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JR富士宮駅で起きた器物損壊事件を解説
JR富士宮駅で起きた器物損壊事件を解説
今回は、今年4月4日、JR富士宮駅切符売り場窓口で起きた器物損壊事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
今年4月4日、JR富士宮駅切符売り場窓口において、窓口に備えつけられたアクリル板を傘で殴り傷をつけた疑いで、60代男性が器物損壊の現行犯として逮捕されました。
逮捕された男性は駅員と口論の末、犯行に及んだとみられており、現在、警察は捜査を続けています。(FNNプライムオンライン 「高校教師 アクリル板壊し逮捕 切符売り場で駅員と口論」より引用)
~器物損壊罪について解説~
器物損壊罪とは、他人の物を損壊し、又は傷害する犯罪です(刑法第261条)。
なお、「公用文書」、「私用文書」、「他人の建造物又は艦船」を破いたり、破壊した場合には、別の犯罪が成立することになります。
「損壊」とは、その物の効用を害する行為をいいます。
故意に他人の携帯電話などを壊すなどの行為が典型例です。
ケースのように、駅の切符売り場窓口に備え付けられたアクリル板を傘で殴って傷をつける行為についても、器物損壊罪が成立する可能性が高いでしょう。
器物損壊罪について有罪判決が確定すると、「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」に処せられます。
~器物損壊事件の特別な弁護活動~
器物損壊罪は「親告罪」とされており、被害者による告訴がなければ絶対に起訴されることはありません(刑法第264条)。
器物損壊事件を起こして検挙されてしまった場合であっても、被害者に告訴を取り消してもらう、あるいは、告訴しないでもらうことができれば、裁判にかけられずにすむのです。
器物損壊事件を起こしてしまった場合には、被害者に損害賠償、謝罪を行い、示談を成立させ、告訴の取消し、告訴の回避を目指すことが重要です。
(もっとも、ケースのように被害者が会社である場合には、示談に応じてもらえないことも珍しくありません)
器物損壊の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士の接見を受け、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が器物損壊の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
当事務所では、365日24時間体制で無料相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。刑事事件や少年事件でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
LSDを使用して逮捕
LSDを使用して逮捕
LSDを使用(施用)し、逮捕されてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事案~
静岡県富士市内に住むAさんは、自家用車の車内にてLSDを使用していました。(LSDは、合成麻薬の一種です。)
しかし、パトロールしていた静岡県警察富士警察署の警察官に見つかってしまい、現行犯で逮捕されました。
Aさんが帰って来ないと心配したAさんの奥さんは、刑事事件を専門的に扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)
~LSDを使用した場合~
LSDを使用した場合、麻薬及び向精神薬取締法(以下、麻薬取締法と呼称します。)で処罰されることになります。
LSDの使用については、以下の条文に記載されています。
麻薬取締法第二十七条第一項柱書 麻薬施用者でなければ、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方せんを交付してはならない。但し、左に掲げる場合は、この限りでない。
上記条文の語句については以下の通りです。
・「麻薬」には、LSDも含まれます。
・「麻薬施用者」とは、病気などの治療目的で麻薬を施用する者のことで、医師、歯科医師、獣医師などが当てはまります。
・「施用」とは、麻薬の利用行為のうち、自己又は他人の身体あるいは家畜に用いることをいいます。
・「この限りでない」の部分に該当するのは、簡単に言うと、麻薬研究者や麻薬小売業者等の政府より許可を受けた者になります。
LSDを使用した場合についての罰則は以下の条文です。
麻薬取締法第六十六条の二第一項 第二十七条第一項又は第三項から第五項までの規定に違反した者は、七年以下の懲役に処する。
LSD等の麻薬を使用した場合、上記条文の通り、7年以下の懲役という非常に重い罰則が規定されています。
罰金刑の記載はないため、罰金になることはないので、罪が認められれば、実刑もしくは執行猶予の判決が下されることになります。
~今後の流れ~
Aさんは、現行犯逮捕され、今後は勾留される可能性があります。
勾留されてしまうと、今回のような薬物犯罪では最長20日間身柄が拘束される可能性があります。
麻薬取締法違反をはじめとする薬物犯罪においては、勾留期間が長引く傾向にあります。
そして今度は、勾留期間内に起訴をするかしないかが判断されます。
起訴されれば、自動的に起訴後勾留に移行し、さらに身体拘束が長引くことになります。
その後、公判が行われることになり、判決が下されることになります。
上記以外にも、別の事件が発覚して再逮捕される場合や判決に不服があり控訴を申し立てる場合等、身体拘束は更に長引く可能性があります。
~薬物犯罪の弁護活動~
身体拘束が長引けば長引くほど、Aさんに対する不利益は多くなり、社会に復帰することは難しくなってしまいます。
そのため、弁護士は、長期の拘束を阻止するため様々な活動を行います。
身柄の拘束を阻止する活動として弁護士は、勾留阻止、保釈請求、再逮捕阻止等といった活動行っていき、長期的な身柄拘束を阻止するために尽力します。
また、公判においても執行猶予もしくは減刑を目指し、活動していきます。
取り調べへの対応や被告人に有利になる証拠の提出等を行っていくことにより、執行猶予もしくは減刑を狙っていくことになります。
具体的な活動については、事案によって変わっていきますので、一度法律事務所にご相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、LSDの使用等の薬物犯罪の弁護活動を多く経験した弁護士が在籍しております。
麻薬及び向精神薬取締法で逮捕、勾留されてしまった等、お困りのことがございましたら弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。
0120-631-881に架電していただけると、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスや初回無料法律相談についてのお問い合わせを365日24時間いつでも受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
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同性相手の準強制わいせつ事件で示談をしたい
同性相手の準強制わいせつ事件で示談をしたい
同性相手の準強制わいせつ事件で示談をしたい場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、昔から同性の相手に性的に惹かれる傾向がありました。
ある日、Aさんは登校中の少年(Vさん・15歳)を見つけ、声を掛けて話をしたところ、Vさんに知的障がいがあることが分かりました。
これに乗じて、AさんはVさんを静岡県静岡市内の公園のトイレに連れ込み、Vさんに下半身を触るなどわいせつな行為をしました。
帰宅したVさんから事情を聞いたVさんの母親が静岡県静岡中央警察署に相談したことで、本件準強制わいせつ事件が発覚。
Aさんは準強制わいせつ罪の容疑で逮捕され、捜査されることになりました。
Aさんは、Vさんに謝罪し示談できないかと考えています。
(2020年12月1日にFRIDAYデジタルに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【準強制わいせつ罪とは】
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による(刑法178条)。
準強制わいせつ罪の「第176条の例」によるとは、「6月以上10年以下の懲役に処する」ということを指します。
準強制わいせつ罪は、暴行や脅迫を用いないが、被害者の方の抵抗困難な状態を利用して行われるわいせつ行為を処罰する犯罪です。
準強制わいせつ罪は被害者の方が異性でなくとも成立します。
男性が男性の抵抗困難な状態を利用してわいせつな行為をした場合、行為者には準強制わいせつ罪が成立します。
つまり、今回の事例のように、同性相手であっても準強制わいせつ罪が成立し得るということです。
【準強制わいせつ罪の各要件】
準強制わいせつ罪では、被害者の方の抵抗困難な状態を「心神喪失」と「抗拒不能」に分けて規定しています。
準強制わいせつ罪の「心身喪失」とは、精神的な障害によって正常な判断力を失った状態をいいます。
この準強制わいせつ罪の「心身喪失」には、高度な精神障害や意識喪失(睡眠、泥酔)などが含まれます。
また、準強制わいせつ罪の「抗拒不能」とは、心理的(例えば畏怖状態)又は物理的(例えば手足を縛られている状態)に、わいせつな行為に抵抗することが著しく困難な状態をいいます。
刑事事件例では、Vさんには知的障がいがあったようです。
Vさんの障がいの程度によってはVさんが精神的な障害によって正常な判断力を失った状態にあったと判断され、Vさんが準強制わいせつ罪の「心身喪失」状態にあったと考えられる可能性も十分考えられるのです。
AさんはVさんの下半身を触るなどしており、このAさんの行為は準強制わいせつ罪の「わいせつな行為」に当たります。
以上より、Vさんが「心神喪失」に当てはまると判断された場合には、Aさんには準強制わいせつ罪が成立すると考えられます。
【準強制わいせつ罪と示談】
刑事事件例では、AさんはVさんと示談ができないかと考えています。
刑事事件例のような準強制わいせつ事件で弁護士による示談交渉をする場合、準強制わいせつ事件を捜査する検察官や警察官に刑事弁護士限りで被害者の方の名前や連絡先を教えてもらえないか打診することから始まります。
そして、刑事弁護例の被害者の方(Vさん)が15歳の少年であることから、実際の示談交渉ではVさんのご両親と連絡を取り行うことになると考えられます。
示談交渉では、被害者の方やそのご両親に謝罪を行った上、被害弁償を行いたい旨を伝えることになるでしょう。
この際、被害者の方の処罰感情や示談金として準備できる額などを考慮ながら、実際に示談を締結した際に作成する示談書の文言や示談金の額を交渉していくことが予想されます。
示談の結果次第では寛大な処分が下される可能性があるため、刑事事件例のような準強制わいせつ事件では示談交渉が非常に重要になると考えられます。
だからこそ、示談交渉に早期かつ適切に取り組むために、法律の専門家である弁護士のサポートを受けることが重要であると考えられるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
準強制わいせつ事件で示談をしたい場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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水泳授業での業務上過失傷害事件
水泳授業での業務上過失傷害事件
水泳授業での業務上過失傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは静岡県浜松市にある静岡県立X高等学校の体育教師をしていました。
静岡県立X高等学校では体育の科目として水泳授業が行われていました。
水泳授業を担当するAさんは、水泳授業開始前に、生徒らに、勝手に飛び込まないことを注意し、未経験者の飛び込みを禁止しました。
授業の最中、Aさんは更衣室に設置されたシャワーを点検するために、プールサイドを約1分間離れました。
その間、男子生徒のVさんがAさんの注意を無視し、プールに勝手に飛び込み、頚髄損傷の傷害を負いました。
Aさんは、業務上過失傷害罪の容疑で静岡県浜松中央警察署による捜査を受けました。
(大分地方裁判所判決平成23年3月30日を参考に作成したフィクションです。)
【業務上過失傷害罪とは】
刑法211条1項
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
業務上過失傷害罪の「過失」とは、不注意な行為、すなわち注意義務を怠ることをいいます。
具体的には、傷害の結果を予見することができたにも関わらず、その結果を予見せずにしなかった(結果予見義務違反)、かつ、結果を回避することができたにも関わらず、その結果を回避しなかった(結果回避義務違反)場合、その者に業務上過失傷害罪の「過失」があったといえることになります。
【水泳授業の業務上過失傷害事件】
例えば、水泳授業においては、飛び込みによる死亡など重大な事故が発生する危険があります。
そのため、水泳授業の担当教諭は、生徒に対し、事前に、飛び込みの危険性について具体的に説明した上、未経験者や未習熟者に対しては、一律に飛び込みを禁止する義務(業務上過失傷害罪の注意義務)があると考えられます。
また、水泳授業の担当教諭は、プールサイドで継続的に生徒らを監視するとともに、飛び込み行為をする生徒を発見した場合には、これを制止する注意義務(業務上過失傷害罪の注意義務)も負っていたと考えられます。
そこで、本件水泳授業の業務上過失傷害事件においては、上記業務上過失傷害罪の注意義務に違反しているかどうかが業務上過失傷害事件の争点となると考えられます。
【水泳授業の業務上過失傷害事件の刑事弁護活動】
「過失」がなかったと主張する場合には、刑事弁護士の弁護活動として、業務上過失傷害事件の「過失」の認定を争う活動が考えられます。
具体的には、業務上過失傷害罪の注意義務に違反していないと主張するための書面を提出するなどすることになるでしょう。
例えば、プールサイドを離れる前に、生徒らに対しあらためて飛び込み等の危険行為を厳重に禁止したなどの事情がある場合、業務上過失傷害罪の注意義務違反はなかったという認定に傾く事情となるでしょう。
もちろん、業務上過失傷害事件の「過失」に関するどのような事情があるかは、実際の業務上過失傷害事件によって様々です。
そして、業務上過失致傷事件の「過失」を争う場合、刑事事件の専門的な知識を前提に、業務上過失傷害事件の具体的事情を検討する必要があるため、一度刑事弁護士に法律相談をすることが重要であると考えられます。
一方、業務上過失致傷罪の容疑を認めているのであれば、寛大な処分を得られるよう、検察官に寛大な処分を求める書面を提出したり、示談を行ったりすることもできると考えられます。
こうした場合にも、迅速に示談交渉に取りかかる必要が出てきますから、早期に活動を開始することが重要です。
刑事弁護士は依頼者の方の話を伺い、業務上過失傷害事件の刑事弁護方針を決めていくことになりますから、まずは弁護士に事件の事情を全て話した上で相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に取り扱う法律事務所です。
水泳授業で業務上過失傷害事件を起こしてしまったなど、刑事事件に関わるお悩みをお持ちの場合には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
当事務所では、365日24時間体制で無料相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。刑事事件や少年事件でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
建造物侵入事件の逮捕から釈放を目指したい
建造物侵入事件の逮捕から釈放を目指したい
建造物侵入事件の逮捕から釈放を目指したいという場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
静岡県御殿場市在住のAさんは、静岡県御殿場市内にある工場地に、窃盗目的で侵入しました。
しかし、工場で働いている従業員が勝手に工場の敷地内にいるAさんを見つけ、静岡県御殿場警察署に通報しました。
Aさんは、見つかったことに気づきその場から逃走しましたが、その後の捜査でAさんの身元が判明。
そして、建造物侵入罪の容疑で静岡県御殿場警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんの今後を不安に思い、Aさんの釈放を求める弁護活動を含めて弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
~建造物侵入罪~
正当な理由なく建造物に侵入した者には、建造物侵入罪(刑法130条)が成立します。
建造物侵入罪で有罪となった場合には、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金刑が科せられます。
刑法130条(建造物侵入罪)
正当な理由がないのに、正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し …た者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
条文の通り、建造物侵入罪は他人の所有する建造物に、正当な理由なく侵入することで成立します。
「侵入」は、一般的に、その建物の管理者の意思に反して立ち入ることを指すとされています。
今回のケースに当てはめてみましょう。
Aさんは、窃盗目的で静岡県御殿場市内にある工場地に侵入しています。
窃盗目的で侵入しているため、Aさんの立ち入りは正当な理由に基づいたものとはいえないでしょう。
当然、Aさんは工場を管理する人の許可を取って立ち入りをしたわけでもありませんし、窃盗目的の立ち入りであれば管理者から許されることもないでしょう。
Aさんのした行為は、こうした事情で人の居住していない建造物に侵入するという行為ですから、建造物侵入といえる行為と考えられます。
よって、Aさんには建造物侵入罪が成立すると考えられるのです。
~建造物侵入事件で釈放を目指す弁護活動~
建造物侵入事件では、証拠隠滅の可能性や逃亡の危険性を考え勾留が必要だと判断されてしまう可能性も十分存在します。
というのも、建造物侵入行為をしているということは、当然侵入した建造物の場所を知っているということであり、建造物侵入罪の被害者に当たる建造物の管理者や、建造物侵入行為を目撃した目撃者などの事件関係者と接触することができ得るということでもあるためです。
逃亡や証拠隠滅のおそれが認められた場合、逮捕からさらに勾留という身体拘束の措置が取られる可能性が高まります。
勾留されてしまった場合、延長期間を含めて最大で20日間身柄が拘束されてしまうことになります。
もし20日間勾留されてしまうことになった場合、例えば勤務先に刑事事件を起こしたことが知られてしまうなど、刑事事件を起こしたということを周囲に知られる可能性が高くなり、社会的地位を大きく損なうおそれが出てきます。
そういった事態を避けるためにも、逮捕・勾留されてしまったご本人やご家族としては、少しでも早く釈放してほしいと考えられることも自然でしょう。
勾留を回避し釈放を目指す弁護活動としては、弁護士から検察官や裁判官に向けて、勾留の必要がないことや釈放をする必要性のあることを主張し、釈放を求めていくことが考えられます。
例えば、法律的に勾留の必要性がなく釈放の必要性があるということを主張するだけではなく、ご家族やご親族に協力を得られる場合には、釈放された際にご家族・ご親族による監視監督をすることや今後の再犯防止策などを具体的に取り上げ、検察官や裁判官に訴えるということも考えられます。
刑事事件の性質上、釈放を求める弁護活動は速やかに行う必要があります。
・釈放=事件の終わりではない
釈放を求める弁護活動が功を奏し、釈放が実現されたとしても、事件がそこで終わるわけではありません。
釈放されたとしても、事件の捜査は継続されますし、最終的に有罪となり刑事罰が科せられることも当然考えられます。
ですから、刑事罰を科せられたくない、前科を付けたくないという場合には、取調べに適切に対応したり、被害者が存在するのであれば謝罪や弁償を含む示談交渉を行ったりといった、事件の終局処分に対する弁護活動が必要となってくるでしょう。
特に、被害者の存在する刑事事件では、示談交渉は重要な弁護活動の1つです。
示談締結によって、被害の回復や被害感情の緩和を主張することができるため、例えば検察官が起訴・不起訴を判断する際の大きな材料となるのです。
示談締結の事情は、終局処分だけでなく、釈放を求める際にも判断に大きな影響を与えることが考えられるため、被疑者本人が容疑を認めているのであれば、早期に示談交渉に取りかかることが求められます。
刑事事件を数多く取り扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、建造物侵入事件などで逮捕・勾留されてしまった方の釈放を求める弁護活動についても、ご相談・ご依頼を承っています。
数多くの刑事事件に取り組んできたからこそ、逮捕直後からスピードをもって弁護活動に取り組むことができます。
まずはお気軽にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
当事務所では、365日24時間体制で無料相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。刑事事件や少年事件でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
改正少年法と少年事件
改正少年法と少年事件
改正少年法と少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
静岡県裾野市に住んでいる高校生のAさん(18歳)は、市内の路上で他の高校に通うVさん(17歳)に対して暴力をふるい、けがを負わせてしまいました。
Aさんは静岡県裾野警察署に傷害罪の容疑で逮捕されたものの、Aさんの両親が警察署まで迎えに行き、身元を引き受けたことで帰宅を許されました。
Aさんと両親が帰宅後に今後について調べてみたところ、18歳のAさんの事件は少年事件として扱われることが分かりました。
少年法が令和4年4月1日で改正されたものになるというニュースを見たことがあったAさんらは、今後について心配になり、少年事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・改正少年法と少年事件
未成年者が犯罪をした場合、少年法が適用され、成人が犯罪をしてしまった場合とは別の手続となります。
Aさんらが調べていた通り、この少年法は改正され、令和4年4月1日から改正少年法が施行されます。
現行の少年法では、20歳未満の者が「少年」として扱われることとなっています。
少年法第2条第1項
この法律で「少年」とは、20歳に満たない者をいい、「成人」とは、満20歳以上の者をいう。
改正少年法でも、20歳未満の者が「少年」として少年法の適用を受けることに変わりはありません。
しかし、改正少年法では、18歳・19歳の少年について「特定少年」という区分を新たに設け、この「特定少年」については他の17歳以下の少年と扱いが変わる部分が出てくることになります。
改正少年法第62条
第1項 家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
第2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。
ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
第1号 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
第2号 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)
改正少年法の「特定少年」は、主に少年事件の検察官送致(いわゆる「逆送」)の手続きに深くかかわる定義です。
現行の少年法では、原則として逆送される少年事件について、「死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件」(少年法第20条第1項)と「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの」(少年法第20条第2項)と定めています。
対して、改正少年法の「特定少年」については、「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの」(改正少年法第62条第2項第2号)を原則逆送することとされています。
つまり、改正少年法の「特定少年」については、現行の少年法よりも原則逆送事件の対象範囲が広がることとなるのです。
そのため、「特定少年」に当たる年齢で一定の重い犯罪をした場合には、成人同様に刑事裁判を受け、刑罰を受ける可能性が高まるといえるでしょう。
ちなみに、現行の少年法では、家庭裁判所の審判に付する少年について以下の区分を定めています。
少年法第3条第1項
次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
第1号 罪を犯した少年
第2号 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
第3号 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
少年法第3条第1項のうち、第1号に当たる少年を「犯罪少年」、第2号に当たる少年を「触法少年」、第3号に当たる少年を「虞犯少年(ぐ犯少年)」と呼びます。
こちらは改正された少年法でも変更されることはありません。
改正少年法においては、第3条第1項第1号「犯罪少年」の中に18歳・19歳の「特定少年」が含まれ、一定の重さの犯罪をした場合に原則逆送されるというイメージでしょう。
なお、改正少年法では、18歳・19歳の「特定少年」については、少年法第3条第1項第3号の「虞犯少年(ぐ犯少年)」の適用はされない予定です。
改正される民法上でも成人となる18歳以上の少年については、こういった監護を前提とした虞犯少年(ぐ犯少年)の手続きは不適当だろうと考えられたためです。
他にも、「特定少年」であった場合には、資格取得の際の特例が適用されなかったり、報道の際に実名報道の可能性があったりという、現行の少年法と異なる部分が出てきます。
「特定少年」としての扱いになるのかどうかは、少年事件を起こした際の年齢や、少年事件の審判が終了した際の年齢など、それぞれの特例などによってタイミングで異なる場合もあります。
改正少年法が施行されるのは令和4年4月1日ですが、改正少年法が施行されてからしばらくの間は、「特定少年」として扱われることになるのかどうかなど、少年事件の取り扱いについて混乱される方も少なくないでしょう。
だからこそ、少年事件を多く取り扱う弁護士に相談して、きちんと正しい手続や見通しを把握し、対応していくことが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、多くの少年事件を取り扱う弁護士が、少年事件の始まりから終了までフルサポートいたします。
少年法改正によって現在の少年事件の手続きと変わることも出てきますから、お悩みの際にはお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
当事務所では、365日24時間体制で無料相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。刑事事件や少年事件でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
クロスボウ所持で銃刀法違反事件に
クロスボウ所持で銃刀法違反事件に?
クロスボウ所持で銃刀法違反事件に問われるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事案例】
静岡県沼津市に住んでいるAさんは、クロスボウの収集や鑑賞が趣味で、クロスボウを数台所持しています。
ある日Aさんがテレビを見ていると、ニュース番組で「令和4年3月15日からクロスボウが所持禁止となります!」と報道していました。
Aさんは「クロスボウを使った事件が多発したからといっていたけど、自分は眺めているだけなんだけどなあ。それでも手放さなければいけないのかな。手放すときは静岡県沼津警察署に持っていくのかな。」と思い、インターネットなどでクロスボウ所持や銃刀法違反事件について調べ始めました。
(フィクションです)
【クロスボウとはどのようなものですか?】
クロスボウとはどのようなものでしょうか。
クロスボウとは、「引いた弦を固定し、これを解放することによって矢を発射する機構を有する弓のうち、内閣府令で定めるところによって測定した矢の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府で定める値以上となるもの(一定の洋弓銃)をいう(銃刀法第3条)」
とされています。
【銃刀法の改正について】
近年クロスボウが使用された凶悪事件が相次いで発生しました。
これにより令和3年6月16日に銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律、すなわち、いわゆる銃刀法を改正する法律が公布されました。
改正銃刀法の施行日以降、クロスボウの所持が原則禁止され許可制となることとなりました。
つまり、改正法の施行後、クロスボウを不法に所持した者は、銃刀法違反により罪に問われることとなります(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)。
改正銃刀法は、令和4年3月15日に施行されます。
【いつからクロスボウを所持できなくなるのですか】
改正銃刀法の施行時(令和4年3月15日午前0時)に所持しているクロスボウについては、そのクロスボウに限り(新しく買うなどしてはいけません)、施行日から起算して6か月の間(令和4年9月14日まで)は、次に述べるいずれかの措置をとるため、所持し続けることができます。
1所持許可を申請する
2廃棄する
3適法に所持することができる方に譲り渡す
いずれの措置も執らずに令和4年9月15日以降も所持し続けた場合は、不法所持となり先に書いた通り、銃刀法違反で3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
続いて1~3それぞれについて見ていきましょう。
1所持許可を申請する
クロスボウの所持許可を受けるためには、第一に許可の欠格要件(18歳に満たない者、禁錮以上の刑の執行を終えてから5年を経過していない者であるなどの人的欠格事由や、クロスボウの構造若しくは機能が一定の基準に適合しないといった物的欠格事由など)に該当しないことが必要です。
また、クロスボウの所持許可は標的射撃や産業目的等の用途のための所持に限定されており、例えば、鑑賞や収蔵の目的で所持許可を受けることはできません。
2廃棄する
個人で処分をするほか、警察署でも回収をしています。
3適法に所持することができる方に譲り渡す
個人間で譲り渡す場合には、相手方のクロスボウの所持許可証の原本を確認し、相手方がそのクロスボウを適法に所持することができる方であることを確認する必要があります。
よってAさんの場合は所持許可を申請したとしても、クロスボウの所持目的が収集や鑑賞であるため、所持許可が下りる可能性は低いと思われます。
【Aさんがクロスボウを持ち続けた場合の弁護活動】
Aさんが令和4年9月15日以降も、所持許可を得ずにクロスボウを所持した場合は銃刀法違反となる可能性が高いです。
ではAさんが銃刀法違反で静岡県沼津警察署に検挙された場合、どのように弁護活動をしていくのでしょうか。
銃刀法違反事件では、違反態様が軽微であれば罰金処分となることが多いのですが、罰金処分は前科となるため、社会的不利益(会社を解雇される、学校を退学になる等)を被る可能性はゼロではありません。
ですので、刑事事件に強い弁護士が本人の反省と今後の指導をしっかりと行うことで、再犯を犯すことがないことや事案の軽微性や非悪質性を検察官に訴え、不起訴処分とするように活動していきます。
ご自身やご家族が銃刀法違反事件で警察署で話を聞かれることになった時は、ぜひ刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
銃刀法違反事件において不起訴処分を勝ち取った実績のある刑事弁護士も多数在籍しております。
静岡県沼津市の銃刀法違反事件でご自身やご家族が警察署で話を聞かれることになった時は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
当事務所では、365日24時間体制で無料相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。刑事事件や少年事件でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
車に落書きをして器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまった
車に落書きをして器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまった
車に落書きをして器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、静岡県熱海市にある商業施設によく通っていましたが、商業施設の入り口付近にある駐車場に利用客の車が多く停めてあることについて、邪魔だと感じていました。
Aさんは、「駐車場に誰も車を停めなければいいのに」と考えるようになり、駐車場に停めてある車に嫌がらせをするようになりました。
具体的には、Aさんは駐車場に停めてある車に対して油性ペンで大きく落書きをするという行為を繰り返すようになりました。
商業施設の利用客から、相次いで相談を受けた静岡県熱海警察署は捜査を開始。
捜査の結果、Aさんは器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和4年1月20日FNNプライムオンライン配信記事を基にしたフィクションです。)
・落書き=「損壊」?
今回の事例のAさんは、商業施設の駐車場に停めてあった車の車体に油性ペンで落書きをしたことで、器物損壊罪の容疑をかけられ逮捕されています。
Aさんに容疑がかけられている犯罪である器物損壊罪は、刑法第261条に定められています。
刑法第261条(器物損壊罪)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
この犯罪は、器物損壊罪という名前の通り、「他人の物を損壊」することで成立する犯罪です。
皆さんの中にも、「物を壊したら器物損壊罪になる」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ですから、今回のAさんの事例に対して、「なぜ物を壊したわけではないのに器物損壊罪なのか」と不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで注意しなければならないのは、器物損壊罪の「損壊」が、一般に考えられている「損壊」よりも広い意味で使われているということです。
器物損壊罪の「損壊」は、単に物が壊れるということだけではなく、物の効用を害する行為全般を指すと解されています。
この「物の効用を害する」という器物損壊罪の「損壊」行為で、よく例として出される行為としては、食器に放尿する行為が挙げられます。
放尿しただけでは、食器は壊れることはないでしょう。
しかし、放尿された食器を食器本来の役割=物を食べる際に使用することは、はばかられる方が多いでしょう。
つまり、その食器は本来の使い方で使えなくなってしまった=食器の効用が害されてしまったということになり、食器に放尿する行為は器物損壊罪にあたりうる行為となるのです。
この「損壊」の考え方に則って、今回の事例のAさんの行為を振り返ってみましょう。
今回の事例のAさんは、商業施設の駐車場に停車していた車の車体に油性ペンで大きく落書きをしています。
油性ペンで大きく落書きされてしまえば、その落書きが簡単には落とせないことが想像できます。
こうしたことから、大きく落書きされ簡単にはその落書きが落ちない=車の価値がAさんの落書き行為によって下げられたということになり、器物損壊罪の「損壊」に該当すると判断されたと考えられます。
・器物損壊事件で逮捕されてしまったら
器物損壊事件を起こして逮捕されてしまったら、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
逮捕されるということは、それまでの生活から切り離されて、1人で取調べ等に臨むということです。
逮捕後に勾留されてしまえば、さらに長期間身体拘束が続くことになります。
仕事や学校、生活がかかっていることですから、釈放を実現したいと望まれる方が多いでしょう。
釈放を求める活動には、刑事事件の知識や経験が必要となってきますから、弁護士に具体的な活動やポイントを聞いたり活動してもらったりすることが効果的です。
また、器物損壊罪は「親告罪」という犯罪です。
親告罪は、被害者などが告訴(=犯罪被害に遭ったことの申し出と加害者に対する処罰の要望)をしなければ起訴できない犯罪です。
ですから、すでに告訴されている場合には被害者から告訴を取り下げてもらったり、まだ告訴されていない場合には告訴をしない約束をしてもらったりすることができれば、器物損壊罪は不起訴となります。
こうした告訴の取下げや告訴をしない約束は、示談の中で取り決めることができます。
そのため、器物損壊事件で逮捕されてしまった場合には、被害者への謝罪や弁償を含めた示談交渉を早期に開始してもらうことが、先ほど触れた釈放を求める活動においても、後々の処分を有利に進めるためにも重要と言えるでしょう。
しかし、当事者同士での話合いでは、お互いの意図しないトラブルが発生してしまったり、法律的な部分で不足のある示談となってしまったりするおそれもあります。
さらに、今回のAさんのような事例では、そもそも被害者の連絡先が分からず、謝罪や弁償の話をすることすら難しいということも考えられます。
だからこそ、法律の専門家である弁護士を間に入れることで、話し合いをスムーズに進めることや、謝罪・弁償の打診を捜査機関を通じて行うことなどが期待できるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、器物損壊事件についても多数のご相談・ご依頼を受け付けております。
落書きから器物損壊事件に発展してしまった、家族が逮捕されてしまったいう状況にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
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スピード違反の道路交通法違反でも逮捕されることはある?
スピード違反の道路交通法違反でも逮捕されることはある?
スピード違反の道路交通法違反でも逮捕されることはあるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
静岡県伊東市に住んでいるAさんは、会社への通勤に自家用車を利用していました。
Aさんは毎朝急いで会社に向かっていたことから、制限速度が時速40キロに指定されている一般道路を時速98キロの速さで運転してしてしまうなど、スピード違反を繰り返していました。
Aさんの車が度々明らかにスピード違反の速度で走っていることに不安を覚えた現場近くの住民から静岡県伊東警察署に通報があったことで、静岡県伊東警察署が取り締まりを強化。
その結果、Aさんは道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、「スピード違反のような交通違反でも逮捕されてしまうのか」と驚き、家族の依頼で接見に訪れた弁護士に事件について相談してみることにしました。
(※令和4年1月27日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・スピード違反で逮捕されることはある?
スピード違反は単なる交通違反の1つであり、切符を切られるだけで終了するというイメージが強いでしょう。
もしかすると、この記事をご覧になっている方の中にも、自動車を運転している際にスピードを超過してしまったというスピード違反の経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回のAさんはそのスピード違反によって逮捕までされてしまっています。
スピード違反から逮捕にまで至ることはあるのでしょうか。
そもそも、スピード違反=速度超過は、道路交通法という法律に違反する犯罪行為です。
道路交通法第22条
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
道路交通法第118条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
第1号 第22条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
道路交通法第118条第1項第1号にある通り、速度超過による道路交通法違反となった場合、「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」という刑罰が科される可能性があります。
「6月以下の懲役」という部分からも明らかなように、スピード違反であっても、場合によっては刑務所に行くことになります。
こうした刑罰が設定されていることからも、スピード違反は立派な犯罪であることが分かります。
ですから、今回のAさんのように、スピード違反による道路交通法違反で逮捕されてしまうということもありえるのです。
・スピード違反は絶対に刑事事件になる?
先ほどまで確認してきたように、スピード違反による道路交通法違反は立派な犯罪であり、逮捕されることもあれば、場合によっては刑務所に行くこともあります。
しかし、冒頭でも触れたように、スピード違反を単なる交通違反だと認識している方も多いですし、実際にスピード違反をしてしまったことがあるが刑事事件として扱われることはなかったという経験がある方もいらっしゃるでしょう。
これはなぜなのでしょうか。
こういった認識は、一定の道路交通法違反については、「交通反則通告制度」という制度によって処理されていることによってできているものと考えられます。
「交通反則通告制度」とは、軽微な交通違反を反則行為として、刑事事件とする代わりに反則金を納めて手続きを終了する制度のことを指します。
いわゆる「青キップ」を切られた経験のある方もいらっしゃるかもしれませんが、これはこの「交通反則通告制度」に則った処理だったということです。
ですから、スピード違反をしてしまったというケースであっても、そのスピード違反の程度が軽微であった場合には、反則金を支払うことで手続は終了=刑事事件として捜査されることも、刑罰を受けることもなく終了するということになるのです。
このために、「スピード違反は単なる交通違反であるので大事にはならない」というイメージが強いのではないかと考えられます。
しかし、この「交通反則通告制度」は、スピード違反全てに対して適応されるわけではありません。
前述したように、「交通反則通告制度」は、あくまで軽微な交通違反に対して適応される制度であり、適応される交通違反はどういったものか決められています。
今回のAさんの事例で問題となるスピード違反については、一般道では時速30キロ以上、高速自動車国道では時速40キロ以上の速度超過であれば、交通反則通告制度は適用されず、刑事罰の対象となることが決められています。
今回の事例のAさんは、時速40キロ制限の一般道を時速98キロで走行するという、時速58キロオーバーのスピード違反をしていますから、「交通反則通告制度」の対象外となり、すぐに刑事事件に発展したということなのでしょう。
なお、「交通反則通告制度」の対象外となる違反は、こうした大幅なスピード違反以外に、飲酒運転や無免許運転が挙げられます。
スピード違反という単語だけ聞くと、すぐに刑事事件に発展するという感覚は湧きづらいかもしれません。
しかし、スピード違反の回数や程度によっては、逮捕されてしまう可能性も十分考えられます。
逮捕されてしまえば当然今までの生活に支障が出てくることになりますから、早めに弁護士へ相談することがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通違反から刑事事件へ発展したケースについても、ご相談・ご依頼を承っています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
0120-631-881では、専門スタッフがご相談者様のニーズに合わせたサービスのご案内を行っています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
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自宅への放火で逮捕されてしまった!
自宅への放火で逮捕されてしまった!
自宅への放火で逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、自身の両親と一緒に、静岡県三島市の一軒家に住んでいました。
Aさんは、現在住んでいる家の間取りや交通の便について不満を持っており、常々現在の家を引き払いたいと思っていました。
そこでAさんは、両親が外出して不在にしている間に、自宅に放火しました。
Aさんの放火によって家は半焼し、Aさん自身は、通報によって駆け付けた静岡県三島警察署の警察官に、現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは、家族の依頼によって接見に訪れた弁護士から、今後の刑事手続きの流れや被疑者の権利、事件の見通しなどについて詳しく説明を受けることとなりました。
(※令和4年1月11日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・自宅に火をつけた放火事件
今回の事例のAさんは、自宅に放火し、家を半焼させたという現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されています。
現住建造物等放火罪という長い犯罪名に驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、放火行為に成立する犯罪は、単なる「放火罪」という犯罪ではなく、放火の対象が何であったか、どういった状態であったかなどによって細かく分かれています。
例えば、今回のAさんの逮捕容疑である、現住建造物等放火罪を確認してみましょう。
刑法第108条(現住建造物等放火罪)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
条文によると、現住建造物等放火罪が成立するには、放火された対象が「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑」であることが必要です。
普段の生活の中で関わる可能性の高いところでいうと、前半部分の「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物」という部分でしょう。
簡単に言えば、
・現在人が住居として使用している建造物
・現在人がいる建造物
のどちらかに当たれば、現住建造物等放火罪の対象となる建造物であるということです。
例えば、今回の事例のAさんは自宅に放火していますが、その家にはAさんとAさんの両親が住んでいますから、Aさんが放火した家は「現に人が住居に使用し」ている建造物であるということになります。
Aさんが放火をした当時は家に人はいなかったようですが、先ほど触れたように、現在人が住居として使用している建造物であるか、現在人が中にいる建造物であるか、どちらかに当てはまれば現住建造物等放火罪の対象となります。
また、現住建造物等放火罪の中で使われている「焼損」という言葉ですが、これは、火がその媒介物を離れて目的の者に燃え移り、独立して燃焼を継続し得る状態になったことを指すと言われています。
例えば、ライターから建造物の壁に火をつけたとして、その火がライターから離れて燃え続ける状態は「焼損」といえますが、ライターを離して火が消えてしまったというような場合には「焼損」とは言えません。
今回の事例のAさんの場合、放火した自宅は半焼していることから、「焼損」をしていることに間違いはないでしょう。
放火事件のイメージとしては、「火をつけたらイコール放火罪になる」というイメージかもしれませんが、実際に放火の罪が成立するにはこういった条件が必要になってくるのです。
なお、建造物が「焼損」していなかったとしても、器物損壊罪や建造物等以外放火罪、現住建造物等放火未遂罪など、他の犯罪が成立する可能性があることには注意が必要です。
ここまで見てきた現住建造物等放火罪という犯罪ですが、その刑罰は先ほどの条文にもある通り、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」という大変重い刑罰です。
執行猶予を獲得するためには、言い渡される刑罰が3年以下の懲役でなければいけないという条件がありますが、この現住建造物等放火罪の刑罰は、軽くても5年の懲役刑となっており、通常執行猶予をつけることはできません。
死刑・無期懲役が含まれることや、刑罰の下限が執行猶予を付けることのできない長さであることなどからも、重大な犯罪であることがお分かりいただけるでしょう。
だからこそ、早期に弁護活動を開始してもらい、少しでも被疑者・被告人の方やそのご家族の負担を軽減できるようサポートしてもらうことがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、放火事件などの重大事件についてのご相談・ご依頼についても承っています。
重大な犯罪だからこそ、刑事事件専門の弁護士のサポートをご利用ください。
0120-631-881でお問い合わせを受け付けていますので、お気軽にお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
静岡県内の刑事事件・少年事件について、豊富な経験と実績をもつ弁護士が、初回の相談や接見といった事件の始まりから事件解決まで一貫して丁寧に対応させていただきます。
当事務所では、365日24時間体制で無料相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。刑事事件や少年事件でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。