Archive for the ‘財産犯罪’ Category

静岡市葵区内の書店で万引き 被疑者を逮捕

2023-09-27

静岡市葵区内の書店で万引き 被疑者を逮捕

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が静岡市葵区内で発生した万引き被疑者の逮捕事例にいて解説致します。

【事例】

万引き被疑者の逮捕【静岡中央署】

6日夜、静岡市葵区内の書店でコミックを大量に万引きした住居不定、無職の男(23)を逮捕しました。

引用: 静岡県警察ホームページ 事件・事故速報 9月6日「万引き被疑者の逮捕【静岡中央署】」
https://www.pref.shizuoka.jp/police/about/kohomemo/2005898.html

【解説】

1 万引きはなに罪になる?

結論から言いますと万引きは、盗んだ対象や金額に関わらず窃盗罪に該当します。
窃盗罪が成立し有罪となった場合、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。

窃盗罪は刑法235条に次のように規定されています。

刑法235条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

2 窃盗罪の成立要件

「他人の財物を窃取」すること
「窃取」とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己又は第三者の占有に移転することを意味します(判例・通説)。

「占有」とは、持ち主に関係なく財物を現実に支配していることをいい、財物の持ち主を指す「所有」とは意味が区別されています。

以上のような「窃取」という行為が一般的に万引きと呼ばれています。

3 今回の事例の場合

今回の事例では、静岡市葵区内の書店のコミックという「他人の財物」を万引き(「窃取」)したことにより窃盗罪が成立しています。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が静岡市葵区内で発生した万引き被疑者の逮捕事例について解説致しました。
万引き事件のような被害者のいる犯罪では、被害者との示談や被害弁償をしたか否かが、警察の捜査、検察官の起訴・不起訴の判断、裁判所の執行猶予や減刑の判断に大きな影響を及ぼします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
万引き事件の経験も豊富な弁護士が所属しております。

とりわけ書店での万引き事件については、昨今の出版業界の厳しい現状もあり、厳しい刑事処罰を求める店舗が多く、「本社の方針で示談はしないことになっている」「被害品の買取には応じない」などの姿勢を示される場合が多く、弁護人は被疑者の反省の意思や手続きの流れ、示談の内容などについて丁寧に説明を行い、示談を前向きに検討して頂くよう示談交渉を行うことになります。
ご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。

24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)

少年が特殊詐欺事件で逮捕

2023-09-06

少年が特殊詐欺事件で逮捕

静岡県清水市にて少年が特殊詐欺事件で逮捕されてしまったという報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が検討いたします。

事案

清水警察署は、詐欺の疑いで御殿場市の無職少年A(17)を逮捕した。
逮捕容疑は、何者かと共謀して静岡市清水区の無職女性(73)宅に区役所職員や金融機関職員を名乗って「健康保険料の戻りがあるため振り込みたい」「キャッシュカードが古く作り替える必要がある」などと電話をかけた後、金融機関職員を装った少年が女性宅を訪れ、キャッシュカードをだまし取った疑い。
同署によると、不審に思った女性が金融機関に確認し詐欺と発覚した。

(静岡新聞「カード詐取容疑 御殿場の17歳少年逮捕 清水署」(2023913)を引用・参照。)

~何者かとの共謀による特殊詐欺~

本事案では、被疑者である少年が共犯者と共謀し、健康保険料の返戻金が得られるなどと嘘をつき高齢の被害者からキャッシュカードをだまし取った行為が詐欺罪にあたるとして逮捕されるに至っています。
刑法は、246条1項において「人を欺いて財物を交付させた者」を、詐欺罪として処罰する旨の簡素な規定を置いています。
上記規定の文言のみからは必ずしも明らかではありませんが、詐欺罪が成立するためには「欺罔(ぎもう)行為→錯誤→交付行為→受領行為→財物の移転」という経過を辿る必要があると解されています。
いわゆる特殊詐欺では、架け子が「欺もう行為」を行い、これによって「錯誤」に陥った被害者から、受け子が「交付行為」を受けて目的の財物を「受領」するなど、1個の詐欺行為を共謀(刑法60条)して行うことに特徴があります。
本事案でも、氏名不詳者が区役所職員や金融機関職員を名乗って「健康保険料の戻りがあるため振り込みたい」「キャッシュカードが古く作り替える必要がある」などと電話をかけるという「欺もう行為」を行い、これによって被害者は上記事項につき「錯誤」に陥っています。
そして、その後(のちに逮捕された)少年Aさんが金融機関職員を装い被害者宅を訪れ、錯誤に陥った被害者からキャッシュカードの「交付」を受け、もって「受領行為」を行い「財物の移転」が完了しています。
このような行為を共謀(刑法60条)して行っている以上、直接には「欺もう行為」等を行っていない受け子である少年Aにも詐欺罪が成立しうることになります。

~弁護士による逮捕された方への接見~

逮捕されてしまった場合に、まず何よりも重要なのは早期の弁護士による接見です。
刑事訴訟法は、「身体の拘束を受けている……被疑者は」、「弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者」と「立会人なくして接見」することができる旨を定めています(39条1項)。
つまり、逮捕直後の捜査段階において被疑者と接見できるのは、原則として弁護士だけであり、一般の方は接見(面会)することはできません。
したがって、逮捕されてしまった場合には、その不利益(少年であれば学校生活に対する事実的な影響を含む)を最小限化するためにも、いち早く弁護士による接見を要請することが肝要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含む刑事事件のみを専門にしている法律事務所です。
詐欺事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

【年金不正受給】窃盗・詐欺事件の裁判例等を紹介

2023-07-19

【年金不正受給】窃盗・詐欺事件の裁判例等を紹介

年金の不正受給に関する窃盗・詐欺事件の裁判例等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案

死亡した親子の年金458万円を不正に引き出したとして、窃盗と詐欺の罪に問われた被告人に対し、静岡地裁浜松支部は「懲役3年6月」の判決を言い渡した。
判決によると親子が亡くなった後、共犯者と共謀し、親子の口座から現金を繰り返し引き出した。
また、掛川市と愛知県豊橋市の自動車販売会社3社から車3台(販売価格約325万円)をだまし取った。
被告人は同親子の死体遺棄容疑で逮捕されたが、嫌疑不十分で死体遺棄罪では起訴されていない。
(中日新聞「年金不正引き出し、懲役3年6月判決 地裁浜松支部」(2021/1/21)を引用・参照。)

~年金の不正引き出し等の罪責について~

(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

本事案では、被告人と共犯者が共謀し、死亡した親子の口座から現金を繰り返し引き出した行為に関する罪責が問われています。
一見すると詐欺のような事案に思えますが、上記行為は窃盗罪に該当することになります。
窃盗罪とは、他人の意思に反して他人の財物の占有を移転させる犯罪です。
本事案では、何ら権限もないのに無断で死亡した親子の口座から現金を引き出しており、これはその財物の占有を占有者の意思に反して自己(又は第三者)に移転させていることから「窃取」行為に当たることになります。
ここで注意すべきなのはここで窃盗の客体となる現金という「財物」を占有しているのは、銀行(正確には銀行内の現金の占有権原を有する支店長等)であるということです。
したがって、本事案では銀行を被害者として上記行為に窃盗罪が成立することになります。
なお、本事案で詐欺に問われているのは、上記行為とは別に自動車販売会社から自動車を騙し取った行為であり、これが詐欺罪に該当することは比較的明白でしょう。

~年金不正受給事件における弁護活動等~

本事案では、被告人に対して「懲役3年6月」という実刑判決が下されています。
このような執行猶予なしの実刑判決が下されるケースと執行猶予判決となるケースには、どのような違いがあるのでしょうか。
以下では、年金の不正受給に関する他のケースを紹介します。
死亡した母親の死亡届を提出せず、年金約130万円を不正に受給したとして、死体遺棄および詐欺の罪に問われた被告人に対し、静岡地裁沼津支部は「懲役2年4月」「執行猶予3年」の判決を言い渡しています(静岡新聞「母の遺体を自宅に放置 年金不正受給に有罪」(2022/11/9)を引用・参照)。
本事案と執行猶予の付いた上記のケースでは、年金の不正受給に関し被害額が大きく異なるという点がまず挙げられるでしょう。
また、本事案では、別途詐欺行為がなされており、死体遺棄では不起訴になっているとはいえ、別の主体に財産上の法益侵害を生じさせている点もまた量刑を異にした相違点といえるでしょう。
このように一口に年金にまつわる不正受給事件といっても、事案により量刑は様々であり、専門知識と経験を有する弁護士によるアドバイスが必要不可欠といえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗・詐欺事件を含む刑事事件のみを専門にしている法律事務所です。
窃盗詐欺事件で逮捕・起訴された方やそのご家族等は、24時間いつでも対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。

静岡県裾野市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

2021-12-09

静岡県裾野市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

万引き窃盗罪)などの犯罪が発覚して逃走するために暴力を振るった場合、非常に重大な事後強盗罪へ発展する可能性とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県裾野市在住の無職Aさん(54歳)が、夜遅くに市内のス―パーで食料品等を万引き窃盗)したところ、店員Vが万引き窃盗)に気付いてAさんに指摘し、Aさんを取り押さえようとしたところ、Aさんはポケットから折りたたみナイフを取り出して、Vさんの腕を浅く切りつけ、Vさんが身を引いたことに乗じて駐車場に止めてある自動車で逃走しました。
Vさんは、すぐに静岡県警裾野警察署に被害を訴え、警察は事後強盗致傷罪の疑いでAさんの行方を追っています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、令和元年12月15日、千葉県四街道市のコンビニエンスストアで、万引き窃盗)して逃げた男が、追いかけてきた店員の男性を刃物のようなもので刺した事後強盗事件をモデルにしています。
警察によると、15日午後4時すぎ、四街道市のコンビニの女性店員から「万引きの犯人が逃げようとしている」と110番通報があり、被疑者は、商品を盗んで逃げ、追いかけた男性店員が店の外で捕まえようとしたところ、突然、被疑者が店員の上半身を刃物のようなもので刺したとのことでうが、幸い、刺された店員は、病院に搬送されたが命に別条はないとのことです。
逃げた被疑者の男は60代から70代くらいで、警察は防犯カメラの映像などをもとに、逃げた男の行方を追っています。

【強盗と事後強盗】

通常、「強盗」とは、暴行または脅迫を用いて他人が反抗することができない状態にさせ、その反抗抑圧中に財物を奪うことを意味します。

強盗における暴行または脅迫は、社会通念上、客観的に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものである必要があるとされており、逆に、個々具体的事案における被害者の主観を基準とするものではないとされています(判例)。

上記刑事事件例は、通常の強盗とは異なり、万引き窃盗)犯が、店員や・警備員・保安員などの追及を逃れるために暴行を加えて財物を奪ったという事案であり、これは刑法第238条の事後強盗に該当します。

具体的には、窃盗を行った者が、財物を得た後で取り返されることを防いだり、逮捕を免れたり、罪跡(証拠)を隠滅するために、暴行又は脅迫を加えた場合、通常の強盗と同じ罪となります(事後強盗、刑法第238条)。

判例によれば、窃盗罪の犯人が、犯行を目的して追跡してきた者による逮捕を免れるために暴行を加えた時、事後強盗罪が成立するとされており、窃盗の既遂後、窃盗現場から1キロほど離れた場所において、窃盗から30分ほど経過した後に、犯人を追いかけてきた被害者に対して、盗品を取り戻されまいと暴行を加えた場合にも、全体から見て、窃盗の機会の延長線上で行われた暴行と言えると判断し、事後強盗罪の成立を認めた判例もあります。

さらに、事後強盗の特徴として、特に店員、警備員や保安員に対する事後強盗のように、財物の所有者という窃盗罪の被害者と、暴行または脅迫を受けた被害者が異なるケースがあります。

当初は強盗罪事後強盗)の疑いで刑事事件化または逮捕されていた場合でも、例えば暴行被害者に対する示談が成立して、被害届の取下げや刑事処罰を求めない旨の合意を得た場合には、検察官は罪状を窃盗罪に切り替えるケースも見受けられるため、重大犯罪である事後強盗刑事事件化または逮捕された場合には、刑事事件の経験豊富な弁護士に速やかに弁護活動を開始してもらうことが何よりも大切です。

静岡県裾野市万引き窃盗)から暴行して事後強盗罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

静岡県静岡市で大学生が給付金詐欺で逮捕

2021-12-01

静岡県静岡市で大学生が給付金詐欺で逮捕

給付金詐欺等に加担した場合の刑事手続とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<事件例>
静岡県静岡市在住の大学生A(22歳)さんは、お小遣い稼ぎのため、給付金詐欺グループに参加し、給付金申請役をリクルートする活動を行っていたところ、静岡県警静岡中央警察署の摘発によって詐欺罪の疑いで逮捕されました。
その後、裁判所によって10日間の勾留決定が決まり、両親を含む第三者の面会を禁止する接見禁止命令が下されました。
Aさんの両親は、面会をしたくてもAさんと面会することができず、刑事事件に強い弁護士弁護を依頼するつもりです。
(フィクションです)

【社会不安の増加に比例して増加する詐欺罪の財産犯罪】

上記刑事事件は、令和2年11月、新型コロナウイルスの影響で収入が5割以上減った事業者らに現金を支給する国の持続化給付金詐取したとして、広島県警が男6人を詐欺罪の疑いで逮捕した事件をモデルにしています。
不正受給に加担した県内の大学生らが少なくとも100人に上り、被害額が1億円を超えるとみられています。
なお、この6人のうち5人が別の詐欺罪の余罪で再逮捕されています。

捜査関係者によると、逮捕された6人の関係先の家宅捜索でパソコンや携帯電話などを押収、解析した結果、大学生ら100人以上が勧誘され、不正受給に加担した疑いがあることが判明しました。
6人は、大学生らに送らせた運転免許証などの個人情報を悪用し、前年より売り上げが5割以上減った個人事業主と偽るための書類をそろえ、6~8月に中小企業庁のホームページから大学生らの名義で給付金を申請し、それぞれ100万円を入金させていたとみられています。
不正受給した100万円のうち、大学生らの大半は報酬として約10万円を受け取り、残りを6人が分配していたと調べが進んでします。

【昨今の特殊詐欺の傾向】

特殊詐欺被害の実態が十分に周知されてきた現在、捜査機関による取締の強化や厳しい処罰が行われていますが、特殊詐欺被害の件数は未だに若干の増加傾向にあるようです。

特に、集団による特殊詐欺グループにおいて、受け子や出し子として最前線で犯行を行う者が、未成年者または20代半ばまでの若い年齢層であることが非常に多く、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所においても、多くの法律相談や初回接見のご依頼を頂いております。

そして、そのような特殊詐欺グループの実態として昨今問題視されている点として、特殊詐欺の人員を調達する「リクルーター」と呼ばれる者が、地域の不良グループや少年の通う学校の他生徒に影響を及ぼして、立場が下の者に対して特殊詐欺への加担を勧誘したり、強要したりするケースがあります。

特に、特殊詐欺に加担することを拒否したり躊躇する者に対して、暴力的な言動で強要したり、時には暴行を振るうこともあり、そのような背景から暴行罪傷害罪で立件した例も見受けられます。

教育心理学的には、特に若者は、他者へ同調して人間関係の安定を図る傾向が強く、特に立場が上の者に対して強く反対することが難しいとされており、地域的なネットワークから疎外されるという強迫観念もあり、意にそぐわないまま特殊詐欺に加担してしまう懸念が強く、このような特殊詐欺の事例では、より一層若者や少年の立場を効果的に代弁することができる、刑事事件少年事件の経験豊富な弁護士に依頼することが大切です。

静岡県静岡市給付金詐欺等の特殊詐欺刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。

静岡県焼津市で会社の現金を不正引出して業務上横領罪

2021-11-27

静岡県焼津市で会社の現金を不正引出して業務上横領罪

勤務先の会社や事務所などの現金や有価証券などを不正に引き出して私的に費消するなど、業務上横領罪に関する刑事事件の概要とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

静岡県焼津市のメーカーに勤める事務員女性Aさんは、会社の消耗品や備品等の購入に使用するための小口現金について、架空の名目で複数回にわたって不正に現金を引き出し、私的に使用していました。
この度、会社内の監査によりAさんによる小口現金の不正引出の事実が明らかになり、Aさんは会社に対して今まで横領した金額などについて話を求められました。
Aさんは会社に対して、できうる限りの賠償を行いたいと思っていますが、会社側は業務上横領罪静岡県警焼津警察署に刑事告訴することも視野に入れて今後の対応を検討すると言っており、今後刑事事件化することになるのかと不安になったAさんは、刑事事件に詳しい弁護士に法律相談に行きました。
(フィクションです。)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にも、勤務先の現金等を不正に引き出したり着服したりする等して刑事事件化の可能性がある、または刑事事件化してしまったとして法律相談にいらっしゃる方がおり、特に3月から4月にかけての新年度での会計監査等の機に発覚することが多いように思われます。

上記刑事事件例は、北九州市小倉南区の病院において、看護課長だった60代の女性が8年にわたり、入院患者の預け金約1660万円を不正に引き出していたこと判明した事案をモデルにしています。
病院では入院患者から日用品代などとして現金を預かることがあるものの、2016年4月に職員から「預け金の管理が規定通りでない」と申し出があり、不正な預け金の引き出しが発覚したようです。
被疑者は、病院側の事実確認に対して着服を認め、2008年以降に患者計37人の預け金約1660万円を引き出していたことが判明し、半額は患者の日用品購入などに使い、半額を私的に流用したようです。

病院は市の指導を受け、引き出し額の全額を被害者に弁済したようで、現在のところ着服をした看護課長に対する刑事告訴被害届の提出は確認できません。

上記事案のように刑事事件化前の段階においては、着服横領金額の全額返金や段階的返金の誓約、その他、被害者に対する真摯な謝罪や再犯防止のための誓約事項を申し出て被害者が合意する場合には、示談が成立し刑事事件化を回避できる可能性が残されており、少数ではありますが、弊所においても事件化前の示談成立により事件化を阻止した成功例がございます。

ただ、被害者が官公庁であったり公務所的性格を有する組織であったり(第三セクターなど)、また私企業でもコンプライアンス方針から従業員による財産犯罪に対して決して示談に応じない会社もあり、これらの被害者に対しては、民事上の問題解決の合意である示談が成立する見込みは非常に少ないため、あくまで被害者に与えてしまった損害を賠償する申し出を行うに留まる場合もあります。

このように、勤務先に対する業務上横領罪刑事事件では、非常にデリケートな示談交渉が求められるほか、特に横領金額について被疑者と被害者の言い分が食い違うことが多くあり、被疑者の認識を超えた多額の金額を損害賠償しろと求められることもあるため、被害者対応はより一層に慎重な進め方が必要とされることもあります。

このように困難な示談交渉や被害者対応が予想される勤務先に対する業務上横領罪刑事事件では、示談交渉に多くの経験を持つ刑事事件弁護士に依頼することが、ベストな結果につながる最善の選択だと考えます。

静岡県焼津市で勤務先の現金などを不正に引き出して業務上横領罪等で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

静岡県藤枝市でATMから不正出金で逮捕

2021-11-15

静岡県藤枝市でATMから不正出金で逮捕

不正に入手したキャッシュカード偽造カード等によってATMから不正出金した場合の財産犯罪刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

静岡県藤枝市在住の年金受給者Vさんは、ATM窓口で自分のキャッシュカードを忘れたまま帰宅してしまい、その後お金が不正に引き出されていることに気づき、お金を不正引出されたと静岡県警藤枝警察署被害届を出しました。
警察が捜査を開始したところ、Vさんのカードを使用して現金を数回にわたって引き出した30代男性がATMの防犯カメラに写っていたため、警察は男性の身元を特定し、結果、静岡県在住の自称会社経営者の男性Aを窃盗罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは当該キャッシュカードは友人から譲り受けたと供述しており、警察はカードの入手先について調べを進めています。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、令和元年11月5日、コンビニのATMから不正に入手した他人名義のキャッシュカードを数回にわたって使用し、合計40万円を引き出したとして、埼玉県警熊谷警察署が、埼玉県上尾市在住の韓国籍の男性を窃盗罪の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。

このキャッシュカードは埼玉県熊谷市の女性のもので、11月5日ごろに警察官を名乗る男性らに騙し取られた疑いがあり、警察では組織的な犯行とみて調べを進めています。

【カードの不正使用と特殊詐欺の関係】

令和元年8月1日の時事通信社の記事によれば、今年上半期に警察が把握した特殊詐欺の被害額が、昨年同期比約39億8000万円(21.4%)減の約146億1000万円だったとのことです。
認知件数は同735件(8.4%)減の8025件で、キャッシュカードと暗証番号を不正に入手する窃盗事案が半数以上を占めたようです。

警察庁によれば、昨今では、高齢者が高額の現金を引き出すと、金融機関職員の声掛けしたりして詐欺を未然に阻止する機会が増えていることから、特殊詐欺団はキャッシュカード窃盗に切り替える傾向が見られると指摘しており、また、キャッシュカードは一度に引き出せる金額が限られるため、前年度比での被害額の減少につながっているのではないかと分析しています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にもしばしば寄せられる特殊詐欺関係の法律相談または初回接見依頼についても、上記でご紹介したとおり、警察官や金融機関職員を装い、高齢者らに電話で「キャッシュカードが悪用されている」と嘘を言って不安にさせた後で高齢者宅を訪問し、「被害防止のためにしばらく封印して」や「証拠品なので厳重に保管して」等と言って、封筒にカードと暗証番号を書いた紙を入れさせ、相手の隙を見て別のカードが入った封筒とすり替える手口が頻繁に行われているようです。

こうした手口は、成立する罪名は窃盗罪ではあるものの、特殊詐欺グループによる特殊詐欺の手口の一つであり、警察庁では特殊詐欺関係の統計に計上しているようで、上半期は認知件数1393件、被害額約20億円と、いずれも昨年1年間の数字を上回っています。

刑事上の法定刑においては、罰金刑との選択系である窃盗罪より懲役刑のみの詐欺罪の方が重いと言えますが、上記のとおり、このような窃盗行為は事実上は組織的で悪質な特殊詐欺の一部であり、警察および検察官の捜査は非常に厳しいものとなります。

また、キャッシュカードクレジットカード等の不正利用による財産犯罪では、被疑者の犯行が複数回重ねられて余罪が多数あることもしばしばあり、被疑者の感覚として、いつ、どこで不正に入手したカードで、どのくらいの額を引き出したかについて詳細に記憶していない場合も多く、逮捕後の取調べで「覚えていない」「記憶にない」等と供述することにより、捜査機関側から罪証(証拠)隠滅のおそれがあると見られてしまう可能性もあるため、慎重な捜査対応が必要です。

静岡県藤枝市ATMから不正出金して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

静岡県三島市で店頭でのトラブルで器物損壊罪

2021-11-11

静岡県三島市で店頭でのトラブルで器物損壊罪

店頭で店員との口論などから生じたトラブルにより暴力を振るい、器物損壊罪等の刑事事件に発展するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

静岡県三島市在住の年金受給者Aさんは、市内のコンビニ店に立ち寄り、会計を済ませる際、コンビニ店員からレジ袋が有料だと聞かされ納得がいかず、レジ袋を無料でサービスしろと要求し、その際、苛立ちのあまり店頭付近の菓子棚を殴ってしまいました。
棚は倒れ、商品が散らばったり棚の一部が破損するなどの混乱が生じたため、店員はすぐに警察に110番通報をし、駆けつけた静岡県警三島警察署の警察官によって、Aさんは器物損壊罪および威力業務妨害罪の疑いで現行犯逮捕されました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、令和元年9月18日、コンビニのガラス戸を足蹴りして壊したとして、兵庫県警灘警察署が49歳の会社員男性を器物損壊罪の疑いでを逮捕した事案をモデルにしています。
警察によると、逮捕容疑は、17日午後7時前、神戸市灘区のコンビニにおいて、出入り口のガラス扉を右足で蹴って割った疑いであり、被疑者は事実を認めている模様です。
被疑者男性がコンビニ店を出るときに音がし、直後に足を押さえて立ち止まっていたため、店員が被疑者に近づいて様子を伺ったところ、コンビニのガラス戸が損壊されていたため警察へ通報し刑事事件化したとのことで、被疑者男性は、購入品を袋にまとめる際の店員の対応が不満だったと動機を供述しています。

スーパーやレストラン、コンビニ等における店員に対して、客が横柄な態度をとったり、場合によっては刑事上の犯罪行為に当たる暴行罪器物損壊罪、土下座を要求するなどの強要罪などを行う例が報道され、やがてそのような反社会的な客を称して「モンスターカスタマー」という名もつけられるようになりました。

このようなモンスターカスタマーが店頭で店員に対して犯罪行為を行う背景には、例えば、他の客がいない深夜のコンビニが増加したことや、買物の際に年齢認証などの手続きが必要になり客の手間が増えたこと、さらには昨今のレジ袋の有料化などのように消費者の行動に制限をかける社会状況の変化などがあるようです。

コンビニについて言えば、コンビニ店経営は人件費削減と店舗拡大の戦略的観点から、自動支払いレジや各種官公庁への振込対応など様々なシステムを導入しているところ、特に未成年者に対する酒やタバコの販売禁止のための年齢確認システムについては、客が店員から年齢確認を求められたことに激高し、レジの液晶パネルを壊したとして、器物損壊罪の疑いで逮捕された事案も多く報道されています。

このように、ちょっとしたサービスに対する不満が、積もっていたストレスと反応して、周囲の物にあたってしまい、刑事事件化する例がしばしば見受けられ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所でも多くの相談を承っております。

器物損壊罪を定める刑法261条は、別の犯罪として規定されている、公用文書、私用文書、建造物等を除き、それ以外の他人の物を損壊または傷害した者に対して、3年以下の懲役または30万円以下の罰金を定めています。

器物損壊罪は、刑事告訴がなければ検察官が起訴することができない「親告罪」であり、その弁護活動にあたっては、被害者との示談締結によって告訴を出さない、または取り下げてもらうことが何よりも重要です。

ただし、被害者の目前で物を損壊して現行犯逮捕されたケースでは、被害者の処罰感情が強い傾向がありますので、その刑事弁護については、刑事事件示談交渉の経験が豊富で、示談金や示談条件のノウハウに詳しい刑事事件専門の弁護士にお任せすることが良いでしょう。

静岡県三島市で店頭トラブルによって器物損壊罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

静岡県浜松市で自転車窃盗で逮捕される場合

2021-09-24

静岡県浜松市で自転車窃盗で逮捕される場合

刑事事件化して相談件数が多い自転車を対象とした窃盗罪の様々なケースと逮捕につながる場合、その刑事責任と刑事手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<刑事事件例1>
静岡県浜松市在住の会社員Aさんは、深夜、飲み会の帰りで最終電車を逃してしまったため、徒歩で自宅まで歩いていたところ、民家の塀に立てかけてある鍵のついていない自転車を発見したため、自転車を窃盗し、自転車に乗って自宅へ戻ろうとしました。
ところが、無灯火で自転車に乗っているところを巡回中の静岡県警浜松中央警察署の警察官に呼び止められ、自転車の登録番号を照会した結果、当該自転車がAさんの物ではないと判明したため、Aさんは警察署まで連行され、任意の事情聴取を受けた後、釈放されました。
警察からは、後日また警察へ呼び出すと言われたため、Aさんは自分がどのような刑事責任を負うことになるのか不安になりました。

<刑事事件例2>
静岡県浜松市在住の無職Aさんは、駅前の自転車駐輪場で鍵のついていない自転車や、ダイヤル式のチェーン鍵のみがつけられた自転車を狙って窃盗を繰り返し、塗装などで偽装して盗品と分からなくした上で、盗品の自転車をインターネット上の中古品売買アプリ等を通じて販売していました。
このたび、Aさんが窃盗した自転車を自宅まで押して帰ろうとしたところを、巡回中の静岡県警浜松中央警察署の警察官に呼び止め、自転車の登録番号を照会した結果、当該自転車がAさんの物ではないと判明したため、Aさんは警察署まで連行され、その後窃盗罪の疑いで逮捕されました。
警察の調べでは、自転車窃盗罪の余罪が多数あると見られ、その後、Aさんは10日間の勾留が決定しました。

(※上記いずれもフィクションです)

上記刑事事件例は、令和元年12月17日、4桁のダイヤル式の鍵を開けて自転車を繰り返し盗んだとして、北海道警札幌西警察署が札幌市中央区の会社員の男(26歳)を窃盗罪などの疑いで札幌地検に書類送検した事案をモデルにしています。
警察の送致事実によると、被疑者は今年4月から5ごろ、札幌市内の駐輪場など18カ所で自転車23台(76万6千円相当)を窃盗した疑いがあり、「インターネットで売れそうなスポーツタイプの高級自転車を狙った」と被疑事実を認めている模様です。
5月に被害者が盗まれた自転車がインターネット上で出品されていると警察に相談して刑事事件化したとのことで、警察官が購入希望者を装って男と連絡をとり、自転車を盗品と確かめ、男から任意で事情を聴いて調べを進めていました。
自転車に施錠されたダイヤル式錠について、被疑者は「1桁目の数字を1目盛りずらすと開くことが多かった」などと供述している他、ワイヤーを切断する手口もあったとのことで、警察は窃盗の被害に遭わないよう、ダイヤル式の鍵をかけるときに数字をバラバラにすることや、鍵を二つ以上かける「ツーロック」を呼びかけています。

【様々な窃盗罪と逮捕の有無】

ある犯罪事実が判明した場合に、捜査機関が逮捕に踏み切るかについては捜査機関側に裁量の余地があり、警察の犯罪捜査規範によれば、逮捕権は、犯罪構成要件の充足、その他の逮捕の理由、逮捕の必要性、被疑事実に関する疎明資料の有無、収集した証拠の証明力等を充分に検討して、慎重かつ適正に運用することとなっています。

多くの場合、上記刑事事件例1のような、魔が差して自転車を利用するためだけに窃盗をしてしまったケースにおいては、被疑者が事実を認めている場合には、逮捕に至らず在宅のまま捜査が行われるケースがほとんどです。

このような窃盗罪刑事事件では、被害額がポケットマネー程度で済むこともあり、被疑者が魔が差して窃盗してしまったことを素直に詫びる等、被害者に対して真摯な謝罪や損害の賠償を申し出ることによって、被害者の許しを得ることが十分考えられ、態様が悪質でなく、被害者との示談が成立した場合には、検察官が不起訴処分とする可能性が高いと思われます。

他方、被疑事実を否認していたり、逃亡や罪証(証拠)隠滅の疑いがある場合、上記刑事事件例2のように余罪が多数あるなどの理由で被害金額が高額な場合、被疑者が2名以上の共犯で行われた場合、「置き引き」に近い態様で行われた窃盗行為等については、被疑者が逮捕された例も見受けられます。

このような場合でも、謝罪や被害弁償の意思を示し、逃亡や罪証(証拠)隠滅のおそれが無いことを適切に主張することで身体拘束から釈放される余地がありますので、いずれの事例においても、刑事事件示談の経験豊富な弁護士に依頼することが、迅速かつより安全で強くお勧めいたします。

静岡県浜松市自転車窃盗刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

静岡県静岡市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

2021-09-08

静岡県静岡市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

万引き窃盗罪)などの犯罪が発覚して逃走するために暴力を振るった場合、非常に重大な事後強盗罪へ発展する可能性とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

静岡県静岡市在住の無職Aさん(71歳)が、夜遅くに市内のス―パーで食料品等を万引き窃盗)したところ、店員Vが万引き窃盗)に気付いてAさんに指摘し、Aさんを取り押さえようとしたところ、Aさんはポケットから折りたたみナイフを取り出して、Vさんの腕を浅く切りつけ、Vさんが身を引いたことに乗じて駐車場に止めてある自動車で逃走しました。
Vさんは、すぐに静岡県警静岡南警察署に被害を訴え、警察は事後強盗致傷罪の疑いでAさんの行方を追っています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、令和元年12月15日、千葉県四街道市のコンビニエンスストアで、万引きをして逃げた男が、追いかけてきた店員の男性を刃物のようなもので刺した事件をモデルにしています。
警察によると、15日午後4時すぎ、四街道市のコンビニの女性店員から「万引きの犯人が逃げようとしている」と110番通報があり、被疑者は、商品を窃盗して逃げ、追いかけた男性店員が店の外で捕まえようとしたところ、突然、被疑者が店員の上半身を刃物のようなもので刺したとのことでうが、幸い、刺された店員は、病院に搬送されたが命に別条はないとのことです。
逃げた被疑者の男は60代から70代くらいで、警察は防犯カメラの映像などをもとに、逃げた男の行方を追っています。

【強盗と事後強盗】

通常、「強盗」とは、暴行または脅迫を用いて他人が反抗することができない状態にさせ、その反抗抑圧中に財物を奪うことを意味します。

強盗における暴行または脅迫は、社会通念上、客観的に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものである必要があるとされており、逆に、個々具体的事案における被害者の主観を基準とするものではないとされています(判例)。

上記刑事事件例は、通常の強盗とは異なり、万引き窃盗)犯が、店員や・警備員・保安員などの追及を逃れるために暴行を加えて財物を奪ったという事案であり、これは刑法第238条の事後強盗に該当します。

具体的には、窃盗を行った者が、財物を得た後で取り返されることを防いだり、逮捕を免れたり、罪跡(証拠)を隠滅するために、暴行又は脅迫を加えた場合、通常の強盗と同じ罪となります(事後強盗、刑法第238条)。

判例によれば、窃盗罪の犯人が、犯行を目的して追跡してきた者による逮捕を免れるために暴行を加えた時、事後強盗罪が成立するとされており、窃盗の既遂後、窃盗現場から1キロほど離れた場所において、窃盗から30分ほど経過した後に、犯人を追いかけてきた被害者に対して、盗品を取り戻されまいと暴行を加えた場合にも、全体から見て、窃盗の機会の延長線上で行われた暴行と言えると判断し、事後強盗罪の成立を認めた判例もあります。

さらに、事後強盗の特徴として、特に店員、警備員や保安員に対する事後強盗のように、財物の所有者という窃盗罪の被害者と、暴行または脅迫を受けた被害者が異なるケースがあります。

当初は強盗罪事後強盗)の疑いで刑事事件化または逮捕されていた場合でも、例えば暴行被害者に対する示談が成立して、被害届の取下げや刑事処罰を求めない旨の合意を得た場合には、検察官は罪状を窃盗罪に切り替えるケースも見受けられるため、重大犯罪である事後強盗刑事事件化または逮捕された場合には、刑事事件の経験豊富な弁護士に速やかに弁護活動を開始してもらうことが何よりも大切です。

静岡県静岡市万引き窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

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