Archive for the ‘財産犯罪’ Category
静岡県熱海市の業務上横領罪
静岡県熱海市の業務上横領罪
静岡県熱海市在住の会社員男性Aさんは、懇意にしている外国人女性ホステスに貢ぐために、多くのお金を必要としており、勤務先の会社から架空の支出として数回にわたって支出を計上し、合計1000万年近くの金額を横領していました。
このたび、会社が使途不明金の調査をしている過程で不自然な支出の計上がAさんによるものと判明し、会社が横領の事実を追及したところAさんが認めたため、会社は静岡県警熱海警察署に刑事告訴を行い、Aさんは業務上横領罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、元勤務先の医療法人から多額の現金を横領したとして、愛知県警が今年3月13日、現在無職の女性を業務上横領の疑いで逮捕した事件をモデルにしています。
被疑事実は、昨年12月と今年1月、当時勤めていた名古屋市内の医療法人から、2回にわたり計1千万円を着服したとのことですが、業務上横領の被害に遭った医療法人では、被疑者が経理担当として在職していた昨年11月から数カ月の間に、1億円以上にのぼる使途不明金が出ており、警察は不明金の行方について確認を進めています。
被疑者は業務上横領の事実を認めており、ネットを通じて知り合った外国人男性がお金に困っており助けたかったとの理由でお金を必要としていたと供述しているようです。
当該被疑者は、横領した1千万円のほかにも、数百万円以上を複数回にわたって、ネット上で知り合った外国人を名乗る男性名義の口座に振り込んでおり、当該被疑者は昨今被害が増えている「国際ロマンス詐欺」に遭い、金をだまし取られていた可能性もあると見られています。
会社のお金を業務上横領する刑事事件では、そのほとんどが、遊行費や借金の返済等、極めて個人的な動機に基づいて行われることが多く、また、被害者である会社からすれば、信頼していた従業員に恩を仇で返された形となり、横領の事実が発覚した場合、その処罰感情が極めて大きくなる傾向が強いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部にも、会社のお金を横領して業務上横領罪で問題となり法律相談にいらっしゃる方が何度かございました。
業務上横領が発覚した場合、多くの会社は警察に対して被害届または刑事告訴を行うことが通常で、そうして刑事事件化した場合、警察は被疑者を逮捕することが大多数であり、その後最大20日間におよび勾留へとつながるケースが多いところですが、小規模な会社や親族経営会社等の場合は、被疑者と勤め先の人的つながりが強いことから、なぜ会社の金を横領してしまったか等の話し合いを求めるケースもあり、場合によっては民事上の問題として決着をつけること(和解、示談)で、被害会社が被害届や刑事告訴を留まり、刑事事件化を阻止できる場合があることもあり得ます。
また、業務上横領罪では、数回にわたって横領行為を行った結果、最終的な横領金額を被疑者本人が認識していないケースも意外と多く、また、被疑者が認識している横領金額以上に被害会社が被害金額を申告してくることも多々見受けられ、横領の事実(金額)に関して一部否認という扱いとなり、裁判所に罪証(証拠)隠滅の恐れがあると判断され、身体拘束が長引いてしまう傾向もあります。
ゆえに、業務上横領罪の刑事事件では、できるだけ民事上の問題で解決できるよう迅速に行動しつつ、その一方で刑事事件化する可能性も濃厚であることを踏まえ、特に問題となる横領金額をどの程度認めるか等について、終始一貫した捜査対応が求められるため、刑事事件の手続きに経験豊富な弁護士に事件を依頼することが望ましいでしょう。
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静岡県伊豆市で高齢者の万引き(窃盗)
静岡県伊豆市で高齢者の万引き(窃盗)
静岡県伊豆市在住の年金受給者Aさん(73歳)は、最近認知症の症状が進行し、家族の目を盗んで家を出て市内を徘徊したりするようになってきました。
ある日、Aさんの娘のもとに静岡県警大仁警察署から連絡があり、Aさんが散歩の途中で立ち寄った市内のスーパーで総菜を盗んだとして、万引き(窃盗罪)の疑いで逮捕されたとのことです。
Aさんの娘は、Aさんがどのような刑事処分を受けるのか不安になり、またAさんが高齢ゆえに1日でも早く釈放されるよう希望し、刑事事件を得意とする弁護士に相談することにしました。
(※フィクションです)
【高齢化時代の刑事事件】
警察庁の警察白書によれば、65歳以上の高齢者による万引き(窃盗罪)事件が増加しています。
一般刑法犯罪の検挙人員に占める65歳以上の割合は、平成10年度あたりから右肩上がりに上昇し始め、平成20年ごろには検挙人員が3倍近く増加しています。
万引き(窃盗罪)を行った高齢者の犯行動機について主なもの3つまで調査した結果は、男性の場合、1.生活の困窮(66%)、2.対象物の所有(36.6%)、3.空腹(18.8%)となっています。
対して女性の場合、1.対象物の所有(63%)、2.節約(59%)、3.生活の困窮(22%)となっています。
そして、注目すべきは、万引き(窃盗罪)で検挙された高齢者のうち、77%が同種の前科あることです。
つまり、上記の万引き(窃盗)の動機を見るに、生活の困窮や空腹など、容易には状況を改善することができない原因で逮捕された場合には、かなりの確率で再犯を行うことが多いということです。
また、高齢に伴う前頭葉や側頭葉の収縮により、認知症の一種であるピック病にかかり、性格が変わったり、万引き(窃盗罪)や暴行罪などの反社会的な行動をとるようになるケースがあると言います。
ピック病は発症が分かりにくく、自分が万引き(窃盗罪)で捕まったことをきっかけにピック病が見つかったというケースもあるようです。
なお、高齢者の万引き(窃盗罪)については、初犯から一度目の再犯ぐらいまでは、罰金刑に処せられるケースが多く、20万から30万の罰金という量刑が多いようです。
このように、高齢者の万引き(窃盗罪)は、再犯の可能性が大きく、それゆえ前科がついてしまう可能性もありえます。
他方、高齢者の万引き(窃盗罪)事案で逮捕されてしまった場合、被疑者の身元引受人やその後の監督状況がしっかり整っていることを捜査機関に適切に主張することで、勾留までには至らず釈放される可能性は十分見込まれますので、事実が発覚した場合には、すぐに刑事事件専門の弁護士にご相談することをお勧めします。
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静岡県富士宮市で店員とのトラブルで器物損壊罪
静岡県富士宮市のコンビニで器物損壊罪
トラック運転手をしているAさんは、ある夜、静岡県富士宮市の道路を走っていたところ、用を足すついでに飲食物を購入しようとコンビニ店に立ち寄りました。
ところが、Aさんが会計を済ませる際、コンビニ店の店員の手際が悪く、それに対して謝罪もなかったことからAさんは苛立ち、店を去り際にガラス戸を強く蹴りつけたため、ガラス戸に大きなヒビがはいりました。
ガラス戸が損壊していることに気付いた店員が静岡県警富士宮警察署に器物損壊罪の被害を訴え、警察は店の防犯カメラからAさんの身元を特定し、器物損壊罪の疑いで警察への出頭を求めました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年9月18日、コンビニのガラス戸を足蹴りして壊したとして、兵庫県警灘警察署が49歳の会社員男性を器物損壊罪の疑いでを逮捕した事案をモデルにしています。
警察によると、逮捕容疑は、17日午後7時前、神戸市灘区のコンビニにおいて、出入り口のガラス扉を右足で蹴って割った疑いであり、被疑者は事実を認めている模様です。
被疑者男性がコンビニ店を出るときに音がし、直後に足を押さえて立ち止まっていたため、店員が被疑者に近づいて様子を伺ったところ、コンビニのガラス戸が損壊されていたため警察へ通報し刑事事件化したとのことで、被疑者男性は、購入品を袋にまとめる際の店員の対応が不満だったと動機を供述しています。
経済産業省の平成28年度の商業販売額の調査によれば、小売業におけるコンビニエンスストアの成長は著しく、小売業全体でおよそ140兆円に達する巨大な市場において、コンビニは約11.5兆円(約8%)を占めるに至っています。
コンビニ業界全体では、市場の飽和による成長の鈍化が見られるものの、他の小売業との競争の中で、今後も緩やかに成長を続けるだろうと強く予想されているようです。
コンビニ店は、特に人口の集中する都市において店舗数を競い合う傾向があると言われ(いわゆるドミナント戦略)、今では見直されつつある24時間営業の業態もあり、刑事事件との関係で言えば、深夜のコンビニ強盗などで報道されることがあります。
また、コンビニ店は人件費削減と店舗拡大の戦略的観点から、自動支払いレジや各種官公庁への振込対応など様々なシステムを導入しているところ、特に未成年者に対する酒やタバコの販売禁止のための年齢確認システムについては、客が店員から年齢確認を求められたことに激高し、レジの液晶パネルを壊したとして、器物損壊罪の疑いで逮捕された事案も多く報道されています。
このように、ちょっとしたサービスに対する不満が、積もっていたストレスと反応して周囲の物にあたってしまい、刑事事件化する例がしばしば見受けられ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所でも多くの相談を承っております。
器物損壊罪を定める刑法261条は、別の犯罪として規定されている、公用文書、私用文書、建造物等を除き、それ以外の他人の物を損壊または傷害した者に対して、3年以下の懲役または30万円以下の罰金を定めています。
器物損壊罪は、刑事告訴がなければ検察官が起訴することができない「親告罪」であり、その弁護活動にあたっては、被害者との示談締結によって告訴を出さない、または取り下げてもらうことが何よりも重要です。
ただし、被害者の目前で物を損壊して現行犯逮捕されたケースでは、被害者の処罰感情が強い傾向がありますので、その刑事弁護については、刑事事件の示談交渉の経験が豊富で、示談金や示談条件のノウハウに詳しい刑事事件専門の弁護士にお任せすることが良いでしょう。
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静岡県掛川市で城に傷つけて建造物損壊罪
静岡県掛川市で城に傷つけて建造物損壊罪
静岡県掛川士市に所在する掛川城の木造天守閣において、杉の一本柱に男性の名前が彫られているのを管理人が発見し、掛川市は重要文化財に対する稚拙で悪質ないたずらとみて静岡県警掛川警察署に被害届を提出しました。
警察では、修学旅行シーズンで観光に訪れていた某県中学校の生徒の中から柱を傷つけたと思われる少年の身元を特定し、建造物等損壊罪の疑いで警察に出頭を要請しました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年9月10日、第二次大戦中の空襲で焼失し、木造復元した名古屋城本丸御殿において、柱2カ所に傷が付けられていたことから、名古屋市は悪質ないたずらとみて、愛知県警中警察署へ被害届を提出する予定との報道をモデルにしたものです。
上記名古屋城の損壊事案では、木造の柱は鋭利なもので削られており、「りょうじ」や「カイ(もしくはサイ)」と平仮名や片仮名で傷が付けられていた模様です。
深さはいずれも0.5ミリで、柱の交換は困難で、削るとかえって目立つ恐れがあることから、市は蒸気を当てるなどして傷を目立たなくする方針で、その被害額は算定不能とされています。
刑法第260条によれば、他人の建造物または艦船を損壊した場合、5年以下の懲役が科されます。
建造物等の損壊によって人を死傷させた場合には、傷害の罪と比較して重い刑により処断されます。
上記刑事事件例では、城の本丸の柱という重要文化財で掛け替えのない建造物に対して、おそらく男性の名前と思われる平仮名等が彫られてしまっていますが、建造物損壊罪における「損壊」について、判例は次のように言っています。
すなわち、建造物損壊罪は、建造物の全部または一部を損壊することにより成立し、必ずしもその損壊により建物の用法を全然不能にすることを要しないし、また、損壊部分が建物の主要構成部分であることも必要ではない、と判示しています。
ゆえに、たとえ10平方センチメートル程度の些細な損壊であっても、刃物等で木材を傷つけるという損壊行為が行われている以上、建造物損壊罪は成立することになるでしょう。
なお、建物に多数のビラを貼る等、建物自体を損壊するものではないものの、その建物の外観を「汚損」する行為についても判例があり、建物の美観ないし外観も建物の効用の一つではあるものの、美観や外観の汚損を「損壊」と同一視しうるためには、それにより職員や来客に著しい不快感を与え、その建物全体の品位や美観を著しく汚損するような程度の汚損であることを要すると判示したものがあります。
また、建物の壁にスプレーで落書きされた事案においては、その落書きによって建物の外観や美観を著しく汚損し、そのままの状態では建物を使用することが出来ない程度の汚損であることに加えて、再塗装を要するなど、汚損からの原状回復に相当の困難を生じさせる汚損行為であることも指摘しています。
とすれば、重要文化財に使用される代替不可の稀少な木材等に対する汚損行為は、たとえ損壊でなかったとしても、建造物損壊罪が成立する可能性が高いと言えるでしょう。
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静岡県浜松市で少年が窃盗罪で逮捕
静岡県浜松市で少年が窃盗罪で逮捕
静岡県浜松市にあるゲームセンターVにおいて、若者を中心に人気のリズムゲーム「太鼓の達人」の鼓面部分が盗まれる窃盗被害がありました。
防犯カメラの映像によれば、深夜営業中の客の少ない時間帯を見計らって、一人の若い男性が店員に問い合わせをしている隙をついて、他の男性2人が共同で「太鼓の達人」の鼓面部分を素早く取り外して持ち去る映像が移されており、Vはこの映像を静岡県警浜松中央警察署に提出し、窃盗罪の被害届を提出しました。
警察の捜査の結果、窃盗を行ったのは、いずれも市内に住む無職や高校生の未成年者で、少年ら3名は窃盗罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年8月21日、人気リズムゲーム「太鼓の達人」の鼓面部分を盗んだとして、愛知県警が横浜市保土ケ谷区の21歳の派遣社員男性と、事件当時少年だった千葉県船橋市のアルバイト男性を窃盗罪の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。
両被疑者は被疑事実を認めており、「貴重な面だったので盗みたかった」と供述しています。
警察の発表によると、2人は昨年5月31日午後1時ごろ、名古屋市中区のゲームセンターで太鼓の達人の鼓面(6千円相当)を窃盗した疑いがあり、盗まれたゲーム機の鼓面の代わりに別の偽物が張り替えられているのに店側が気付き、警察署に窃盗罪の被害届を提出して刑事事件化しました。
防犯カメラの映像や太鼓の達人のゲームで遊ぶ人への聞き込みなどで逮捕された被疑者2人の関与が浮上したとのことです。
「太鼓の達人」の鼓面は、中には高得点が出やすい個体があるとファンの間では噂されており、鼓面を盗むことは「面パク」と呼ばれ、日本各地で鼓面の窃盗が相次ぎ、愛知県警も今年、複数の高校生らを窃盗罪の疑いで検挙している実績があります。
原則として、少年(20歳未満の者)が起こした犯罪については、刑事責任が追及される刑事事件とは異なり、刑事責任が問われることはありません。
ただし、少年事件では少年に対して刑事責任が問われる代わりに、犯罪の証拠収集を行った警察や検察官が事件を管轄の家庭裁判所に送致し、家庭裁判所の調査官による調査等を経て、審判を通じて少年の更生に向けてどのような適切な処置が必要とされるのかを判断してく手続が進行することになります。
少年の行った犯罪の法定刑の重さやその態様の悪質性、被害の軽重、犯罪を犯したことに対する反省の念や態度、今後の更生に向けた姿勢など、児童心理学等を修めた専門家によって様々な観点から少年の非行の程度や性質が分析され、少年の更生に向けてどのような処置が必要か綿密に判断されていくことになり、審判不開始や不処分などの判断がされることがある一方で、少年の日常生活では更生が困難と判断された場合には、その程度に応じて保護観察や少年院送致などの決定が下されることがあります。
また、少年であれば逮捕や勾留などの身体拘束がされないという訳ではなく、犯罪発生後から家庭裁判所に送致されるまでのいわゆる「捜査段階」において、犯罪の嫌疑が明白であったり、または、少年の逃亡や罪証(証拠)隠滅の可能性があり、在宅のままでは捜査活動に悪影響が生じると判断された場合には、たとえ少年であっても逮捕される可能性があり、それだけでなく、逮捕後最大20日間の身体拘束(勾留)が決定する可能性もあります。
成人に比べ、少年が社会に対して負っている責任は少ないのは事実ですが、しかし、逮捕・勾留によって1か月近くも学校などの日常生活から切り離されることで、進学や進級等の社会的ダメージを受けることも十分考えられるため、少年事件で身柄を拘束されてしまった場合でも、刑事弁護に長けた弁護士による早期の身柄解放をしてもらうニーズは依然として強くあると言えるでしょう。
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静岡県焼津市でひったくりの刑事事件
静岡県焼津市でひったくりの刑事事件
<事例1>
静岡県焼津市在住の無職Aさんは、自転車で買い物中の主婦Vさんから財布の入ったカバンをひったくり、走って逃走しましたが、駆け付けた静岡県警焼津警察署の警察官に取り押さえられ、窃盗罪の疑いで現行犯逮捕されました。
<事例2>
静岡県焼津市在住のフリーターAさんは、通行中の主婦Vさんから財布の入ったカバンを奪おうとしたところ、Vさんがカバンを離すまいと抵抗したため、Vさんに体当たりを加え、Vさんがカバンから手を離した隙にカバンをひったくり、走って逃走しました。
その後、Aさんのもとに、静岡県警焼津警察署の警察官が訪れ、Aさんを強盗罪の疑いで逮捕しました。
(※上記いずれの事例もフィクションです。)
【ひったくりの刑事責任~態様によって罪が大きく変わる~】
ひったくりは、物を持ち歩いている歩行者や、前カゴに荷物を入れている自転車等に近づき、すれ違ったり追い抜いたりする瞬間にその物を奪って(ひったくって)逃げる行為であり、基本的には極めて短い時間で犯行を行う窃盗罪の一種と考えられています。
しかし、ひったくり対策として、バッグをたすきがけにする等の情報が周知されている中で、財物を奪う行為に手間取った犯人が暴力的な方法で目的を遂げる事例も少なからずあり、この場合「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した」として、強盗罪(刑法236条)が成立する可能性があります。
強盗罪の法定刑は、5年以上の有期懲役と非常に重く、仮に強盗罪で起訴された場合には、執行猶予がつけられることもなく(刑の執行猶予の要件として懲役3年以下であることが必要であるため)、実刑判決を受けることになるでしょう。
最高裁判例によれば、ひったくり目的で通行中の女性に自動車で接近し、被害者女性をひきずったまま自動車を走行して女性を転倒させた事件で、この行為の過程で強盗の犯意が生じており、その行為も相手方の犯行を抑圧するに足りる暴行と言えるとして、強盗罪の成立を認めています。
たとえ強盗罪が成立しない場合でも、ひったくりの窃盗罪で起訴され、実刑判決を受けた事件も数多くありますので、ひったくりで刑事責任を追及された場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士にご依頼ください。
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静岡県掛川市で高齢者による特殊詐欺
静岡県掛川市で高齢者による特殊詐欺
静岡県掛川市在住の年金受給者Aさんは、年金を受給しつつ貯金を切り崩して生活をしていましたが、とうとう貯金が尽きてしまい、将来の生活に不安を感じるあまり、犯罪行為によってお金を稼ごうと決心しました。
Aさんは市内の公衆電話から、警察官を装って交通事故の被害届取下げにお金が必要だと電話をかけ、電話相手から現金を受け取ろうと待ち合わせ場所に向かったところ、待ち構えていた静岡県警掛川警察署の警察官によって詐欺未遂罪の疑いで現行犯逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは事実を認めています。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、80代の高齢者から特殊詐欺で現金をだまし取ろうとしたとして、今年7月24日、大阪府警が、大阪市の75歳の無職男性を詐欺未遂罪の疑いで現行犯逮捕した事案をモデルにしています。
警察によると、被疑者は7月23日、警察官を装って被害者宅に電話を掛け、「あなたの長男が歩行者をはねた」「示談金180万円で釈放できる」と偽り、同時に「事故被害者のおじ」役として現金180万円を受け取ろうとしたようです。
電話を受けた被害者男性の妻が、事故を起こしたと言われた長男の職場に確認したところ、長男が事実を否定したために詐欺が発覚し、警察に通報し、電話勧誘役「かけ子」と現金受け取り役「受け子」の2役を1人でこなしていた被疑者が、現金の受け渡し場所に現れた被疑者の身柄を確保して、詐欺の被害を未然に防ぐことができました。
警察の調べに対し、被疑者は事実を認め、「公衆電話からタウンページを使って電話した」「年金と生活保護では生活できなかった」と供述しているようです。
日本の平均年収については、厚生労働省の毎月勤労統計調査や国税庁の民間給与実態統計調査、厚生労働省の国民生活基礎調査などの複数の統計資料が参考になりますが、共通して言える点は、民間の平均年収について、1990年代は450万円以上を下回ったことがないものの、それ以降の20年において、平均年収は400~420万の範囲で低下しているという点です。
この傾向は、特に若い世代に顕著であり、その背景には、2000年度以降本格化した非正規労働者の増加による低賃金化の流れがあると原因の一つであるとも言われています。
このことから、特に暴力団等の反社会勢力が中心に活動している特殊詐欺グループにおいては、定職につけない若者や低所得に苦しむ若者を勧誘して、組織的な特殊詐欺の末端として活動させ、特殊詐欺の活動範囲を拡大して詐欺被害を拡大させているとの現状があります。
他方、年金受給だけでは生活できないため、老後資産は約2000万円必要といった見解が現在非常に話題になっているように、高齢化社会の進展により労働収入を得ることができなくなった高齢者の方々の経済的窮乏の拡大も問題視されつつあります。
頭書刑事事件例のような特殊詐欺事案の場合、同じ特殊詐欺事案といっても、若者が加担する組織的な詐欺グループの活動ではないため、相対的に逮捕や勾留される可能性が若干低くなる可能性はあると考えられますが、他方で厳罰化の傾向にある特殊詐欺事例では捜査段階から適切な捜査対応を行うことが大切ですので、自分の主張を正しく効果的に伝え、情状面で考慮してもらいたい主張があるのであれば、刑事事件を専門とする経験豊富な刑事事件弁護士に弁護を依頼することが安心です。
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静岡県牧之原市で自転車への連続放火
静岡県牧之原市で自転車への連続放火
この2カ月にわたって、静岡県牧之原市内の自転車駐輪場において、自転車のサドル等の可燃部分から出火する事案が複数報告されています。
静岡県警牧之原警察署が出火原因を調べたところ、その内のいくつかの自転車からは可燃性の液体が検出されたことから、建造物等以外放火罪の疑いで被疑者の身元の特定を急ぐとともに、市内のパトロールを強化しています。
(※フィクションです)
放火罪の刑事事件は、その放火対象によって大きく2つに大別できると言われています。
1つが、放火対象に対する強い恨み等から行う動機の明確な放火犯罪で、実際の事件では、恋愛関係のもつれから元交際相手宅に放火した等の事案が見受けられます。
もう1つが、放火対象に特段のこだわりがなく、自分の犯行が露見しない範囲で無差別に放火するものです。
このパターンでは、被疑者が自分の身元を特定されないように特に人気のない場所(資材置き場など)で放火をするケースもあれば、放火によって騒ぎになることを期待してあえて人通りの多い場所(駐車場など)で放火を行うケースもあります。
特に後者の、放火によって騒ぎを起こしたいケースでは、放火対象は住宅や建造物ではなく、自動車・自転車・看板、その他路上に置かれている動産であることが多く、放火によって人を死傷させることを避ける傾向があると言えます。
刑法上の放火罪は、放火の対象によって、現住建造物、非現住建造物、それ以外(建造物等以外)の3つに大別されています。
具体的には、現住建造物とは、現に人が住居に使用し、または現に人がいる建造物・汽車・電車・艦船・炭鉱を言い、同じ対象で現に人が住居に使用せず、かつ現に人がいないものが非現住建造物です。
なお、建造物等以外放火罪の場合、対象を焼損したことによって公共の危険を生じさせることが犯罪成立要件になっていますが、この「公共の危険」とは、現住建造物や非現住建造物への延焼の恐れのみならず、不特定多数の人の生命・身体・財産等に対する危険の発生も含まれると解されています(判例)。
実際に刑事事件となった建造物等以外放火罪の例としては、自動車、建設現場の木材や設備什器等に対する放火の事例があり、特に冬場の乾燥した時期に、カメラ等の防犯設備のない駐車場で自動車等に対する放火は後を絶ちません。
建造物等以外放火罪の法定刑は、1年以上10年以下の懲役であり、自己所有物であっても、1年以下の懲役または10万円以下の罰金を科せられます。
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静岡県伊東市の多様化する特殊詐欺手口
静岡県伊東市の多様化する特殊詐欺手口
<事例1>
ある日、静岡県伊東市在住の70代女性Vさん宅に、静岡県警の警察官を名乗る男2人が訪れ、「息子さんが起こした盗撮事件で罰金刑が確定した。本人は罰金を払えないと言っており、警察署の留置施設に留置している。罰金が払えなければ検察官が起訴して正式裁判になる」と言ってきたため、Vさんは警察官を名乗る2人に対して現金50万円を手渡しました。
Vさんが息子にこの話をしたところ、息子に性犯罪を起こしていないとのことで、特殊詐欺の被害にあった可能性があると言われたため、Vさんは静岡県警伊東警察署に事実確認に行きました。
Vさんの相談を受けた警察官は、「警察官が家を訪ねて罰金を直接徴収することはない。間違いなく特殊詐欺の犯行である。静岡県内でも同様の手口の犯行が数件報告されている」として、Vさんから詐欺罪の被害届を受け取りました。
<事例2>
ある日、静岡県伊東市在住の80代女性Vさんに銀行職員を名乗る男から電話がかかってきて、「あなたのキャッシュカードから不正に預金が引き出されている可能性があります。職員がキャッシュカードを回収に行くので準備しておいてください」と言われ、その後Vさん宅を訪れた銀行職員を名乗る男にキャッシュカードを渡し、暗証番号も伝えてしまいました。
Vさんが家族にこの話をしたところ、特殊詐欺の被害にあった可能性があると言われ、Vさんは静岡県警伊東警察署に詐欺被害の相談に行きました。
(上記いずれの事案もフィクションです。)
息子のふりをして高齢者の住む家に電話をかけてお金を振り込ませる、いわゆる「オレオレ詐欺」が話題になったのはおよそ15年ほど前になり、その5年後くらいから、「還付金がもらえる」と偽って銀行ATMを操作させて逆に振り込ませる「還付金詐欺」が登場し手口が巧妙化し、最近では「アポ電」による強盗殺人事件が起きるなど、手口の凶悪化が顕著になっています。
警察庁の統計によれば、平成26年のピークから減ってはいるものの、平成30年の特殊詐欺の認知件数は1万6493件、被害額は約356億8000万円に上るとされ、1日に1億円の被害が出ている計算になります。
このような特殊詐欺の先鋭化や巧妙化の裏事情として、専門家によれば、特殊詐欺では次々に新しい手口が出てきて、国民生活センターがまだ注意喚起していない手口も多々あるものの、公にすると模倣犯を生むので、公開しないこともあるそうで、昨今では、息子を騙る特殊詐欺の手口において、息子本人に電話をかけたのにつながらないという状況を作り出し、息子が電話に出られない説得力のある環境を作り出して高齢者の緊迫感を煽る手口が洗練化しているようです。
特殊詐欺を実行するグループは、詳細な役割ごとで構成されるピラミッド型の組織構造になっており、完璧なマニュアルが準備され、構成員らは営業マンのように目標金額を課されて電話をかけ続け、脱退を望む者には制裁を科す等して、特殊詐欺を成功させるためのノウハウが日進月歩で蓄積されているようです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にも、受け子や出し子といった特殊詐欺グループの末端に参加してしまった未成年者や20代の若い被疑者の相談を受けることも多く、特殊詐欺の刑事事件では、組織的犯行による実態から、逮捕や勾留される可能性が非常に高く、一度拘束された被疑者の釈放を求めることが難しいこと、また、特殊詐欺の悪質性と被害抑止の観点から、検察官は高い確率で詐欺罪で起訴すること、少年事件であれば、家庭裁判所で審判が開かれ、少年院送致される可能性もあり得ること等を説明しています。
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静岡県富士宮市でひったくりで強盗致傷罪で逮捕
静岡県富士宮市でひったくりで強盗致傷罪で逮捕
静岡県富士宮市の県道で、会社員女性が歩いて帰る途中、現金3万円が入ったハンドバッグをひったくられ、近くでひったくりの被害に気付いた通行人が、静岡県警察富士宮警察署に通報しました。
警察の調べでは、ひったくり犯は、被害者女性の背後からバイクで近づき、女性が抵抗した弾みで転倒し、右ひじ打撲の軽傷を負ったとのことです。
富士宮警察署は、強盗致傷罪の疑いで捜査を進めています。
(フィクションです。)
【意図せずしてあまりに重い罪が成立することも…】
静岡県警察のHPでは、静岡県内において、平成28年度は61件、平成29年度は45件のひったくり被害の届け出が出ています。
被害者の80.7%を女性が占め、ひったくりが発生した時間帯としては、日中も少なからず行われているものの、夕方18時以降(特に夜20~22時)が多数です。
犯罪の成立にあたっては、一般的に犯罪の故意が必要とされているところ(刑法38条)、ひったくり犯の多くは、窃盗罪(刑法235条)の故意をもって犯行に及んでいると考えられます。
しかし、上記刑事事件および静岡県警察のHPでも指摘されているように、被害者の中にはバッグ等を引っ張られたはずみで転倒して大怪我をされる方もいるようで、この場合、強盗致傷罪(刑法240条)が成立する可能性が高いです。
強盗罪における「暴行」は、判例によれば、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものと解されていますが、バイク等で歩行者に近づくひったくり犯では、多くの場合、強盗罪の暴行が認められると判断されています。
そして、強盗致傷罪の法定刑は、無期または6年以上の懲役と非常に重く、執行猶予付き判決を期待することはできません。
このように、たとえ当初は純粋な窃盗罪としてのひったくりを行うつもりであっても、場合によっては強盗罪または強盗致傷罪等の重大犯罪が成立する可能性がありますので、ひったくりの刑事事件で逮捕された場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士に接見を依頼し適切な助言を受けることをお勧めします。
静岡県富士宮市でひったくりで強盗罪または強盗致傷罪で刑事事件化または逮捕されたお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
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