Archive for the ‘暴力犯罪’ Category

【ニュース紹介】愛知県で起きた脅迫事件

2023-09-13

【ニュース紹介】愛知県で起きた脅迫事件

今回は、愛知県で起きた脅迫事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

愛知県警本部に電話をかけ、警察官を名指しして「命かけたってやってやるからな」などど脅したとして、61歳の女が逮捕されました。

逮捕されたのは、千葉県船橋市の無職で61歳の女です。

女は5月18日午後9時半ごろ、愛知県警本部に電話をかけて応答した警察官に対し、中警察署の50代の警部補を名指して「こっちが命かけたってやってやるからな」「お前たちが火をつけたんだからな」「犯罪をこしらえたんだ」「絶対にやってやるからな」などと言って脅迫した疑いが持たれています。

警察によりますと、女と50代の警部補は面識はないものの、過去に電話で話したことがあるということです。

女は警察の調べに対し、「そういうことを言っちゃったかもしれない」と話していて、警察は過去の事件や事故の捜査について腹を立てて犯行に及んだ可能性もあるとみて、動機を詳しく調べています。
(https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20230521_27635 令和5年5月21日 東海テレビ 「「命かけたってやってやるから」警察官を名指しして脅迫か 61歳女逮捕 過去の捜査に立腹し犯行の可能性も」より引用)

【脅迫罪】

ケースに取り上げたニュースで逮捕された女性の容疑は脅迫罪です。
脅迫罪を定めた条文は以下の通りになります。

刑法第222条
第1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第2項
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫とは一般通常人であれば恐怖心が引き起こされると考えられる(実際に脅迫された側が恐怖したかどうかまでは要件にならない)害悪を被害者に告げ知らせることを言います。
告知する方法は限定されておらず、口頭以外でも動作や挙動、書面による害悪の告知も脅迫罪の適用範囲内です。
また、告知する害悪は実現可能な具体性、現実性を持った内容である必要があります。

【逮捕された際の弁護】

警察官は被疑者を逮捕した場合、釈放するか送致するかを48時間以内に決定します。
そして検察官が被疑者の送致を受けると、24時間以内に被疑者を釈放するか裁判官への勾留を申請するかを決定します。
さらに裁判官が勾留申請を認めると、最大で10日間身体を拘束されることになり、検察官が請求すれば更に10日間勾留が延長されることになります。
つまり逮捕されてしまった場合の身体拘束の期間は最大で23日間です。
外部との連絡を制限された上での連日の取調べは、多大な精神的苦痛を伴います。

勾留を避け1日でも早い釈放を求めるには、弁護士を通じた釈放を求める書面の提出や身元引受人の準備などの対応が必要です。
逮捕から勾留が決定するまでの期間は非常に短いため、刑事事件の経験と知識が豊富な弁護士に身柄解放の活動を依頼し、速やかに対応することが早期釈放の鍵になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
脅迫事件を起こしてしまった、またはご家族が脅迫罪の容疑で逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
ご相談は
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を受け付けております。

15歳男子高校生が商業施設の試着室に火をつけ、一部を焼損させた疑いで逮捕

2023-08-16

15歳男子高校生が商業施設の試着室に火をつけ、一部を焼損させた疑いで逮捕

今回は、15歳男子高校生が静岡県焼津市の商業施設の試着室にをつけ一部を焼損させたとして、器物損壊の疑いで逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

28日15歳の男子高校生が静岡県焼津市の商業施設の試着室にをつけたとして逮捕されました。
器物損壊の疑いで逮捕されたのは、静岡県中部地区に住む15歳の男子高校生です。
警察によりますと男子高校生は28日午後10時ごろ、静岡県焼津市の商業施設の試着室にライターでをつけ一部を焼損させた疑いが持たれています。

商業施設の関係者から「2階の催し場付近の試着室が燃えていた」と消防に通報がありました。
商業施設は当時営業中で、男子高校生は客として訪れていました。
警察は男子高校生が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

(https://look.satv.co.jp/_ct/17644941 7月29日 「商業施設の試着室に火をつけ部屋の一部を損壊した疑いで静岡県内に住む男子高校生を逮捕 焼津警察署」より引用)

~被疑罪名は変わりうる~

冒頭記載の15歳男子高校生は、器物損壊の疑いで逮捕されていますが、今後の捜査によっては、被疑罪名が「現住建造物等放火」に変更される可能性も否定できません。

現住建造物等放火罪とは、放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損する犯罪です(刑法第108条)。
「焼損」とは、放火の媒介物を離れ、客体に燃え移り独立して燃焼を継続する状態に達したことをいいます。
また、現住建造物等放火罪は未遂犯も処罰されるため(刑法第112条)、前述の「焼損」に至らなかったとしても、実行の着手が認められれば、現住建造物等放火未遂罪に問われることになります。

実行の着手の具体的状況として、客体である現住建造物等に直接点する行為や、マッチなどをすって現住建造物等に点する姿勢をとった場合などが挙げられます。

器物損壊の疑いで逮捕された理由を報道から知ることはできませんが、をつけられた試着室が建物とは独立した、簡易的な移動式の仕様であり、被害の程度も軽微で、およそ建物に延焼する可能性がなかったなどの事情があれば、もちろん、器物損壊に留まる可能性もあります。
その反面、前述の通り、捜査の結果、明らかとなった燃焼の状況によっては、被疑罪名が現住建造物等放火罪に変更される可能性も否定しきれません。
十分な注意が必要な事件ということができるでしょう。

~少年事件の弁護活動を依頼~

今回、逮捕された被疑者は15歳なので少年法の適用があります。
法律的な見地から器物損壊に留まる旨を捜査機関に働きかけることも大切ですが、少年事件の処分を決定するにあたっては、少年の家庭環境や少年自身の生活環境も考慮されます。
有利な処分を獲得するためには、これらの調整も必要となりますが、そのためには、少年事件に熟練した弁護士のサポートが重要となります。

まずは、少年事件に詳しい弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が器物損壊事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

静岡県富士市の立体駐車場で起きた暴行事件

2023-08-09

静岡県富士市の立体駐車場で起きた暴行事件

今回は、静岡県富士市の立体駐車場で、男性の顔面を数回殴ったとして、36歳男性が暴行の疑いで現行犯逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

1日夜、静岡県富士市の立体駐車場で、男性の顔面を数回殴ったとして36歳の男が逮捕されました。

暴行の疑いで現行犯逮捕された富士市今井に住む36歳の自称・建設業の男は、1日午後10時半ごろ、富士市の立体駐車場で、東京都の30代男性の顔面を数回殴った疑いが持たれています。警察によりますと、2人に面識はなく、男性から「トラブルになっている」と110番通報があったということです。

警察は男が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。警察は経緯や動機を調べています。

(https://look.satv.co.jp/_ct/17639237 7月2日 「何らかのトラブルか…立体駐車場で面識ない男性を何回も殴ったか 36歳の男を暴行容疑で現行犯逮捕 静岡・富士市」より引用)

~暴行事件の刑事手続はどのように進行するか?~

暴行の疑いで現行犯逮捕された場合、留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、被疑者の勾留を請求するか、あるいは、被疑者を釈放して在宅捜査とするかを判断します。

勾留請求に対して勾留決定が出た場合は10日間勾留されることになります。
やむを得ない事由があると認められるときは、検察官の請求により、最長10日間、勾留が延長される場合もあります。
検察官が勾留請求をしなかった場合、または、勾留決定がなされなかった場合には、被疑者は釈放されることになります。

~暴行事件では早期の身柄解放を実現できるケースも~

加害者、被害者間において面識がなく、暴行に及んだ動機も些細なトラブルに起因するものであるときは、勾留されずに釈放される事例がよくみられます。
この場合は、日常生活へ早期に戻ることができるため、被疑者の心身に対する負担も軽く、また、職を失わずにすむ可能性を見込めるなど、円滑な社会復帰が期待できます。

もっとも、被害者に怪我を負わせてしまったため、被疑罪名が暴行から傷害などへ切り替えられた場合、加害者と被害者との間に根深いトラブルが存在する場合には、早期の身柄解放実現のハードルが高くなると考えられます。

勾留されてしまう可能性がゼロではない以上、単純な暴行事件であるからと楽観的に過ごす選択は危険です。
暴行の疑いで逮捕された場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後の弁護活動に関してアドバイスを受けましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が暴行の疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

静岡県島田市で起きた殺人未遂事件

2023-08-02

静岡県島田市で起きた殺人未遂事件

今回は、島田市の自宅で兄を刃物で刺し、殺害しようとした疑いで33歳男性が逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

27日午前島田市の自宅で兄を刃物で刺し、殺害しようとしたとして30代の男が逮捕されました。
殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは島田市落合の無職の男(33)です。
男は27日午前9時半ごろ、自宅で同居する兄(39)の背中を刃物で刺し、殺害しようとした疑いが持たれています。
警察などによりますと、兄は病院に救急搬送されましたが、意識はあるということです。
男は自宅にあったナイフで兄を刺したとみられ、自分で消防に通報しました。
2人は両親と4人暮らしで、警察は兄弟の間で何らかのトラブルがあったとみて、詳しい経緯を調べています。

(https://news.yahoo.co.jp/articles/3c79ce362a59bde8638cd1283fa8184a3e267c82 6月27日 「兄を刃物で刺し殺害しようとしたとして殺人未遂の疑いで無職の男を現行犯逮捕 静岡・島田市」より引用)

~逮捕された男性は自分で消防に通報しているが~

刑法では「自首」という制度があり、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」としています(刑法第42条1項)。
自首が認められれば、刑の減軽を受けられる可能性があります(裁量的な減軽であるため、されない場合もあります)。

~自首が成立する条件~

自首が成立するための条件は厳しく、

①自発的に自己の犯罪事実を申告すること、
②自己の訴追を含む処分を求めること、
③捜査機関に対する申告であること、
④捜査機関に発覚する前の申告であること

が必要です。
逮捕された男性は「消防」に通報していますが、「消防」は捜査機関ではないため、③の条件を満たさないことになります。
もっとも、現場には消防の連絡を受けて駆け付けた警察官がいることが推測されます。
駆け付けた警察官とのやりとり次第では、③の条件をはじめ、その他の条件を満たす場合もあるかもしれません。

冒頭の記事では、消防、警察とのやりとりが判然としないため、自首の成否については判断できませんが、弁護士の接見を受け、具体的な事実関係を伝えた上でアドバイスを受けることができるでしょう。

殺人未遂罪はとても重い犯罪です。
自首の成否を含め、アドバイスを受けるべき事柄は多岐にわたります。
殺人未遂の疑いで逮捕された場合には速やかに弁護士の接見を受け、事件解決に向けたアドバイスを受けることを強くおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
殺人未遂事件で家族が逮捕され、自首の成否に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

静岡県沼津市内の住宅街で起きた器物損壊事件

2023-07-26

静岡県沼津市内の住宅街で起きた器物損壊事件

今回は、駐車中の軽乗用車1台など、あわせて7台の車に傷をつけ損壊した疑いで29歳男性が逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

静岡県沼津市内の住宅街で、駐車中の車7台を次々に傷つけた疑いで近くに住む29歳の男が逮捕されました。

器物損壊の疑いで逮捕されたのは、沼津市我入道稲荷町の自称・無職の男(29)です。

警察によりますと、男は6月23日の午前6時半から24日の午後5時までの間に沼津市我入道の駐車中の軽乗用車1台など、あわせて7台の車のボンネットや後部のガラスなどに傷をつけ損壊した疑いがもたれています。
車を傷つけられた人たちが被害を訴え、警察が、付近のパトロールを強化。

警察が男に職務質問を行った際、回答に不審な点があったことから追及したところ「自分がやりました」と関与を認め、逮捕に至ったということです。
ボンネットなどには鋭利なものでひっかいたような傷があり、警察は犯行の手段を調べると共に男の動機についても追及する方針です。

(https://news.yahoo.co.jp/articles/d7a50a746ac51b34d320006b6d2eaa23d51027dd 6月26日 「ボンネットなどにひっかいた跡 駐車中の7台を次々に傷つけた疑い 29歳無職の男を逮捕=静岡県警」より引用)

~早期に弁護活動を依頼することが非常に重要~

複数台の車を損壊した疑いで逮捕された場合には、早期に弁護士を依頼し、示談交渉などの弁護活動にあたってもらうことが非常に重要となります。
複数台の車を損壊した場合には、当然ながら被害者の数も複数人となることが予想されます。
これらの被害者と充実した示談交渉を行うためには、事件の処分が決定される間際ではなく、「事件の初期段階」で弁護活動を依頼する必要があるからです。

~器物損壊事件で示談交渉が功を奏せば不起訴処分となる~

器物損壊罪は「親告罪」であるため(刑法第264条)、告訴がなければ起訴されることがありません。
示談交渉の結果、告訴をしない約束をしてもらえた場合や、すでに告訴をしている場合にはこれを取り消してもらうことができれば、器物損壊事件については必ず不起訴処分となります。
不起訴処分となれば、裁判にかけられることもないため、前科がつくこともありません。

もっとも、示談交渉が常に功を奏するとは限りません。
被害者の処罰感情が強く、示談交渉が難航する場合も存在します。
示談交渉を含め、実りのある弁護活動を行うためには、早期に弁護士を依頼することが肝心となります。
他人の車を傷つけ、器物損壊の疑いで逮捕されてしまった場合にはすぐに弁護士の接見を受け、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が器物損壊の疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

娘に対する傷害の疑いで40歳母親が逮捕

2023-07-12

娘に対する傷害の疑いで40歳母親が逮捕

今回は、40歳の母親が娘をハンガーなどで殴る等の虐待をし、傷害を負わせた疑いで逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

自宅で中学生の娘をハンガーなどで殴り、けがをさせたとして、40歳の母親が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、静岡県西部に住む派遣社員の女(40)です。
女は6月中旬ごろ、自宅で中学生の娘の左肩や足をハンガーなどで複数回殴るなどし、皮下出血などのけがをさせた疑いが持たれています。
娘が中学校の教師に被害を相談し、学校が児童相談所に連絡しました。
警察によりますと、女は「娘が約束の時間に無断で帰宅しなかった」と話し、容疑を認めているということです。警察は日常的な暴行がなかったか調べています。

(https://news.yahoo.co.jp/articles/2b238363c60eab2231513db24cbe56bbc5057320 6月23日 「「約束の時間に帰宅しなかった」…中学生の娘をハンガーで何回も殴ったか 40歳の母親を傷害容疑で逮捕 静岡県警」より引用)

~子どもへの虐待事件で身体解放活動~

ケースのような虐待事件が発覚するきっかけは、「被害者を診察した医師が虐待を疑い通報した」、「被害者が自ら警察に通報した」、「学校の先生が虐待を疑い通報した」など様々です。

ケースの事件では、40歳の母親が逮捕されていますが、虐待の疑いで逮捕された場合、酒場などで見知らぬ相手を殴打した等の場合に比べ身体拘束のリスクが高いといえます。
なぜなら、加害者と被害者との生活圏が近い(多くは同居している)場合が多く、身体拘束しなければ口止めするなどして証拠を隠す恐れが高く、捜査に支障を来すと評価されるからです。
同じ理由で、同居中のカップル間におけるDVなどの加害者についても、身体拘束がなされる可能性、長引く可能性が高くなります。

また、虐待を受けた児童は児童相談所などで一時保護されることも考えられます。

~子どもへの虐待事件で身体解放活動~

加害者と被害者の関係が近い場合には、早期の身柄解放を目指した弁護活動が重要となります。
しかしながら、釈放した後、元の場所(被害者の家など)に戻すということでは、早期の身柄解放の実現は困難となります。
このような場合には、少なくとも事件が解決するまでの間、被害者と距離をとって身元を預かることができる身元引受人を用意することが考えられます。

積極的に身柄解放活動を行うためには、身元引受人を用意するだけでなく、責任をもって被疑者を監督する旨を誓った上申書を作成することも重要となります。
そのためには、刑事事件に熟練した弁護士のサポートが役立つでしょう。

虐待の疑いで逮捕された場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後の事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
虐待事件、傷害事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

小学生の娘を蹴り怪我をさせた疑いで37歳父親が逮捕

2023-06-28

小学生の娘を蹴り怪我をさせた疑いで37歳父親が逮捕

今回は、37歳の父親が、同居している小学生の娘を複数回にわたって蹴り、怪我を負わせた疑いで逮捕されたという虐待事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

小学生の娘を蹴り軽いケガをさせたとして、同居する37歳の父親が傷害の疑いで逮捕されました。男は容疑を否認していますが、警察は日常的に虐待していた可能性も含め、調べを進めています。
逮捕されたのは静岡県東部に住む37歳の男で、警察によりますと、男は2023年4月4日 自宅で小学生の娘と口論になり、複数回にわたって娘を蹴り軽いケガをさせた疑いが持たれています。
女の子が通う、いわゆる「学童保育」から相談を受けた行政機関が警察に通報し、事件が発覚しました。

警察の調べに対し男は「蹴ったことはない」と容疑を否認しているということです。
女の子の下半身には複数のアザが確認されていて、警察は男が日常的に女の子を虐待していた可能性も含めて捜査を進めています。

(https://news.yahoo.co.jp/articles/7e9bcab1922da5b2a06ca4f28e2e35d9b7268e30 6月12日 「口論の末から小学生の娘を蹴りケガをさせたか…父親逮捕 下半身に複数のアザ 静岡」より引用)

~虐待が疑われる事件では早期の身柄解放活動が困難~

比較的軽い怪我を負わせたにとどまる傷害事件では、逮捕された場合であっても、早期に釈放される可能性があります。
しかし、同居する娘を傷害した事件であって、日常的な虐待が疑われるケースについては別です。
早期に釈放すれば、再び娘への虐待に及ぶおそれがあるからです。
DVや虐待事件など、加害者と被害者との生活空間が近い場合には、身体拘束が長期化する可能性が高いといえます。

このような場合に早期の身柄解放を実現するためには、少なくとも事件が解決するまで、被害者のもとに戻らない、近付かないことを捜査機関、裁判所に納得してもらう必要があります。
その方法の一例として、身元引受人を用意し、責任をもって釈放された被疑者を監督する旨を誓う上申書を作成して、捜査機関や裁判所に働きかけることが考えられます。

適切な身元引受人の選択、説得的な上申書の作成、捜査機関や裁判所への働きかけには、刑事事件に熟練した弁護士のサポートが役に立ちます。

~事務所紹介~

ご家族への虐待の疑いで逮捕された場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後の弁護活動に関してアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が虐待の疑いで逮捕されお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

器物損壊事件の裁判例等を紹介

2023-06-21

器物損壊事件の裁判例等を紹介

器物損壊事件の裁判例等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

南伊豆町が設置した看板を塗料で汚損したとして、下田署は、器物損壊の疑いで自称デザイナーの男を逮捕した。
逮捕容疑は、町内に設置された看板1枚に塗料をスプレーで吹き付けて汚損した疑い。
町によると、この看板は高さ約5メートルの三角柱で町民憲章が記されていて、このうち一つの面が青色で塗りつぶされていた。

(静岡新聞「南伊豆町民憲章の看板を汚損の疑い 自称デザイナー逮捕」(2023.5.26)から引用・参照。 )

~器物損壊罪について~

(器物損壊等)
第261条 前条に規定するもののほか(注:公用文書、私用文書、建造物等)、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(親告罪)
第264条 (……)第261条(……)の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

器物損壊罪(刑法261条)とは、他人の物を損壊させるなど財物の効用を害する行為によって他人の所有権を侵害する行為を罪として罰する旨の規定です。
また、261条は他人の所有物の侵害態様として「傷害」を規定していますが、これは主として動物を客体とする行為を想定していると解されています。
なお、仮に対象物が「差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は配偶者居住権が設定されたもの」であった場合は、自己の所有物であったとしても器物損壊罪等として処罰されうる点に注意を要します(同法262条)。

毀棄罪が成立するか、その中でも「損壊」に当たるかについては重要な最高裁判例が存在します。
最決平成18年1月17日は、公園内に設置された公衆トイレの外壁に落書きした行為に建造物損壊罪(刑法260条前段)が成立するかが争いになったケースにおいて、「損壊」自体は物の効用を害する一切の行為という通説的見解を維持しつつ、美観や外観を考慮しつつその利用を困難にさせたことをもって同罪の成立を認めています。
本事案は、建造物ではなく看板という「他人の物」が対象となっており、一つの面が一色で塗りつぶされていたというのですから、看板の有する効用が害された(すなわち「損壊」に当たる)ことは比較的明らかな事案といえるでしょう。

~器物損壊事件における弁護活動等~

本事案が特殊なのは被疑者が既に同様の行為によって有罪判決を受けていることです。
被疑者は前年にも、南伊豆町が設置したモニュメントなどをスプレー式塗料で汚したとして器物損壊の罪に問われ、静岡地裁下田支部は「懲役1年、執行猶予3年」を言い渡しています。
そうすると、本事案で起訴されてしまうと実刑は免れないのでしょうか。
刑法25条2項によると、「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者」は「1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け」「情状に特に酌量すべきものがあるとき」は「裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予」される可能性がある旨を規定しています。
すなわち、本事案でも再度の執行猶予が付く可能性があるため、弁護士としては仮に起訴に至ったとしても執行猶予が相当である事案として弁護活動を行っていくことが考えられるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊事件を含む刑事事件のみを専門にしている法律事務所です。
器物損壊事件で逮捕・起訴された方やそのご家族等は、24時間いつでも対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

改正少年法と少年事件

2022-03-15

改正少年法と少年事件

改正少年法少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

静岡県裾野市に住んでいる高校生のAさん(18歳)は、市内の路上で他の高校に通うVさん(17歳)に対して暴力をふるい、けがを負わせてしまいました。
Aさんは静岡県裾野警察署に傷害罪の容疑で逮捕されたものの、Aさんの両親が警察署まで迎えに行き、身元を引き受けたことで帰宅を許されました。
Aさんと両親が帰宅後に今後について調べてみたところ、18歳のAさんの事件は少年事件として扱われることが分かりました。
少年法が令和4年4月1日で改正されたものになるというニュースを見たことがあったAさんらは、今後について心配になり、少年事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・改正少年法と少年事件

未成年者が犯罪をした場合、少年法が適用され、成人が犯罪をしてしまった場合とは別の手続となります。
Aさんらが調べていた通り、この少年法は改正され、令和4年4月1日から改正少年法が施行されます。

現行の少年法では、20歳未満の者が「少年」として扱われることとなっています。

少年法第2条第1項
この法律で「少年」とは、20歳に満たない者をいい、「成人」とは、満20歳以上の者をいう。

改正少年法でも、20歳未満の者が「少年」として少年法の適用を受けることに変わりはありません。
しかし、改正少年法では、18歳・19歳の少年について「特定少年」という区分を新たに設け、この「特定少年」については他の17歳以下の少年と扱いが変わる部分が出てくることになります。

改正少年法第62条
第1項 家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。

第2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。
ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
第1号 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
第2号 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)

改正少年法の「特定少年」は、主に少年事件の検察官送致(いわゆる「逆送」)の手続きに深くかかわる定義です。
現行の少年法では、原則として逆送される少年事件について、「死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件」(少年法第20条第1項)と「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの」(少年法第20条第2項)と定めています。
対して、改正少年法の「特定少年」については、「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの」(改正少年法第62条第2項第2号)を原則逆送することとされています。
つまり、改正少年法の「特定少年」については、現行の少年法よりも原則逆送事件の対象範囲が広がることとなるのです。
そのため、「特定少年」に当たる年齢で一定の重い犯罪をした場合には、成人同様に刑事裁判を受け、刑罰を受ける可能性が高まるといえるでしょう。

ちなみに、現行の少年法では、家庭裁判所の審判に付する少年について以下の区分を定めています。

少年法第3条第1項
次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
第1号 罪を犯した少年
第2号 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
第3号 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

少年法第3条第1項のうち、第1号に当たる少年を「犯罪少年」、第2号に当たる少年を「触法少年」、第3号に当たる少年を「虞犯少年(ぐ犯少年)」と呼びます。
こちらは改正された少年法でも変更されることはありません。
改正少年法においては、第3条第1項第1号「犯罪少年」の中に18歳・19歳の「特定少年」が含まれ、一定の重さの犯罪をした場合に原則逆送されるというイメージでしょう。
なお、改正少年法では、18歳・19歳の「特定少年」については、少年法第3条第1項第3号の「虞犯少年(ぐ犯少年)」の適用はされない予定です。
改正される民法上でも成人となる18歳以上の少年については、こういった監護を前提とした虞犯少年(ぐ犯少年)の手続きは不適当だろうと考えられたためです。

他にも、「特定少年」であった場合には、資格取得の際の特例が適用されなかったり、報道の際に実名報道の可能性があったりという、現行の少年法と異なる部分が出てきます。
「特定少年」としての扱いになるのかどうかは、少年事件を起こした際の年齢や、少年事件の審判が終了した際の年齢など、それぞれの特例などによってタイミングで異なる場合もあります。
改正少年法が施行されるのは令和4年4月1日ですが、改正少年法が施行されてからしばらくの間は、「特定少年」として扱われることになるのかどうかなど、少年事件の取り扱いについて混乱される方も少なくないでしょう。
だからこそ、少年事件を多く取り扱う弁護士に相談して、きちんと正しい手続や見通しを把握し、対応していくことが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、多くの少年事件を取り扱う弁護士が、少年事件の始まりから終了までフルサポートいたします。
少年法改正によって現在の少年事件の手続きと変わることも出てきますから、お悩みの際にはお気軽にご相談ください。

車に落書きをして器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまった

2022-02-21

車に落書きをして器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまった

車に落書きをして器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、静岡県熱海市にある商業施設によく通っていましたが、商業施設の入り口付近にある駐車場に利用客の車が多く停めてあることについて、邪魔だと感じていました。
Aさんは、「駐車場に誰も車を停めなければいいのに」と考えるようになり、駐車場に停めてある車に嫌がらせをするようになりました。
具体的には、Aさんは駐車場に停めてある車に対して油性ペンで大きく落書きをするという行為を繰り返すようになりました。
商業施設の利用客から、相次いで相談を受けた静岡県熱海警察署は捜査を開始。
捜査の結果、Aさんは器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和4年1月20日FNNプライムオンライン配信記事を基にしたフィクションです。)

・落書き=「損壊」?

今回の事例のAさんは、商業施設の駐車場に停めてあった車の車体に油性ペンで落書きをしたことで、器物損壊罪の容疑をかけられ逮捕されています。
Aさんに容疑がかけられている犯罪である器物損壊罪は、刑法第261条に定められています。

刑法第261条(器物損壊罪)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

この犯罪は、器物損壊罪という名前の通り、「他人の物を損壊」することで成立する犯罪です。
皆さんの中にも、「物を壊したら器物損壊罪になる」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ですから、今回のAさんの事例に対して、「なぜ物を壊したわけではないのに器物損壊罪なのか」と不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここで注意しなければならないのは、器物損壊罪の「損壊」が、一般に考えられている「損壊」よりも広い意味で使われているということです。
器物損壊罪の「損壊」は、単に物が壊れるということだけではなく、物の効用を害する行為全般を指すと解されています。
この「物の効用を害する」という器物損壊罪の「損壊」行為で、よく例として出される行為としては、食器に放尿する行為が挙げられます。
放尿しただけでは、食器は壊れることはないでしょう。
しかし、放尿された食器を食器本来の役割=物を食べる際に使用することは、はばかられる方が多いでしょう。
つまり、その食器は本来の使い方で使えなくなってしまった=食器の効用が害されてしまったということになり、食器に放尿する行為は器物損壊罪にあたりうる行為となるのです。

この「損壊」の考え方に則って、今回の事例のAさんの行為を振り返ってみましょう。
今回の事例のAさんは、商業施設の駐車場に停車していた車の車体に油性ペンで大きく落書きをしています。
油性ペンで大きく落書きされてしまえば、その落書きが簡単には落とせないことが想像できます。
こうしたことから、大きく落書きされ簡単にはその落書きが落ちない=車の価値がAさんの落書き行為によって下げられたということになり、器物損壊罪の「損壊」に該当すると判断されたと考えられます。

・器物損壊事件で逮捕されてしまったら

器物損壊事件を起こして逮捕されてしまったら、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
逮捕されるということは、それまでの生活から切り離されて、1人で取調べ等に臨むということです。
逮捕後に勾留されてしまえば、さらに長期間身体拘束が続くことになります。
仕事や学校、生活がかかっていることですから、釈放を実現したいと望まれる方が多いでしょう。
釈放を求める活動には、刑事事件の知識や経験が必要となってきますから、弁護士に具体的な活動やポイントを聞いたり活動してもらったりすることが効果的です。

また、器物損壊罪は「親告罪」という犯罪です。
親告罪は、被害者などが告訴(=犯罪被害に遭ったことの申し出と加害者に対する処罰の要望)をしなければ起訴できない犯罪です。
ですから、すでに告訴されている場合には被害者から告訴を取り下げてもらったり、まだ告訴されていない場合には告訴をしない約束をしてもらったりすることができれば、器物損壊罪は不起訴となります。
こうした告訴の取下げや告訴をしない約束は、示談の中で取り決めることができます。
そのため、器物損壊事件逮捕されてしまった場合には、被害者への謝罪や弁償を含めた示談交渉を早期に開始してもらうことが、先ほど触れた釈放を求める活動においても、後々の処分を有利に進めるためにも重要と言えるでしょう。

しかし、当事者同士での話合いでは、お互いの意図しないトラブルが発生してしまったり、法律的な部分で不足のある示談となってしまったりするおそれもあります。
さらに、今回のAさんのような事例では、そもそも被害者の連絡先が分からず、謝罪や弁償の話をすることすら難しいということも考えられます。
だからこそ、法律の専門家である弁護士を間に入れることで、話し合いをスムーズに進めることや、謝罪・弁償の打診を捜査機関を通じて行うことなどが期待できるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、器物損壊事件についても多数のご相談・ご依頼を受け付けております。
落書きから器物損壊事件に発展してしまった、家族が逮捕されてしまったいう状況にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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