(事例紹介)静岡県浜松市にて暴力行為処罰法違反で男性が逮捕されたという事件について

(事例紹介)静岡県浜松市にて暴力行為処罰法違反で男性が逮捕されたという事件について

当ブログは、静岡県浜松市にて発生した、男性が交際相手に対し刃物で脅したとされる暴力行為処罰法違反事件について、報道内容をもとに成立する罪や弁護活動などについて検討しているブログです。

【事例】

交際相手の女性を刃物で脅したとして、浜松市に住む30代の男が18日、逮捕されました。

暴力行為等処罰に関する法律違反の疑いで現行犯逮捕されたのは、浜松市中央区に住む自称・介護職員の36歳の男です。
警察の調べによりますと、男は18日午後6時ごろ、静岡県西部に住む交際相手の20代の女性の家で、女性とトラブルになり、「殺す」などと言いながら、刃物で脅したと疑いが持たれています。
女性が「彼氏ともめている」と通報、現場に駆けつけた警察官が男を現行犯逮捕しました。

「「殺す」…交際女性を刃物で脅したか 36歳の男を逮捕 浜松中央警察署」2024年3月20日13:38配信 (株)静岡朝日テレビ 引用

【暴力行為処罰法とは】

暴力行為処罰法は、正式名称を「暴力行為等処罰ニ関スル法律」と言います。
暴力に関する罪、例えば暴行罪や傷害罪、脅迫罪などの罪は刑法で定められていますが、集団で暴行したり、凶器を用いてそれらの罪を犯した場合、より重い刑事罰が科せられることになります。
今回の報道によると、男性は被害女性に対して刃物を用いて殺すと脅したとされています。
今回問題となる条文は以下のとおりです。(暴力行為処罰法は文語体カタカナのため、平仮名に置き換えています。)

刑法222条1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

暴力行為処罰法1条 団体若は多衆の威力を示し、団体若は多衆を仮装して威力を示し又は兇器を示し若は数人共同して刑法…第208条、第222条又は第261条の罪を犯したる者は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処す

今回の報道の事例の場合、まず「殺す」などと人の生命・身体に害を加えるように脅迫した場合、脅迫罪に問われる可能性があります。
罰条は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
そして、その際男性は刃物を示したとされています。
暴力行為処罰法は、凶器を示して刑法222条(脅迫)の罪を犯した場合、暴力行為処罰法に違反します。
罰条は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

当然のことですが、凶器を示して脅迫する行為は、被害者にとって通常の暴力行為以上に不安を覚えることになります。
そのため、この罪を犯した場合には通常の脅迫罪以上に厳しい刑事処罰を科せられることになります。

【暴力行為処罰法違反での弁護活動】

今回の事例のような暴力行為処罰法違反事件の場合、加害者が被害者の住所や連絡先を知っていて証拠隠滅の恐れが高く、再犯の(場合によっては実際に死傷させてしまう)おそれもあると評価され、逮捕・勾留される可能性が高いと言えます。
そのため弁護士は、
・釈放を求める弁護活動
・終局処分(不起訴・略式起訴・正式起訴といった検察官の判断や刑事裁判での減刑)を求める弁護活動
を行うことが考えられます。

一般的に、暴力行為処罰法違反の事件では、特に被害者との示談交渉が重要になります。
被害者は、同じような被害に遭うことを不安に思っていると考えられます。
そのため、示談交渉に際しては弁護士が代理人として間に入り、加害者が被害者と接触を禁止する、接触した場合の違約金の約定を設けるといった対応が必要となると考えられます。
また、被害者と加害者が居を同じくしていた場合、被害者の転居先等を知らせないため、私物を一旦弁護士事務所に送って加害者宅に転送する等、細心の注意を払う必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまでに暴力行為処罰法違反を含め数多くの暴力事件に携わってきました。
静岡県内で暴力行為処罰法違反などの刑事事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で法律相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留された場合は初回接見サービス(有料)をご利用ください。

 

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