静岡県浜松市で線路にいたずらして電車往来危険罪で逮捕

静岡県浜松市で線路にいたずらして電車往来危険罪で逮捕

静岡県浜松市在住の無職男性Aさん(26歳)は、就職面接が上手くいかないことに苛立ちを覚え、ある日の深夜、自分の所有する折りたたみ自転車を線路上に放置するという悪質ないたずらを行いました。
その路線を走る始発電車が、線路上に物が置いてあることに気付いて緊急停車したため、電車が放置自転車と接触することはなかったものの、自転車の撤去と安全確認のために電車に遅延が生じました。
鉄道会社からの被害届を受理した静岡県警細江警察署は、放置自転車の登録票から所有者を紹介し、また、線路付近の防犯カメラに自転車に乗っていた不審な男が写っていたことからAさんの身元を割り出し、Aさんを電車往来危険罪の疑いで逮捕しました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、今年9月5日、南海電鉄の線路上に自転車を放置したとして、住所不定の自称派遣社員男性が電車往来危険罪の疑いで大阪府警によって逮捕された事案をモデルにしています。
警察によれば、逮捕事実は、8月24日午前5時ごろ、大阪市住吉区の南海高野線で、線路上に折りたたみ自転車を放置し、難波発河内長野行きの普通電車に接触させたというもので、幸い乗客約60人にけがはなかったとのことです。
線路周辺の防犯カメラ映像から被疑者が捜査線に浮上し逮捕に至ったとのことですが、警察の調べに対し、被疑者は「知りません」と事実を否認している模様です。
今年6月12日から9月2日の間に、南海高野線やJR阪和線で、自転車などが投げ入れられる事件が計5件発生しており、警察は被疑者による関与を調べています。

走行中の電車や車に対する投石などの悪戯は、毎年何件か必ず報道されています。

犯行時間は闇に紛れる夜間であることがほとんどで、目撃者や監視カメラ、指紋採取等の捜査によって被疑者が特定されることが多いようです。

刑法第125条によれば、鉄道もしくはその標識を損壊し、またはその他の方法により、汽車または電車往来危険を生じさせた者は、2年以上の有期懲役が科せられます。

電車往来危険罪における「往来危険」とは、脱線、転覆、衝突、破壊など、その往来危険な結果が生ずるおそれのある状態を発生させることを言い、現実的に左記の危険が生ずる可能性が認定されれば、実際に危険(損害)が生じなくとも電車往来危険罪が成立するとされています(判例)。

また、往来に対する危険により、人が乗車した電車が転覆または破壊された場合には、無期または3年以上の懲役が科され、それによって人が死亡した場合には、死刑または無期懲役が科されることになります(刑法第126条)。

なお、電車等に関する悪質ないたずらによって刑事事件化例としては、線路近くから走行中の電車に石を投げてドアガラス等を破損して運行を妨害したという事例において、器物損壊罪および威力業務妨害罪が成立するとする事例も見受けられます。

こちらは、小石の投石程度では「往来危険」が生じないものの、車体そのものに対する損壊行為や、安全確認のための緊急停止により電車の運行が強制的に妨害された事実を違法と判断したものと解されます。

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