Archive for the ‘刑事事件’ Category

静岡県藤枝市で犯人である友人を蔵匿隠避して逮捕

2019-06-08

静岡県藤枝市で犯人である友人を蔵匿隠避して逮捕

静岡県藤枝市在住の飲食店経営者Aさんは、深夜、友人Bから待ち合わせをしたいとの連絡を受けてBと待ち合わせをしました。
Bいわく、Bは飲酒運転をしているところを警察官に発見され、パトカーで追跡されたために逃走してしまったとのことで、今は持ち合わせがないために、数万円のお金を貸してほしいとのことでした。
Aは、Bの逃走を助けるような金を貸して良いのか不安に思ったものの、Bには様々な恩を受けていたために依頼を断ることが出来ず、持ち合わせていた約4万円をBに渡しました。
その後、Bは道路交通法違反(酒酔い運転)および自動車運転処罰法違反(過失運転致傷罪)の疑いで逮捕され、静岡県警藤枝警察署の捜査上でAがBに対して現金を手渡しBの逃走を助けたことが判明し、Aは犯人隠避罪の疑いで逮捕されました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年5月26日、奈良県橿原市でパトカーに追跡されていた乗用車が信号待ちの車3台に衝突し、うち1台を運転していた男性にけがをさせて逃走した少年被疑者らに対して、その逃走中の少年らの宿泊費を支払った女子高校生(17歳)が犯人隠避罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。

上記事件の背景として、まず、橿原市の無職少年(17歳)が、他の少年らを同乗させて橿原市新堂町の国道24号を自動車で無免許運転していたところ、他の乗用車に追突して運転手の男性に軽傷を負わせてしまい、無免許運転が発覚することを恐れて逃亡しました。
この少年は同乗していた少年らと協力し、また、知り合いの女子高校生(17歳)から現金を受け取り宿泊費等にあてて逃走を続けたものの、およそ1週間後に滋賀県大津市のパチンコ店にいたところを警察官に発見されました。
事故の際に自動車を運転していた少年は、自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許過失運転致傷罪)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕され、車に同乗していたとして17歳の少年2人は、道路交通法違反(無免許運転同乗)の疑いで逮捕され、逃走中の少年らの宿泊費を支払った女子高校生は、犯人隠避罪の疑いで逮捕されました。
いずれの被疑者も被疑事実を認めている模様です。

罰金以上の刑にあたる罪を犯した者または拘禁中に逃走した者を、蔵匿または隠避させた場合、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(犯人蔵匿・隠避罪)。

蔵匿」とは、捜査機関による犯人の発見や逮捕を免れるべき隠匿場を提供することを言い、「隠避」とは「蔵匿」以外の方法で捜査機関の発見・逮捕を免れる手段を講じることを言います。

この法律は、刑事司法に関する国家権力の作用を妨害する者を処罰することで司法の運用の円滑化を図るものであり、「罪を犯した者」とは、広く、犯罪の嫌疑によって捜査中の者を含むと解されています(最高裁判例)。

犯人を蔵匿または隠避をする者は、犯人が、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者として捜査中であることさえ知っていたことさえあれば足り、当該犯人の刑が確定的であることの事実や証拠について認識は必要ではありません(判例)。

犯人蔵匿・隠避罪は、捜査機関から犯人の捜索を妨げる行為を行ったという性質上、別の犯罪とはいえ、犯人との共犯的な立場に近いとみなされ、罪証(証拠)隠滅のおそれが比較的高いと疑われる傾向にあり、逮捕後に続いて勾留決定が下される可能性も低くはないでしょう。

このような場合、まずは刑事事件を専門とする弁護士に早期に身柄解放をしてもらえるよう働きかけをしてもらうと同時に、身柄拘束中に不適切な供述や不合理な弁解、今後の刑事手続で自分に不利になりかねない供述をしないよう捜査対応の指導や助言を受けることが大切です。

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静岡県三島市の電車内や駅で服の上から盗撮

2019-06-06

静岡県三島市の電車内や駅で服の上から盗撮

静岡県三島市在住の会社員Aさんは、電車での通勤途中、自分好みの女子高校生Vさんを見かけたため、電車内でVさんに近づき、Vさんの顔をじろじろ眺めた後、Vさんが降車したで自分も降車して、Vさんにつきまとい、その後ろ姿を写真機能付きの携帯電話で盗撮しました。
Vさんは警備員に助けを求め、Aさんは警備員に取り押さえられ警備員室へ連行され、その後、駆けつけた静岡県警三島警察署の警察官によって静岡県迷惑行為等防止条例違反の疑いで逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは「Vさんがとても可愛かったため思わず写真を撮ってしまった」と被疑事実を認めています。
(※フィクションです)

【服の上から盗撮は罪?】

上記刑事事件例は、通学中の女子高校生に度々つきまとい、携帯電話のカメラで盗撮したとして、今年6月5日、兵庫県高砂市の男性が兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。

警察によれば、今年5月29日と6月4日、兵庫県姫路市白浜町の山陽電鉄白浜の宮から同市大塩町の同電鉄大塩まで、通学していた高校1年の女子生徒2人につきまとい、ホームで女子生徒の容姿を盗撮した疑いがあるのに対し、被疑者は黙秘しているようです。

被害に遭っていた女子生徒の1人が、盗撮している被疑者の姿をスマートフォンで撮影して警察に相談したところ、警備を強化した警察官が白浜の宮に張り込んでいたところに、被疑者が現れ、今回の犯行に及んだようです。

静岡県迷惑行為等防止条例では、第3条において「何人も、正当な理由がなく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を 覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。」としています。

具体的には、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上からまたは直接人の身体に触れること(痴漢行為)、公共の場所又は公共の乗物にいる人の下着又は身体をのぞき見ること(覗き行為)、公共の場所又は公共の乗物にいる人の下着等を見る目的又はその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、又は下着等に向けること(盗撮行為)等が列挙されており、これら以外の不適切な行為についても、「公共の場所又は公共の乗物にいる人に対して、卑わいな言動をすること」を広く禁止しています。

これらの卑わいな行為を行った場合、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金で処罰されることになります。

各都道府県の迷惑行為防止条例における「卑わいな行為」に関する有名な判例として、北海道旭川市のショッピングセンター内で、女性客に対して約5分間、およそ40メートルにわたってカメラ付き携帯電話を相手の臀部あたりに狙って追い回して盗撮したという事案において、たとえ女性の服の上から臀部を撮影する行為についても、本件の撮影行為全体を見た時に、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな動作であることは明らかであり、これを被害者が知った時に被害者を著しく羞恥させ、被害者を不安にさせるものと言えると判断し、有罪判断を下しています。

つまり、強制わいせつ罪や公然わいせつ罪等に該当しない、他人を不愉快にさせる可能性が高い性的な言動について、迷惑行為防止条例違反として広く処罰される可能性が残されているため、スキンシップ目的や悪戯目的であっても刑事事件化の可能性があることに注意が必要です。

このような事案で刑事事件化した場合には、刑事事件に強い弁護士を介して、被害者に対して謝罪や賠償を申し出ることで被害者の処罰感情を和らげる努力をすることが効果的です。

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静岡県静岡市葵区で歩行者が交通事故で立件?

2019-06-04

静岡県静岡市葵区で歩行者が交通事故で立件?

静岡県静岡市葵区在住の会社員Aさんは、夜遅くにビールで晩酌をしていましたが、飲み足りないと思い、自宅近くのコンビニにビールを買いに行こうとしたところ、夜なので信号無視しても問題ないだろうと考え、歩行者用信号が赤であるにも関わらず漫然と歩道を横断していたところ、通りかかったバイクと衝突してしまいました。
事故の大きな音に気付いた近隣住人が警察に通報しましたが、Aさんは体を複雑骨折する重傷を負い、バイクに乗っていたVさんは体を激しく打って即死していました。
交通事故現場を検証した静岡県警静岡中央警察署によれば、事故の原因はAさんが歩行者信号を無視して横断歩道を渡ろうとしたことにあると見て、Aさんを過失傷害罪または重過失致傷罪の疑いで捜査を進めています。
(※令和元年6月3日の共同通信社の記事を元に、事実の一部を変更したフィクションです。弊所で受任した事案ではありません。)

上記刑事事件例は、交差点で信号を無視して横断していたところ、青信号で進入してきたバイクと衝突してバイク運転手を転倒させて死亡させたとして、今年6月3日、静岡中央警察署が信号無視して歩道を横断した男性を重過失致死罪の疑いで書類送検した事案をモデルにしています。

刑事事件の分野では、通常は交通弱者である歩行者が、交通事故に関する過失致死罪重過失致死罪立件されるのは非常に珍しいケースと言えるでしょう。

具体的な被疑事実は、平成31年1月16日午後11時45分ごろ、静岡市葵区昭和町の交差点において、被疑者は歩行者用信号が赤であるにも関わらず横断し、青信号で走行してきた同市葵区の男性会社員のバイクと衝突し、バイクの男性を転倒させ、死亡させたとの疑いです。
この事故で、被疑者も首の骨を折る重傷を負ったようです。

なお、バイクの男性も、過失傷害罪の疑いで被疑者死亡のまま書類送検されています。

一般に、人が日常生活を送る上で、故意ではないにせよ過失により人を負傷させてしまうことはしばしば起こり得ることであり、刑法で処罰規定が定められています。
まず、過失により人を傷害した場合、30万円以下の罰金または科料が科せられます(刑法第209条、過失傷害罪)。
また、過失により人を死亡させた場合、50万円以下の罰金が科せられます(刑法第210条、過失致死罪)。
さらに、業務上必要な注意を怠り、あるいは、重大な過失により人を死傷させた場合、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金が科されます(刑法第211条、業務上過失致死傷罪、重過失致死傷罪)。

例えば、人が自転車に乗っていて、自転車の操作を過って他人にぶつけてしまい負傷させてしまった場合では、多くの場合は、真摯に謝罪したり、若干の謝罪金等を支払うことによって、当事者間の話し合い(示談)で刑事事件化せずに済むことが多いでしょう。
しかし、被害者が死亡した場合や、傷害の程度があまりに甚大な場合は、被害者が被害届を出したり、警察の介入により捜査が開始することになる可能性が高まります。

上記事案では、バイクを運転していた被害者が死亡したという事案の重大性に加え、被疑者が歩行者として遵守すべき信号を無視したという点の過失の重大さも考慮されて立件に至ったと考えられ、被疑事実を認めるのであれば、被害者遺族に対する謝罪や見舞金等の対応で反省の意を示し、効果的な情状主張を行う刑事弁護活動を行うことが有効だと考えられます。

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