Archive for the ‘刑事事件’ Category
静岡県菊川市で金銭トラブルで監禁罪
静岡県菊川市で金銭トラブルで監禁罪
金銭トラブルから相手の行動の自由を奪ってしまい監禁罪で刑事事件化する事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県菊川市在住の内装業者Aさんは、内装の請負仕事が終了して引き渡したにも関わらず、請負先の小規模建設会社が契約上の請負代金の残額を支払わなかったため、その建設会社へ赴き、社長のVさんを連れて自分の車に乗せ、早く請負代金を支払うよう働きかけました。
ドライブの途中でVさんが「早く車から降ろしてほしい」等と何度か言ったにも関わらず、AさんはVさんからの支払いの約束を取り付けるまでは車から降ろさなかったため、Vさんは半日近く自動車に乗せられて行動の自由が奪われることになってしまいました。
1週間後、約束した支払期日にはまだ期日があったものの、Aさんからの厳しい支払の督促を受けたVさんは、「支払う約束は守る。ただ、あんたのやり方は強引すぎだ。先日車に閉じ込められた件については静岡県警菊川警察署に相談する」とAさんに言いました。
警察沙汰にするとの言葉に不安を覚えたAさんは、自分の行動について何らかの刑事責任が生ずるのか確認すべく、刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、滋賀県東近江市の職業不詳男性が福井県坂井市の東尋坊で遺体で見つかった事件で、長浜市のとび職の男性や少年6人が被害者を車のトランクに監禁したとして監禁罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
この事件では、被害者がいつの時点で死亡していたのかが問題となっており、被疑者らは「被害者はトランクの中では生きていた」と供述している模様で、司法解剖による死因の特定が待たれています。
上記刑事事件の逮捕容疑は、被疑者らが、令和元年10月18日午前9時から午後6時頃、被害者を彦根市から坂井市まで走行中の乗用車のトランクに監禁した疑いです。
被害者は翌19日朝、東尋坊の海で遺体で発見され、遺体には複数の外傷があったことから、被疑者らによる傷害致死罪や殺人罪の疑いでの捜査も進んでいるようです。
【逮捕・監禁罪とは】
不法に人を逮捕し、または監禁した場合、3月以上7年以下の懲役が科されます(刑法第220条)。
逮捕とは、直接に人の身体の自由を拘束することを言い、監禁とは、有形であると無形であるとを問わず、一定の場所からの脱出を不可能にして、継続して人の行動の自由を不法に拘束することを言うとされています。
監禁と認定されるためには、人の行動の自由を不法に拘束する程度の時間は拘束状態が継続することが必要とされており、個別具体的事案においては、暴行・脅迫により八畳間に約30分間拘束することも監禁に該当すると判示した判例があります。
監禁罪は、女性を監禁する事案においては、性犯罪の対象として身体を拘束しつづけるために行われることが多いとされていますが、広く一般的には、相手に受け入れがたい要求に応じさせるために特定の場所に監禁して心変わりを迫る場合等にも行われており、実際の発生した刑事事件として、無断欠勤した男性従業員を押し入れに監禁したとして、警視庁葛飾警察署は、キャバクラ店経営の男性等を逮捕監禁罪の容疑で再逮捕した事案があります。
この事案では、被害者は被疑者らによって制裁が加えられ、暴行の結果死亡しており、警察は逮捕監禁致死罪の可能性も視野に調べを進めています。
監禁罪に対する刑事弁護活動としては、被害者に対する示談の申し出が最も効果的と考えられますが、一般に、被害者は逮捕・監禁を行った被疑者本人と示談交渉を行うことはあり得ず、弁護士等の専門知識を持った公正な第三者の仲介が前提となります。
被疑者による一方的な監禁であれば示談交渉そのものが難しくなる可能性も予想されますが、特に被害者側にも道徳的な非があり、それに対する指導や制裁として監禁に至った事案では示談条件、特に再犯防止や誓約事項等の提示次第では、被疑者の罪を許す旨の文言も引き出すことも可能と考えられます。
このような被害者とのデリケートな示談交渉が要求される刑事事件では、刑事事件の示談交渉の経験を多く積んだ刑事事件弁護士に依頼することを強くお勧めいたします。
静岡県菊川市で金銭トラブルなどから監禁罪で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
静岡県裾野市で家族喧嘩から殺人未遂で逮捕
静岡県裾野市で家族喧嘩から殺人未遂で逮捕
家族や恋人同士の喧嘩などから暴行や傷害、殺人未遂罪などに発展する事例とその法的責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県裾野市在住の会社員Aさんは、家族全員で夕食をとっている際、長男Vの進路と勉強の進捗状況の話になり、AさんがVを叱る形から口論に発展しました。
Vの反抗的な態度に腹が立ったAさんは、Vに体罰を加える目的で、箸を逆手に持ってVの方あたりを突こうとしたところ、Vが避けようとしたことと肩の丸みから箸が滑ってしまい、箸の先がVの喉に刺さってしまいました。
Vが喉から血を流してショック症状になったことにパニックになり、Aさんの妻が救急車を呼んでVを病院に連れて行ったところ、Vの命に別状はありませんでした。
Vの負傷を診察した病院は、親子喧嘩の末に父親が息子の喉に箸を刺したという経過について、DVまたは刑事事件の可能性があると判断し、静岡県警裾野警察署に連絡しました。
間もなく、裾野警察署の警察官がAさん宅を訪れ、Aさんを殺人未遂罪の疑いで逮捕しました。
(フィクションです)
上記刑事事件例は、令和元年7月21日、神戸市西区の会社員男性が、15歳の長男の胸にフォークを突き刺し大けがを負わせたとして、同24日、殺人未遂罪の疑いで兵庫県警神戸西警察署に逮捕された事案をモデルにしています。
警察によれば、被疑者は、7月21日午後4時半頃、自宅の居間で長さ約10センチのフォークで高校1年の長男を刺し、殺害しようとした疑いが持たれており、刺し傷は肺に達しており、長男は肺に穴が開く全治1月の負傷を負い現在も入院しているということです。
動機について、被疑者は「塾のことで言い争いになって刺した」と供述しており、「負傷させたことは間違いないが、殺意はありません」と殺人未遂罪の殺人の故意を否認している模様です。
被害者の長男が21日夕方に神戸市内の病院に搬送され入院し、病院から神戸市こども家庭センター(児童相談所)に連絡があり、同センターが23日に警察署に通報して事件化に至ったとのことです。
児童相談所によると、これまで被疑者と長男の間で、虐待に関する通報や相談は寄せられておらず、過去にDVなどの家庭内トラブルで警察が対応した形跡はないとのことです。
昨今では、各地の医療機関と児童相談所および警察署が連携し、家庭内の要因によって刑事事件性のある負傷を負った子どもについては、より深刻なDV被害の進行を未然に予防すべく、警察への連絡・通告を協定していることが広がってきており、数年前よりも機動的に警察が捜査を開始し、時に子どもの負傷の原因となった親や保護者の逮捕に踏み切ることが多くなったように思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所でも、父親による息子への行き過ぎたしつけにより子どもが負傷するに至ってしまい、その負傷を治療した病院からの連絡を受けた警察によって傷害罪の疑いで逮捕されてしまった被害者の父親のご家族の方から、初回接見依頼をいただくことが少なからずございます。
多くの場合、傷害罪の疑いで被疑者となってしまった父親は、犯行当時、息子との口論や聞き分けのなさ等に対して感情的になってしまったことを認め、後から振り返って、必要以上に可罰的になってしまい、過剰な体罰を行ってしまったと反省する姿を見せます。
多くの場合は、素手で殴る等の体罰であれば暴行罪や傷害罪の認定となるに留まりますが、前述のとおり、被疑者が感情的になっている場合には、その時手にしていた道具を使用して体罰を加えることもしばしば見られ、そこから被害者に対して重い傷害を与えてしまった場合には、上記刑事事件例のように殺人未遂罪の疑いをかけられてしまうこともあるでしょう。
一般に、被疑事実をすべて認める刑事事件では、非常にスムーズに刑事手続が進行し、反省や悔悟等の表明により情状面で刑事責任が結果的に軽くなる場合もありますが、たとえ一部であっても、被疑事実を否認する場合には、事実の認定を巡って、捜査機関と被疑者の利害が対立する以上、認め事案より厳しい刑事手続を受けることになるでしょう。
特に、DVの疑いが持たれる家庭内での暴力犯罪では、被疑者の身体拘束も長期化する可能性が高く、刑事事件の事実の否認や身柄解放の経験に長けた弁護士に依頼し、自分の主張したい事実をプロに適切に伝えてもらうことが非常に大切です。
静岡県裾野市で家族喧嘩から殺人未遂で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
静岡県熱海市で訴訟通告を偽装した振り込め詐欺
静岡県熱海市で訴訟通知を偽装した振り込め詐欺
訴訟の通知上などを偽装して相手の不安につけこみお金を振り込ませる昨今の特殊詐欺事例を紹介し、その刑事責任について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県熱海市で一人暮らしをする年金受給者Vさん(79歳)は、ある日、「民事訴訟最終通知書」という書面を受け取り、「このままでは裁判になる。弁済供託金としてお金を支払わなければならない」との連絡を受け、500万円の現金を送金しました。
弁護士を名乗る男性Aから、さらに追加で現金を支払うよう求められ、現金300万円を支払おうとしたところ、銀行職員に詐欺の疑いがあるとして送金を止められました。
銀行職員のすすめでVさんが静岡県警熱海警察署に相談に行ったところ、警察はいま流行りの振り込め詐欺の手口に酷似しているとして、詐欺グループと思われる宛先から送られた通知書等の証拠をVさんから預かり、詐欺罪の疑いで捜査を開始しました。
(令和元年5月8日産経デジタルの記事を元に、場所や事実の一部を修正したフィクションです。)
特殊詐欺について全国の警察が認知した件数は毎年連続で増加しており、現在の統計を取り始めた2010年以降で過去最多となっています。
特に、大都市や政令指定都市のように人口の多い都市部における都道府県で被害件数および被害額が増加しており、警察庁は各金融機関と連携して特殊詐欺被害の防止に全力を上げています。
上記刑事事件例は、令和元年5月8日、さいたま市桜区に住む無職の女性が現金合計2600万円をだまし取られる被害に遭ったとして、埼玉県警浦和西警察署が特殊詐欺事件として発表した事案をモデルにしています。
警察によると、今年3月14日、女性宅に「民事訴訟最終通知書」と記載したはがきが届き、記されていた連絡先に女性が電話すると、弁護士をかたる男らから「このままでは裁判になる。弁済供託金としてお金を支払わなければならない」などとの説明を受けたため、信じ込んだ女性は5回にわたり指定された東京都内の集合住宅の個人宛に計2600万円を送金したとのことです。
女性はその後も現金を送付するよう要求され、金融機関で500万円を引き出そうとしていたところ、不審に思った金融機関が警察に通報し、詐欺被害が発覚し刑事事件化に至りました。
この通報で被害の拡大は食い止められたものの、被害者女性は200万円、400万円、800万円、500万円、700万円と5回にわたり現金を引き出し送っており、その際、金融機関から「詐欺じゃないですか」と注意を喚起されてたものの、女性は犯行グループの指示に従って個人目的で使用すると説明していたため、被害が拡大してしまったようです。
詐欺罪(刑法第246条)の法定刑は10年以下の懲役であり、量刑相場の観点からは、特殊詐欺における主犯格的人物やより悪質な手口に携わった者については懲役刑の実刑判決が下されています。
他方、特殊詐欺グループの末端の実行役に過ぎない者で、かつ詐欺の事実を認めており、被害者に対する謝罪や被害弁償、その他情状面で効果的な主張をしている者については、執行猶予付きの判決が下されているケースも見受けられるため、様々な特殊詐欺のケースに詳しい刑事事件弁護士に弁護を依頼し、ベストな解決策を模索していくことが大切です。
静岡県熱海市で訴訟通知を偽装した振り込め詐欺で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
静岡県富士市で転売目的で電車備品を窃盗して逮捕
静岡県富士市で転売目的で電車備品を窃盗して逮捕
電車備品等、付加価値のある公共物を転売するために窃盗する刑事事件例を紹介し、その刑事責任について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県富士市の自称自営業Aさん(25歳)は、ネットオークション等を利用した転売により収入を得ているところ、電車マニアに対して電車の備品が売れるに違いないと思い、JR東海道線の電車内の車内にある路線図などを盗んでいました。
数回目の窃盗の際、他の乗客がその様子をスマホの動画で撮影し警察に通報したため、Aさんは静岡県警富士警察署によって、窃盗罪の疑いで家宅捜索を受け、その後逮捕されました。
(※フィクションです)
上記刑事事件例は、JR総武快速線の路線図を盗んだ疑いで、63歳の男性が窃盗罪でが逮捕された事案をモデルにしています。
逮捕された被疑者は、2019年12月、JR総武快速線の車内で、鉄道マニアに売る目的で、ドアの上部に設置されている路線図1枚(時価243円相当)を盗んだ疑いが持たれています。
車内の防犯カメラには、被疑者が路線図を盗む様子が映っていて、被疑者の自宅からはJR総武線快速・横須賀線のほかに、外房線や内房線の路線図十数枚が見つかりました。
警察の調べに対し、被疑者は、「取ったことに間違いありません」と容疑を認め、転売目的だったと供述しており、警察は、余罪があるとみて調べています。
【公共の場所での窃盗罪】
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金と幅広く設定されており(刑法235条)、被害金額や犯行態様の悪質さ、組織的犯行の是非や反復性によって、軽く処分されることもあれば非常に重く処分されることもあります。
これは窃盗罪の刑事弁護を進める上での難易度にも通ずる問題であり、例えば被害金額が大きければ大きいほど被害弁償や示談が困難になる傾向があり、また、犯行態様が悪質であったり、組織的な窃盗であったり、反復的な犯行である場合には、刑事責任が重大であるため、身体拘束の期間が長期化したり、法定刑が重くなる傾向にあると言えます。
上記刑事事件例の場合、例えば電車マニアが備品欲しさのあまり電車備品を盗んでしまったというのであればまだしも、転売による営利目的で電車備品を窃盗しているため、被害者の処罰感情はより高いと予想され、ただでさえ難しい示談交渉を拒否されるだけのみならず、窃盗に対する謝罪や損害賠償を拒否され、捜査機関に厳罰を求めることにもなりかねません。
しかし、上記事案のように、公共交通機関に対する窃盗という責任の重さ、そして転売目的という悪質な目的の犯行であることを鑑みるに、鉄道会社が示談に応じてくれることは極めて困難です。
このような窃盗罪の刑事事件では、刑事事件発覚時から、事実を認めて謝罪し、示談の可能性を上げるために注力するべきか、あるいは事実の否認ないし黙秘により被疑者としての防御権を行使していくのか、刑事弁護の専門家である弁護士の助言を仰ぎ、自分にとっての最善の方法を決めていくことが重要となります。
静岡県富士市で転売目的で電車備品を窃盗して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
静岡県裾野市で自動車運転ミスで死亡事故
静岡県裾野市で自動車運転ミスで死亡事故
自動車運転上の過失(ミス)により、死亡事故を起こしてしまった場合の、その刑事事件の展開とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県裾野市在住の年金受給者Aさん(77歳)は、自動車で自宅近くのコンビニに行ったところ、自動車を駐車させる際に、運転を過って歩道を通りかかった会社員男性Vさん(35歳)を轢いてしまいました。
Aさんは、通報を受けて駆け付けた静岡県警裾野警察署の警察官によって事情聴取を求められ、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷罪)の疑いで書類送検されました。
被害者男性は、事故後すぐに病院に搬送されたものの、重度の脳挫傷のため意識を失っており、その2週間後に息を引き取りました。
事件を受けた検察庁は、罪名を過失運転致死罪に切り替えて、引き続きAさんを呼び出し捜査を進めています。
(※フィクションです)
上記刑事事件例は、今年2月6日午前8時半ごろ、埼玉県草加市高砂2丁目の県道で、無職男性(81歳)がワゴン車にはねられ、搬送先の病院で死亡が確認されことを受け、埼玉県警草加警察署は自動車運転処罰法違反(過失運転致傷罪)の疑いで、運転していた同市の農業の女性(47歳)を現行犯逮捕した事案をモデルにしています。
※この刑事事件は弊所で受任となった事件ではありません。
警察によると、現場は信号機付きの十字路交差点で、横断歩道付近を渡っていた被害者を、右折しようとしたワゴン車がはね、死に至らしめてしまった模様です。
警察は容疑を過失運転致死罪に切り替えて、詳しい事故原因を調べています。
【過失運転致死傷罪と逮捕の有無】
昨今では、高齢者ドライバーによる運転事故により発生した死亡事故に関する報道が過熱し、特に幼い幼児が死亡した痛ましい事件においては、ネット上で被疑者の逮捕や厳罰を強く求める声が上がっています。
この点、刑事手続において、被疑者の身体を拘束して捜査を進めること(逮捕や勾留)の意義をまず理解する必要があります。
そもそも、ある犯罪に対して、被疑者・被告人が法律上の責任を負うか否かは、公開の裁判を経て有罪判決や無罪判決の言渡しを受けて確定するのが原則です(刑事訴訟法第335条、336条)。
このように刑事責任の有無が確定するまでは被疑者・被告人を有罪として扱うことは許されず、その裁判のプロセスにおいても、被疑者・被告人は、刑事訴訟法や刑事訴訟規則、その他関連法に従い、適正な手続きの下で有罪の有無が争われることになります(憲法第31条、刑事訴訟法第1条など)。
そして、被疑者の身体を拘束する刑事手続について、逮捕の場合は、現行犯人や緊急逮捕以外の場合では、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由を裁判所が認めた場合に限り逮捕することができるとしています。
また、捜査機関は、捜査はなるべく任意捜査の方法によらなければならず(犯罪捜査規範第99条)、逮捕にあたっては、犯罪構成要件の充足その他の逮捕の理由、逮捕の必要性、これらに関する疎明資料の有無、収集した証拠の証明力等を充分に検討して、慎重適正に運用しなければなりません(同第108条)。
また、逮捕に引き続いて被疑者の身体を拘束する「勾留」においても、被疑者が住所不定の場合や、被疑者を勾留しなければ被疑者が逃亡するおそれがある、または罪証(証拠)隠滅を図るおそれがある場合に勾留の必要性が認められるとされています(刑事訴訟法第60条第1項)。
よって、過失運転致死傷罪の交通犯罪の刑事事件においては、被疑者が被疑事実を否認して逃亡や罪証隠滅が疑われる事情等が無いかぎり、被疑者を逮捕・勾留せず、在宅のまま捜査が続くことが多く見受けられます。
実際、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる交通犯罪の刑事事件においても、そもそも交通犯罪で逮捕や勾留されることは非常に少なく、仮に現行犯逮捕された場合であっても、刑事弁護人が勾留の必要性はないと効果的に主張し、被疑者の釈放に成功することがほとんどです。
このような過失による交通犯罪の刑事事件では、むしろ、在宅で捜査が進行している間に、被害者に対する謝罪や民事上の被害弁償を進め、真摯な反省を示し、結果として被害者の遺族から処罰感情を少しでも和らげていくことが重要となります。
自動車の運転は社会人にとってはごく自然な生活の一部であるゆえ、ふとした不注意で思わぬ刑事事件に発展することもあり得ますので、過失運転致死傷罪等の交通犯罪で刑事事件化した場合には、経験豊富な刑事事件弁護士に事件を依頼することをお勧め致します。
静岡県裾野市で、自動車運転ミスで死亡事故を起こし、過失運転致死傷罪で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。
静岡県掛川市で他人の弱みにつけこんで恐喝罪
静岡県掛川市で他人の弱みにつけこんで恐喝罪
他人のスキャンダル、醜聞、犯罪等の弱みをネタに金品を交付させる恐喝罪の刑事事件例とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県掛川市のアルバイトAさん(23歳)は、アルバイトの同僚女性Bらと共謀して、Bを夜の繁華街に立たせ、Bに声を掛けてホテルへ誘い込んだ会社員男性Vに対し、「俺の彼女に何しやがる。会社にばらされたくなければ金を払え」と要求して、Vから50万円をうけとりました。
後日、静岡県警掛川警察署の警察官がAの自宅アパートを訪れ、Aが知人女性らと共謀して恐喝を行った疑いがあるとして、恐喝罪の疑いで逮捕しました。
(※フィクションです)
上記刑事事件例は、無職の17歳の少年や高校1年の16歳の少女ら5人が、囮約の高校1年生の少女に声をかけた会社員男性が少女をホテルに誘った現場をおさえて、淫行や児童買春をネタにして金を脅し取ろうとしたとして少年ら5人が恐喝未遂罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
警視庁によると、逮捕された少年被疑者ら5人は、今年8月、少女を囮にして、声をかけてきた相手からカネを取ろうと考え、東京・渋谷区のホテルに30代の男性を誘いこみ、「お兄さん終わったね。写真撮ったから」などと言って、カネを脅し取ろうとした疑いが持たれています。
少年らは被疑事実を認め、「援助交際をネタに脅そうと思った」などと供述している模様です。
【美人局による恐喝罪の手口】
上記事案においては事実は発生していないようですが、18歳未満の女子に対してわいせつな行為や性行為を行った場合、青少年健全育成条例違反(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)として処罰される可能性があり、また、その際に金品の授受によりわいせつな行為や性行為が行われていた場合には、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反(5年以下の懲役又は300万円以下の罰金)として処罰される可能性があります。
確かに、このような法令によって保護されている青少年や児童に対して、性的な期待を抱いてナンパや声を掛けること自体が、道義的に責められるべきという考え方もあるかと思います。
しかし、たとえこのような法令違反に類する非道義的行為が行われたからといって、それを理由に行為者に対して金品を要求したり、義務のないことを行わせたりすることは別の犯罪につながることを気を付けなければなりません。
まず、人の名誉に対して害を加える旨を告知して人を脅迫した場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることがあります(刑法第222条、脅迫罪)。
また、名誉に対して害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせたり、人の権利行使を妨害した場合には、3年以下の懲役が科されることがあります(刑法第223条、強要罪)。
さらに、人を恐喝して財物を交付させた場合、10年以下の懲役が科されることがあります(刑法第249条、恐喝罪)。
上記事案では、未成年女子をホテルに誘った事実が被害者男性の社会的名誉に関する事実であり、この事実を社会や捜査機関等に対して公表しない代わりの口止め料として金銭を要求する行為は「恐喝」に該当し、ただし実際に財物の交付がなされていなかったため未遂罪に留まることになります。
このような刑事事件では、被害者に対する謝罪や被害弁償が有効であるところ、被害者を脅迫、強要または恐喝した加害者(被疑者)が示談を直接申し出ることは事実上不可能であり、刑事事件の示談経験の豊富な弁護士に依頼し、早期に示談を取りまとめることを強くお勧め致します。
静岡県掛川市で他人の弱みにつけこんで恐喝して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
静岡県御殿場市でキャッシュカードすり替えの窃盗罪で逮捕
静岡県御殿場市でキャッシュカードすり替えの窃盗罪で逮捕
特殊詐欺グループによるキャッシュカード等のすり替えによる窃盗罪の手口とその法的責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
ある日、静岡県御殿場市在住の年金受給者女性Vさん(79歳)のもとに、銀行職員を名乗る男性Aが訪れました。
Aいわく、Vさんのキャッシュカードが不正に利用された疑いがあるため、銀行がVさんからキャッシュカードを一時的に預り、被害の防止に努めるとのことです。
Vさんは不安になってAにキャッシュカードを渡したところ、AはVさんの目の前でキャッシュカードを白封筒に封入して封印を行い、Aさんからボールペンを借りて、日付とキャッシュカード名義人、および暗証番号を記入して、大事に保管するよう伝えました。
後日、Vさんがこの出来事を娘に話した際、娘はVさんが特殊詐欺の被害にあったのではないかと心配したため、娘に付き添われて静岡県警御殿場警察署に相談に行きました。
警察署内において、封印した白封筒を開封したところ、中に入っているのはVさんのキャッシュカードではない別のカードであり、警察によれば、被害者に印鑑を取りに行かせる等、被害者が目を離した隙に被害者のキャッシュカードを別のカードにすり替えて持ち去る組織的な窃盗行為が全国で報告されているとのことであり、Vさんからの被害届の提出を受け、警察は窃盗罪の疑いで捜査を開始しました。
(フィクションです)
令和元年8月1日の時事通信社の記事によれば、今年上半期に警察が把握した特殊詐欺の被害額が、昨年同期比約39億8000万円(21.4%)減の約146億1000万円だったとのことです。
認知件数は同735件(8.4%)減の8025件で、キャッシュカードと暗証番号を不正に入手する窃盗事案が半数以上を占めたようです。
警察庁によれば、昨今では、高齢者が高額の現金を引き出すと、金融機関職員の声掛けしたりして詐欺を未然に阻止する機会が増えていることから、特殊詐欺グループはキャッシュカード窃盗に切り替える傾向が見られると指摘しており、また、キャッシュカードは一度に引き出せる金額が限られるため、前年度比での被害額の減少につながっているのではないかと分析しています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にもしばしば寄せられる特殊詐欺関係の法律相談または初回接見依頼についても、上記でご紹介したとおり、警察官や金融機関職員を装い、高齢者らに電話で「キャッシュカードが悪用されている」と嘘を言って不安にさせた後で高齢者宅を訪問し、「被害防止のためにしばらく封印して」や「証拠品なので厳重に保管して」等と言って、封筒にカードと暗証番号を書いた紙を入れさせ、相手の隙を見て別のカードが入った封筒とすり替える手口が頻繁に行われているようです。
こうした手口は、成立する罪名は窃盗罪ではあるものの、特殊詐欺グループによる特殊詐欺の手口の一つであり、警察庁では特殊詐欺関係の統計に計上しているようで、上半期は認知件数1393件、被害額約20億円と、いずれも昨年1年間の数字を上回っています。
刑事上の法定刑においては、罰金刑との選択系である窃盗罪より懲役刑のみの詐欺罪の方が重いと言えますが、上記のとおり、このような窃盗行為は事実上は組織的で悪質な特殊詐欺の一部であり、警察および検察官の捜査は非常に厳しいものとなります。
静岡県御殿場市で特殊詐欺に類するキャッシュカードのすり替え窃盗で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
静岡県沼津市でチケット不正転売で逮捕
静岡県沼津市でフリマアプリでチケット不正転売で逮捕
フリーマーケット(フリマ)アプリ等を利用したチケット転売による手口とその法的責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県沼津市在住の自称自営業者Aさんは、フリマアプリ「メルカリ」を利用してファンに熱狂的に支持されているジャニーズアイドルや宝塚歌劇団等のコンサートチケットやライブチケット等を定価の数倍から数十倍におよぶ高額な値段で売りさばき、合計約300万円近くの利益を上げていました。
このたび、違法なチケットの転売に気付いたファンの通報により、警察が捜査を開始した結果、静岡県警沼津警察署はAさんを、特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(チケット不正転売禁止法)違反の疑いで逮捕し、事件は検察庁へ送られ、Aさんに対して10日間の勾留が決定しました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年1月28日までに、宝塚歌劇団の公演チケットばかりを高値でファンに転売したとして、東京都のチケット転売業の男性がチケット不正転売禁止法違反の疑いで兵庫県警に逮捕された事案をモデルにしています。
被疑者男性は、チケット不正転売禁止法施行以降に宝塚歌劇団の公演チケット約80枚を転売目的で購入して少なくとも約320万円を売り上げており、中には3,500円で仕入れたチケットを52倍(手数料込み)の20万千円で売りさばいた例もあったとのことです。
逮捕された東京都府中市のチケット転売業の男性(56歳)は、2019年6月、宝塚歌劇団・花組トップスターの退団公演チケット3枚をインターネットのサイトで約2万5千円で購入し、転売サイトを通じファンの女性2人に約9万円で売りさばいたほか、去年12月に大阪市内で開かれた宝塚歌劇・特別公演のチケット2枚を同じ手口で1万円で購入して7万円で販売した疑いが持たれています。
警察の調べに対し、被疑者は「違法なことはわかっていた。宝塚ファンは確実に入金する」と容疑を認めています。
【フリマアプリの流行とチケット転売の刑事事件】
スマートフォンの爆発的普及に伴い、不要になった日用品や趣味の品などをフリーマーケット(フリマ)の電子ページに出店する、いわゆる「フリマアプリ」が大流行しています。
日本におけるフリマアプリといえば「メルカリ」が有名で、のフリマアプリ「メルカリ」を展開するメルカリの2019年6月期連結業績における流通総額は、前期比約43%増の5307億円で、2018年6月期に続いて40%台の高い伸び率を維持しています。(2018年6月期は約48%増)。
メルカリに出品される人気商品カテゴリーによると、メインユーザー層向けの女性用ファッション品を筆頭に、エンタメ、ホビー、メンズファッション、家電の順で人気があるとのことです。
上記の「エンタメ」に含まれるのが、今回刑事事件例で取り上げた、人気アーティストなどのコンサートチケット、ライブチケットなどで、以前からこのようなチケットの転売によって、真のファンが正しい価格でチケットを入手することができないとの社会問題がありましたが、メルカリのユーザー増加により、一層問題視されるようになった感があります。
【チケット不正転売禁止法】
チケット不正転売禁止法は、映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツ等の「興行」に関する「興行入場券」=チケットを、何人も不正に転売してはならないとしており(法第3条)、また、不正転売を目的とした譲り受けもしてはならないとしています(法第4条)。
なお、チケットの不正転売とは、興行主の事前の同意を得ずに業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該チケットの販売価格(定価)を超える価格で転売するものをいうとされています(法第2条第4項)。
これに違反した場合、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科が科されることになります(法第9条)。
チケット不正転売禁止法は不正転売を防止するため、2019年6月に施行されたばかりの法律で、チケット不正転売禁止法の適用による上記検挙例は、令和元年去年11月の東京都の職員に続き全国で2件目とのことです。
この法律自体が、主に音楽や芸能の興行主による経済的・社会的損失を理由に議員立法が働きかけられたものであり、この法律に違反した者が、興行主に対して謝罪をしたり被害弁償を行うことで示談の締結を目指すということは、現実的にはほぼ皆無であると予想されます。
このような刑事事件では、被疑者の言うべき主張を適切に代弁し、本来負うべきではない刑事責任以上の罪状とならないよう適切な事実の主張を行って行くことが刑事弁護上重要であり、これは捜査の初期段階であればあるほど、後の刑事手続きに不利な結果を残さない最善なものになると言えます。
静岡県沼津市でチケットの不正転売で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
静岡県伊豆市でオレオレ詐欺の被害
静岡県伊豆市でオレオレ詐欺の被害
多種多様な手口で高齢者を狙うオレオレ詐欺などの特殊詐欺犯罪について、その最新の手口とその法的責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
ある日、静岡県伊豆市在住の年金受給者Vさんのもとに、東京に住む息子を名乗る男性A1から電話がかかってきました。
いわく、A1は不倫女性を妊娠させてしまい、女性の夫から損害賠償請求をされたため、早期にまとまった金額の現金が必要とのことです。
Vさんは、息子が有名企業に勤めていることを誇りに思っており、息子の社会的信頼を守るために銀行から数回にわたって現金を引き出し、法律事務所の事務員を名乗る男性A2に現金約800万円を手渡しました。
その後、銀行から連絡を受けた静岡県警大仁警察署からVさんのもとに連絡があり、最近、女性を妊娠させてしまった損害賠償金を名目としたオレオレ詐欺の被害が相次いでいると知り、Vさんは警察に対して詐欺の被害届を提出しました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年1月26日、神奈川県大和市に住む80代の無職男性が、息子を名乗る男性による電話から、現金を手渡ししてしまったというオレオレ詐欺被害に遭い、現金計1000万円をだまし取られたとの警察発表をモデルにしています。
警察発表によると、今年1月7日、被害者男性宅に息子を装った男と弁護士を名乗る男から電話があり、「不倫した相手が妊娠してしまった。慰謝料を払わないといけない」「示談金として1000万円が必要です。息子さんのためにもなんとか用意してください」などと虚偽の電話がかかってきました。
その後、今月12日から18日までの間、計3回にわたって自宅で、被害者は弁護士事務所の職員を名乗る女に現金計1000万円を手渡し、詐取されたとのことです。
他県警からの情報提供があり、26日に警察官が被害者男性から事情を聴いたところ、詐欺の事実が発覚し刑事事件化しました。
警察は「『急にお金が必要』などという言葉を聞いたら詐欺を疑い、最寄りの警察署に相談してほしい」と注意を呼び掛けています。
【高齢者を狙うオレオレ詐欺の手口】
息子のふりをして高齢者の住む家に電話をかけてお金を振り込ませる、いわゆる「オレオレ詐欺」が話題になったのはおよそ15年ほど前になり、その5年後くらいから、「還付金がもらえる」と偽って銀行ATMを操作させて逆に振り込ませる「還付金詐欺」が登場し手口が巧妙化しましたが、最近では「アポ電」による強盗殺人事件が起きるなど、手口の凶悪化が顕著になっています。
警察庁の統計によれば、平成26年のピークから減ってはいるものの、平成30年の特殊詐欺の認知件数は1万6493件、被害額は約356億8000万円に上るとされ、1日に1億円の被害が出ている計算になります。
このような特殊詐欺の先鋭化や巧妙化の裏事情として、専門家によれば、特殊詐欺では次々に新しい手口が出てきて、国民生活センターがまだ注意喚起していない手口も多々あるものの、公にすると模倣犯を生むので、公開しないこともあるそうで、昨今では、息子を騙る特殊詐欺の手口において、息子本人に電話をかけたのにつながらないという状況を作り出し、息子が電話に出られない説得力のある環境を作り出して高齢者の緊迫感を煽る手口が洗練化しているようです。
特殊詐欺を実行するグループは、詳細な役割ごとで構成されるピラミッド型の組織構造になっており、完璧なマニュアルが準備され、構成員らは営業マンのように目標金額を課されて電話をかけ続け、脱退を望む者には制裁を科す等して、特殊詐欺を成功させるためのノウハウが日進月歩で蓄積されているようです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にも、受け子や出し子といった特殊詐欺グループの末端に参加してしまった未成年者や20代の若い被疑者の相談を受けることも多く、特殊詐欺の刑事事件では、組織的犯行による実態から、逮捕や勾留される可能性が非常に高く、一度拘束された被疑者の釈放を求めることが難しいこと、また、特殊詐欺の悪質性と被害抑止の観点から、検察官は高い確率で詐欺罪で起訴すること、少年事件であれば、家庭裁判所で審判が開かれ、少年院送致される可能性もあり得ること等を説明しています。
静岡県伊豆市で特殊詐欺関連でお心当たりの方、刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
静岡県熱海市で保護責任者遺棄罪で逮捕
静岡県熱海市で保護責任者遺棄罪で逮捕
親が子どもを長期間放置したり、育児放棄したりすることによる法的責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件例】
静岡県熱海市在住の会社員Aさんと妻には、それぞれ7歳のV1、3歳のV2、0歳のV3の3人の子どもがいます。
Aさん夫婦は旅行に行くことが好きで、子どもができた後も、子どもを両親に預ける等して頻繁に旅行に行っていましたが、このたび、両親の都合がつかなかったため、子どものために食事だけを用意して、A夫婦だけで1泊の旅行に行ってしまいました。
最初はV1がV2、V3の面倒を見ていましたが、V3の体調が急に悪くなって意識を失ったため、V1がどうして良いか分からず隣の家に助けを求め、隣人の通報によりV3は病院に搬送されました。
病院から育児放棄の可能性が高いと連絡を受けた静岡県警熱海警察署は、保護責任者遺棄罪の疑いでA夫婦を逮捕しました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年1月24日、兵庫県神戸市で、生後3カ月の乳児を含む子ども4人を自宅に放置し遺棄したとして、30代の夫婦が保護責任者遺棄罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
警察の発表によれば、被疑者夫婦は、2019年11月、神戸市須磨区の自宅で、およそ8時間にわたり5歳の長男と1歳の次男、3歳の長女、そして、三男で生後3カ月の赤子を放置して遺棄した疑いが持たれており、三男は発見後、病院に運ばれたものの死亡が確認されました。
ほかの3人については、神戸市の子ども家庭センターに保護されていて、健康状態に問題はないとのことです。
被疑者夫婦の隣人によれば「冬に子どもが家の玄関の前にいて、お父さんが帰ってこないと言っていた」と過去に子どもらを遺棄して前例があり、警察の調べに対し、被疑者夫婦は、「子どもたちを置いたままパチンコに行っていた」と事実を認めています。
【子どもの放置と刑事責任】
刑法第30章は、要保護者を保護のない状態にさらし、人の生命・身体を危険にさらす犯罪として遺棄罪を規定しています。
刑法第217条は遺棄罪の一般的な処罰規定として1年以下の懲役を定め、第218条は保護責任者による遺棄罪について加重処罰をしており、懲役3月以上5年以下としています。
保護責任者遺棄罪における「保護責任者」とは、子供に対する親権者、職務上の要保護者に対する警察官、契約上の老年者や障がい者に対する介護士や介護職員などが挙げられます。
また、上記のように本来保護義務を持っていない者であっても、例えば一度親切心で介抱してあげた、車で病院で連れて行ってあげたなどの行為を開始すれば、条理上保護責任が発生するとの判決もあります。
そして、遺棄罪を犯した結果人を死傷させた者に対する結果的加重犯として、刑法219条の遺棄致死傷罪により、刑法204条の傷害罪(15年以下の懲役または50蔓延以下の罰金)と比較してより重い刑により罰せられます。
2016年5月下旬に、両親が子供のしつけのために北海道の山林に置き去りにしたという事件があり、教育の在り方について広く波紋を投げかけました。
この事件も、法律の構成要件上は保護責任者遺棄罪に該当する可能性があり、今後「教育」や「しつけ」の考え方の変化によっては刑事処分が下る可能性もあるでしょう。
静岡県熱海市で、子どもに対する育児義務を放棄するなどして保護責任者遺棄罪で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
« Older Entries Newer Entries »