Archive for the ‘交通犯罪’ Category
静岡県静岡市でパトカーから逃走して逮捕
静岡県静岡市でパトカーから逃走して逮捕
静岡県静岡市の道路で自動車が逆走していると110番通報を受け、静岡県警清水警察署の警察官がパトカーで急行したところ、道路を逆走していた車はパトカーに気付いて急に車線を変更したため、道路脇のガードレールに衝突しました。
停車した自動車から中年男性Aが下りてきて、パトカーから降りてきた警察官から逃走しようとしたため、警察官はAを追跡して公務執行妨害罪の疑いで現行犯逮捕しました。
警察の調べに対しAは黙秘をしていますが、警察はAが逆走していた経緯等について調べを進めています。
(フィクションです)
上記刑事事件例は、今年5月7日午後4時ごろ、堺市堺区大町東の路上で警察に盗難届が出されていた軽自動車をパトカーが発見し、当該盗難自動車を運転していた男が、パトカーから逃走したものの道路脇の植え込みに突っ込んで停止し、なおも逃走しようとしたところを公務執行妨害罪の疑いで現行犯逮捕された事案をモデルにしています。
警察によれば、パトカーがサイレンを鳴らしながら止まるよう呼びかけて盗難自動車を追跡したところ、盗難自動車はパトカーを無視して、10分近くにわたって逃走を続け、国道の交差点でいったん停止たものの、警察官がパトカーから降りて盗難自動車に近づくと、急にバックしてパトカーに突進し、さらに盗難自動車は信号待ちをしていた2台の車に衝突したうえ、対向車線を逆走するなど、およそ100メートルにわたって逃走したあと道路脇の植え込みに突っ込んで止まったとのことです。
運転していたのは無職の21歳男性で、車を乗り捨ててなおも逃走しようとしましたが、すぐに警察官に身柄を確保され、公務執行妨害罪などの疑いで現行犯逮捕されました。
警察の調べに対し、被疑事実を認めたうえで「無免許運転がばれると思って逃げた」と供述しているとのことです。
犯罪の実行を疑われている者などが捜査機関から逃走する行為について、刑法では第6章で逃走の罪をいくつか規定しています。
ただ、刑法で罰されるのは、例えば裁判の執行により拘禁された既決または未決(勾留された者など)の者が、拘置所や留置所から逃走する場合を言うのであって、現行の犯罪の疑いで警察に追われて逃走した場合には当てはまりません。
このような場合、法律学では、犯罪の嫌疑を疑われている者が逃走してしまうことに対して責任上の非があるとして刑事処罰をもって臨むことは適切ではない(期待可能性がない)等と説明されます。
ただし、上記事案では、警察官による捜査活動に対して、被疑者が盗難自動車で急なバックをしてパトカーに体当たりをして妨害しており、これが公務の適正かつ円滑な実行を妨害していることから公務執行妨害罪として現行犯逮捕に至りました。
また、捜査の進展によって証拠が固まり次第、逆走運転等による危険な自動車運転について道路交通法違反の疑いで立件される可能性があるほか、盗難自動車の入手先の捜査次第では、窃盗罪や盗品等に関する罪の成立も考えられます。
このような複数の罪が成立し得る刑事事件では、刑事事件化または逮捕された時点で、余罪についての事実上の捜査が進んでいる可能性が高く、捜査機関に対する供述次第では今後の刑事手続で不当に不利な立場となる可能性もあり得ます。
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静岡県伊豆市の飲酒の危険運転を黙認・幇助
静岡県伊豆市の飲酒の危険運転を黙認・幇助
静岡伊豆市在住の会社員Aさんは地元で飲食店を経営する友人Bらと夜の海岸沿いをドライブに行きました。
Aさん所有の自動車をAさんが運転している間、同乗していたBや友人らは缶ビール等を大量に摂取して、かなり酔っ払っていたところ、ドライブの途中でBさんが「俺にも運転させろ」と言いだしました。
既に酒に酔っているBさんが自動車を運転することを制止する者はおらず、むしろ面白がってBさんの運転を勧める者もおり、Aさんもその場の雰囲気に従ってBさんに運転させた結果、Aさんは酒酔い状態のため注意力が散漫になっており、対向車線を走っていた自動車と衝突した結果、対向車に乗っていた運転手V1さんは重度の後遺障害が残る重傷を負い、助手席にいたV2さんも胸部圧迫による骨折の負傷を負いました。
事故現場を検証した静岡県警大仁警察署は、Bさんが酒酔い状態で危険運転を行ったことで対向車に衝突し、その結果V1およびV2さんに重大な負傷を負わせたと判断し、Bさんを自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷罪)の疑いで逮捕し、同乗していたAさんらはBさんが酒酔い状態での危険運転を制止するどころか黙認しており、むしろ幇助していた疑いがあるとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷罪)の幇助の疑いで警察に呼び出しました。
(※フィクションです)
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法違反)において、第2条において、「危険運転」に該当する具体的な行動を列挙しています。。
例えば、「アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」、「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」、「人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」、「赤信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」等が列挙されています。
これらの危険運転によって、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以下の有期懲役が科せられます(実務では自動車運転処罰法第2条を「危険運転致死傷罪」と呼んでいます)。
この危険運転致死傷罪で刑事事件化した場合、刑事弁護の実務上では、ほとんどのケースで検察官が起訴するため、公開の刑事裁判になることが予想されます。
そして、危険運転致死傷罪の過去の裁判例の量刑を見ると、被害者の被害状況が致傷に留まる場合であれば、執行猶予付き判決が下される例が多く見られますが、被害者が死亡してしまった事案(致死)や、無免許運転による刑の加重がされる場合等では、かなり重い懲役刑が科される事案も見受けられます。
埼玉県熊谷市で2008年、酒酔い運転の男が夫婦らを死傷させた事故をめぐり、同乗者として危険運転致死傷罪の幇助の罪に問われた被告人の裁判員裁判で、さいたま地方裁判所は、懲役2年(求刑懲役8年)の判決を言い渡した事例もあります。
この判決は、飲酒運転による事故が後を絶たず厳罰化を求める声が強まる中、市民の代表である裁判員が酒酔い運転を行った者の同乗者の責任の重さを厳しく判断したと理解されています。
静岡県伊豆市で飲酒の危険運転を黙認・幇助するなどして刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。
静岡県静岡市葵区で歩行者が交通事故で立件?
静岡県静岡市葵区で歩行者が交通事故で立件?
静岡県静岡市葵区在住の会社員Aさんは、夜遅くにビールで晩酌をしていましたが、飲み足りないと思い、自宅近くのコンビニにビールを買いに行こうとしたところ、夜なので信号無視しても問題ないだろうと考え、歩行者用信号が赤であるにも関わらず漫然と歩道を横断していたところ、通りかかったバイクと衝突してしまいました。
事故の大きな音に気付いた近隣住人が警察に通報しましたが、Aさんは体を複雑骨折する重傷を負い、バイクに乗っていたVさんは体を激しく打って即死していました。
交通事故現場を検証した静岡県警静岡中央警察署によれば、事故の原因はAさんが歩行者信号を無視して横断歩道を渡ろうとしたことにあると見て、Aさんを過失傷害罪または重過失致傷罪の疑いで捜査を進めています。
(※令和元年6月3日の共同通信社の記事を元に、事実の一部を変更したフィクションです。弊所で受任した事案ではありません。)
上記刑事事件例は、交差点で信号を無視して横断していたところ、青信号で進入してきたバイクと衝突してバイク運転手を転倒させて死亡させたとして、今年6月3日、静岡中央警察署が信号無視して歩道を横断した男性を重過失致死罪の疑いで書類送検した事案をモデルにしています。
刑事事件の分野では、通常は交通弱者である歩行者が、交通事故に関する過失致死罪、重過失致死罪で立件されるのは非常に珍しいケースと言えるでしょう。
具体的な被疑事実は、平成31年1月16日午後11時45分ごろ、静岡市葵区昭和町の交差点において、被疑者は歩行者用信号が赤であるにも関わらず横断し、青信号で走行してきた同市葵区の男性会社員のバイクと衝突し、バイクの男性を転倒させ、死亡させたとの疑いです。
この事故で、被疑者も首の骨を折る重傷を負ったようです。
なお、バイクの男性も、過失傷害罪の疑いで被疑者死亡のまま書類送検されています。
一般に、人が日常生活を送る上で、故意ではないにせよ過失により人を負傷させてしまうことはしばしば起こり得ることであり、刑法で処罰規定が定められています。
まず、過失により人を傷害した場合、30万円以下の罰金または科料が科せられます(刑法第209条、過失傷害罪)。
また、過失により人を死亡させた場合、50万円以下の罰金が科せられます(刑法第210条、過失致死罪)。
さらに、業務上必要な注意を怠り、あるいは、重大な過失により人を死傷させた場合、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金が科されます(刑法第211条、業務上過失致死傷罪、重過失致死傷罪)。
例えば、人が自転車に乗っていて、自転車の操作を過って他人にぶつけてしまい負傷させてしまった場合では、多くの場合は、真摯に謝罪したり、若干の謝罪金等を支払うことによって、当事者間の話し合い(示談)で刑事事件化せずに済むことが多いでしょう。
しかし、被害者が死亡した場合や、傷害の程度があまりに甚大な場合は、被害者が被害届を出したり、警察の介入により捜査が開始することになる可能性が高まります。
上記事案では、バイクを運転していた被害者が死亡したという事案の重大性に加え、被疑者が歩行者として遵守すべき信号を無視したという点の過失の重大さも考慮されて立件に至ったと考えられ、被疑事実を認めるのであれば、被害者遺族に対する謝罪や見舞金等の対応で反省の意を示し、効果的な情状主張を行う刑事弁護活動を行うことが有効だと考えられます。
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