(事例紹介)トラブル相手に消毒用アルコールを吹きかけた男性が暴行の疑いで逮捕された事例

(事例紹介)トラブル相手に消毒用アルコールを吹きかけた男性が暴行の疑いで逮捕された事例

トラブル相手に消毒用アルコールを吹きかけた男性が暴行の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県磐田市で、交通トラブルになった男性の顔に消毒用アルコールをかけた疑いで、70代の男が逮捕されました。
逮捕された男は、磐田市にある食料品店の入り口で、磐田市に住む男性の顔に消毒用アルコールを吹きかけた疑いが持たれています。
警察によりますと、食料品店の駐車場で歩いていた被害者の男性と、自転車に乗っていた男との間で何らかのトラブルが起き、その後、2人は店内に移動し、男が入り口に置いてあった消毒用アルコールを男性に吹きかけたとみられています。
男性が「アルコール液をかけられた」と警察に通報したことから事件が発覚しました。
男は容疑を否認しているということです。警察は事件が起きたいきさつなどについて調べています。
(静岡放送「「アルコール液をかけられた」50代の男性に消毒用アルコールを吹きかけたか 73歳男を逮捕=静岡県警」(2024/4/19)を引用・参照の上、適宜修正)。

~傷害に至らない暴行~

(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(暴行)
第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

上記の刑法208条が規定するように暴行罪は、「暴行を加えた者が人を傷害(注:刑法204条参照)するに至らなかったとき」に成立します。
すなわち、「暴行」を加えた結果として「傷害」が生じれば、暴行罪ではなくより重い傷害罪が成立することになるということです。
なお、法律論の詳述は避けますが、暴行を介して傷害が成立する場合は、暴行の故意さえあれば傷害の故意がなくとも傷害罪は成立すると解するのが通説であり実務です。
そして204条にいう「傷害」とは、人の生理的機能に障害を生じさせるこというものと解されています。
本件では、(上記報道に基づく推測にはなりますが)逮捕された被疑者が被害者に吹きかけたとされる消毒用アルコールは、コロナ禍以降に店頭等に置かれるようになった一般的な消毒用アルコールであると思われます。
これを顔に吹きかけるだけでは、生理的機能に障害が生じることは稀であり、本件では被疑者に対する有形力の行使たる「暴行」には当たりうるものの、「傷害」結果までは生じなかったがゆえに暴行罪が成立すると考えられたのでしょう。

~暴行事件における刑事弁護活動~

暴行罪といえば、上述のように傷害罪にまでは至っていないのであり、上記の条文(刑法208条)が規定する法定刑もそれほど重いものではありません。
したがって、被疑者本人やその関係者も一般に事態を楽観視しがちな傾向にあります。
しかし、逮捕されてしまえば検察官が勾留(逮捕からプラスして10日間の身体拘束処分)を請求した場合、高い確率で勾留が認められていることに注意が必要です。
よって、暴行罪により逮捕されてしまった場合は、弁護士が勾留を阻止するために早い段階から検察官(や裁判官)に働きかける弁護活動が極めて重要になってきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、暴行事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
暴行事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
お問い合わせ頂くことで経験豊富な弁護士による接見対応等、逮捕による不利益を最小限にとどめるための迅速な弁護活動を行うことが可能です。

 

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