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(事例紹介)トラブル相手に消毒用アルコールを吹きかけた男性が暴行の疑いで逮捕された事例

2024-05-08

(事例紹介)トラブル相手に消毒用アルコールを吹きかけた男性が暴行の疑いで逮捕された事例

トラブル相手に消毒用アルコールを吹きかけた男性が暴行の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県磐田市で、交通トラブルになった男性の顔に消毒用アルコールをかけた疑いで、70代の男が逮捕されました。
逮捕された男は、磐田市にある食料品店の入り口で、磐田市に住む男性の顔に消毒用アルコールを吹きかけた疑いが持たれています。
警察によりますと、食料品店の駐車場で歩いていた被害者の男性と、自転車に乗っていた男との間で何らかのトラブルが起き、その後、2人は店内に移動し、男が入り口に置いてあった消毒用アルコールを男性に吹きかけたとみられています。
男性が「アルコール液をかけられた」と警察に通報したことから事件が発覚しました。
男は容疑を否認しているということです。警察は事件が起きたいきさつなどについて調べています。
(静岡放送「「アルコール液をかけられた」50代の男性に消毒用アルコールを吹きかけたか 73歳男を逮捕=静岡県警」(2024/4/19)を引用・参照の上、適宜修正)。

~傷害に至らない暴行~

(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(暴行)
第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

上記の刑法208条が規定するように暴行罪は、「暴行を加えた者が人を傷害(注:刑法204条参照)するに至らなかったとき」に成立します。
すなわち、「暴行」を加えた結果として「傷害」が生じれば、暴行罪ではなくより重い傷害罪が成立することになるということです。
なお、法律論の詳述は避けますが、暴行を介して傷害が成立する場合は、暴行の故意さえあれば傷害の故意がなくとも傷害罪は成立すると解するのが通説であり実務です。
そして204条にいう「傷害」とは、人の生理的機能に障害を生じさせるこというものと解されています。
本件では、(上記報道に基づく推測にはなりますが)逮捕された被疑者が被害者に吹きかけたとされる消毒用アルコールは、コロナ禍以降に店頭等に置かれるようになった一般的な消毒用アルコールであると思われます。
これを顔に吹きかけるだけでは、生理的機能に障害が生じることは稀であり、本件では被疑者に対する有形力の行使たる「暴行」には当たりうるものの、「傷害」結果までは生じなかったがゆえに暴行罪が成立すると考えられたのでしょう。

~暴行事件における刑事弁護活動~

暴行罪といえば、上述のように傷害罪にまでは至っていないのであり、上記の条文(刑法208条)が規定する法定刑もそれほど重いものではありません。
したがって、被疑者本人やその関係者も一般に事態を楽観視しがちな傾向にあります。
しかし、逮捕されてしまえば検察官が勾留(逮捕からプラスして10日間の身体拘束処分)を請求した場合、高い確率で勾留が認められていることに注意が必要です。
よって、暴行罪により逮捕されてしまった場合は、弁護士が勾留を阻止するために早い段階から検察官(や裁判官)に働きかける弁護活動が極めて重要になってきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、暴行事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
暴行事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
お問い合わせ頂くことで経験豊富な弁護士による接見対応等、逮捕による不利益を最小限にとどめるための迅速な弁護活動を行うことが可能です。

(事例紹介)仕事場の同僚を刃物で刺したとして外国籍の男性が逮捕された事件【静岡県静岡市】

2024-05-01

(事例紹介)仕事場の同僚を刃物で刺したとして外国籍の男性が逮捕された事件【静岡県静岡市】

仕事場の同僚を刃物で刺したとして外国籍の男性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡市清水区で、同僚の男性を刃物で刺して殺害しようとしたとして、31歳の男が逮捕されました。
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、外国籍の男です。
警察によりますと、男は清水区内の解体工事現場付近で、解体工の男性を刃物で刺すなどし、殺害しようとした疑いがもたれています。
被害者は、体に複数の傷を負い、病院に運ばれ、現在入院中だということですが命に別状はないということです。
2人は同じ解体工事現場で働いているということですが、警察は、犯行の動機や認否について、捜査中として明らかにしていません。
(静岡放送「同じ現場で働く男性を刺したか トルコ国籍の31歳男を殺人未遂容疑で逮捕=静岡県警」(2024/4/2)を引用・参照の上、適宜修正。)

~殺人罪と殺意〜

(殺人)
第199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
(未遂罪)
第203条 第199条・・・・・・の罪の未遂は、罰する。

本件では、逮捕された外国籍の男性は殺人未遂の疑いで逮捕されています。
刑法の条文に即して言うなら、「人を殺」す行為という「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった」(43条本文)として、殺人未遂罪(203条・199条)が成立すると考えられたことになります。
しかし実は、殺人未遂罪が成立するか傷害罪(204条)にとどまるかというのは事実関係によって難しい(そして慎重な)判断が求められる場合も少なくありません。。
本件では、報道段階の事実にすぎませんが、刃物という生命への危険を生じさせ得る凶器を使い、被害者の身体を複数回に渡って刺していることから殺意(殺人の故意:38条1項本文)及び殺人罪の実行行為性が認められると判断したものと考えられます。
なお、わざわざ未遂罪を処罰する規定(本件では203条)を定めているのは、44条により未遂罪は個別の規定が定められている場合にのみ処罰され得るからです(したがって、あらゆる犯罪に未遂罪が成立するわけではないことに注意を要します)。

〜外国人事件における弁護活動〜

どのような罪の疑いをかけられているにせよ、外国において刑事手続の対象(特に身体拘束を伴う場合)になることは大きな不安がつきまとうことになることは想像にかたくありません。
したがって、被疑者が外国人である場合、弁護士には日本人(や日本語を十分に解する者)以上に慎重な弁護活動が求められます。
また、在留資格に対する影響など外国籍の被疑者・被告人の弁護活動には、内国人とは異なる考慮が必要となります。
特に本件のような殺人未遂事件の場合、仮に殺人未遂罪の罪名で起訴された場合、裁判員裁判(裁判員法2条1項1号参照)となることからも、起訴前の弁護活動が極めて重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、殺人未遂事件などの重大事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
外国人事件の場合、通訳人を帯同させるなどして専門的な弁護活動を行うことが可能です。
殺人未遂事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお電話ください。

(事例紹介)静岡県内で警察官に殴りかかった男性が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された事件

2024-04-24

(事例紹介)静岡県内で警察官に殴りかかった男性が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された事件

静岡で窃盗・強盗・詐欺で逮捕されたら

静岡県内で警察官に殴りかかった男性が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県袋井市で警察官を殴った男が現行犯逮捕されました。
男は掛川警察署の生活安全課の警察官の胸を殴り、職務を妨害した疑いが持たれています。
通行人から「けんかをしている男たちがいる」と袋井署に通報が入り、警察官が駆け付けたところ殴られた警察官が男を押さえつけていたということです。
警察官が男に事情聴取を行ったところ、男が殴りかかってきたということで、警察官にケガはありませんでした。
男も殴った事実を認めているということです。
(静岡朝日テレビ「警察官に殴りかかった男を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕 職務質問を受け胸を殴るなどしたか 静岡・袋井市」(2024/3/19)を引用・参照)。

~公務執行妨害罪について~

(公務執行妨害及び職務強要)
第95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 (略)

本件は(後に現行犯逮捕された)被疑者を含む男性らが何らかの揉め事になっていたところ、警察官が職務質問(警察官職務質問法2条1項)を行っている最中に被疑者に暴行を受けたという事件です。
(本件は報道内容だとやや分かりにくいですが)そこに通報により別の警察官が駆け付けたという事件だと思われます。
本件では被疑者は公務執行妨害によって逮捕されていますが、公務執行妨害罪における「暴行」とは、公務員の身体に直接な有形力の行使までは必ずしも必要なく、間接的な影響を与えるもので足りると解されています。
逮捕された被疑者は公務員たる警察官に殴りかかっており、直接的な有形力の行使が認められますが、例えば警察官が証拠物を押収する際に当該証拠物を破壊する行為なども間接的に公務員に向けられた有形力の行使として「暴行」に当たると解されています(最決昭和34・8・27参照)。
このように、公務執行妨害はかなり成立しやすい犯罪といえ、職務質問などに対応するに当たっては同罪に当たるとして現行犯逮捕などされないように、十分に注意する必要があります。

~公務執行妨害事件における刑事弁護活動について~

公務執行妨害罪は、一個人である公務員に対して「暴行又は脅迫」を加える犯罪ですが、個人の身体等の個人的な法益を保護するものではありません。
公務執行妨害罪は、公務の円滑・公正な執行という国家的法益を保護するものであると考えられています。
したがって、犯罪の性質上、被害者との示談を成立させることは困難であるという特殊性があります。
もっとも、統計上は(逮捕後の)勾留(刑訴法207条1項本文・60条)されないことも多く、逮捕されてしまった場合も勾留を争う余地は大いに存在します。
よって、逮捕後の早期に弁護士と接見した上で身柄解放活動を行うことで、逮捕された方(やそのご家族等)に生じ得る不利益を最小化することが可能になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公務執行妨害事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
公務執行妨害事件で逮捕された方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

(事例紹介)大道芸の催しが開かれていた会場で盗撮をした疑いで男性を再逮捕【静岡中央署】

2024-04-17

(事例紹介)大道芸の催しが開かれていた会場で盗撮をした疑いで男性を再逮捕【静岡中央署】

静岡県内の刑事・少年事件

大道芸の催しが開かれていた会場で盗撮をした疑いで男性を再逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡中央署は、性的姿態撮影処罰法違反の疑いで藤枝市岡部町桂島、会社員の男を再逮捕した。
再逮捕容疑は、大道芸の催しが開かれていた静岡市葵区の駿府城公園で、女性のスカートに小型カメラを差し向けて下着を盗撮した疑い。
同署によると、容疑者の自宅にあったマイクロSDカードに盗撮した動画が残っていて発覚した。
容疑者は、同公園で大道芸W杯の演技を見ていた女性のスカートに盗撮目的で小型カメラを差し入れたとして逮捕されていた。
(静岡新聞「大道芸W杯会場で盗撮の疑い 男を再逮捕 静岡中央署」(2023/11/17)を引用・参照の上、適宜修正。)

~性的姿態撮影処罰法の創設〜

(性的姿態等撮影)
第2条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等⋯⋯のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの⋯⋯ を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ(以下、略)

これまで盗撮罪というものは存在せず、盗撮事件の多くの事例は各都道府県の迷惑防止条例の規定によって対処されてきました。
しかし、スマートフォン等の普及に伴う盗撮事件の続発を受け、2023年(令和5年)に性的姿態撮影等処罰法が新法として創設されるに至りました。
本件は、この新法の2条1項1号イが適用されたものと考えられ、再逮捕(マスコミ用語でいうところの再逮捕。法律用語の再逮捕とは異なります。)されたものと思われます。
なお、同法の附則には経過措置として、第2条において「刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)の施行の日の前日までの間における第2条(注:冒頭の新法第2条のこと)⋯⋯の規定の適用については、これらの規定中「拘禁刑」とあるのは、「懲役」」とする旨の規定が置かれています。
したがって、刑法改正による「拘禁刑」の施行が令和7年6月1日とされていることから、それまでは「拘禁刑」という規定は「懲役刑」と読み替えることになります。

〜盗撮事件における弁護活動〜

これまで迷惑防止条例違反で逮捕されたケースにおいては、逮捕はされても勾留(刑訴法207条1項・60条)されない場合も少なくありませんでした。
性的姿態撮影処罰法違反でもその運用は大きく変容するとまでは考えにくいですが、法定刑の引き上げや処罰類型の拡大などに関連して最新の動向を把握することは弁護上必要不可欠といえます。
この点、専門性の高い刑事弁護士に依頼することによって、実務の実情に合わない不適切な弁護活動を避けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性的姿態撮影処罰法違反事件を含む盗撮事件などの刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
性的姿態撮影処罰法違反事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお電話ください。

(事例紹介)傷害で逮捕された男性らの事件の証拠を隠滅した疑いで女性が逮捕【静岡県湖西署】

2024-04-10

(事例紹介)傷害で逮捕された男性らの事件の証拠を隠滅した疑いで女性が逮捕【静岡県湖西署】

傷害で逮捕された男性らの事件の証拠を隠滅した疑いで女性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県の浜名湖で男性の遺体が見つかった事件で、湖西署捜査本部は、同被害男性に対する傷害事件の証拠を隠したとして、証拠隠滅の疑いで無職の女を逮捕した。
逮捕容疑は、浜松市中央区で、知人と共謀し、事件の証拠を隠滅した疑い。
捜査本部は証拠の詳細や隠滅方法を明らかにしていない。

(共同通信「証拠隠滅疑い、19歳女逮捕 浜名湖の高校生遺体」(2024/3/17)を引用・参照の上、適宜修正。)

~証拠隠滅罪について〜

(証拠隠滅等)
第104条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

本件では、すでに傷害の疑いで逮捕されている被疑者らの事件に関する「証拠を隠滅」した疑いがあるとして、(知人と共謀し)証拠隠滅罪を犯した疑いで女性が逮捕されています。
「他人の刑事事件に関する」という文言が表す通り、自己の刑事事件に関する証拠隠滅行為に関しては同罪は成立しません。
すなわち本件で被害者に対して傷害行為をした当事者は、仮に証拠隠滅行為をしても(その証拠が他人の刑事事件に関する証拠にもなるというような事情がない限り)証拠隠滅罪によって処罰されることはありません。。
なぜなら、自己の犯罪に関する証拠を隠滅しないことは法が期待するところではない(要するに犯罪をした者自身がその犯罪の証拠を隠滅することは仕方がないことだと法は割り切ってるということです)と考えられているのです。
したがって、本件のように「他人」が起こした刑事事件の証拠を隠滅したと疑われた場合には証拠隠滅罪が成立しうるとして逮捕されることがあり得ることになります。

〜刑事事件を専門とする弁護士の弁護活動〜

裁判所(裁判官)は、(逮捕後)勾留された被疑者については、一定の要件の下で被疑者との接見を禁じることができます(刑訴法81条)。
もっとも、唯一弁護士だけが逮捕や勾留されている被疑者との秘密交通権が保障されており(憲法34条前段、刑訴法39条1項)、逮捕・勾留されている方と立会人なしでの面会が可能です。
刑事事件では早期対応が不可欠であり、あらゆる可能性を想定して今後の見通しを誤らないためにも、余罪の有無等の不利益な事実も含めて弁護士としっかり話し合いうことが重要です。
例えば、本事例などは被害者が死亡している殺人などの重大犯罪にも関連している事件であり、関与の程度がどこまでなのかどのような他に容疑をかけられている(かけられ得る)のかなどの予測を立てることが弁護士の役割の一つになります。
専門性及び刑事事件の経験を多数有する弁護士に依頼することで、信頼関係の構築やスムーズな交渉など受けられるメリットは少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、証拠隠滅事件などを含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
弊所には刑事事件を専門にしている弁護士が多数所属しており、個々の事件に応じたきめ細やかな弁護活動を行っております。
証拠隠滅事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

(事例紹介)静岡県内を走行中の高速バスで20代女性にわいせつ行為をした男性が現行犯逮捕

2024-04-03

(事例紹介)静岡県内を走行中の高速バスで20代女性にわいせつ行為をした男性が現行犯逮捕

静岡で性犯罪で逮捕されたら

走行中の高速バスで20代女性にわいせつ行為をし男性が現行犯逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

走行中の高速バスの車内で20代女性にわいせつな行為をしたとして、同乗していた男が逮捕されました。
不同意わいせつの疑いで逮捕されたのは、神奈川県茅ケ崎市に住む自称・団体職員の男です。
静岡県細江警察署の調べによりますと、男は、新東名高速道路下り線を走行中の横浜発名古屋行きの高速バスの車内で、20代女性にわいせつな行為をした疑いがもたれています。
警察によりますと、女性から「痴漢をされている」と110番通報があり、その後立ち寄った浜松サービスエリアの駐車場で、現行犯逮捕した、ということです。

(静岡朝日テレビ「「痴漢をされている」被害者が110番 走行中の高速バスで20代女性にわいせつ行為か…53歳男を逮捕 静岡・細江警察署」(2024/2/19)を引用・参照の上、適宜修正。)

~不同意わいせつ罪の新設〜

(不同意わいせつ)
第176条 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は……6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七(略)
八(略)
2(以下2項、3項は略)

不同意わいせつ罪は、2023年(令和5年)の刑法改正により大きく規定を改めました。
176条1項の柱書において「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」と被害者の有効な同意がない状態を条文化するとともに、そのような状態を作出する行為等を各号に(例示)列挙しています。
本件では、被害者女性自身が110番通報しており、被害時に「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」にあったといえます。
そしてかかる「状態」は、「わいせつな行為」を行ったとされる被疑者の各号該当行為によって作出されたと考えられます。
報道内容からは必ずしも明らかではありませんが、走行中の高速バス内での事件であったことから3〜8号要件に該当する行為が行われたのではないかと思われます。
このように、不同意わいせつ罪の規定は細かく不同意状態を作出させる行為等を類型化し、これにより条文も複雑化していることに注意が必要となります。

不同意わいせつ罪で(現行犯)逮捕された場合でも、いわゆる痴漢事例の事件では勾留(逮捕後のより長い拘束処分)されないケースもあり、逮捕後早期の弁護士による身柄解放活動が奏功することも十分にあり得ます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意わいせつ事件を含む性犯罪などを刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
不同意わいせつ事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間いつでも繋がるフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐはお問い合わせください。

(事例紹介)知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして逮捕監禁致傷の疑いで男性ら2人が逮捕【静岡県富士宮市】

2024-03-27

(事例紹介)知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして逮捕監禁致傷の疑いで男性ら2人が逮捕【静岡県富士宮市】

知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして逮捕監禁致傷の疑いで男性ら2人が逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県富士宮市で、知人女性を監禁し暴行を加えてけがをさせたとして、逮捕監禁致傷の疑いで男ら2人が逮捕されました。
警察の調べによりますと、男2人は静岡県東部地区に住む20代女性の勤務先に押しかけ、殴ったり蹴ったりといった暴行を加えた後、女性の腕をつかんで車に押し込み、さらに車内でも女性を殴ってけがをさせた上、車で数時間連れ回して監禁した疑いが持たれています。
女性は頭部や顔に軽傷を負いました。
警察は男2人が容疑を認めているかどうか明らかにしていませんが、男の内1人と女性が知人同士であることから、トラブルの有無も含めて調べを進めています。
(静岡朝日テレビ「勤務先に押しかけ…20代女性に暴行、車に押し込み数時間連れ回したか 20代の男2人を逮捕監禁致傷の疑いで逮捕 静岡県警」(2023/11/14)を引用・参照の上、適宜修正。)

~逮捕監禁致傷とは〜

(逮捕及び監禁)
第220条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
(逮捕等致死傷)
第221条 前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

まず、刑法220条は逮捕罪と並んで監禁罪を移動の自由を侵害する罪として処罰する旨を規定しています。
「逮捕」とは、身体に対する直接的作用を伴う方法によって人の移動する自由を侵害することをいいます。
これに対し「監禁」とは、上記の逮捕以外の方法により移動の自由を侵害することをいうと解されています。
報道の事実をもとにすると、被害者女性の移動の自由は車で数時間連れ回されるという身体に対する直接的な作用以外の方法によって侵害されており、監禁罪が成立することになります。
そして、刑法221条は、逮捕・監禁行為から「傷」害結果が生じた場合には、逮捕監禁致傷罪として処罰する旨を定めています。
本件では、監禁の過程において怪我を負わせられており(事実関係に争いがない限り)監禁致傷罪が成立するものと考えられます。
なお、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とは、傷害罪(刑法204条)と220条との法定刑を比較し、上限下限につきより重い刑により処断するということであり、監禁致傷罪にこれを適用すると「3月以上15年以下の懲役」となります。

〜逮捕監禁致傷事件における刑事弁護士の弁護活動〜

被疑者が逮捕された場合において、弁護活動の第一歩となるのが接見対応です。
警察官により逮捕された場合、検察官がより長い身体拘束処分である勾留を請求するまでわずか48時間しか時間がありません(刑訴法204条1項本文)。
したがって、弁護士は被疑者の留置先を早急に確認し、接見(同法39条1項)を求めた上で、事情を聞き取りこの先の刑事手続の流れ等について適切なアドバイスを為すことがきわめて重要です。
逮捕という早い段階から迅速な弁護活動を受けることのメリットは決して少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、監禁致傷事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
監禁致傷事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)へまずはお問い合わせください。

(事例紹介)静岡県浜松市にて暴力行為処罰法違反で男性が逮捕されたという事件について

2024-03-20

(事例紹介)静岡県浜松市にて暴力行為処罰法違反で男性が逮捕されたという事件について

当ブログは、静岡県浜松市にて発生した、男性が交際相手に対し刃物で脅したとされる暴力行為処罰法違反事件について、報道内容をもとに成立する罪や弁護活動などについて検討しているブログです。

【事例】

交際相手の女性を刃物で脅したとして、浜松市に住む30代の男が18日、逮捕されました。

暴力行為等処罰に関する法律違反の疑いで現行犯逮捕されたのは、浜松市中央区に住む自称・介護職員の36歳の男です。
警察の調べによりますと、男は18日午後6時ごろ、静岡県西部に住む交際相手の20代の女性の家で、女性とトラブルになり、「殺す」などと言いながら、刃物で脅したと疑いが持たれています。
女性が「彼氏ともめている」と通報、現場に駆けつけた警察官が男を現行犯逮捕しました。

「「殺す」…交際女性を刃物で脅したか 36歳の男を逮捕 浜松中央警察署」2024年3月20日13:38配信 (株)静岡朝日テレビ 引用

【暴力行為処罰法とは】

暴力行為処罰法は、正式名称を「暴力行為等処罰ニ関スル法律」と言います。
暴力に関する罪、例えば暴行罪や傷害罪、脅迫罪などの罪は刑法で定められていますが、集団で暴行したり、凶器を用いてそれらの罪を犯した場合、より重い刑事罰が科せられることになります。
今回の報道によると、男性は被害女性に対して刃物を用いて殺すと脅したとされています。
今回問題となる条文は以下のとおりです。(暴力行為処罰法は文語体カタカナのため、平仮名に置き換えています。)

刑法222条1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

暴力行為処罰法1条 団体若は多衆の威力を示し、団体若は多衆を仮装して威力を示し又は兇器を示し若は数人共同して刑法…第208条、第222条又は第261条の罪を犯したる者は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処す

今回の報道の事例の場合、まず「殺す」などと人の生命・身体に害を加えるように脅迫した場合、脅迫罪に問われる可能性があります。
罰条は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
そして、その際男性は刃物を示したとされています。
暴力行為処罰法は、凶器を示して刑法222条(脅迫)の罪を犯した場合、暴力行為処罰法に違反します。
罰条は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

当然のことですが、凶器を示して脅迫する行為は、被害者にとって通常の暴力行為以上に不安を覚えることになります。
そのため、この罪を犯した場合には通常の脅迫罪以上に厳しい刑事処罰を科せられることになります。

【暴力行為処罰法違反での弁護活動】

今回の事例のような暴力行為処罰法違反事件の場合、加害者が被害者の住所や連絡先を知っていて証拠隠滅の恐れが高く、再犯の(場合によっては実際に死傷させてしまう)おそれもあると評価され、逮捕・勾留される可能性が高いと言えます。
そのため弁護士は、
・釈放を求める弁護活動
・終局処分(不起訴・略式起訴・正式起訴といった検察官の判断や刑事裁判での減刑)を求める弁護活動
を行うことが考えられます。

一般的に、暴力行為処罰法違反の事件では、特に被害者との示談交渉が重要になります。
被害者は、同じような被害に遭うことを不安に思っていると考えられます。
そのため、示談交渉に際しては弁護士が代理人として間に入り、加害者が被害者と接触を禁止する、接触した場合の違約金の約定を設けるといった対応が必要となると考えられます。
また、被害者と加害者が居を同じくしていた場合、被害者の転居先等を知らせないため、私物を一旦弁護士事務所に送って加害者宅に転送する等、細心の注意を払う必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまでに暴力行為処罰法違反を含め数多くの暴力事件に携わってきました。
静岡県内で暴力行為処罰法違反などの刑事事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で法律相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留された場合は初回接見サービス(有料)をご利用ください。

(事例紹介)飲食店の店長が売上金を着服か、静岡県藤枝署が男を業務上横領の疑いで逮捕

2024-03-13

(事例紹介)飲食店の店長が売上金を着服か、静岡県藤枝署が男を業務上横領の疑いで逮捕

着手金0円から 明確な報酬体系

静岡県藤枝署が男を業務上横領の疑いで逮捕したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

静岡県警藤枝署は、飲食店従業員の男性を業務上横領の疑いで逮捕しました。
警察の調べによりますと、被疑者は当時店長として勤務していた静岡県藤枝市の飲食店で、売上金5万7000円を着服した疑いが持たれています。
警察によりますと、被疑者はその後、店に来なくなった、ということです。
警察は被疑者の認否を明らかにしていませんが、余罪も調べる方針だということです。
(静岡朝日テレビ「飲食店の当時の店長が売上金5万7000円を着服か…46歳男を業務上横領の疑いで逮捕 警察は余罪も捜査 静岡・藤枝市」(2024/2/11)を引用・参照の上、適宜修正。)

~業務上横領について〜

(横領)
第252条 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2(略)
(業務上横領)
第253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

業務上横領罪(刑法253条)とは、横領をした者の占有が業務上のものであることから加重処罰される特別類型です(刑の上限が5年→10年)。
これは、単純横領罪(252条1項)に比べて所有権を保護する特別の必要から業務者に特別の義務を課したものです。
したがって、「業務」性が認められるかどうかが、刑の重さの点も含め重要な要件となります。
判例・通説上、「業務」とは、人が社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務のうち、他人の物を占有・保管することを内容とする事務をいうと解されています。
本事例では、被疑者は事件当時飲食店の店長の地位にあり、このような店長という地位は当該飲食店に対して包括的な事務を行うことが想定されているのが通常と考えられます。
よって、被疑者は当該飲食店の売上金を占有・保管する事務を行うことも包含する地位にあったといえ、業務上横領罪によって逮捕されたものと考えられるでしょう。

〜業務上横領事件における刑事弁護士の弁護活動〜

本件では、業務上横領の疑いで逮捕されるに至っていますが、横領事件における身柄事件はどのような経緯をたどることになるのでしょうか。
司法統計上、横領事件は逮捕されてしまうと、窃盗事件などに比べ勾留(プラス10日間の身体拘束)される可能性が高いと言われています。
もっとも、必ずしも勾留延長(上記勾留からさらに最大10日間の身体拘束:刑訴法208条2項)されるとは限らないことから、事案に応じて身体拘束の見通しを把握することが重要と言えます。
また、起訴されるかどうかに当たっては、財産の被害を回復し示談を成立させているかがどうかが重視されることから、示談を成立させることが主要な弁護活動の一つになると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務上横領事件などの刑事事件を専門的に取り扱っている弁護士が所属する法律事務所です。
弊所には、業務上横領事件も含めた財産犯事件に関する弁護活動を経験を豊富に有する弁護士が多数所属しています。
業務上横領事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応している弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル(0120-631-881)へまずはお電話ください。

(事例紹介)静岡県伊豆の国市内において特殊詐欺(サポート詐欺)事件が発生し警察が捜査

2024-03-06

(事例紹介)静岡県伊豆の国市内において特殊詐欺(サポート詐欺)事件が発生し警察が捜査

着手金0円から 明確な報酬体系

静岡県伊豆の国市内において特殊詐欺(サポート詐欺)事件が発生し警察が捜査しているケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

静岡県伊豆の国市の70代男性がパソコンを使用中、画面に「セキュリティに問題あり、すぐに個々に電話してください」と表示された。
表示された電話番号に電話をかけると、パソコンのセキュリティソフトの名目で電子マネーを請求された。
その後、複数回にわたり電子マネーを購入し、電話の相手にコード番号を伝えて、利用権を騙し取られた。
(静岡県警察「特殊詐欺(サポート詐欺)事件の発生【伊豆中央署】」(2024/1/16)を引用・参照の上、適宜修正。)

~電子マネーの利用権の詐取〜

(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

本件における詐欺の手法は、パソコン等を使用中にモニターに突然「セキュリティに問題が生じた」「ウイルスに感染した」などという嘘の画面を表示させ、主としてパソコン等の電子機器に疎い高齢者の不安につけ込み、金銭等を騙し取るというものです。
今回のケースでは、被害者に電子マネーを購入させており、刑法246条2項の詐欺(利得)罪が成立するものと考えられます。
利得罪とは2項犯罪とも呼ばれ、いわゆる「財物」(有体物)を客体とするものではなく、財産上の利益を不法に取得する犯罪を指します。
本件では、被害者は「欺」かれてセキュリティソフトの料金を支払わなければならないと誤信させられ、電子マネーの購入するように仕向けられています。
そして、電子マネーのコード番号を知らせてしまっており、これにより詐欺を行った被疑者が電子マネーの利用権という「財産上の⋯⋯利益」を得ていることになります。

〜詐欺事件における刑事専門の弁護士の弁護活動〜

警察によれば、本件では70代の老齢の男性が被害者となり、電子マネーの利用権を詐取されたようです。
このようなケースはサポート詐欺などと呼ばれ、特殊詐欺の一類型とされています(特殊詐欺における全認知件数の1割近くがこのような手法を採っているとも言われています)。
本件において被疑者が逮捕・勾留されれば、特殊詐欺事案として重い刑事罰が科される危険性があることは十分に認識しておかなければなりません。
(身体拘束が続いたまま)起訴される可能性も高く、その場合の身体拘束からの解放手段として保釈の検討は欠かせないでしょう。
保釈(刑訴法88条以下)においては、逃亡のおそれは保釈保証金による担保によって(権利)保釈の要件とはなっていないことから、弁護士としては罪証隠滅のおそれがないことを中心として保釈が認められるような具体的な要件検討が重要になってきます。
保釈一つとっても弁護士(弁護人)の技術・経験・専門性によってその時期や許否が変わってくる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件などの刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
特殊詐欺事件は高度な組織化・社会問題化を背景に厳罰化が著しい犯罪類型です。
詐欺事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間/365日通話可能の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)へまずはご連絡ください。

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