Archive for the ‘刑事事件’ Category

静岡県浜松市でみかじめ料の要求で脅迫罪

2019-06-20

静岡県浜松市でみかじめ料の要求で恐喝罪

静岡県浜松市で飲食店を経営するVさんが、営業後に店内の片づけをしていると、Aを中心とする3人の男が店に入ってきました。
Aは、「ここらへんの店はみかじめ料を払っている。払わなかった奴は病院送りにしてやる。」と脅してVさんからみかじめ料を徴収しようとしました。
Vさんは、「今は現金がない。後で銀行からお金をおろして支払う」と嘘をつき、静岡県警浜松東警察署恐喝の被害を訴え、警察は店の防犯カメラ等からAら3人の身元を特定し、恐喝未遂罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aは黙秘しています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年5月23、岡山市内の飲食店の前で店のスタッフがビラ配りをしていたことに因縁を付け、20代の男性店長に「他の店は払っとるところもあるからな」などと言い、みかじめ料として現金を脅し取ろうとした疑いがあるとして、岡山中央警察署が今年6月6日、恐喝未遂罪の疑いで指定暴力団神戸山口組系組員の男性を逮捕した事案をモデルにしています。
警察の調べに対し、被疑者は黙秘しているとようですが、被害にあった店は岡山市暴力団威力利用等禁止条例に定められた暴力団排除強化地域にあり、同条例違反の疑いでも調べが進められています。

恐喝罪を定める刑法第249条は、人を恐喝して財物を交付させた者に対して、10年以下の懲役を科しています。

この恐喝行為は、本人だけでなく、本人の親族に対する恐喝でも同様に恐喝罪が成立し(同条第2項)、また、上記恐喝行為によって必ずしも被害者が畏怖や恐怖の念を抱いたことは必要ないとされています(判例)。

ただ、上記事例においては、複数の男が一人の男性のもとに押しかけ、自分の要求を断れば暴力的手段により負傷することを伝達しており、生命や身体に対する害悪の告知として認定されることは間違いなく、恐喝罪の成立を否定することは難しいと言えるでしょう。

また、暴力団やそれに準ずる半グレのような者による脅迫行為の場合、「団体または多衆の威力を示し」たり、「凶器を示し」たりして数人共同で脅迫罪を行うことも多く想定されるところ、このような場合には暴力行為処罰法違反という特別法によって重い刑事責任を追及されることもあり得ます。

さらに、恐喝罪は、その性質上、被害者に対する威迫が強く想定されるため、被疑者による被害者への圧力を防止するためにも被疑者の身体拘束を行う必要が高いと判断されるため、高い確率で最大20日間の勾留が決定することも予想されます。

このような恐喝罪刑事事件逮捕された場合には、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に依頼し、身柄解放の活動とともに示談交渉を始めてもらうことが大切です。

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静岡県掛川市で酔って路上で強制わいせつ罪で逮捕

2019-06-18

静岡県掛川市で酔って路上で強制わいせつ罪で逮捕

静岡県掛川市在住の会社員Aさんは、掛川市内の居酒屋で友人らと酒を飲み、酔った状態で帰宅している途中、好みの女性Vさんが歩いているのを見かけました。
Aさんは、「これから遊びに行かないか」と誘ったものの、Vさんにあしらわれたため逆上し、無理矢理Vさんの胸や尻を触る等のわいせつ行為を行いました。
悲鳴を上げたVさんがAさんを突き飛ばして逃れ、110番通報し、後日、Aさんは静岡県警掛川警察署によって強制わいせつ罪の疑いで逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは「記憶にない」と被疑事実を否認しています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年2月23日午前1時半ごろ、東京都練馬区の路上で、帰宅中の40代女性に対し、いきなり肩をつかんで押し倒し、無理やりわいせつな行為をしたとして、今年6月17日、男性被疑者が強制わいせつ罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
警察の調べに対し、被疑者は「記憶がないのでわかりません」と供述し、逮捕事実を否認している模様です。
2人に面識はなく、被疑者による場当たり的な犯行と見られており、犯行現場周辺の防犯カメラの映像などから被疑者の身元が浮上したと言います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる性犯罪のご相談のうち、強制わいせつ罪に関する事案はかなりの割合を占めています。

強制わいせつ罪を定める刑法第176条によれば、13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした場合、6月以上10年以下の懲役を科しています。

判例によれば、「暴行」とは、正当な理由なく、他人の意思に反して、その身体に力を加えることを言い、その力の大小強弱は問わないとされています。

具体的には、被害者女性がキスすることを承諾することを予期する事情が無いにも関わらず、相手の感情を無視してキスすることで強制わいせつ罪が成立するとした判例があります。

つまり、強制わいせつ罪の構成要件である「暴行又は脅迫」は、殴る蹴る等の明確な形での暴力である必要はなく、人の意思に反して、胸や陰部等を触ったり、キスすること自体が「暴行」となり、「暴行」=「わいせつ行為」として強制わいせつ罪が成立することがあることに注意をする必要があります。

性犯罪刑事事件では、事案の性質上、被疑者の方が事実に関して口を閉ざしがちになったり、被害者の供述との不一致が生じることが多く、逮捕に続く勾留が決定されたり、起訴された場合には事実の認定をめぐって公判が長期化する傾向があり、被疑者が被疑事実を否認している場合には、その傾向はより一層顕著になるでしょう。

このような性犯罪刑事事件化または逮捕された場合には、すぐに刑事事件に詳しい弁護士の力に頼ることが大切です。

静岡県掛川市で酔って路上で強制わいせつ行為を行って刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

静岡県焼津市で他人のペットの窃盗と虐待

2019-06-16

静岡県焼津市で他人のペットの窃盗と虐待

静岡焼津市において、飼い猫が行方不明になる事案が相次いでいます。
焼津市住人の目撃者によれば、不審な男性が首輪のついた猫を袋に入れて自動車に乗せて走り去った姿が目撃されるなどしており、他人の飼い猫を盗む窃盗事件の疑いがあるとして、静岡県警焼津警察署は警戒のパトロールを強化しています。
警察官がパトロールを強化した結果、焼津市内からは猫の死体が複数発見され、その猫は飼い主のもとから窃盗されたものと一致したため、警察は窃盗罪器物損壊罪等の疑いで犯人の行方を追っています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、他人の飼い猫を盗んだとして富山市の52歳の男性が窃盗罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
富山県内では2019年に入り、飼い猫が何者かに連れ去られる被害が相次いでおり、県内の動物保護グループが自主的に捜索を続けた際、被疑者男性の嫌疑が持ち上がったとのことです。
警察の調べに対し、被疑者男性は被疑事実を認めており、「猫はいじめたかった。猫にお湯をかけたりした。死んだ猫は用水路に捨てた。これまでに50匹から100匹の猫を殺した」と供述しているようです。
被疑者の供述から、今回の逮捕事実である猫1匹の窃盗の疑い以外にも余罪が多数あると見て、警察は、器物損壊罪動物愛護法違反の疑いも視野に入れ捜査を続けています。

動物愛護の観点から異論のある方も多くいるとは推測されますが、日本の刑法において生命や身体の安全が保護されるのは「人(人間)」であり、犬や猫等のペットは、人間の所有する「財産」とみなされ、他人の所有(飼育)するペットを盗むことは窃盗罪に該当し、他人の所有(飼育)するペットを殺したり傷つけることは器物損壊罪に該当するというのが、飼い主に対する刑法上の責任として規定されています。

窃盗罪器物損壊罪刑事事件化した場合、刑事弁護の常套手段としては、財産の所有者に対して謝罪し、被害の弁償や示談金の支払い等を申し出ることが通常でありますが、このようなケースでは被害の対象物が生き物であり、ペットの飼い主はペットに対して深い愛情を抱いていることが考えられるため、示談が成立することはほとんど考えられないと思われます。

また、動物の虐待や遺棄を防止し、動物の生命や尊厳を保護する目的で成立した「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」では、動物に対する虐待の禁止を謳っており、ペットの適切な管理等の詳細は各都道府県の条例によって定めるとしています。
静岡県では、「静岡県動物の愛護及び管理に関する条例(静岡県動物愛護条例)」を制定し、動物の保護と適切な管理について必要な事項を定めていますが、このような条例が想定するのは、ペットの「飼い主」に対する責任と、その責任を果たさない場合の罰則であるため、他人のペット窃盗して虐待を加えた場合には、器物損壊罪の適用は別にして、動物愛護条例の罰則が適用できないこともあるでしょう。

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静岡県伊豆市の飲酒の危険運転を黙認・幇助

2019-06-14

静岡県伊豆市の飲酒の危険運転を黙認・幇助

静岡伊豆市在住の会社員Aさんは地元で飲食店を経営する友人Bらと夜の海岸沿いをドライブに行きました。
Aさん所有の自動車をAさんが運転している間、同乗していたBや友人らは缶ビール等を大量に摂取して、かなり酔っ払っていたところ、ドライブの途中でBさんが「俺にも運転させろ」と言いだしました。
既に酒に酔っているBさんが自動車を運転することを制止する者はおらず、むしろ面白がってBさんの運転を勧める者もおり、Aさんもその場の雰囲気に従ってBさんに運転させた結果、Aさんは酒酔い状態のため注意力が散漫になっており、対向車線を走っていた自動車と衝突した結果、対向車に乗っていた運転手V1さんは重度の後遺障害が残る重傷を負い、助手席にいたV2さんも胸部圧迫による骨折の負傷を負いました。
事故現場を検証した静岡県警大仁警察署は、Bさんが酒酔い状態で危険運転を行ったことで対向車に衝突し、その結果V1およびV2さんに重大な負傷を負わせたと判断し、Bさんを自動車運転処罰法違反危険運転致死傷罪)の疑いで逮捕し、同乗していたAさんらはBさんが酒酔い状態での危険運転を制止するどころか黙認しており、むしろ幇助していた疑いがあるとして、自動車運転処罰法違反危険運転致死傷罪)の幇助の疑いで警察に呼び出しました。
(※フィクションです)

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法違反)において、第2条において、「危険運転」に該当する具体的な行動を列挙しています。。

例えば、「アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」、「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」、「人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」、「赤信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」等が列挙されています。

これらの危険運転によって、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以下の有期懲役が科せられます(実務では自動車運転処罰法第2条を「危険運転致死傷罪」と呼んでいます)。

この危険運転致死傷罪刑事事件化した場合、刑事弁護の実務上では、ほとんどのケースで検察官が起訴するため、公開の刑事裁判になることが予想されます。
そして、危険運転致死傷罪の過去の裁判例の量刑を見ると、被害者の被害状況が致傷に留まる場合であれば、執行猶予付き判決が下される例が多く見られますが、被害者が死亡してしまった事案(致死)や、無免許運転による刑の加重がされる場合等では、かなり重い懲役刑が科される事案も見受けられます。

埼玉県熊谷市で2008年、酒酔い運転の男が夫婦らを死傷させた事故をめぐり、同乗者として危険運転致死傷罪幇助の罪に問われた被告人の裁判員裁判で、さいたま地方裁判所は、懲役2年(求刑懲役8年)の判決を言い渡した事例もあります。

この判決は、飲酒運転による事故が後を絶たず厳罰化を求める声が強まる中、市民の代表である裁判員が酒酔い運転を行った者の同乗者の責任の重さを厳しく判断したと理解されています。

静岡県伊豆市飲酒危険運転黙認幇助するなどして刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

静岡県浜松市の観光地での無許可のドローン撮影

2019-06-12

静岡県浜松市で無許可のドローン撮影

静岡浜松市浜松駅前の大通りにて、他県から観光に来ていた会社員Aさんが、旅行の記念のためにカメラを搭載したドローンを使用して空撮を試みました。
それを目撃した通行人の通報により静岡県警浜松警察署の警察官が現場に急行し、Aさんのドローン撮影をすぐに中止させ、人通りの多い浜松駅前でのドローン飛行は許可が無ければ法的に許されないとして、航空法違反の疑いでAさんを浜松中央警察署まで連行して事情聴取を求めました。
Aさんは浜松中央警察署にて任意の取調べを受け、その日はいったん家に帰されましたが、警察からは再度呼び出すと申し伝えられました。
Aさんは、無許可ドローン撮影により自分がどのような責任を負うのか不安となり、刑事事件に詳しい弁護士に法律相談をすることにしました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年6月7日、東京都千代田区のJR東京駅周辺にて、中国から仕事で来日していた50歳代の北京市職員の男性が、無許可ドローンを飛ばしたとして、航空法違反の疑いで警視庁丸の内警察署から事情聴取された事案をモデルにしています。

警察によれば、被疑者は、日午前8時頃、東京駅の丸の内側の路上で、無許可で全長約30センチ・重さ約900グラムのドローンを飛行させた疑いが持たれています。
近くにいた警察官が被疑者を制止し、ドローンのカメラには被疑者男性が来日中に撮影したと思われる、東京駅の駅舎や迎賓館の映像が残っており、被疑者は「日本の景色を撮影したかった」と動機を供述している模様です。

ここ数年話題となったドローンは、航空法第2条第22項の「無人航空機」に該当し、航空法の規制対象となります。

ドローンは、国土交通省が危険と判断して指定した空域や、人や家屋が密集している地域の上空を飛行することはできません(航空法132条)。

また、仮にドローン飛行が許可された空域等でドローンを飛行させる場合であっても、日出から日没までの間に飛行すること、ドローンとその周囲の状況を常時目視で監視して飛行させること、ドローンと地上または水上の人・物件との間に規定の距離を保って飛行させること、祭礼・縁日・展示会その他の多くの者が集合する催しが行われている場所の上空では飛行禁止であること、ドローンから物を投下しないこと等の規制を守ってドローンを飛行させなければなりません(航空法132条の2)。

上記のドローン(無人航空機)に関する航空法規定に違反した場合、50万円以下の罰金が課されます(航空法157条の4)。

航空法違反してドローン飛行を行い、刑事事件化した事案として、目視外飛行、高高度飛行、夜間飛行、花火大会での無許可飛行等のケースがあり、多くの場合、在宅のまま事件が検察官へ送致(書類送検)されています。
ただし、違法飛行に関して警察へ出頭しなかった事案で逮捕に至ったケースも見受けられます。

被疑事実が航空法違反のみであれば罰金刑のみですが、例えば、器物損壊罪や威力業務妨害罪が同時に成立する場合では、逮捕の可能性が高まったり、懲役刑が課される可能性があり得ます。

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静岡県静岡市で交際相手の家に放火で逮捕

2019-06-10

静岡県静岡市で交際相手の家に放火で逮捕

静岡県静岡市駿河区の大学に通う女性Aさんは、同じ大学に通う男子大学生Vさんと交際して1年が経過しますが、2人は普段から些細なことで言い争いになることが多く、そのことに嫌気がさしたVさんが他の女性と親しくするようになりました。
このことに激怒したAさんは、静岡市駿河区にあるVさん宅へ押しかけ、激しい口論の挙句、Vさんがトイレのために席を外した際、Vさん宅の台所のガスコンロでVさんの服を燃やしてVさん宅に放火しようとしました。
Vさんの服は激しく燃え上がったものの、火災を検知したスプリンクラーが作動したため、火は部屋に燃え広がることなく、ガスコンロの一部が燃えるに留まりました。
Vさんは警察に通報し、静岡県警静岡南警察署がVさん宅のボヤ騒ぎの原因を調査し、Vさんが放火の被害を訴えたこともあり、Aさんは現住建造物等放火未遂罪の疑いで逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは黙秘しています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年6月6日、交際相手の男子学生宅に放火しようとしたとして、警視庁代々木警察署によって東京大学の女子生徒が現住建造物等放火未遂罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
被疑者は、交際相手の男子大学生が住む渋谷のマンション室内で、ガスコンロの上に洋服を置いて火をつけた疑いがあり、警察の調べに対し、黙秘しているようです。
事件直前に被疑者と口論になった男子学生が近くの交番に駆け込み、警察官が一緒に部屋に行くと、スプリンクラーが作動し洋服から煙が出ていたため、警察が捜査を開始しました。

刑法第9章は、「放火及び失火の罪」を定めており、放火して、現に人が住居に使用しまたは現に人がいる建造物等を焼損した場合、死刑または無期もしくは5年以上の懲役が科されます(現住建造物等放火罪、刑法第108条)。

判例によれば、「放火」とは、故意をもって、自分が点じた火が燃焼の目的である建造物等に燃え移り、独立して燃焼し続けることを意味し、「現住建造物」とは、建造物が人の住居に使用し、または人の現在するものであることであれば足りると解されており、その建造物使用の主な目的は問わないとされています。

そして、人が一時的に不在であることを知っており、結果として人の不在であった建造物放火した場合であっても、その建造物に住んでいた者が戻ってくれば居住を継続するものと認識していた場合には、その建造物現住建造物に該当すると判断されています(最高裁判例)。

上記事案においては、防火設備であるスプリンクラーが作動したために、ガスコンロ等の什器が燃えたに留まり、建造物自体の焼損へ至らなかったために「未遂」となっていますが、それはあくまでスプリンクラーによる消火の結果に基づくものであり、被疑者が火をつける実行行為をした段階で、建造物の住む人を殺す意図だったのか、建造物だけを燃やす意図だったのか、捜査機関による厳しい追及が予想されます。

捜査機関に対して黙秘することは、弁護士から刑事手続や捜査対応に関する知識や助言を受ける前であれば、不適切な供述をしてしまうよりは良いという点でメリットがありますが、捜査機関による証拠の収集により着々と犯罪の証拠を揃えていく中で被疑者が一貫して黙秘を貫くことは、情状面での大きなデメリットとなることも覚悟しなければなりません。

放火に関する刑事事件で、現住建造物等放火罪が成立する可能性がある事案では、科される法定刑が非常に重く、自分が関わった行為について適切に捜査機関に主張していくことが極めて重要となりますので、自分が不当に重い刑事責任を負わないためにも、放火刑事事件に詳しい弁護士に相談することが大切です。

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静岡県藤枝市で犯人である友人を蔵匿隠避して逮捕

2019-06-08

静岡県藤枝市で犯人である友人を蔵匿隠避して逮捕

静岡県藤枝市在住の飲食店経営者Aさんは、深夜、友人Bから待ち合わせをしたいとの連絡を受けてBと待ち合わせをしました。
Bいわく、Bは飲酒運転をしているところを警察官に発見され、パトカーで追跡されたために逃走してしまったとのことで、今は持ち合わせがないために、数万円のお金を貸してほしいとのことでした。
Aは、Bの逃走を助けるような金を貸して良いのか不安に思ったものの、Bには様々な恩を受けていたために依頼を断ることが出来ず、持ち合わせていた約4万円をBに渡しました。
その後、Bは道路交通法違反(酒酔い運転)および自動車運転処罰法違反(過失運転致傷罪)の疑いで逮捕され、静岡県警藤枝警察署の捜査上でAがBに対して現金を手渡しBの逃走を助けたことが判明し、Aは犯人隠避罪の疑いで逮捕されました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年5月26日、奈良県橿原市でパトカーに追跡されていた乗用車が信号待ちの車3台に衝突し、うち1台を運転していた男性にけがをさせて逃走した少年被疑者らに対して、その逃走中の少年らの宿泊費を支払った女子高校生(17歳)が犯人隠避罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。

上記事件の背景として、まず、橿原市の無職少年(17歳)が、他の少年らを同乗させて橿原市新堂町の国道24号を自動車で無免許運転していたところ、他の乗用車に追突して運転手の男性に軽傷を負わせてしまい、無免許運転が発覚することを恐れて逃亡しました。
この少年は同乗していた少年らと協力し、また、知り合いの女子高校生(17歳)から現金を受け取り宿泊費等にあてて逃走を続けたものの、およそ1週間後に滋賀県大津市のパチンコ店にいたところを警察官に発見されました。
事故の際に自動車を運転していた少年は、自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許過失運転致傷罪)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕され、車に同乗していたとして17歳の少年2人は、道路交通法違反(無免許運転同乗)の疑いで逮捕され、逃走中の少年らの宿泊費を支払った女子高校生は、犯人隠避罪の疑いで逮捕されました。
いずれの被疑者も被疑事実を認めている模様です。

罰金以上の刑にあたる罪を犯した者または拘禁中に逃走した者を、蔵匿または隠避させた場合、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(犯人蔵匿・隠避罪)。

蔵匿」とは、捜査機関による犯人の発見や逮捕を免れるべき隠匿場を提供することを言い、「隠避」とは「蔵匿」以外の方法で捜査機関の発見・逮捕を免れる手段を講じることを言います。

この法律は、刑事司法に関する国家権力の作用を妨害する者を処罰することで司法の運用の円滑化を図るものであり、「罪を犯した者」とは、広く、犯罪の嫌疑によって捜査中の者を含むと解されています(最高裁判例)。

犯人を蔵匿または隠避をする者は、犯人が、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者として捜査中であることさえ知っていたことさえあれば足り、当該犯人の刑が確定的であることの事実や証拠について認識は必要ではありません(判例)。

犯人蔵匿・隠避罪は、捜査機関から犯人の捜索を妨げる行為を行ったという性質上、別の犯罪とはいえ、犯人との共犯的な立場に近いとみなされ、罪証(証拠)隠滅のおそれが比較的高いと疑われる傾向にあり、逮捕後に続いて勾留決定が下される可能性も低くはないでしょう。

このような場合、まずは刑事事件を専門とする弁護士に早期に身柄解放をしてもらえるよう働きかけをしてもらうと同時に、身柄拘束中に不適切な供述や不合理な弁解、今後の刑事手続で自分に不利になりかねない供述をしないよう捜査対応の指導や助言を受けることが大切です。

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静岡県三島市の電車内や駅で服の上から盗撮

2019-06-06

静岡県三島市の電車内や駅で服の上から盗撮

静岡県三島市在住の会社員Aさんは、電車での通勤途中、自分好みの女子高校生Vさんを見かけたため、電車内でVさんに近づき、Vさんの顔をじろじろ眺めた後、Vさんが降車したで自分も降車して、Vさんにつきまとい、その後ろ姿を写真機能付きの携帯電話で盗撮しました。
Vさんは警備員に助けを求め、Aさんは警備員に取り押さえられ警備員室へ連行され、その後、駆けつけた静岡県警三島警察署の警察官によって静岡県迷惑行為等防止条例違反の疑いで逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは「Vさんがとても可愛かったため思わず写真を撮ってしまった」と被疑事実を認めています。
(※フィクションです)

【服の上から盗撮は罪?】

上記刑事事件例は、通学中の女子高校生に度々つきまとい、携帯電話のカメラで盗撮したとして、今年6月5日、兵庫県高砂市の男性が兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。

警察によれば、今年5月29日と6月4日、兵庫県姫路市白浜町の山陽電鉄白浜の宮から同市大塩町の同電鉄大塩まで、通学していた高校1年の女子生徒2人につきまとい、ホームで女子生徒の容姿を盗撮した疑いがあるのに対し、被疑者は黙秘しているようです。

被害に遭っていた女子生徒の1人が、盗撮している被疑者の姿をスマートフォンで撮影して警察に相談したところ、警備を強化した警察官が白浜の宮に張り込んでいたところに、被疑者が現れ、今回の犯行に及んだようです。

静岡県迷惑行為等防止条例では、第3条において「何人も、正当な理由がなく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を 覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。」としています。

具体的には、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上からまたは直接人の身体に触れること(痴漢行為)、公共の場所又は公共の乗物にいる人の下着又は身体をのぞき見ること(覗き行為)、公共の場所又は公共の乗物にいる人の下着等を見る目的又はその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、又は下着等に向けること(盗撮行為)等が列挙されており、これら以外の不適切な行為についても、「公共の場所又は公共の乗物にいる人に対して、卑わいな言動をすること」を広く禁止しています。

これらの卑わいな行為を行った場合、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金で処罰されることになります。

各都道府県の迷惑行為防止条例における「卑わいな行為」に関する有名な判例として、北海道旭川市のショッピングセンター内で、女性客に対して約5分間、およそ40メートルにわたってカメラ付き携帯電話を相手の臀部あたりに狙って追い回して盗撮したという事案において、たとえ女性の服の上から臀部を撮影する行為についても、本件の撮影行為全体を見た時に、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな動作であることは明らかであり、これを被害者が知った時に被害者を著しく羞恥させ、被害者を不安にさせるものと言えると判断し、有罪判断を下しています。

つまり、強制わいせつ罪や公然わいせつ罪等に該当しない、他人を不愉快にさせる可能性が高い性的な言動について、迷惑行為防止条例違反として広く処罰される可能性が残されているため、スキンシップ目的や悪戯目的であっても刑事事件化の可能性があることに注意が必要です。

このような事案で刑事事件化した場合には、刑事事件に強い弁護士を介して、被害者に対して謝罪や賠償を申し出ることで被害者の処罰感情を和らげる努力をすることが効果的です。

静岡県三島市で、電車内や服の上から盗撮して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

静岡県静岡市葵区で歩行者が交通事故で立件?

2019-06-04

静岡県静岡市葵区で歩行者が交通事故で立件?

静岡県静岡市葵区在住の会社員Aさんは、夜遅くにビールで晩酌をしていましたが、飲み足りないと思い、自宅近くのコンビニにビールを買いに行こうとしたところ、夜なので信号無視しても問題ないだろうと考え、歩行者用信号が赤であるにも関わらず漫然と歩道を横断していたところ、通りかかったバイクと衝突してしまいました。
事故の大きな音に気付いた近隣住人が警察に通報しましたが、Aさんは体を複雑骨折する重傷を負い、バイクに乗っていたVさんは体を激しく打って即死していました。
交通事故現場を検証した静岡県警静岡中央警察署によれば、事故の原因はAさんが歩行者信号を無視して横断歩道を渡ろうとしたことにあると見て、Aさんを過失傷害罪または重過失致傷罪の疑いで捜査を進めています。
(※令和元年6月3日の共同通信社の記事を元に、事実の一部を変更したフィクションです。弊所で受任した事案ではありません。)

上記刑事事件例は、交差点で信号を無視して横断していたところ、青信号で進入してきたバイクと衝突してバイク運転手を転倒させて死亡させたとして、今年6月3日、静岡中央警察署が信号無視して歩道を横断した男性を重過失致死罪の疑いで書類送検した事案をモデルにしています。

刑事事件の分野では、通常は交通弱者である歩行者が、交通事故に関する過失致死罪重過失致死罪立件されるのは非常に珍しいケースと言えるでしょう。

具体的な被疑事実は、平成31年1月16日午後11時45分ごろ、静岡市葵区昭和町の交差点において、被疑者は歩行者用信号が赤であるにも関わらず横断し、青信号で走行してきた同市葵区の男性会社員のバイクと衝突し、バイクの男性を転倒させ、死亡させたとの疑いです。
この事故で、被疑者も首の骨を折る重傷を負ったようです。

なお、バイクの男性も、過失傷害罪の疑いで被疑者死亡のまま書類送検されています。

一般に、人が日常生活を送る上で、故意ではないにせよ過失により人を負傷させてしまうことはしばしば起こり得ることであり、刑法で処罰規定が定められています。
まず、過失により人を傷害した場合、30万円以下の罰金または科料が科せられます(刑法第209条、過失傷害罪)。
また、過失により人を死亡させた場合、50万円以下の罰金が科せられます(刑法第210条、過失致死罪)。
さらに、業務上必要な注意を怠り、あるいは、重大な過失により人を死傷させた場合、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金が科されます(刑法第211条、業務上過失致死傷罪、重過失致死傷罪)。

例えば、人が自転車に乗っていて、自転車の操作を過って他人にぶつけてしまい負傷させてしまった場合では、多くの場合は、真摯に謝罪したり、若干の謝罪金等を支払うことによって、当事者間の話し合い(示談)で刑事事件化せずに済むことが多いでしょう。
しかし、被害者が死亡した場合や、傷害の程度があまりに甚大な場合は、被害者が被害届を出したり、警察の介入により捜査が開始することになる可能性が高まります。

上記事案では、バイクを運転していた被害者が死亡したという事案の重大性に加え、被疑者が歩行者として遵守すべき信号を無視したという点の過失の重大さも考慮されて立件に至ったと考えられ、被疑事実を認めるのであれば、被害者遺族に対する謝罪や見舞金等の対応で反省の意を示し、効果的な情状主張を行う刑事弁護活動を行うことが有効だと考えられます。

静岡県静岡市で、歩行者による交通事故刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

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