士に相談するようにするのがよいでしょう。
刑事事件に特化した弁護士
ご家族が酒酔い運転で逮捕されてお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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(事例紹介)窃盗被害を受けたとうその通報をして警察の業務を妨害したとして静岡県内の男性を逮捕
(事例紹介)窃盗被害を受けたとうその通報をして警察の業務を妨害したとして静岡県内の男性を逮捕
窃盗被害を受けたとうその通報をして警察の業務を妨害したとして静岡県内の男性が逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事案
「荷物をひったくられた」などとうその通報をし、警察の業務を妨害したとして、静岡県磐田市の自称会社役員の男が逮捕されました。
男は、警察に対し「荷物をひったくられた」という趣旨のうその通報をし、警察官の業務を妨害した疑いが持たれています。
男から通報を受けた後、警察は窃盗事件として30~40人ほどの警察官を動員しました。
しかし、被害状況や犯人の特徴などの質問に対する男の回答が二転三転してたことから問い詰めると、虚偽通報を認めたということです。
(静岡朝日テレビ「「荷物をひったくられた」とうその通報をして警察の業務を妨害したとして自称会社役員の男を逮捕」(2024/1/22)を引用・参照。
~虚偽通報による業務妨害〜
(信用毀損及び業務妨害)
第233条 (虚偽の風説を流布し、又は)偽計を用いて、人の(信用を毀損し、又はその)業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
本件では、厳密な罪名は報道されていないものの、被疑者(逮捕された男性)が「荷物をひったくられた」などと虚偽の通報をした疑いを持たれていることから、偽計業務妨害罪(上記刑法233条)での逮捕に至ったものと考えられます。
偽計業務妨害罪を含む業務妨害罪は、刑法の「第2編」「第35章 信用及び業務に対する罪」に定めが置かれており、基本的には人の社会的自由等の個人的法益の保護を目的とする規定と考えられています。
そこで、上記の233条にいう「業務」に、本件のように警察という公的機関の職員が行う職務行為(公務)も含まれるか解釈上争いがあります。
この点に関し、判例・実務は、強制力を行使する権力的公務の除いて公務もまた「業務」に含まれると解しています。
本件では、被疑者の虚偽通報により30~40人ほどの警察官が動員されており、これによって警察官が本来行うはずだった公務(これには実力行使等を伴うわない権力的公務や非権力的公務が含まれると考えるのが通常でしょう)が妨害されているといえ、「偽計」による業務妨害が成立するものと考えられます。
〜業務妨害事件における刑事弁護活動〜
逮捕後には原則として被疑者は検察に送致され(検察官送致・刑事訴訟法203条1項)、検察官がより長期間の身体拘束である勾留請求をするかどうかを決めます(204条1項)。
早期に依頼を受けた弁護士であれば、(この勾留請求をしないように働きかけることも重要ですが)勾留決定をする裁判官に対し、勾留の要件を満たさないとして勾留却下を求める活動を行うことが可能です。
すなわち、刑訴法が定める住所不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、勾留の必要性のそれぞれの要件(207条1項、60条・87条1項参照)を満たさないことを具体的に主張していくことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務妨害事件も含めた刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
上記のように逮捕後の早い段階での弁護活動が身体拘束の有無に与える影響は小さくありません。
業務妨害事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間/365日対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
キャッシュカードを他人に渡す・売る行為で問題となる罪-静岡県御殿場市での架空の事例を想定、口座が作れなくない
キャッシュカードを他人に渡す・売る行為で問題となる罪-静岡県御殿場市での架空の事例を想定、口座が作れなくない
キャッシュカードを他人に渡す行為は、それ自体が犯罪となり、刑事罰が科される可能性があることはもとより銀行口座が凍結され新規で開設できなくなるというデメリットが生じます。
また、その先には新たな特殊詐欺の被害者を生んでしまうという現実も待ち受けています。
キャッシュカードを他人に渡す行為の問題点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が検討します。
【ケース】
静岡県御殿場市在住のAさんは、御殿場市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは生活苦に陥り、SNS上で金を稼ぐ方法を探していたところ、キャッシュカードを1万円/枚で売るという投稿を見つけました。
Aさんは投稿主とやりとりをして、使っていないキャッシュカード2枚を指定された先に郵送し、対価として2万円を受け取りました。
後日、Aさんのもとに銀行から郵便物が届き、すぐに連絡するよう指示がありました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【キャッシュカードを売る・渡す行為】
銀行口座を他人に譲り渡す行為は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称、犯収法)に違反します。
条文は以下のとおりです。
犯収法28条1項 他人になりすまして…預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報…を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。
同2項 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。(略)
キャッシュカードは、たとえ使用していない口座であっても、他人に渡したり売ったりといった行為は禁止されています。
【不正に入手されたキャッシュカードは何に使われている?】
Aさんのように、キャッシュカードを他人に渡してしまった場合、不正に取得したキャッシュカードは特殊詐欺に使用されている可能性があります。
特殊詐欺は、その手口によって異なりますが、AさんのキャッシュカードをX口座とすると
・アダルトサイトの利用料などと称してX口座に送金をさせる
・指示役が受け子と呼ばれる犯人に現金を受け取りに行かせ、それをX口座に振り込ませ、指示役が引き出す
・捜査をかく乱させるべく、複数の口座で入出金を繰り返し、その過程でX口座が使われる
など、様々なかたちで不正に利用されていることが考えられます。
仮に特殊詐欺に使用された場合、その先には被害者がいて、多額の被害を被っているおそれがあります。
【キャッシュカードを売る・渡す行為のあとに生じる問題】
キャッシュカードを不正に売る・渡す行為(実際にはそれを疑われる行為)に銀行が気付いた場合、その銀行口座は凍結されます。
のみならず、同じ人が作成した別の銀行口座も凍結されることになります。
その後、当分の間は銀行口座を新規に開設することができません。
恐らく多くの方は、日々給与の受け渡しやクレジットカードの引き落とし、取引などに銀行口座を使っておられると思います。
銀行口座が凍結され、新規の口座開設ができなくなってしまうと、仕事ができなくなる等の不利益が生じる可能性が極めて高くなります。
安易にキャッシュカードを売る・渡すといった行為は絶対にやめましょう。
【弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の紹介】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、これまでに数多くの犯罪収益移転防止法違反でのご相談が寄せられています。
捜査機関は、特殊詐欺グループとの関係性などを疑うこともあり、厳しい取調べが行われることも考えられます。
弁護士としては、違法・不適切な取調べが行われていないか、取調べ前後の打合せで確認し、必要に応じて捜査機関に対して意見・抗議する必要があります。
また、他人にキャッシュカードを売る・渡すことを目的として銀行口座を開設していた場合、詐欺罪に問われますので、余罪捜査の可能性などについても検討する必要があります。
静岡県御殿場市にて、キャッシュカードを売る・譲り渡すなどの行為で捜査を受けている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合、初回接見サービス(有料)をご利用ください。
(事例紹介)通園バスに園児を置き去りにし死亡させたとして業務上過失致死で起訴された事例
(事例紹介)通園バスに園児を置き去りにし死亡させたとして業務上過失致死で起訴された事例
通園バスに園児を置き去りにし死亡させたとして業務上過失致死で起訴された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事案
静岡県牧之原市の認定こども園(いわゆる幼稚園と保育園の機能を併有する施設)において、当時3歳の女の子が通園バスの車内に置き去りにされ、重度の熱中症で死亡した事件で、検察はバスを運転していた当時の園長とクラスの元担任の2人を、業務上過失致死の罪で在宅起訴しました。
起訴状などによりますと、2人は、こども園の駐車場に止めた通園バスの中に、被害者を約5時間にわたって置き去りにして、重度の熱中症で死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われています。
また、この事件では、ほかにもバスの元乗務員とクラスの元副担任も書類送検されていましたが、検察はこの2人を不起訴にしたということです。
(NHK NEWS WEB「通園バス置き去り死亡事件 当時の園長ら2人在宅起訴署」(2023/11/24)を引用・参照。)
~業務上過失致死について~
(業務上過失致死傷等)
第211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。(後段略)。
刑法211条前段は、身体・生命という重要な利益については、故意行為以外に過失行為からも保護する趣旨で定められた規定です。
刑法は、故意犯の処罰を原則とし、故意のない過失による行為については特別の規定がある場合にのみ処罰しています(刑法38条1項ただし書)。
過失という概念に関しては、理論上は難解な議論が存在しますが、条文上「必要な注意を怠り」と規定されている通り(判例・実務において)これは注意義務違反のことを指すと考えられています。
つまり結果の予見可能性から、結果回避のための注意義務が導かれ、これに違反することが注意義務違反すなわち過失となります。
~刑事弁護士による弁護活動~
本件では事件に関与したと疑われる者に対する捜査は在宅のまま進められ、結果として2人起訴されています(別の2人は不起訴となっています)。
事件発生から起訴に値するかどうかの判断に至るまで1年以上の時間がかかっており、ここに交通事故のようなある程度類型的な判断が可能な事件とは異なる過失行為に関する刑事事件の難しさが表れています。
本件はいわゆる在宅事件であり、起訴された被告人は身体拘束されていませんが、起訴される事件には身体拘束を伴ういわゆる身柄事件も少なくありません。
起訴後において、このような身体拘束から被告人を解放する制度として保釈制度が設けられています(刑事訴訟法88条以下)。
起訴後の勾留は、(起訴前と異なり)原則として2か月(同60条2項)とされており、更新されれば身体拘束の期間はさらに続くことになります。
刑罰ではないのにも関わらず、このような長期にわたって身体の拘束を受けることは耐え難いものとなることは想像にかたくありません。
したがって身柄事件においては、接見を要せず裁判の準備が可能であるといった観点も含め、保釈のための弁護活動が極めて重要になってくるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務上過失致死を含む刑事事件を専門的に取り扱っている弁護士が所属する法律事務所です。
業務上過失致死事件で逮捕や起訴されてしまった方やそのご家族は、24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお問い合わせください。
(事例紹介)募金詐欺をしたなどと被害者の名誉を毀損する書き込みをした静岡県内の男性が逮捕
(事例紹介)募金詐欺をしたなどと被害者の名誉を毀損する書き込みをした静岡県内の男性が逮捕
募金詐欺をしたなどと被害者の名誉を毀損する書き込みをした静岡県内の男性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
~事案~
行方不明になった当時小学生の母親の画像をブログに掲載し「募金詐欺」などと書き込んだとして、警察は、静岡県に住む容疑者を名誉毀損の疑いで逮捕した。
逮捕容疑は、ブログに母親の顔が写った画像を掲載し、「募金詐欺をした」などと被害者の名誉を毀損する書き込みをした疑い。
容疑者は「ブログは管理しているが、名誉を毀損したつもりはない」と否認している。
警察によると、被害者から相談を受け、ブログのアカウントなどを捜査した。
(日本経済新聞 「不明女児の母に「詐欺」 名誉毀損疑いで69歳男逮捕」(2020/10/15)を引用・参照)。
~名誉毀損罪について~
(名誉毀損)
第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処る。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(親告罪)
第232条 この章の罪(注:230条や231条の侮辱罪)は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 (略)
名誉毀損罪(刑法230条1項)とは、「その事実の有無にかかわらず」人の名誉を低下させるような「事実を摘示」すれば、成立しうる犯罪です。
この点は少なくない方が勘違いしていると思われますが、これは同条2項と対比すれば明白となります。
同項は、名誉毀損行為の相手が「死者」である場合は、「虚偽の事実を摘示」した場合でないと同罪は成立しないと定めています。
つまり、裏を返せば1項の名誉毀損罪の成立においては、摘示される「事実」は虚偽である必要はないということなのです。
例えば、本事案において募金詐欺をしたことが仮に事実だとしても、そのような事実は人の名誉を害するおそれがあることから、本罪の成立を妨げません。
そして、本行為はインターネットという世界中から誰でも閲覧できる場所においてなされていることから、「公然」性が否定されることはないでしょう。
~否認事件における刑事弁護活動~
本事案において、逮捕された被疑者は容疑を否認しています。
被疑者には黙秘権が保障(憲法38条1項、刑訴法198条2項等)されており、取調べに対して応答する義務はありません。
このことは否認事件では特に重要であり、都合の良い供述を得ようとする捜査機関に対し、黙秘権を行使することは権利であるということをしっかり認識する(させる)必要があります。
しかし、捜査機関は、黙秘している被疑者に対してもあの手この手を使い、口を開かせようとしてきます。
したがって、弁護士が頻繁に接見するなどして被疑者をサポートとし、取調べ状況を逐一チェックすることが極めて重要となります。
なお、名誉毀損罪に関しては230条の2が、例外的に罰されない場合について定めており、この点についても留意が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、名誉毀損事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
名誉毀損事件で逮捕・起訴等された方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。
藤枝市で非現住建造物等放火で男性が逮捕
藤枝市で非現住建造物等放火で男性が逮捕
藤枝市で非現住建造物等放火で男性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事案
静岡県藤枝市の自宅に放火したとして、県警は、消防士の男を非現住建造物等放火容疑で逮捕する方針を固めた。
男は自宅に火災保険を掛けており、県警は保険金目的の可能性もあるとみて動機などを調べる。
捜査関係者によると、藤枝市の自宅に放火し、木造2階住宅を全焼させた疑いが持たれている。
男は一人暮らしで、けが人はいなかった。
(読売新聞 「消防士の20代男、自宅に放火疑いで逮捕へ…保険金目的か」(2023/3/1)を引用・参照)。
~放火罪における自己物の特例~
(現住建造物等放火)
第108条 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物⋯⋯を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
(非現住建造物等放火)
第109条 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物⋯⋯を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
(差押え等に係る自己の物に関する特例)
第115条 第109条第1項⋯⋯に規定する物が自己の所有に係るものであっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、配偶者居住権が設定され、又は保険に付したものである場合において、これを焼損したときは、他人の物を焼損した者の例による。
本事案では、被疑者は非現住建造物等放火罪で逮捕されようとしています。
当該被疑者は自宅に放火していることから、「現に人が住居に使用」している「建造物」に対する放火罪であるとしてより重い現住建造物等放火罪(刑法108条)が成立するのではないかという疑問が生じるかもしれません。
この点、現住建造物等放火罪における「人」には犯人は含まれないと解されており、本件では被疑者は一人暮らしであることから同罪は成立しないことになります。
ここで注意を要するのが、この自宅が被疑者の所有する建造物であった場合です。
109条2項は「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物」が「自己の所有」に係るときには、自己所有非建造物等放火罪という同条1項に比して法定刑の軽い罪が成立するに留まる旨を規定しています。
もっとも、115条には「第109条第1項⋯⋯に規定する物が自己の所有に係るものであっても」「保険に付したものである場合」には、他人所有非建造物等放火罪(109条1項)が成立するとの特例が存在します。
つまり本件の場合、放火の対象となった建造物が被疑者の所有物でなかったとしても重い1項の罪が成立しうることになります(なお、自己所有物であった場合には「公共の危険」(同条2項ただし書)の発生も必要となります)。
~放火事件における刑事弁護活動~
逮捕された場合、留置施設(ほとんどの場合が警察署)での身体拘束を受けた状態で連日の取り調べ対応を迫られることになります。
特に初犯である場合などは被疑者はプロである取調官に比して知識や経験において極めて非対称的な立場に置かれてしまいます。
このような立場を利用し被疑者にとって不利益な供述を獲得しようとすることも少なくないことから、接見サービスなどを利用するなどして早期に弁護士によるアドバイスを受けることがその後の刑事処分を見据える意味でも重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、放火事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
放火事件で逮捕・起訴等された方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。
【富士市】未成年者誘拐の疑いで男性を逮捕
【富士市】未成年者誘拐の疑いで男性を逮捕
未成年者誘拐の疑いで男性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事案
富士署は、未成年者誘拐の疑いで、自称電気工事業の男性を逮捕した。
逮捕容疑は某日正午ごろから午後2時ごろまでの間、静岡県東部の女児が未成年者と知りながら、富士市内を連れ回した疑い。
同署によると、女児から話を聞いた親から110番があった。
防犯カメラの映像などから容疑者を特定した。
(静岡新聞「未成年者誘拐の疑いで男を逮捕 富士署」(2023/10/8)を引用・参照。)
~未成年者の誘拐(略取)~
(未成年者略取及び誘拐)
第224条 未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
(親告罪)
第229条 第224条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した第227条第1項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
刑法224条は、被拐取者(略取、誘拐される者)の自由を奪う行為を罪として罰する旨を規定しています。
「略取」とは暴行または脅迫を手段として、「誘拐」とは欺もうまたは誘惑を手段として、人を本来の生活環境から不法に離脱させ、自己の実力下に移すことを言います。
なお、令和4年4月1日より施行された民法改正により、18歳をもって成年となることが規定された(民法4条)ため、本罪における「未成年者」とは18歳未満の者を指すことになります。
本事案では、被疑者が女児が未成年者と知りながら、欺もうまたは誘惑的な手段を弄して本来の生活環境たる親権者の元から離脱させており、「未成年者を⋯⋯誘拐」したと認められるものと考えられます。
~未成年者誘拐事件における弁護活動~
まず留意すべきなのが、上記229条の存在により未成年者誘拐罪は親告罪となることです。
これは、裁判に伴う未成年者たる被害者のプライバシー等への配慮から告訴を訴訟条件とする趣旨の規定と解されています。
親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない(起訴することができない)罪ですから、被害者や親権者との示談を通じ告訴を取り下げてもらうことができれば同罪で刑事処分を受けることはありません。
したがって、未成年誘拐事件においては示談の成立および告訴取下書の作成などが極めて重要な弁護活動の一端を担うことになると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、未成年者誘拐事件を含む刑事事件のみを専門的に取り扱っている弁護士の所属する法律事務所です。
近年の刑事法は重要な法改正が相次ぐなど弁護士の知識のアップデートが不可欠な分野と言っても過言ではありません。
未成年者誘拐事件で逮捕されてしまった方のご家族・ご知人は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。
嘘の110番通報をし、警察の業務を妨害した疑いで男性が逮捕
今回は、強盗に遭ったとする嘘の110番通報をし、警察の業務を妨害した疑いで35歳男性が逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
浜松市で財布などを奪われたという虚偽の通報をして、警察の業務を妨害したとして、ブラジル国籍の35歳の男が逮捕されました。
偽計業務妨害の疑いで逮捕されたのは、ブラジル国籍で浜松市中区の35歳の無職の男です。男は26日午前1時半ごろ、強盗に遭ったとするうその110番通報をして、警察の業務を妨害した疑いが持たれています。男は当初、捜査員に対し、「車をぶつけられた後、バールのようなものを持った男らに脅され、財布とドライブレコーダーを奪われた」と説明。浜松中央警察署から40人を超える警察官が捜査にあたり、被害状況などを調べた結果、男の供述とつじつまが合わなかったということです。男は「うそをついてしまった」と容疑を認めています。
(https://look.satv.co.jp/_ct/17631531 5月27日 「「バールを持った男に脅された」・・・うその110番通報で40人以上の署員が捜査 35歳の男を逮捕 浜松市」より引用)
~偽計業務妨害罪について解説~
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の業務を妨害する犯罪です(刑法第233条)。
法定刑は「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっています。
「虚偽の風説の流布」とは,客観的真実に反する事実を不特定又は多数人に伝播させることをいいます。
また、「偽計」とは、主として,人を欺罔し,あるいは人の錯誤又は不知を利用することをいいます。
典型例として、注文して受領する意思がないのに、出前の配達を依頼するなどの行為が挙げられます。
~ケースの事例について~
ケースの35歳男性が虚偽の通報に及んだ動機は明らかではありません。
偽計業務妨害事件にあっては、いたずら目的によるものも多数みられますが、近時話題となった、飲食店等における客の迷惑行為に対して厳しい対応がなされていることからも、単なるいたずらでは済まされない、犯罪行為であるということを十分に認識する必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
偽計業務妨害事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
静岡県沼津市の海岸で焼かれた乳児の遺体が発見
今回は、静岡県沼津市の海岸で焼かれた乳児の遺体が発見されたニュースにつき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
5月27日朝、静岡県沼津市の海岸で焼かれた乳児の遺体が発見された死体遺棄事件で、遺体は生後間もない女の子で、体の一部は炭化するほど、焼損具合が激しいことが関係者への取材でわかりました。
27日午前6時45分ごろ、沼津市本千本の千本浜海岸で、釣り人から「赤ちゃんの遺体があった。燃やされている」と警察に通報があり、体の一部が焼かれた乳児の遺体が発見されました。
捜査関係者によりますと、発見された遺体は生後間もない女の子で、顔や体が焼けて一部に炭化がみられるなど焼損具合は激しいということです。
警察は28日、事件が発覚した同じ時間帯に聞き込みをして目撃情報を集めました。現場では煙の目撃情報もあり、警察は遺体が発見される数時間前には乳児に火が放たれた可能性もあるとみて、死体遺棄事件として、司法解剖を進めるとともに、親を含め身元に繋がる手掛かりがないか慎重に調べています。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/86b7dd9c082eb23586b855cfaa38942ccb7ac004 5月28日 「遺体は生後間もない女の子 顔や体が焼け一部は焼損具合激しく…静岡・乳児死体遺棄事件【続報】」より引用)
~痛ましい死体遺棄事件~
今回は、大変に痛ましい、ショッキングな事件が発生してしまいました。
ご遺体が発見された経緯が極めて不審であること、報道内容の限りでは、関係者がいまだ浮上していないことから、今後、刑事事件として捜査が発展するものと考えられます。
報道においても、捜査機関が死体遺棄事件として司法解剖を進め、手がかりの捜索を行っているとのことです。
~事件化する前の弁護活動~
死体遺棄事件として捜査されている状況ですが、被疑者や事件関係者が浮上すれば、「どういう経緯で乳児が死亡したのか」という点についてもかなり厳しく取り調べを受けると思われます。
また、乳児の死亡が被疑者による犯罪行為に起因する場合(殺人罪、保護責任者遺棄致死罪など)には、死体遺棄の疑い以外での被疑事実による捜査も受けることになります。
逮捕・勾留された場合、身体拘束期間はかなり長期間に及ぶことが予想されます。
事件を起こしたことに心当たりのある場合は、捜査機関に被疑者等として特定される前に弁護士と相談することも選択肢の一つです。
特に前述した殺人罪や保護責任者遺棄致死罪は裁判員裁判対象事件であるため、刑事事件に熟練した弁護士のサポートがより重要となります。
世間の耳目を集める事件においては、より早期に弁護士と相談し、刑事手続への準備を整えておくことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
死体遺棄事件などを起こしてしまい、弁護士との相談を検討しておられる方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。