Archive for the ‘刑事事件’ Category

静岡県藤枝市で悪質なあおり運転で逮捕

2020-01-05

静岡県藤枝市で悪質なあおり運転で逮捕

あおり運転によって刑事事件化するに至る経緯と適用される法令、およびその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県藤枝市在住の会社員Aさんは、前方不注意によって対向車線の自動車に衝突し、その自動車に乗っていた2名を負傷させたとして、過失運転致傷罪の疑いで静岡県警藤枝警察署に在宅の取調べを受けていました。
しかし、警察の調べが進むと、Aさんが前方不注意による自動車運転上の過失をしてしまった背景には、その直前にAさんが同一車線の前を走っていた別の車Vに対して、急激に車間距離を縮めたり、Vの車を追い抜きざまにVに幅寄せをする等の、いわゆる「あおり運転」をしており、AさんがV車を抜き去った後に、V車を後方目視しようとしたときに、対向車線を走る自動車との自動車事故を起こしてしまったということが判明しました。
藤枝警察署は、V車のドライビングレコーダーからAさんによる「あおり運転」の事実を確認し、Vが危険なあおり運転を行ったAさんに対する刑事処罰を求めて被害届を提出したことを受け、Aさんを暴行罪の疑いで逮捕しました。

(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月24日、車でバイクを追いかけて転倒させ、バイクに乗っていた高校生2人を負傷させたとして、大阪府警高石警察署が、大阪府東大阪市の塗装工の少年(18歳)を傷害罪道路交通法違反ひき逃げ)の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。
被疑者少年は、幅寄せや接近などのいわゆる「あおり運転」を複数回繰り返しており、約700メートルにわたって執拗にあおり運転をしたとされています。

逮捕容疑は、12月21日午後7時20分ごろ、被疑者は、大阪府高石市取石の市道でワゴン車を運転中、2人乗りバイクを約700メートル追跡し、車をバイクのミラーに接触させて転倒させ、バイクに乗車していた高校1年の男子生徒2人に怪我をさせたというものです。

警察の調べに対し、被疑者少年は「車をぶつけたのではありません」と被疑事実を否認している模様です。

警察によると、事件現場は幅9.2メートルの片側1車線の直線道路で、付近の防犯カメラの映像には、被疑者少年が運転する車がバイクまで1メートルほどの距離に接近する様子が写っており、警察は、何らかの通行トラブルがあったとみて、動機などを調べるとともに、被疑者少年の車に同乗していた10代の知人男性の関与の有無も捜査を進めています。

【あおり運転の厳罰化】

平成30年6月に、神奈川県の東名高速で「あおり運転」が原因で夫婦が死亡する事故があり、社会問題として大きく報道で取り上げらて以来、ドライブレコーダーの普及も加速し、自動車の運行を阻害したり運転手を危険に与える「あおり運転」に対して捜査機関の追及が厳しくなっています。

実際、今年1月、警察庁は「あおり運転」に対しては、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)や暴行罪など、あらゆる法令を駆使するよう全国の警察に指示していました。

自動車の運転について暴行罪と言うと不思議な感じがしますが、暴行罪における「暴行」とは、従来から「人の身体に向けた有形力の行使」と解されており、判例では、人と驚かせる目的で、その人の数歩手前を狙って石を投げつける行為も「暴行」に該当すると判断しており、これと並行して考えれば、不必要な急ブレーキや幅寄せ等によって他の車に物理的な圧力をかけることは「暴行」と言って間違いないでしょう。

実際、昨年には、北海道や高知県において、危険な幅寄せを行ったり、進路をふさいで停車させたり等のあおり運転を行って、暴行罪の疑いで逮捕または書類送検された事例が複数報道されており、捜査機関によるあおり運転撲滅への厳しい態度を見ることができます。

また、具体的な「あおり運転」の行為の悪質性にもよりますが、大阪府堺市で車をバイクに追突させる危険な「あおり運転」によってバイクに乗っていた男子大学生を死亡させたとして、殺人罪に問われた被告人の裁判員裁判では、被告人に殺人罪の適用が認められ、懲役16年の判決が言い渡されました事例もあり、今後「あおり運転」が殺人罪や殺人未遂罪等の重い犯罪として処罰されるケースも発生すると予想されます。

捜査機関による厳罰傾向で注目を集めるあおり運転刑事事件について、少しでも自分の言い分を効果的に伝え、情状面で考慮してもらいたいと考えるのであれば、刑事事件を専門とする経験豊富な刑事事件弁護士弁護を依頼することが安心です。

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静岡県島田市でフィッシング詐欺被害

2020-01-03

静岡県島田市でネット通販のフィッシング詐欺被害

ネット通販が定着した現在、フィッシング詐欺等の被害が増加傾向にある点を踏まえ、このような新手の詐欺罪の態様とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県島田市在住の会社員Vさんは、普段から大手ネット通販サイトで買物をしていたところ、ある日、購入手続きを行った商品の注文データがミスにより消失してしまったため、もう一度購入手続きを行ってほしいとの大手ネット通販サイトからメールを受け取りました。
Vさんはメールに案内された再入力画面へ入り、自分の名前やクレジットカード番号等の入力を済ませ、購入手続きを終了したと思っていたものの、1か月しても商品が届かず、翌月、購入した覚えのない家電製品などを購入したことになっており、Vさんの口座から当該商品分の金額が引き落とされていました。
Vさんはフィッシング詐欺被害に遭ったと確信し、静岡県警島田警察署に相談し、詐欺罪の被害届を出しました。
(※フィクションです)

【最近のネット詐欺の風潮】

上記刑事事件例は、ネット上での不正操作によって被害者にお金を振り込ませる、いわゆる「フィッシング詐欺」と呼ばれる手口の典型的な例です。

昨今では、インターネットバンキングの利用者の口座から、預金が不正に送金される被害が急増していると報道されています。
警察庁によると、今年9~11月の3か月間の被害は昨年1年間の4倍以上となる1411件(被害総額約17億300万円)に上り、各銀行が導入している安全性が高いとされる「2段階認証」を突破する手口が横行しており、警察当局は警戒を強めています。

具体的な手口としては、各銀行は不正アクセスを防ぐため、利用者に対して通常のIDとパスワードに加え、本人確認のため一時的に発行・通知する「ワンタイムパスワード」を入力してもらう2段階認証を取り入れているところ、詐欺グループは、利用者のスマートフォンに銀行や携帯電話会社などを装ったSMS(ショートメッセージサービス)を送りつけ、本物に似た偽サイトへ誘導し、IDやパスワードのほか、利用者の元に届いた「ワンタイムパスワード」も偽サイトに入力させて盗み取り、正規のサイトから預金を不正送金している模様です。

この新しい手口は、フィッシング詐欺の中でもSMSに限った「スミッシング」と呼ばれる手口で、スマホ決済の普及により急速に広がっている模様です。

ネットバンキングの不正送金被害は、主に2段階認証の対策が進んだことで2014年(1876件)をピークに年々減少し、昨年は322件(被害総額約4億6100万円)にとどまっていたものの、今年は7月までは月17~56件で推移し、8月に105件と増加、9月はその4.2倍の441件に上り、11月は573件に達し、月別では統計を取り始めた12年以降、最多となりました。

情報セキュリティー会社によると、2段階認証を突破する手口が確認され始めたのは昨年末で、詐欺グループは利用者の情報を即時に把握して犯行を繰り返しており、担当者は「情報を盗み取ってから不正送金までほぼ自動で行える偽サイトの作成ソフトも出回っている」と解説しています。

【摘発事例】

愛知県警は今年11月、ネットバンキング利用者の現金が不正送金された口座のキャッシュカードを不正に入手し、現金を引き出したなどとして、中国籍の男(30歳)を犯罪収益移転防止法違反(有償譲受)などの疑いで逮捕しました。
被疑者は9月、ツイッターで「キャッシュカードを買い取る」と呼びかけて県内の日本人の男から3万円でカードを譲り受けるなどした上、名古屋市内のコンビニ店などのATMから計約150万円を引き出していたといい、利用者はSMSから偽サイトに誘導され、IDやパスワード、ワンタイムパスワードを盗み取られていた模様です。

昨年の被害では、一次的な不正送金先として判明した口座の名義人は、ベトナム人が62.8%を占めた。次いで日本人が14.8%、中国人が13.3%であり、外国人の場合、帰国する際に口座を違法に転売していくケースもあり、こうした口座が詐欺グループに悪用されている可能性もあると見られています。

【刑事責任】

これらのフィッシング詐欺やその他ネット詐欺の手口は、その犯行態様によって適用される刑罰が様々であり、詐欺罪(刑法第246条)や電子計算機使用詐欺罪(刑法第246条の2)だけでなく、不正アクセス禁止法違反犯罪収益移転防止法違反など様々な法律が適用され、時に複数の法令違反に該当し、併合罪で重く処罰されることもあり得ます。

このようなネット詐欺の手口は、単独の被疑者によって行われるということは少なく、被害者を不正なサイトに誘導するための偽サイトの開発者など含めた組織的な犯行で行われているのが予想されるため、一度ネット詐欺関連の犯罪で刑事事件化した場合には、極めて高い確率で逮捕・勾留されることが予想され、余罪の発覚が多ければ、かなり長期の身体拘束を受けることが予想されます。

このような、ネット関連の詐欺犯罪逮捕された場合、すぐにでも接見を依頼し、捜査の早い段階から刑事事件に強い弁護士の選任をすることが大切です。

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静岡県浜松市で虐待やネグレクトによる保護責任者遺棄罪

2020-01-01

静岡県浜松市で虐待やネグレクトによる保護責任者遺棄罪

子どもに対する暴行育児放棄ネグレクト)等により刑事事件化した場合の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県浜松市在住の建設作業員Aさんは、市内に住む女性Bと交際を開始し、Bの連れ子であるV(4歳)と3人で同居を始めました。
当初は3人で仲良く暮らしていたものの、VがAに対して心を開かないことにAは腹を立て始め、次第にAをたたく、蹴る等の暴行を始めました。
また、AはBに対して、Vに対する食事などの面倒をみることを止めるよう言いつけ、Vは食事の回数が減少し日に日に痩せていきました。
ある日、近隣住人がVの姿を見た際、Vが通常考えられないくらい痩せてしまった様子に異常を感じ、児童相談所に通報を行い、児童相談所が調査を開始した結果、AないしBによる悪質な暴行育児放棄ネグレクト)の実態は明らかであると結論付けてVを一時保護し、静岡県警浜北警察署に連絡し、警察はAおよびBを暴行罪および保護責任者遺棄罪の疑いで逮捕しました。
(※フィクションです)

【両親による育児放棄と刑事責任】

刑法218条は、老年者、幼年者、身体障がい者または病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、またはその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処するとしています。

そして、保護責任者遺棄罪の結果、人を死傷させた場合(保護責任者遺棄致死罪)は、傷害致死罪(刑法205条)の法定刑(3年以上の有期懲役)と比較して重い刑により処断されることになります。

保護責任者遺棄致死罪刑事事件では、不起訴処分となる見込みは極めて薄く、ほぼ間違いなく検察官によって起訴され、裁判(公判)が開かれることが見込まれます。

上述のとおり、保護責任者遺棄致死罪の場合、少なくとも3年の懲役が想定されますが、3年以下の懲役の判決が言い渡しがされる場合であれば、刑の全部の執行猶予(刑法25条)が付される可能性も残っています。

仮に弁護人による有効な情状主張により酌量減軽(刑法66条)が認められた場合には、執行猶予付き判決が下る可能性はさらに高くなると言えるでしょう。

【児童虐待の現状】

昨年1年間に全国の警察が摘発した児童虐待事件は1380件で、被害に遭った18歳未満の子どもは1394人にのぼり、ともに過去最多を記録しました。
児童虐待の被害にあった子どものうち36人が亡くなっており、昨今の東京都目黒区での保護責任者遺棄致死事件や、千葉県野田市の傷害致死事件等の社会的話題となった悲しい事件の影響もあり、昨今では体罰の可否を条例で規制するという議論も出始めています。

このような状況の中、捜査機関は、家庭内における子どもに対する体罰や児童虐待の「疑い」や「可能性」にも敏感になっており、昨今では子どもが負傷した搬送された医療機関から、警察や児童相談所に通報・通告する協定を結ぶことが増加した結果、刑事事件化の可能性がある子どもに対する暴行に対して、逮捕される可能性も高まっています。

児童虐待による刑事事件では、被疑者と被害者が同一の住居で居住することが通常であり、捜査機関は、在宅のまま捜査を進めたのでは、被疑者が再度被害者に犯行を行ったり、または、被害者に対して口裏合わせをして自分に有利な証言をさせて捜査を妨害するおそれが高いことから、事実の発覚と同時に、すばやく逮捕手続きに移ることが大多数です。

他方で、親が逮捕されることは、逮捕に引き続き勾留が認められ身体拘束が長期化することによって、その親が仕事を辞職せざるを得なくなる場合が高まり、結局、子どもに対する経済的な負担として跳ね返ってくる側面もあるため、親が暴行罪ないし傷害罪逮捕されてしまった場合であっても、逃亡や罪証(証拠)隠滅の恐れがなく、子どもへの暴力という再犯もさせない環境を整備することで、早期に被疑者の身柄を解放する余地が残されています。

このような事案では、子どもに対する暴行罪傷害罪逮捕された事案を数多く経験する、刑事事件専門の弁護士に相談し、早期に身柄解放の活動を行ってもらうことが大切です。

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静岡県浜松市で自動車で店に突っ込んで過失運転致傷罪

2019-12-30

静岡県浜松市で自動車で店に突っ込んで過失運転致傷罪

よそ見運転やアクセルとブレーキの踏み間違い等により、自動車過失運転により店に自動車突っ込むなどして、人を負傷させた場合の事例を紹介し、その刑事責任を弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<刑事事件例1>

静岡県浜松市在住の年金受給者Aさん(76歳)は、自動車運転して市内のスーパーへ行ったところ、駐車をする際、ブレーキを踏んだつもりがアクセルを踏んでしまい、そのまま店の入口に自動車を突っ込んでしまい、中にいた利用客2名に骨を折るなどの重傷を負わせてしまいました。
事故を調べた静岡県警天竜警察署の調べにより、事故原因についてAさんのブレーキとアクセルの踏み間違いによる過失にあると考え、警察はAさんから任意で事情聴取を求めるとともに、今後も自動車運転処罰法違反過失運転致傷罪)の疑いで取調べを要請すると言い、いったんAさんを釈放しました。

<刑事事件例2>

静岡県浜松市在住の会社員Aさん(33歳)は、スマートフォンを片手に自動車駐車をしようとしていたところ、注意散漫のあまりブレーキとアクセルを踏み間違い、勢いよくバックして自動車をコンビニ店の入り口に突っ込んでしまい、中にいた利用客2名に骨を折るなどの重傷を負わせてしまいました。
事故を調べた静岡県警天竜警察署の調べにより、事故原因についてAさんのスマートフォンの「ながら運転」による過失にあると考え、警察はAさんを自動車運転処罰法違反過失運転致傷罪)の疑いで逮捕しました。

(※上記いずれもフィクションです)

上記刑事事件例1は、今年12月23日午後4時ごろ、新潟市江南区の県道で、和菓子店に自動車が突っ込んだ交通事故をモデルにしています。
運転していた70歳男性が市内の病院に搬送されたが死亡し、店舗入り口のガラスが大きく割れたものの、店には客はおらず、他にけが人はいなかった模様です。

この新潟市の刑事事件では、過失運転によって人の負傷が生じていないので、そもそも過失運転致死傷罪などの刑事責任は発生せず、物損事故の範囲であれば、保険会社等を通じた被害弁償により、被害者が被害届を出さなければ刑事事件化さえしなかった可能性もあった事案です。

アクセルとブレーキのペダルを踏み違える事故は、2013年には6,448件発生し、その内死者は54人出ています。
過去5年間の交通事故の統計によると、人身事故件数はおよそ7,000件ほどで推移しており、アクセルとブレーキのペダルを踏み違える事故は、その約1%を占めることになります。

他方、刑事事件例2のように、特に若者を中心に、スマートフォンの「ながら運転」によって周囲への目視を怠り交通事故を起こしてしまう事案も増加しています。
この点、今年12月1日から施行される道路交通法の改正により、運転中に携帯電話を手に持って通話や操作をしたり、画面を見続けた場合の違反点数は1点から3点となり、反則金も6000円から1万8000円と3倍に引き上げられました。
それだけに留まらず、「ながら運転」で事故を起こすと、人を傷つけなくても違反点数6となり、一発で免許停止処分と厳罰化されました。
また、「ながら運転」などの携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合、3月以下の懲役または5万円以下の罰金から、改正後、1年以下の懲役または30万円以下の罰金へと引き上げられました。

【過失運転致傷罪の刑事手続き】

過失運転致傷罪刑事事件の場合、現行犯逮捕された場合以外であれば、事実が捜査機関に発覚したからといってすぐに逮捕される訳ではなく、警察から任意の事情聴取を求められ、出頭日をすり合わせたうえで捜査協力を求められることが多いです。

そのため、この時点では、警察においてどのような事情聴取を求められるのか、それに対してどのように答えるべきか等について最も関心がある方が多く、中には自分が厳しい尋問を受けて自白させられ、逮捕されてしまうのではないかと不安になる方もいらっしゃいます。

過失運転致傷罪の被疑事実について心当たりがあるにせよ無いにせよ、この段階では、刑事事件に詳しい弁護士に相談し、自分の認識や記憶にある限り正しい事実を弁護士に伝え、その中で事実をきちんと認め、捜査機関に対して適切な応答ができるよう助言を受けることが大切です。

なぜなら、加害者(被疑者)の認識や記憶にある事実と、被害者や目撃者の認識や記憶にある事実が食い違うことは往々にしてることで、加害者が少しでも自分の責任となることがないよう事実を過小に申告することもあれば、被害者が加害者に対して多くの法的責任を負わせたいがために過剰に事実を申告することもあり、その事実を、刑事事件の経験に長けた客観的な第三者である刑事弁護士に判断してもらい、その中で最も適切な捜査対応を探っていくことが極めて重要となるからです。

特に、被疑事実をすべて否認するのか、あるいはどの範囲まで否認するのかについては、今後被害者に対して示談を申し出る余地を残すためにも、刑事事件弁護士の客観的な意見を聞いておくことが重要です。

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静岡県焼津市で未成年者を連れまわして誘拐罪で逮捕

2019-12-28

静岡県焼津市で未成年者を連れまわして誘拐罪で逮捕

SNS未成年者と知り合い、未成年者連れまわすことによって生じる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<刑事事件例1>

静岡県在住の会社員Aさん(46歳)は、SNSを通じて静岡県で家出先を探している静岡県焼津市在住の未成年女子Vと知り合い、Vを車で連れまわしたり、自宅に2日間宿泊させるなどしました。
Vの母親が静岡県警焼津警察署に娘が家出して戻ってこないと相談し、警察がVの行方を捜していたところ、Vを車で連れまわしているAを発見し、任意の事情聴取を求めたところAはVを連れまわす事実を認めたため、警察はAを未成年者誘拐罪の疑いで逮捕しました。
その後、Aは10日間の勾留が決定し、さらに10日間の勾留延長が決定しました。

<刑事事件例2>

静岡県焼津市で一人暮らしの大学生Aさん(20歳)は、SNSを通じて静岡県で家出先を探している未成年女子Vと知り合い、Vを車で連れまわしたり、自宅に2日間宿泊させるなどしました。
Vの母親が静岡県警焼津警察署に娘が家出して戻ってこないと相談し、警察がVの行方を捜していたところ、Vを車で連れまわしているAを発見し、任意の事情聴取を求めたところAはVを連れまわす事実を認めたため、警察はAを未成年者誘拐罪の疑いで逮捕しました。
その後、Aは親もとでの監督などを理由に勾留請求が却下され、警察署から釈放された後、在宅の捜査が続けられています。

(※上記いずれもフィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月2日、SNSを通じて知り合った北海道胆振地方の女子高校生(17歳)を誘拐したとして愛知県名古屋市の男性(20歳)が未成年者誘拐罪の疑いで現行犯逮捕された事件をモデルにしています。

この未成年者誘拐罪刑事事件について、今年12月23日、札幌地方検察庁は、被疑者男性を不起訴処分としました。
その理由として、札幌地検は、被疑者および被害者ともに若年で歳が近く、2人の関係を考慮し、起訴猶予(不起訴)としたとみられています。

【SNSでつながる家出未成年者の誘拐】

刑法224条は、未成年者を略取または誘拐した者に対して、3月以上7年以下の懲役を科しています。
後者の誘拐を行う罪を、一般に「未成年者誘拐罪」と言います。

未成年者は一般的に思慮が浅慮であるため、成人に対する他の誘拐罪は営利等目的が必要であるところ、未成年者誘拐罪においては営利等要件を必要としておらず、未成年者に対する法的保護を厚くしています。

誘拐」とは、虚偽の事実をもって相手方を錯誤に陥れる場合のほか、その程度に至らない甘言をもって相手方の判断を誤らせることも含みます(判例)。

上記のように、未成年者の家出を助けるためにドライブに連れまわしたり、住居を提供する場合、一見して、被害者である未成年者の同意があるのだから「誘拐」には該当しないのではないかと思われます。

しかし、判例によれば、未成年者誘拐罪の保護法益は、被害者である未成年者の自由のみならず、両親や後見人等の監護者・監督者の権利も含むとしているため、たとえ未成年者の合意の上での家出を手助けした場合でも、監護権者等に対する権利侵害として未成年者誘拐罪が成立する可能性があります。

昨今、SNSで知り合った未成年者に対する未成年者誘拐罪が目立っておりますが、未成年者誘拐罪刑事事件では、被疑者による身勝手な未成年者連れまわし等のケースであれば、被害者の保護者の処罰感情が極めて大きくなることが多いですが、未成年者の家庭でのトラブルや家出に至った経緯等によっては、刑事処罰までを求めることはしないとの示談が成立する可能性も残されています。

このような未成年者誘拐罪刑事事件では、刑事事件の示談交渉に長けた刑事事件弁護士弁護を依頼することを強くお勧め致します。

静岡県焼津市未成年者連れまわし未成年者誘拐罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。

静岡県御前崎市で自転車窃盗と逮捕の有無

2019-12-26

静岡県御前崎市で自転車窃盗と逮捕の有無

現金や貴重品以外で窃盗罪の対象となることが多い自転車窃盗事件の様々なケースとその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<刑事事件例1>

静岡県御前崎市在住の会社員Aさんは、深夜、飲み会の帰りで最終電車を逃してしまったため、徒歩で自宅まで歩いていたところ、民家の塀に立てかけてある鍵のついていない自転車を発見したため、自転車窃盗し、自転車に乗って自宅へ戻ろうとしました。
ところが、無灯火で自転車に乗っているところを巡回中の静岡県警菊川警察署の警察官に呼び止められ、自転車の登録番号を照会した結果、当該自転車がAさんの物ではないと判明したため、Aさんは警察署まで連行され、任意の事情聴取を受けた後、釈放されました。
警察からは、後日また警察へ呼び出すと言われたため、Aさんは自分がどのような刑事責任を負うことになるのか不安になりました。

<刑事事件例2>

静岡県御前崎市在住の無職Aさんは、駅前の自転車駐輪場で鍵のついていない自転車や、ダイヤル式のチェーン鍵のみがつけられた自転車を狙って窃盗を繰り返し、塗装などで偽装して盗品と分からなくした上で、盗品の自転車をインターネット上の中古品売買アプリ等を通じて販売していました。
このたび、Aさんが窃盗した自転車を自宅まで押して帰ろうとしたところを、巡回中の静岡県警菊川警察署の警察官に呼び止め、自転車の登録番号を照会した結果、当該自転車がAさんの物ではないと判明したため、Aさんは警察署まで連行され、その後窃盗罪の疑いで逮捕されました。
警察の調べでは、自転車窃盗罪の余罪が多数あると見られ、その後、Aさんは10日間の勾留が決定しました。

(※上記いずれもフィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月17日、4桁のダイヤル式の鍵を開けて自転車を繰り返し盗んだとして、北海道警札幌西警察署が札幌市中央区の会社員の男(26歳)を窃盗罪などの疑いで札幌地検に書類送検した事案をモデルにしています。
警察の送致事実によると、被疑者は今年4月から5ごろ、札幌市内の駐輪場など18カ所で自転車23台(76万6千円相当)を窃盗した疑いがあり、「インターネットで売れそうなスポーツタイプの高級自転車を狙った」と被疑事実を認めている模様です。
5月に被害者が窃盗された自転車がインターネット上で出品されていると警察に相談して刑事事件化したとのことで、警察官が購入希望者を装って男と連絡をとり、自転車を盗品と確かめ、男から任意で事情を聴いて調べを進めていました。
自転車に施錠されたダイヤル式錠について、被疑者は「1桁目の数字を1目盛りずらすと開くことが多かった」などと供述している他、ワイヤーを切断する手口もあったとのことで、警察は盗難の被害に遭わないよう、ダイヤル式の鍵をかけるときに数字をバラバラにすることや、鍵を二つ以上かける「ツーロック」を呼びかけています。

【様々な窃盗罪と逮捕の有無】

ある犯罪事実が判明した場合に、捜査機関が逮捕に踏み切るかについては捜査機関側に裁量の余地があり、警察の犯罪捜査規範によれば、逮捕権は、犯罪構成要件の充足、その他の逮捕の理由、逮捕の必要性、被疑事実に関する疎明資料の有無、収集した証拠の証明力等を充分に検討して、慎重かつ適正に運用することとなっています。

多くの場合、上記刑事事件例1のような、魔が差して自転車を利用するためだけに窃盗をしてしまったケースにおいては、被疑者が事実を認めている場合には、逮捕に至らず在宅のまま捜査が行われるケースがほとんどです。

このような窃盗罪刑事事件では、被害額がポケットマネー程度で済むこともあり、被疑者が魔が差して窃盗してしまったことを素直に詫びる等、被害者に対して真摯な謝罪や損害の賠償を申し出ることによって、被害者の許しを得ることが十分考えられ、態様が悪質でなく、被害者との示談が成立した場合には、検察官が不起訴処分とする可能性が高いと思われます。

他方、被疑事実を否認していたり、逃亡や罪証(証拠)隠滅の疑いがある場合、上記刑事事件例2のように余罪が多数あるなどの理由で被害金額が高額な場合、被疑者が2名以上の共犯で行われた場合、「置き引き」に近い態様で行われた窃盗行為等については、被疑者が逮捕された例も見受けられます。

このような場合でも、謝罪や被害弁償の意思を示し、逃亡や罪証(証拠)隠滅のおそれが無いことを適切に主張することで身体拘束から釈放される余地がありますので、いずれの事例においても、刑事事件の示談の経験豊富な弁護士に依頼することが、迅速かつより安全で強くお勧めいたします。

静岡県御前崎市自転車窃盗刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

静岡県浜松市で年末の喧嘩騒動で逮捕

2019-12-24

静岡県浜松市で年末の喧嘩騒動で逮捕

年末年始、お酒の席が増え、酔って外を歩く方が触れるこの季節に、喧嘩騒ぎを起こし刑事事件化したり逮捕された場合の刑事手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県在住の会社員Aさんは、年末の忘年会の出席し、かなり酔っ払ってJR浜松駅へ向かっていたところ、同じく酔っ払って対向からやってきた男性Vと肩がぶつかり、口論につづいて殴り合いの喧嘩騒ぎになりました。
これによりVは頬を殴られて前歯が折れる負傷を負ったとして警察に助けを求め、駆けつけた静岡県警浜松中央警察署の警察官よってAさんは傷害罪の疑いで逮捕されました。
Aさんが逮捕されたことにショックを受けたAさんの妻は、どうにかしてAさんの身柄拘束を解くことができないか、どうすれば刑事責任が軽くなるか不安になり、刑事事件を専門とする弁護士に事件を依頼するつもりで相談に行くことにしました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月21日午後11時15分ごろ、飲食店の立ち並ぶ北九州市小倉北区神岳の路上で、「喧嘩をして、1人が倒れている」と110番があった事実をモデルにしています。
福岡県警小倉北警察署の警察官が駆け付けると、住所・職業不詳の男性が腹部を刃物で刺されており、搬送先の病院で死亡が確認されました。
刺したとみられる男が現場から逃走したものの、男性から22日午前、警察に「迎えに来てほしい」と連絡があり、いったん関与を認める趣旨の話をしていたため、警察は男性の身柄を確保し、殺人罪の疑いで逮捕しました。
被疑者男性は、「突き刺したことは覚えていません」と事実を否認している模様で、事件当時、現場には被疑者と被害者の他に3人がいたとみられ、警察が詳しい状況を調べています。

【逮捕リスクの高い路上での喧嘩騒動】

一般的に、喧嘩によって双方が互いに暴行を行った場合は、双方それぞれについて暴行罪が成立し、その暴行によって相手を負傷させた場合には傷害罪が成立します。

喧嘩といっても、友人や知人同士の喧嘩であれば、お互いが刑事事件化することを回避すべく、自然と当事者間の話し合い(和解)で法律上の責任を問わないことが考えられますが、上記刑事事件のように、相手が見知らぬ人で刑事事件化することに抵抗が少なく、むしろ自分の正当性を主張すべく相手の法的責任を問いたい場合には、双方が相手に対して暴行罪ないし傷害罪の被害を訴えたり、自分には正当防衛が主張するはずだと主張するケースも多く見られます。

なお、発生した暴行について、事後的にその違法性が阻却される法律上の理論として、正当防衛(刑法第36条)や緊急避難(刑法第37条)が挙げられます。

ただし、正当防衛も緊急避難も、その成立にあたっては厳格な要件が規定されており、特に「やむを得ずにした行為(補充性の原則)」については判例は非常に厳格に解しており、正当防衛の場合、急迫不正に対する反撃行為が権利防衛の手段として必要最小限のものであることが必要と判示されており、また、緊急避難の場合、当該避難行為をする以外には他に現在の危難を避ける方法がなく、このような行為に出ることが条理上肯定される場合でなければならない、と判示されています(いずれも最高裁判例)。

一方的な加害行為や侵害行為に対する反撃の場合であれば別にして、上記のような当事者が正当な理由もなく相互に暴行を行う「喧嘩」の場合では、正当防衛や緊急避難が成立することは事実上ほとんどあり得ないのが実情であり、また、一方の暴行が過剰に行われ、相手方が大きな負傷を負った場合には、なおさら違法性が高くなると見られています。

そのため、現実的な刑事弁護としては、適切な知識と経験を持った弁護士が仲介し、当事者間の責任の落としどころを探って和解(お互いが示談すること)を目指すことになるでしょう。

特に示談の成立は、逮捕された被疑者が釈放されるために非常に有効となりますので、早期に刑事事件に強い弁護士に話をつけてもらうことを強くお勧め致します。

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静岡県磐田市で労働者派遣法違反で逮捕

2019-12-20

静岡県磐田市で労働者派遣法違反で逮捕

労働者派遣事業者が、建設業や公衆道徳上有害な労働に対する派遣などにより労働者派遣法違反の疑いで刑事責任が生ずる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<刑事事件例1>

静岡県磐田市に事務所を構える人材派遣会社Aの社長は、慢性的な経営難に悩まされていたため、法令違反と認識しつつ、会社に登録された派遣社員数名を、労働者派遣法によって労働者派遣が禁止されている土木業に従事させるために派遣し、トンネル工事等の現場で違法に労働させていました。
このたび、静岡県警磐田警察署がAの法令違反の捜査を進め、A社長を労働者派遣法違反の疑いで逮捕し、裁判所は10日間の勾留を決定しました。

<刑事事件例2>

静岡県磐田市で活動する元暴力団組員のAらは、労働者派遣法において許可が必要であるにも関わらず、無許可で労働者派遣して、その派遣従業員に支払われる給与を不正に搾取していました。
このたび、Aらは静岡県警磐田警察署によって労働者派遣法違反の疑いで逮捕されたものの、Aらは被疑事実を全面的に否認しており、裁判所は10日間の勾留を決定しました。

(※上記いずれの事例もフィクションです)

【労働者派遣法とは】

労働者派遣事業は1970年代半ばから急速に増加したものの、派遣労働者を不適切な労働現場に派遣する実態や、その労働を不正に搾取する実態が社会問題化したため、1986年に労働者派遣法が施行されました。
その後も労働市場における派遣労働者の数は増加を続け、2017年時点の派遣社員数は約129万人に達し、雇用者全体の2.4%を占めています。

そのような中、労働者派遣事業に関する逮捕事例が社会問題となり、労働者派遣事業の適正な運営と派遣労働者の保護がより一層求められています。

労働者派遣法違反の場合、まずは行政指導が行われ、その結果改善の余地がないとみなされた場合に罰則が適用されます。

労働者派遣法における主な禁止行為と罰則は以下のとおりです。

まず、公衆衛生上または公衆道徳上有害な業務につかせる目的で労働者派遣をした場合、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金が科せられます。

また、建設業などの法令適用除外業務への労働者派遣や、無許可で労働者派遣を行った場合、偽りその他不正な方法で派遣業の許可を受けたり許可の有効期間の更新を受けた場合、労働者派遣事業の名義貸しをした場合、厚生労働大臣による業務停止処分や事業廃止命令に違反した労働者派遣を行った場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

【労働者派遣法違反の実態】

労働者派遣法違犯逮捕や書類送検される刑事事件の例を見ると、例えば、女性モデルの派遣と言いながらアダルトビデオの撮影現場へ派遣するケースで逮捕や書類送検の事案が発生しており、昨今の女性に対する性犯罪を厳罰に求める動きの中で話題となっています。

また、労働者派遣法労働者派遣が禁止されている建設現場への労働者派遣は依然として検挙事例が多く、また、特に東日本大震災以後の除染作業など、労働者派遣が禁止されている危険な事業への労働者派遣によって、逮捕・起訴に至ったケースが多く見受けられます。

労働者派遣法違反刑事事件では、厚生労働大臣からの指示・助言・改善命令に意図的に従わなかったのか、命令等違反について正当な理由があったのか、様々なケースが考えられ、被疑者の方によっては、自分の言い分を適切に主張し、場合によっては被疑事実を否認ないし一部否認したいという方もいると思われますので、刑事事件に詳しい弁護士に相談し助言を仰ぐことをお勧めします。

静岡県磐田市労働者派遣法違反刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

静岡県静岡市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

2019-12-18

静岡県静岡市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

万引き窃盗罪)などの犯罪が発覚して逃走するために暴行を振るった場合、非常に重大な事後強盗罪へ発展する可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県静岡市在住の無職Aさん(66歳)が、夜遅くに市内のス―パーで食料品等を万引き窃盗)したところ、店員Vが万引き窃盗)に気付いてAさんに指摘し、Aさんを取り押さえようとしたところ、Aさんはポケットから折りたたみナイフを取り出して、Vさんの腕を浅く切りつけ、Vさんが身を引いたことに乗じて駐車場に止めてある自動車で逃走しました。
Vさんは、すぐに埼玉県警静岡南警察署に被害を訴え、警察は事後強盗致傷罪の疑いでAさんの行方を追っています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月15日、千葉県四街道市のコンビニエンスストアで、万引き窃盗)をして逃げた男が、追いかけてきた店員の男性を刃物のようなもので刺した事件をモデルにしています。
警察によると、15日午後4時すぎ、四街道市のコンビニの女性店員から「万引きの犯人が逃げようとしている」と110番通報があり、被疑者は、商品を盗んで逃げ、追いかけた男性店員が店の外で捕まえようとしたところ、突然、被疑者が店員の上半身を刃物のようなもので刺したとのことでうが、幸い、刺された店員は命に別条はないとのことです。
逃げた被疑者の男は60代から70代くらいで、警察は防犯カメラの映像などをもとに、逃げた男の行方を追っています。

【強盗と事後強盗】

通常、「強盗」とは、暴行または脅迫を用いて他人が反抗することができない状態にさせ、その反抗抑圧中に財物を奪うことを意味します。

強盗における暴行または脅迫は、社会通念上、客観的に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものである必要があるとされており、逆に、個々具体的事案における被害者の主観を基準とするものではないとされています(判例)。

上記刑事事件例は、通常の強盗とは異なり、万引き窃盗)犯が、店員や・警備員・保安員などの追及を逃れるために暴行を加えて財物を奪ったという事案であり、これは刑法第238条の事後強盗に該当します。

具体的には、窃盗を行った者が、財物を得た後で取り返されることを防いだり、逮捕を免れたり、罪跡(証拠)を隠滅するために、暴行又は脅迫を加えた場合、通常の強盗と同じ罪となります(事後強盗罪、刑法第238条)。

判例によれば、窃盗罪の犯人が、犯行を目的して追跡してきた者による逮捕を免れるために暴行を加えた時、事後強盗罪が成立するとされており、窃盗の既遂後、窃盗現場から1キロほど離れた場所において、窃盗から30分ほど経過した後に、犯人を追いかけてきた被害者に対して、盗品を取り戻されまいと暴行を加えた場合にも、全体から見て、窃盗の機会の延長線上で行われた暴行と言えると判断し、事後強盗罪の成立を認めた判例もあります。

さらに、事後強盗の特徴として、特に店員、警備員や保安員に対する事後強盗のように、財物の所有者という窃盗罪の被害者と、暴行または脅迫を受けた被害者が異なるケースがあります。

当初は強盗罪事後強盗)の疑いで刑事事件化または逮捕されていた場合でも、例えば暴行被害者に対する示談が成立して、被害届の取下げや刑事処罰を求めない旨の合意を得た場合には、検察官は罪状を窃盗罪に切り替えるケースも見受けられるため、重大犯罪である事後強盗刑事事件化または逮捕された場合には、刑事事件の経験豊富な弁護士に速やかに弁護活動を開始してもらうことが何よりも大切です。

静岡県静岡市万引き窃盗)から暴行をふるって事後強盗罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

静岡県袋井市であて逃げで刑事事件化

2019-12-16

静岡県袋井市で当て逃げで刑事事件化

自動車を運転して物損事故を起こしてしまったものの、警察等へ報告することなく当て逃げしてしまった場合に生ずる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

ある夜、静岡県袋井市在住の会社員Aさんは、会社帰りに自動車を運転して帰路へついていたものの、眠気のあまりうとうとしてしまい、自動車を店舗の看板にぶつけて看板を破壊してしまいました。
Aさんは事故が発覚して運転免許が取り消されたりするのではないか不安になり、また警察へ報告するのも気後れしてしまい、周囲に目撃者がいないことを幸いに、そのまま自動車で事故現場から走り去ってしまいました(当て逃げ)。
後日、看板が被害にあった店舗が静岡県警袋井警察署に被害届を提出し、警察が道路交通法違反事故報告義務違反)の疑いで防犯カメラら事故現場付近の目撃者情報を集めていると知ったAさんは、自分がどのような刑事責任を負うことになるのか、警察へ出頭するべきなのか不安になり、刑事事件に詳しい弁護士に法律相談することにしました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月上旬、山形県東根市にある陸上自衛隊神町駐屯地の男性隊員の運転する車が、同市内の神社の鳥居を壊す事故を起こし、警察に申告せずに立ち去ったことについて、山形県警が道路交通法違反事故報告事務違反)の疑いで捜査を開始した事実をモデルにしています。

被害現場の神社周辺の住民らによると、今年12月4日午後10時ごろ、神社の境内に進入した車が木造の鳥居に衝突して、鳥居の柱を折ったとのことですが、運転していた第6施設大隊所属の男性隊員は、警察に事故を申告せず、車でその場を離れた(当て逃げ)可能性があると言います

翌5日早朝、鳥居が壊れて倒れかけているのを近くの住民が発見し、110番通報して刑事事件化し、その後、運転していたとみられる男性隊員が上司に付き添われ、地区の住民宅に謝罪に訪れた模様です。

駐屯地関係者によると、事故の疑いのある男性隊員らは事故直前に懇親会に参加していたとのことで、隊員らの飲酒の有無など、事故を起こした状況やその後の経緯の更なる捜査が待たれています。

【当て逃げの刑事責任】

一般に、交通事故を起こして人を負傷させたにも関わらず、運転手としての法的責任を果たさずに逃げることを「ひき逃げ」と言い、交通事故を起こして他人の物や公共の物を破損させたにも関わらず、運転手としての法的責任を果たさずに逃げること「当て逃げ」と言います。

当て逃げは、道路交通法によって刑事罰が定められているところ、具体的な法的責任の義務違反の内容によって異なる罰則が適用され、適用される刑罰の内容が異なります。

まず、自動車の運転手が物損事故を起こした場合には、すぐに自動車の運転を停止して、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません(道路交通法第72条第1項前段)。

このような道路上の危険防止措置等の責任を果たさず立ち去った場合(当て逃げ)、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金が科されます(道路交通法第117条の5)。

また、事故を起こした運転手は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に対して、当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければなりません(道路交通法第72条第1項後段)。

このような事故報告義務を果たさずに逃げてしまった場合(当て逃げ)、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます(道路交通法第119条)。

当て逃げによる道路交通法違反単体の刑事事件であれば、逮捕や勾留されることは少なく、在宅のまま捜査が進行し、前科や被疑者の反省状況、被害の回復状況等に応じて刑罰が決まってくることになります。

ただし、当て逃げ刑事事件の場合、同時に、酒酔い運転、酒気帯び運転、無免許運転などの他の道路交通法違反と合わせて問題となるケースも多く、このように複数の罪が成立する場合、逮捕・勾留の可能性が大きくなっていきます。

後に自分が想像していたより大きな刑事責任を負うことにならないためにも、当て逃げのような交通犯罪に心当たりがありご不安の方は、刑事事件を専門とする経験豊富な弁護士に早めに相談することを強くお勧め致します。

静岡県袋井市当て逃げ、その他の交通犯罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

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