今回は、静岡鉄道の電車が線路上にあった石に接触し、緊急停車した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
30日 午前7時半ごろ、静岡市清水区の線路上で、静岡鉄道の電車が線路上にあった石に接触し緊急停車した。
警察や静岡鉄道によると、午前7時半ごろ、静岡鉄道の新静岡駅発新清水駅行きの電車が狐ヶ崎駅から桜橋駅間を走行中、線路上にあった石に接触し緊急停車した。運転手が線路を確認したところ、石をひいた跡が3センチほどあったという。
電車には当時約100人が乗っていたが、けが人はなく、約4分後に運転を再開した。この前に走った電車に異常はなかった。運転手は「人影はなかった」と話しているという。
警察は付近の防犯カメラを確認するとともに、置き石による往来妨害の疑いもあるとみて調べている。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/b6afd4e06efc5d70a1c20c3f23cceb4cc4f00d6f 1月30日 「置き石か… 線路上の石に接触して電車が緊急停車 静岡鉄道 乗客約100人にけがなし 静岡市清水区」より引用)
~もし置き石によるものであれば……~
鉄道若しくはその標識を損壊し,又はその他の方法により,汽車又は電車の往来の危険を生じさせた場合,往来危険罪が成立します(刑法第125条第1項)。
置き石は「その他の方法」の典型例です。
他にも、偽りの標識を掲げたり、汽車・電車に取り付けられているその運転に必要な器具・機械を破壊することなども含まれます。
~報道について~
冒頭の事件が何者かによって引き起こされたものか、あるいは、自然的に発生したものであるかは、明らかではありません。
しかしながら、もし何者かが置き石によって冒頭の事件を起こした場合、2年以上の有期懲役が予定されています。
2年「以上」とあるので、法律上、最長で20年の懲役刑に処せられる可能性があるということです(刑法第12条1項)。
実際に往来危険罪のみで20年の懲役が言い渡される可能性は低いと考えられますが、単なるイタズラでは済まされない、重大な事故を引き起こしうる重い犯罪であるということを知る必要がありそうです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
往来危険事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。